※この作品はR-18です。

黒のテスカトリポカ   作:被害者宅

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これまた急ぎすぎた気がする


第七話 変化

 

 

 

「おーい!グスタフ!城下町に居るなんて珍しいな!」

 

「団長…スティーブ…ん?鍛冶屋?」

「おっと…気にしないでよ」

城下町を散歩していたグスタフ。鍛冶屋から出てくるミレラとスティーブ。

 

グスタフはなんとなく、察しがついた。

「…なるほど…"プレゼント"…か?」

「まぁ、なぁ?」

「城の剣もただじゃないしね?」

「そうか…じゃあな…」

 

 

 

 

「おいハイド今のが記念すべき30本目か?」

「黙らないとその歯をへし折るぞ?」

「折るのは剣だけにしとけ」

「実質的にお前が折ってるんだけどな」

 

「そういえばハイド。お前幹部に昇格確定らしいじゃねぇか?」

「おう。この前の山賊討伐が決定的だったらしい」

「なら、幹部を強調する…魔具に代わる物が必要だな…」

「?」

「とにかく、陣営防衛部隊隊長だ。おめでとさん」

「ありがとよ」

 

 

 

 

 

王城、通路。

 

「団長!話が!」

「スティーブか。珍しいな。なに?」

「いやーハイドがまた剣折っちまって…」

「はーあ…予備も無いの?」

「はい…それでさぁ…」

「…なるほど…幹部だしね…」

 

 

 

 

王城、会議室。

 

「ハイドが幹部になった事は知ってるな?では…」

 

月一の幹部報告会。

殆どあって無いような物であったが…

前団長が死亡してから、異変が多かった。

 

「団長は現在、重要な任務の最中らしいので、僕、ホルンが会議の進行をとる」

「それでは先ず、最近の魔物に関して。スティーブ」

 

「うっす…最近、外の魔物がかなり凶暴化してる。温厚な魔物も人を襲ってる。理由は不明」

「それで?」

「関連性があると睨んでるのは…噂の域を出ないが、"喋る魔物"」

「それって人語か?」

「あぁ、何の根拠もないが…あとは魔王の復活か」

「魔王がいた時代は、全ての魔物が凶暴だったという記録がある…」

 

ハイドは幼い頃、よく昔の本を読んでいた。

魔物は全て凶暴で人間では敵わないほど強かったと

そして、喋る魔物。これに似た記録もあった。

 

("魔人")

 

魔王になれなかった魔物や、魔物と人の子など、色々と書かれていた記憶がある。

 

(それにしても…暇だな。会議)

 

 

 

 

 

 

「それじゃ、頼んだぞハイド」

「あぁ、行こうぜグスタフ」

「…あぁ…」

 

人語を話す魔物。

突然凶暴化した魔物たち。

 

それを探る。

しかし、どれも"噂"なので、無駄に人員を割くわけにはいかなかった。

 

「無償で近隣の村まで行くハメになるなんてな」

「何か…情報を得れば…"プレゼント"があるかもな…」

「だといいけどな」

 

二人は馬にまたがり城を後にした。

 

「その村までどんくらいで着く?」

「ここをまっすぐ…一時間も掛からないさ…」

 

 

 

 

 

 

 

「特に何事もなく村についたな」

「……行こう」

 

馬の口縄を近くの木に縛ると、村の警備兵に声をかける

 

「この鎧の紋章見れば分かるだろうけど、城から来た者だ」

「騎士団の方ですね、話は聞いてますよ」

 

そう言うと兵は、村の大門を開けるよう、村の中にいる兵に声をかける

 

この村は周りを壁で囲み、魔物の侵入を防いでいる。

 

「半分街みたいなもんだな」

「山の入り口まで…案内を…」

「はい」

 

 

村の市場は人が多く、賑わってはいるが。

この村の住人は少なく、殆どが旅人や商人である。

 

「こちらの坂を登って行けば、山への門があります」

「向こうにも門が?」

「魔物の凶暴化のせいで緊急で設置しました。もともとは無かったんですが」

 

 

「ちょーっと待って下さい!!」

「ん?」

 

山への門をくぐろうとした時

 

村の方から向かってくる一人の女性

 

「揺れてるな」

「……何が?…」

「いや」

 

その女性は息切れしながらも喋り出す

 

「…ゼェ…その、私も…フゥ…連れてって下さい…!」

「なんで?てか名前は?」

落ち着いた女性は冷静に話出す。

「申し遅れました…ごほん…私はローザ=ヴィッターニと言う者です。旅人やってます」

「それが何でついて来るんだ?危険が満載だぜ、ここ」

「私、旅をしながら魔物の研究をしているんです!最近魔物が凶暴化してるじゃないですか?それがどうしても気になって、ぜひお願いを」

 

「言っとくがお前がカエルに飲み込まれても責任とらんからな」

「その紋章、二人とも騎士団の人ですよね!なら安心です!」

「……ハイド、行こう…」

 

 

 

山頂に向け歩き始める三人。

 

この任務はとりあえず、怪しいもんpを見つけるだけである。

「……人語を話す魔物は……山頂付近でよく見かけられてる……」

「え?話す魔物!?大戦時にいたって言う!?」

食いつくローザ

 

「知ってんのか?」

「はい、今は何故か記録に載っていませんが、魔王の配下にいたようですよ」

「魔王復活説が濃厚だな」

「……洒落にならないな……」

 

 

「その"魔人"を探しに来たんですか?」

「…魔人?…」

「はい。そう言われてたようですよ」

 

「いるんだったらさっさと捕まえたいんだが」

「お引き寄せる方法ならありますよ」

「え?」

 

彼女はそう言うと、肩にぶら下げていたカバンから、瓶を取り出した

 

瓶の中身は、黒い液体だった。

 

「なんだそれ」

「世界樹の樹液です」

「世界樹?エルフ達が勝手にそう言ってるだけでただのデカイ木だろ?」

「まぁ、見ていて下さい」

「……いいのか?貴重な物だろう……」

「エルフに知り合いがいるので。ご安心を」

「とにかく山頂に着いてからにしよう」

 

 

 

 

山頂までの道はある程度までは整備されている。

しかし、問題が起きた。

 

「おい、絶壁だぞ」

「……他の道を……」

「探してたら日が暮れますよ。登りましょう」

「道具も無いのにか?」

「苦手ですが。身体強化魔法を使えば楽です」

 

その言葉に少し焦るハイド。

 

「……お先……」

「じゃあ行きましょう」

 

「ちょまって……」

 

勢いよく登って行く二人、それを見つめるハイド

 

(シュールだな)

 

 

「はぁ……」

「登り切ったらすぐ山頂である事を願うよ…」

 

 

 

 

 

 

「ん……空だな…」

「山頂ですよね。あれ、剣を持っていた人は?」

「…彼はハイドだ…遅れてくる」

「?それじゃあ先に、この樹液ぶちまけますね」

「…まぁいいだろう…」

 

 

世界樹の樹液

 

雲を貫くほど巨大な木の樹液。

この樹液は近くにいる魔物を呼び寄せる効果がある。

この理由からか、魔物は世界樹から産まれたという伝説がある。

 

 

瓶の栓を抜き、振るう。

 

(今考えたら、魔物登って来れるのか?)

 

 

「……」

「……」

 

「ギギッ…」

 

「!!」

上を向くと鳥の群れがいた。

 

「こいつらは…?」

「グルルの群れですね。凶暴化してますし、がんばって追い払って下さい」

 

 

【グルル】

 

あらゆる種類の鳥の魔物が混ざり合った。

雑種である鳥の魔物をこう呼ぶ。

 

 

「…大家族だ…」

「早くその大弓で射て下さいよ!」

「必要ない……」

 

 

「!」

鳥達の背後。

要するに上空。

 

雲が渦巻いていた。

 

 

 

「…飛んでけ…」

 

「ギッ…!!」

強い風が吹く

飛んでいる者は簡単に吹き飛んでしまう程の強い風が。

 

「うわ!何これ!?魔法ですか!?」

 

気がつくと、鳥の群れは消え失せていた。

「…こいつらだけか?」

 

 

 

 

「くそッ!もう少しだ……!」

 

目の前の掴みやすそうな岩をに手をやるハイド

 

が、そこにはすでに"手"があった

 

「ん?」

「ん?」

 

真横に人がいた。全く知らない男だ。

 

(いつのまに!?)

 

「……」

「……マジかよ」

 

「いい匂いがしないか?」

 

「何だいきなり」

この時点で大体の察しはついていた

「山頂の方から…」

「……」

 

「…あんた人間じゃないな」

「なんだい?いきなり。失礼だなぁッ」

「"戻って"来てるぞ」

 

その男の顔は、人間の顔では無かった

 

(どうやら樹液をもう撒いたみたいだな…そして…)

 

「 人間に化けれるのか……!」

「ちっ!」

 

男は岩を掴んでいた手を離し、飛びおりる

 

落ちていく男の身体が、徐々に変わっていく。

 

羽が生え、嘴が生え、尻尾が生え、巨大化する

 

「ま、マジで居るのかよ!魔人!」

 

 

急ぎで登るハイドもうすでに終わりは見えている…が

 

「逃が…さぬ!」

 

下から猛スピードで飛んで来る。"魔人"

 

「ヤバイ!」(追いつかれる!)

 

「もう少し!」

 

だが

 

「!!」

 

マントをくちばしで捕まえられ

 

「うお!」

そのまま、山頂まで飛び出る

 

空に向かい、飛んでいくハイドと巨大な鳥

「!」

「…!ハイド…!!」

「何あの魔物!?」

「もしかして…!」

 

一瞬で事態を把握したグスタフは、背負っていた大弓を掴む。

 

「フウゥ!!」

一本の矢に力と"風"を溜める

 

鳥が自分の上に来た瞬間。

 

 

 

 

「さっさと離しやがれ!」

剣を抜き、突き刺すが、鱗に阻止される

「鳥だよな!?」

 

「…全く、気分が悪い。早くこの匂いの元へ行きたいが…」

魔人が喋り出す

「あの弓を構えた男…布を持っているな…」

「!!」

 

 

 

(こいつ…魔具の事を!?)

 

「先ずは奴から仕留める!!」

 

 

 

「「!!」」

 

 

 

魔人のくちばしを貫く、矢

 

「グスタフ!ナイスだ!」

 

 

だがしかし

 

地面に、まっすぐに落ちる

 

(…)

 

地面に激突する瞬間、下から大きな風吹き、衝突を和らげる

 

「こんな事も出来るのか!ぐふっ」

 

 

「来るよ!あの鳥!」

 

「貴ィ様らああぁぁ!!」

 

 

「……跳ぶぞ」

「えっ!?」

 

 

ハイドとローザを掴むと…

 

崖から飛び降りる。

 

「おい!さっきみたいに出来るのか!?」

「…やったことは無いがな」

「高すぎ!」

 

 

「追いつかれるぞ」

「お引き寄せたんだ」

 

 

「全力で射れる」

 

落ちながら 、弓を構え…射る。

 

「!!」

 

目で追えない速さで魔人を貫く。

だけでなく、真っ二つに別れる。

 

「強すぎだろ……グスタフ」

 

 

 

 

 

 

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