※この作品はR-18です。

黒のテスカトリポカ   作:被害者宅

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第四話 鋼鉄

 

翌朝…

 

 

 

「それで、グスタフの魔具ってなんなんだ?」

 

「しっかりと見た事は少ないんだが…"風"を操ってるな。確か」

 

 

城の通路を歩くハイドとスティーブ。

 

気が合った事からすっかり仲が良くなったようだ。

 

 

 

「この階段を降りると牢獄だ」

 

スティーブの案内で、昨夜拘束した敵兵の様子を見に行く。

 

 

「魔法って…道具が無くても発動できるんだろ?大人しく捕まってくれてんのか?」

 

「道具を使うと詠唱などを簡略化できるんだ。道具がないと発動しようとしてるのは直ぐにばれる」

 

 

「ふーん…」

 

 

 

 

「着いたぞ、足元気を付けろよ」

 

 

「あぁ」

 

地下。

薄暗く、壁に牢獄が奥に向かって並んで作られている。

 

 

階段を降りて直ぐの牢屋に、一人の男が拘束されていた

 

 

「口になんか入れてんのか?」

 

「魔法の発動を防ぐためだ、あかりは付けるなよ。他の囚人がうるさくなる」

 

 

 

暗闇俯いた男の顔は見えない。

 

 

「尋問は俺たちの仕事じゃない…元気そうだし、もう戻ろう」

 

 

「全く…こいつのせいで痛い目見たぜ」

 

 

 

スティーブはいち早く階段を登り始めて行った

 

 

 

「なぁ…スティーブ」

 

 

「なんだ」

 

 

「こいつ一人で来たのか?」

 

 

「さぁな…周りにはこいつ一人だったみたいだし…大丈夫だろ」

 

 

「…戦争になるかもな…人間どうしのな」

 

 

「…王はそれを望んでる。俺達ただの兵はそれに従うまで。お前も人くらい殺した事あるだろ」

 

 

 

「さっさと…戻ろう」

 

 

 

 

 

地下から出ると、外の光が眩しかった。

 

 

 

「団長と会ったか?」

 

 

「いや、まだだよ」

 

 

 

「あ、そうだ。この後時間あるよな?」

 

「?雑用も終わったし、仕事が無いなら暇だな」

 

「なら、中庭の訓練場に来てくれ」

 

「何かあんのか?試験した場所だよな」

 

「お前の本当の力を見たい奴が大勢いるんだよ」

 

その言葉に、ついにやけてしまうハイド

 

 

(ここ最近剣をまともに振っていない。身体を動かすには丁度いい…)

 

 

「いいぜ、やってやる」

 

 

 

 

 

 

 

 

外はまだ明るくなったばかり

 

訓練場には多くの人が集まっていた。

その多くが騎士団の人間である

 

 

「で、なにすればいいんだミレラ、スティーブ」

 

なんだか久々に会った気がするミレラがそれに答える

 

「簡単よ、魔具を持った人達と戦って貰うだけ」

 

「…は?」

 

「たった数人よ。実力をはっきり見るだけだしね。スティーブ」

 

「おう」

 

広場の中央に歩み始めるスティーブ

 

「一戦目はお前って事か?」

 

「そうだ、よろしく頼むぜ」

 

 

 

「先にルールを説明しておくわね。

真剣の使用は不可。

魔法の使用可。

魔具の使用可。

相手に一太刀でも入れば勝ち。

擦りは含めない。

相手を殺した場合は負け。

以上よ」

 

 

 

「圧倒的に俺が不利じゃないか…」(負け?)

木刀を受け取るハイド、スティーブ

 

 

「その分努力したんだろ?行くぞ…」

 

木製剣を構える二人

 

死ぬ事は無いだろうがやはり

 

((隙が無い))

 

訓練であっても全力で応戦する。

二人共に真剣だった

 

(俺から行かせて貰うぞ…!)

足に黒い膜が纏い、地を蹴るスティーブ

 

 

 

(来たッ!早い!)

 

 

 

 

腕にも黒い物が纏い出していた

 

 

受け止めるのが不可能だと判断

 

避ける。

 

 

「ッッ!」

 

大振りであって隙の無いなぎ払いを何とかよけるハイド

 

 

(ま、まじか…!)

 

髪が少しかすり、切れていた

 

(前言撤回!)

 

まともに当たれば死ぬ。

 

 

なんとか後方に跳んで距離を取るが

 

 

(攻略法が見つからない!)

 

 

 

「もう一度行くぞ!避けろよ!」

 

 

 

 

「…あぁ!来い!」

 

 

 

 

地面が抉れる程の勢いで向かってくるスティーブ

 

 

見えない連撃

 

 

受け止めず

 

 

小手と剣を使って、勘で逸らしていく。

 

(…こいつ…魔法使えないんだよな?)

 

 

 

「クッ…ソッ!」

 

 

顔、腕に擦り傷ができ始める

 

 

 

(隙を見つけろ!隙を作らせろ!何か…何か)

 

(…!)

 

 

スティーブの攻撃を逸らせてこれたのは

 

その攻撃があまりにも"ワンパターン"だった

 

 

 

『身体強化魔法を使うには集中する必要がある』

 

(こいつはそこに気が付いていない状態ッ!)

 

 

どうにかして集中力を削ぐか

 

見つける事ができた、ワンパターンという隙をつき。

 

正々堂々、正面から一撃を入れるか

 

 

 

 

 

(攻撃を入れた方が俺としては簡単だ!)

 

 

 

 

 

 

そう決断してからは早かった

 

次の一撃をやり過ごした瞬間

 

 

スティーブの懐に潜り込み

 

 

突き。

 

 

 

「もらったぁ!!」

 

 

 

 

勝利

 

 

 

 

 

"当たれば"

 

 

 

 

 

 

「忘れたか?俺には指輪もある…」

 

 

 

 

 

 

擦る。それだけだった

 

 

 

 

「こっちが貰った!」

 

 

 

「うッ…!」

 

 

 

胴に一発。

 

突きを一発、モロに受ける

 

 

 

 

着ていた薄めの鎧が裂ける音が、身体に響き渡る

 

 

 

 

「…ッッ!!」

 

 

 

吹き飛び、受身も取れない

 

 

 

「フゥー。手加減はしといたぜ」

 

 

 

 

 

 

 

 

「……いてぇ」

 

 

 

「生きてるか?生きてるなら次だ」

 

 

 

「…は?…動けるとでも?」

 

 

 

「安心しろ…僕の治癒魔法である程度回復可能だ…」

 

「ホルン…いたのか…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「で?次は誰だよ」

 

「……」

 

 

「"旋風のグスタフ"だ」

 

 

 

 

 

 

 

 

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