※この作品はR-18です。

黒のテスカトリポカ   作:被害者宅

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基本的に書き貯めしてます。
更新速度だけいっちょまえみたいな


第六話 交代

 

 

 

「おいハイド。今月で何本の剣を折った?」

「28本目だ…いつもいいところで折れやがる」

 

ハイドの実力は確実に上がって来ていた。

それはスティーブと真剣で渡り合えるほ

グスタフに近づく事ができる程に。

 

だがいつも、もう少しで勝てるという時に限って、剣が折れてしまう。

 

「スティーブ、お前のその大剣は城の物か?」

「いや、違う。ある鍛冶屋に特別に打ってもらったもんだ」

「ふーん…」

「?」

「言っとくが紹介しないぞ」

「おれがいつ紹介しろつった」

 

 

 

 

王城、中庭。

 

赤獅子王騎士団 団長が死亡した事により、席が空いた。

時期団長が必要だと言う話は当然出てくる。

そして…

 

 

 

 

「皆。わかってるだろうが…」

 

騎士団員達が規律正しく整列している。

 

そして、その前にいる一人の女性

ミレラ•ソーガ。

新団長である

 

「うおぉ…マジかよ。あいつ団長になっちまったよ…」

「まぁ妥当だろ…」

小声でバレないように話ハイド、スティーブ。

 

「団長になるには、実力より統率能力が大きく関わる…今はミレラが一番適任だった…」

「…」

「エイセル団長は実力もあったけどな」

「その言い方はやめろ」

「…すまん」

 

 

 

 

「そして、副団長の座は、ホルン•スリナッチが務める事になった!」

 

「これも妥当だ…」

「おう…」

 

 

 

 

数十分

 

着任式は終了する

「おい。ミレラ!」

「ハイド、サボらなかったか」

「俺をスティーブと一緒にするな」

「いやお前の隣にいたけど」

「いたのかスティーブ」

 

「まぁとりあえず…まさかあのミレラが団長になっちまうなんてな。おめでとう」

「俺退散しとくわ…」

「団長の座に付けたのは嬉しいけど…私に務まるだろうか…」

「まぁ明るく行こうぜ…今は団員達には光が必要だ。暗いと士気が落ちまう」

「…うん…うん、そうだな」

 

 

 

 

 

 

「おいスティーブ。どこ行ってたんだ?」

「どこでもいいだろ…それよりだ。お前も昇格するかもだぞ」

「え?なんでだよ」

「ホルンが副団長になって幹部の座が一つ空いたからだ。これでやっと魔具がもてるな」

「わかってて言ってるのか?今すぐ殴りたい」

 

「すまんな…だが一応魔具の"階級'について説明しとくぜ」

「おう」

 

 

 

魔具の形は様々。

効果も様々。

 

だが、中には明らかにずば抜けて強力な魔具がある。

それを分別しやすくするため、"階級"がある。

 

いろいろな条件が関わるが

三級魔具

二級魔具

一級魔具

などにして分けられている。

 

「俺が持っている指輪は二級。現団長が持っている腕輪は二級。

グスタフが持っている布は一級。古団長が持っていたのは一級」

 

「説明ご苦労様。けど俺には関係無いことだ」

「そんな怖い顔すんな」

 

他人から見ればハイドが怒っているように見えるだろう。

実際、わざと怒っているようにしている。

しかし、彼は内心。"吹っ切れていた"

 

もう魔法には憧れなど持っていない。

心の底から、そう思っている。

 

「倉庫を漁れば、三級もあるだろうな…」

「保管してるもんなのか…」

「まぁな」

 

 

 

「…まてよ…ホルンの魔具も見たことないぞ」

「実は俺も知らん。常に持っている杖かと思ったが、違うらしい」

「隠してるのか…」

 

 

 

 

地下、牢獄。

 

「あれ、ホルン副団長殿。今日も来たのですか」

「あぁ…だが今日は捕虜を見に来たんじゃない…」

「?」

「君だよ。ここに、エイセル団長が来た事はあるか?」

「……」

「答えるんだな。頭痛は嫌なんでな」

「…あります」

「それは何時だ?この男と話していたか?」

「エイセル団長が消える前日に…話は聞きませんでした」

「へぇ、君優秀だな。ありがとう」

 

ホルンの背中に敬礼する兵士。

 

(…エイセルさんは捕虜と話して…何かを知って、東に向かったんだ…)

(エイセルさんの仇は、このホルン•スナリッチが取る!!)

 

 

 

「で?俺にどうしろと」

珍しくハイドの自室を訪ねてきたホルン

何かと思えば頼み事だった。

「あの男の口を開いて。お前が奴と話をするんだ」

「なんで俺なんだ?」

「……特に理由はない」

「本当かよ?まぁいいや。早速行こう」

 

 

 

 

騎士団団長。個室。

 

「はぁ……」

山済みの書類

 

覚える仕事は山ほどある。

「きつすぎ…もう眠たい……」

正直、続ける自信はなかった。

 

「………」

「明るく……か」

 

 

 

 

 

 

 

 

「男の口の拘束を外す。詠唱を唱えだしたら迷わず殴れ」

「おう…外してくれ」

 

拘束された男の両脇にいる兵が、男の口の拘束を取る。

 

「……」

「……」

 

 

捕虜の顔に密着するように寄る。

今にでも鼻に齧りつけそうなほどだ。

 

「名前は?」

「…答えはせぬぞ」

男の声を聞いたのは、その場にいた者達が始めてだった。

 

「あっそ。交渉終わりだ。首か足を切り落とそう」

「ハイド。さっきまでのやる気はどうした」

「こう言うタイプは絶対に口を割らない。俺がそうだからよくわかる」

「もういい…僕がやる…」

 

「そうしてくれ」

「待て…」

牢獄から出ようとしたハイドに、男が話かける。

 

 

「貴様に…一ついいことを教えておく…」

「なんだよ?」

「いつまでものんきに暮らせると思わない事だ…すぐに夜は来るぞ…」

「ずっと外に出てないから忘れたのか?朝が来れば昼が来て夜が来るんだぜ?」

 

「夕方は?」

「ホルン副団長黙って」

 

「とにかく……貴様は"我"と同じ匂いがする…覚えておけ…」

 

 

 

 

「…収穫ゼロだぞハイド」

「…いや、そうでも無い…」

「なんだって?」

「捕虜の髭の手入れしてやるなんて…頭も顎もツルツルだったぞ…」

「?手入れなんて誰一人やって無いぞ」

「そう?なら"生えて来ない"のかもな」

「…なるほど。男はもう少し厳重に拘束しておいた方がいいな」

 

 

「人じゃ無いかも…な」

 

 

 

 

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