な、なんで……
どうしてこんな事に……。
「大人しくしていてくださいよ。大丈夫、すぐ終わりますから」
俺がろくに抵抗できなくなっているのを確認したプロメスティンは、なぜか自分が服を脱ぐ時よりも幾らかこなれている気がするまである手つきでこちらのズボンをスルスルと脱がせてきた。
ひんやり、と外気が肌に触れる感覚に身をよじる。それと同時に……自分の性器が露出してしまったということ、他でもないプロメスティンにそれを直視されているという現実に言いようのない羞恥が胸の奥から溢れ出る。
こんな時すら落ち着きはらって様子を観察しているようだった彼女は、平時そのままの声でこう言った。
「ふむ……勃起していないようですね。これはどうした事でしょう」
「あ、当たり前だろ。急にこんな……」
流石に、まだ驚きと困惑が勝っている。
プロメスティンに組み敷かれてこんな妙な空気になるまでまだ一分も経っていないんだ。これでもう既に欲望に男根を怒張させていたなんて事があるほど、まだ俺もこの世界の色に染まってしまったつもりはない。
そうして少しの間、難しい顔をして何かを考えるように黙り込んだプロメスティンは。
「え?」
さっき俺を押し倒した時とは比べ物にならないほど、その顔を俺に近づけて。
「んっ……」
「? ……! っ!?」
ふっくらとしたピンク色の唇が、俺の口に押し付けるように重ねられる。
それだけではない。強引に奪うようなキスは歯と歯の間からねじ込むように舌を入れてきており、瞬く間に俺の口内を蹂躙していった。
「んっ、はぁ……れろ」
「あ……あ、うぅ」
甘く蕩ける唾液の抽送が止まらない。ガツンと頭を殴られたような強い衝撃と矛盾しない、確かな陶酔に浸らされていた事に俺は遅れて気が付いた。
口の中の圧倒的な存在感に危うく息を止めかけてしまった折、空気に露出した時とはまた違うヒヤリとした感覚が下半身を
「む。……少しずつ、硬くなってきたみたいですね」
そう言われて始めて局部を意識した。すると、プロメスティンの手の中でピクピクと反応を始めていた自分のペニスを否が応でも認めさせられるしかなくなった。
いとも簡単に欲情の証拠を示し屹立する肉棒をプロメスティンに見られている。その有り様を改めて認識するだけで……猛烈な気恥ずかしさが心臓を高鳴らせた。
「や、やめろ……見るなぁ……」
のぼせ上がる程の羞恥心に情けなく身をよじらせ、思わず逃げ出そうとする俺に何を思ったか——彼女は掴んだ腕ごと体勢を変え、俺の頭の上で素早く何かを動かした。
「えっ……?」
「暴れられては面倒です。ちょっとだけ我慢していてくださいよ」
ベッドに横たわったまま思わず上を見上げると——俺の腕が、紐で支柱に固く括り付けられていた。
いよいよこれでもう逃げられない。それを理解した俺の中で急速に焦燥感がこみ上げてきたが、既に全てが遅かった。
「あぅ、あ、あぁ〜〜!」
ピチャ、ピチャリと。
「あむ、ちゅっ……」
亀頭をぱっくりと咥え込むようにして舐めながら。反応を確かめるようにこちらを見上げるプロメスティンと、眼鏡越しにぴたり目が合った。
「ぐうっ……あ……!」
恥も外聞もなく、成す術もなく喘ぎ声を漏らしてしまう。この時の俺はその技術の巧拙というよりも——信頼できる大切な仲間である彼女にフェラをさせてしまっているという、ある種の背徳的な状況そのものに強く追い詰められていた。
「んっ、もうガチガチですね。ビクビク脈を打ってて、もうすぐ出そう……」
「あ、あっ……」
ペニスから口を離している間も休むことなく両手を使って刺激を与えられており、サオや玉を揉みしだき続ける手コキの快感に声が漏れるのを止められない。
中でもヌルヌルと迸る先走り汁と唾液がローションのように絡み合って、指で作った輪っかでカリ首をこねくり回される刺激は格別だった。いよいよ限界が近くなってきたという所で——
「あー……んくっ、んっ」
「っ!?!?」
ぐっ、ぽりと。
喉の奥までペニスを咥え入れるディープスロート。亀頭でごりごりと粘膜を抉る感触を不意に与えられた次の瞬間、とうとう目の前が真っ白になって——
びゅくっ! びゅるるっ! びゅううう!!
「あ、ああ〜〜っ!!」
そうして、ついに精液を思いっきりプロメスティンの喉奥にぶち撒けてしまった。
どくどくとペニスの先端から溢れ出る快楽の波。それを一滴たりとも逃すまいと胃の中に送り込むべく瞼を閉じたまま口を離さずにいる少女の顔から、俺はどうしても目を離すことができなかった。
「んっ、く……んふ、ごく。……ふぅ」
「あ、あひ……っ」
すると突然、絶頂の余韻に浸る暇もなく。通常の射精とは明らかに違う、より強烈な倦怠感のようなものが全身を襲った。
両手を縛られているため元から抵抗など出来なかったのだが……そうしようとする気概さえ根底から失われるような、さらに体を蝕まれつつあるような感覚だった。
「これは……聖素によるクリティカル•エクスタスですか。知識としては知っていても実際に見るのは初めてです。興味深いですね」
何やらプロメスティンがぶつぶつと呟いていたが、俺としてはそれどころの話ではなかった。
「あー、すいません。少しだけ聖素が肉体を侵食してしまうかも知れませんが……まあ一晩寝れば治りますし。何より——」
「うう……」
「そう悪い感覚でもないでしょう?」
見事に気をやって前後不覚になるほどぐらついている意識の中、そっと耳元に囁きかけるような声だけがどうにか聞き取れた。
それで何とか再び現実に意識を向け直せるようになってきたと思ったら——どういう訳か、今度はプロメスティンが馬乗りになる形で俺に跨ろうとしているようだった。
「えっ、ま、待って。何を……」
「まだ
そこで、流石に俺もハッとする。
まさかとは思うが、こいつはいわゆる”本番”……までやろうとしているんじゃない、か?
「ちょ、それは……ダメだってっ……」
「いいじゃないですか。ちょうど私の女性としての機能を確認してみたくもありました……しっ、と」
にゅぐっ……。
「あ、ああぁぁ〜〜ッッ!?」
瞬間、先ほどまでの手コキやフェラなどよりも遥かに強烈な快感が局部を襲う。あまりにも呆気なく、あっさりと——プロメスティンの処女を散らしてしまったという事実を認識するまで、さほど時間はかからなかった。
「んっ……ふぅ、なるほど。お腹の中に男性の性器が丸ごと入って……これは不思議な感じですね」
未発達な膣肉は人間の娘ではあり得ないほど簡単に男を受け入れた。官能的に
この手首が縛られていることを除けば——典型的な騎乗位の姿勢。自らの膣内に挿入したペニスを皮膚の上から確認するように優しく撫でる、その手つきさえ堪らない快楽だった。
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──────────……………
──…………
「たはは……まーたトチっちゃった!」
「も、もう……急に引っ張っていかないでよ、フウ……」
ヨロギ村に隣りあう山の奥へと繋がる道。
周辺に住まう人々から”賢者”と畏れ敬われる人物の住居に続く道中を、二人の少年少女が歩いていた。……と言うよりは三つ編みの少女フウがただ手を引き、ロンが有無を言わずに追従させられている、とするのが正しいか。
つい先ほどまでは村への帰り道を全力疾走していた(あるいはさせられていた)二人だったが、一転して元来た場所へとんぼ返りをする羽目になっていた。
というのも、彼らが尊敬する師匠からの依頼をフウが早合点をしたまま家を飛び出してしまったことに端を発している。
『
「そりゃそうよね……お爺さんが突くような杖を作れってんじゃないんだから、どういう物か聞きもしないで作れるわけないじゃない。アンタそれよく気付いたわねぇ〜〜」
「当たり前でしょ、もう……」
引っ付いてわしゃわしゃと頭を撫でてくる相方に少々ゲンナリした様子のロンもさして抵抗する様子はない。彼にとってはいつもの事なのだろう。
と、しばらく歩きながらそうしていたフウだが——不意に首を傾げて、ふと思い出した疑問を口にした。
「それにしても……ジェーンさんって一体何者なのかしらね? ここらへんの人じゃなさそうだけど」
「そ、そう言えばそうだよね。賢者さまがあんなに信用してるのも気になるし……」
これはロンからしても気になる疑問だった。ともあれ判断する材料に未だ欠けるような話題であるため、二人とも気になってはいてもあまり話に花が咲くことはなかった。
そうこうしている内に来た道を引き返し、つい先ほど出ていった小屋が遠目に見え始めた、のだが。
「あ、あぁぁ……また出るっ、あぁぁぁ──!」
「ほらほら、縛られたまま
「「…………………………。」」
木枠の窓の、その下で。
部屋の中から漏れ聞こえる淫靡な声や水音に。二人は息を潜めて座り込み、耳をそば立てていた。
何だ、どういう事だ、どうなってる?? 両手で口を押さえたまま二人して肩を並べて縮こまっている訳だが、それだけに後ろの壁を通して響く音の数々に気付かない振りなどできるはずもない。
数々の疑問符が脳内を駆け巡るも、いずれにせよ答えは明らかである。
セックスだった。
しかも束縛プレイとか、けっこうハードなやつ。
(え、ちょっ……どぅ、あれ、え……!?)
ドッドッドッドッドッ、と。
フウ、普段の飄々とした印象を大きく覆し。めちゃくちゃ顔を真っ赤にしていた。
まあそれはロンも似たようなもんだったが、こちらはこちらで尋常ではない。両目をぐるぐる回して今にも倒れてしまいそうになっちゃっている。
(な、な……何でなのよ!? まだアタシたちが出ていってから10分も経ってないでしょうが!! たった10分でなんちゅーことに……!!)
(や、やっぱりそういう関係だったんだぁ……)
ひーん、と涙目になりながらうずくまるロンからすると全く予想しなかった展開でもなかったようだが、それでも急転直下が過ぎる。
結局のところ、二人ともがこれ以上ないほど狼狽えさせられていた。
「はっ……はっ……」
「ね、ねえフウ……」
「は……?」
少女の息を荒げる音だけが微かに響く無言の空間で、ロンは小声で呟いた。
「僕たちも……いつかああいう事、したりするのかな……」
頬を赤らめて。
潤んだ瞳の、上目遣いで。言ってる事は時と場合によれば殴られてもおかしくない内容だが、恐らく普通ではない事態の下で思わず漏れ出た、ある意味純粋で汚れのない、ピュアな疑問。
(は、)
実を言うと昔から密かに好意を抱いていた幼馴染の少年から、よりにもよってな状況で。
(えっ、ろ……)
「ちょっ、フウ? ……フウ!? なんか凄い鼻血出てるよ!?」
片手で鼻を押さえようとは試みたものの。
早すぎた刺激を受け止めきれなかった少女は、そのまま目を回して気絶した。