「こいつが魔人の死体か」
「あぁ、殺した後、すぐに人型になった」
「人間に化ける魔物ではなく魔物になれる人間か。面倒だな」
「そこらへんに潜んでるかもな」
「ご苦労ハイド。グスタフは?」
「自室で休んでる。力使いすぎたってな」
ハイドは出来るだけ生け捕りがいいだろうと思っていたが。
グスタフはそう思っていなかったようだ。
「それじゃ、今日は休暇にしといてやる。昨日はご苦労だった」
「俺は何もやってねぇよ。グスタフが一人でやったことだ」
あのあと、魔人の死体を分けて担ぎ、城の倉庫の大雑把に置いておいた。
ローザは村に残ったが、すぐに旅に戻ると言っていた
「しかし、凶暴化の原因は分からず仕舞いか」
「ま、そーゆー時期なんだろ。それじゃ。」
「それにしてもまた剣が欠けたな…」
良い剣を探すか…
「戦闘スタイルを変えるかだな」
「つってもなぁ…」
「んー…どうした親父。できそうか?」
スティーブは鍛冶屋に来ていた。
中には大量の剣があり、薄暗い
「安心しろい。俺だって職人だ。依頼受けちまったし作るしかねぇよ」
「おう…頼んだぜ」
「だがな…少しやり方を変えるか」
「?」
「直す事にしよう。ある騎士が使っていた剣がある」
「久々の休暇…やることも無いけど」
自室のベットに横たわるハイド。
「うーん…」
「やっぱ剣でも振っとくか」
「ホルン副団長。いるか?」
「ソーガ団長。僕の研究室に来るなんて珍しいですね。なにか?」
「"王"からの呼び出しが掛かった。行くぞ」
「王が…?ただ事じゃないようですね」
王城、玉座。
入り口の大きめの扉から離れている位置に、玉座。そして王。
王を隣には補佐、兵が立っている。
膝をつき、顔を下に向けているミレラとホルン。
「わざわざ来て貰ってすまないな…団長、副団長よ」
「いえ…王の命ならば何処へでも参ります。さして、ご用件は?」
「……最近変な事が続いておる。先日は、大戦時代の魔人と言うやつと接触したようではないか」
「はい。我が騎士団の幹部が仕留めましたが…それが?」
王は自分の髭をなぞりながら、言った。
「もう、言ってしまうが…
前団長のエイセルの死体が届いたあと、すぐに死体があった付近の情報を探ったんだが……」
「…」
「何も集まらなかった…正確に言うと、探りに行った連中は今だに帰って来ていない」
「と言うことは…もうすぐ一ヶ月近くですね」
「あぁ…東だ東には伝説が多い…理由は分かるな?副団長」
「東には、世界樹や…"魔王の国"があります。伝説は多くて当然ですね」
「そうだ、言ってしまうが。我々、いや、隣国もだが…」
「魔王は復活したと思っている」
「…」
「現実味は湧かないですが…ありえます」
「そして…もう既に集まっている…」
「何がです…?」
「このフレイジアの隣の国…伝説の勇者が生まれたとされる【ヘイムダル】に…」
「"勇者"がいる」
「もう一度魔族との戦争が始まる。我々も"勇者"を作る必要がある」
「あれ、ハイド隊長。今日は休暇では?」
「お、ドーグか。お前も剣の練習か?」
「えぇ…防衛隊で一番弱いのは自分です。剣は振れる時に振らないと…」
「今日やらないと、明日は無いかもしれないか…」
「好きな言葉です。当然の事を言ってるだけですが」
「どれ、俺もたまには他人に剣を教えるか」
「団長。魔王が復活って信じますか?」
「いや…情報がなさすぎる。早とちりだ。多分」
「…やはりあの男からは何か聞き出す必要があります」
「あぁ…やってみてくれ…私は、仕事に戻る」
「はい」
「ハイド隊長は誰に剣を教わったんですか?」
「我流だ。俺の剣術はめちゃくちゃだよ」
「対魔物用の剣術ですか…」
「剣術より体術の方が正しい。自分の身体を盾にする…諸刃の剣みたいな?」
地下、牢獄。
特別牢。
地下牢獄の更に地下。
あらゆる結界魔法が貼られている。特別な牢獄である
「おい、男」
ホルンの声に反応する、鎖で吊るされた男。
「どうやら、お前は子供みたいに口が軽いわけじゃないみたいなんでな…」
「無理やり吐き出させてやる。覚悟しろ」
「フッ……構わない。もう時間は無いからな…」