こちらは本編20話からの続きとなっております。15.5話から「次の話 >>」を押してこちらに飛ばされた方は、先に本編の方からお読みください。
幾度と無く。
故郷のヨロギ村に根を下ろした一年と少しの間、プロメスティンとは幾度と無く体を重ねてきた。
だけど俺は
「どうしたんですか……? はやく済ませてください……」
そう、この交わりに肝心のプロメスティンは具合を悪くして動けない。すると否が応でもこちらから動くしかないのだが。
「……え? どうすればいいか分からない……?」
「…………。」
すっかり受け身体質が染みついてしまった俺は、こういう事でどうやって手を出せばいいのかが分からなくなってしまったのだ。
情けない奴だと思われるもしれない。だが仕方ないんだ。人外がみんな”ああ”なのかどうかは知らないが、あんな生活を一年も続けてたら人間どこかしらダメになるのは当たり前だろう。
それぐらいプロメスティンとの交わりの日々は刺激が強かった。少なくとも前世を普通に生きていた俺にとっては。
そうでなくても体調を崩した相手に”必要だから”なんて、そんなの無理難題にも程がある。
そんな俺の事をなんとも言えない眼差しでをじっと見てくるプロメスティンだが……自分が人をおかしくした自覚はあるのか、ややあって気まずそうにこう言った。
「まあ……そういう事でしたら。将来あなたがお嫁さんをとる時とか、変な苦労をさせるのも……申し訳ありませんし……すこし教えてあげますから、顔を上げてください……」
「ぐっ」
どうにか声を詰まらせつつもゆっくりと頷く。なんだか物凄く変な事を言われているような気がするが、元はと言えばこっちが無駄にまごついているのが悪いのだと思えばそうするより他にない。
……っていうか、他に嫁を取る時って。そんな事をプロメスティンの口から聞くなんてやっぱり変な気分──…
(……ま、待てよ。それじゃあ俺がまるで)
「いいですか……まず、服を脱がせてください」
「っあ、ああ」
慌てて余計な思考を拭いながら、俺は注意深く彼女の衣服に手を掛けた。
生まれ育ったこの世界の物よりは前世でいう現代のそれに近い、ローブやネクタイをはじめとしたトップス。まずこれを脱がせるのにはあまり手間取りはしなかった。
自分から女の子の服を——それも
「そこを……そう、留め具を外して……」
するすると、脱がせる布の面積に反比例して露わになっていく白い肌。滑らかな生足。
散々体を重ねておきながら何だという話だが——今までの情事は押し並べて半ば一方的なものだったため、それらを改めてゆっくり見る機会というのは実の所無かったのだった。
全く無駄な事だとは理解しつつ極力目を逸らしながら下着に手を伸ばし、震える手つきで少しずつ下にずらしていく。
そうして暫く——ベッドの上には、眼鏡を除いて生まれたままの姿でぐったりと横たわるプロメスティンだけが居た。
「うぐっ……」
もう見慣れたと言っても過言ではない身体——ただいつもと決定的に違うのは、俺が上に覆い被さるように、プロメスティンを下にしている所だった。
ずっと今まで搾り取られるようなセックスしかしてこなかったからか、普段とのギャップで不覚にも余計に興奮してしまったかもしれない。
「……触ってみますか?」
「えっ」
食い入るように見ていたのがバレたのか、そんな事を明け透けに言われた俺はハッと我に帰った。
「前戯の必要がない天使の体ですが……貴方も色々と経験しておいて損は無いでしょう、折角ですし……さ、どうぞ」
迎え入れるように両腕を広げてくる。俺はごくりと生唾を飲み、震える手で膨らみかけの胸を触った。
「う、おっ……」
未発達な乳房はそれでも手のひらに吸い付くほど柔らかくて、ふわふわとした感触がこれ以上ないくらいに心地良い。
…………。
……思わず夢中で揉んでしまった。正直もう少しだけでもこうしていたかったが、依然として顔色の良くないプロメスティンを思う気持ちの方が流石にまだ強い。必要以上に時間をかけまいと次に移ろうとして、胸に当てていた片手を肌に滑らせるように下腹部へと伸ばす。
「ここ、いいか……?」
「どうぞ……んっ」
慎重に、なぞるように秘部を愛撫する。
前戯が必要ない体というだけあり俺が何をするまでもなく濡れていて、既に受け入れる準備は整っているようだった。くちゅくちゅと淫らな音を立てて指を二本も咥え込む割れ目はまるで別の生き物のように動いて、手首から先を通じた感覚さえも背筋に伝わるような快感を錯覚させるほど。
この中に自分のモノを挿入すれば、どれだけ気持ちいいのだろうか——そんな想像が脳内に駆け巡る。
頭の奥からじんわりと滲み出るような期待感を、既に何度も体感した事だといくら言い聞かせても止められない。興奮が最高潮に達し、これ以上辛抱ができなくなった所で、一欠片も余裕が残っていないと自分でも分かる顔で縋るようにプロメスティンの目を見ると——
「うっ……」
——ますます顔色を悪くして堪えていた。
それはもう、冷静とは言えない今の状態でも行為の継続を不安視してしまうぐらいには。
「ほ、本当に大丈夫なのかっ?」
「ちょっと待ってください、失礼して……」
「んぐっ?」
突然、唇に柔らかい感触。
プロメスティンが顔を寄せてキスをしてきた。何をするのかと戸惑っていると、不意に体からほんの少しだけ力が抜けていくような感じがした。
「……精気をちょっとだけ吸わせてもらいました。もう大丈夫です、続きを」
確かに少しはマシになったように見えるが、それにしても。
ふとした弱みを見せられて生じる迷い——が、それも首を小さく横に振って払拭する。
(……そうじゃない。こうまでして身を捧げてくれているプロメスティンの思いに、俺は応えてやらなきゃいけないんだ)
何をするべきかは理解している。お互いこんな格好しておいて何だが、プロメスティンは俺のために腹を括ったんだ。
それならいい加減、こっちも覚悟を決めないといけない。
「うう……分かってるよ……」
とはいえ、やはり気恥ずかしい物があるのは仕方がなかった。すっかり屹立しているペニスを見られながらプロメスティンの目の前で衣服をいっさい脱ぎ払っていくのは恥辱そのものだったし、何よりこの間の気まずい沈黙が緊張を加速させていた。
「挿れるぞ……っ」
心臓の早鐘を打つ音がバクバクとうるさく聞こえる。
お互いに全裸で、ベッドの上でプロメスティンに覆い被さるような体勢で最後の確認をするように言った。
「は、い。来てください……」
「────っ!!」
つぷん、と。
自らの腰をぐっと前に突き出し、男性器をプロメスティンの膣肉に押し込んだ。
「う、くっ……!」
粘膜同士をくちゅくちゅと擦り付ける度に快楽が伝わってくる。全神経が下半身に集中して、他の事がいっさい何も考えられなくなるような感じがした。
いつもプロメスティンがしてくる人を射精させるためだけの動きとは違って、あくまで自分のペースで動いているのに、この気持ちよさ。
それが余計に人外の名器を際立たせるようで、とにかくそこから快楽を得ようと俺は必死になって腰を動かした。
ぐっちゅ、くちゅ、くちっ。
どのくらいそうしていただろうか——いずれにせよ、ほどんど経っていないのには違いない。これほどの感覚の波に攫われたまま自分から行為を続けるという難行は、その瞬きほどの時間を長く長く感じさせた。
我ながら良くここまで保ったものだと思う。気がつけば全身汗だくで、既に限界も近い。目をぐっと閉じて射精感を堪えている俺のそんな様子を鋭敏に感じ取ったのか、ぐっと両腕で俺の体に抱き着いてきたプロメスティンは——
「うう……っ!」
——その生脚をこちらの腰に絡め、そのままがっちりと固定してきたのだ。
「いって、ください……っ」
それが最後の一押しになった。
もう後には退けない。自分から、ぐつぐつと煮立った精液をプロメスティンの中に注ぎ込まなくてはいけなくなったこの状況で。
「くっ……
俺は、自分の中の”男”を吐き出した。
「っ────♡」
どぷんっ、どびゅ、びゅるるl っ、どぷっ、びゅーっ、びゅるるっ、びゅううっ!
「——、っはぁ、はぁ……」
亀頭を子宮口にぐりぐりと押し付けるような形での、長い長い吐精のあと。
単なる射精の疲労感とは別種の、拭えない
四つん這いで体を支える手足からも急激に力が抜けていき、せめてプロメスティンが苦しくないようにと少し斜めに体をずらして倒れ込んだ。
図らずもお互いに裸体のまま抱き合うように密着し——折り重なるように。このまま少しの間、そうしていた。
とく、とく、と心臓の動く音が小さく聞こえる。
何よりも近く、そして誰より遠くにいるもの。そんな彼女とこうして穏やかな時間を過ごせているのは、考えてみれば不思議な事だと、ふと思えた。
……とはいえ。
そんな落ち着いた気分は、あまり長くは続かなかった。ペニスを引き抜く余力もないまま倒れたために今もプロメスティンとは繋がったままだ。
そうして——自分が出した精液が彼女の膣内でじゅくじゅくと絡み合う感触を肉棒で味わっているうち、自然と情欲が再び膨れ上がっていくのはごく当然の事なのかもしれなかった。
ここでいつもなら二回戦目も容赦なくプロメスティンが搾り取ってくるのだが、とイレギュラーな状況に改めて気付く。俺まで動けなくなってしまった今、次はどうしたら……?
「……っはは」
と、うまく回りもしない頭で考えていた所で。
すっかり脱力していた俺のすぐ下で、何やら聞きなれない種類の笑い声が聞こえてきた。
「くくくっ。なんだ、妙に気分が高揚してきたぞ……」
「んあ……?」
いや、ほんとは分かってる。
この声、聞こえてくる場所、状況からして他に答えを出しようもない。ただその口調があまりにもイメージとかけ離れているというだけで。
ただただ困惑していると——不自然に焦点の合っていない瞳で赤ら顔をしたプロメスティンが、にやりと笑い。
不意に唇を奪ってきた。
「んん〜〜ッ!?」
「……っはぁ。くちゅ、れろ」
いつもの彼女らしくない強引なキス。刺し込むように入れられた舌で口内を掻き回される。
既にクリティカル•エクスタスで動けない俺から更に力が抜けていく。さっきとは比較にならないくらいに精気を吸い取られているのが嫌でも分かる。
なんだ、何が起こってるんだ。急な変貌の理由を慌ててあれこれと考えるが——
(まさか、こいつ
もしそうだとしたら……こいつ、途轍もないぐらいの馬鹿げた下戸だ。そんな程度で人が変わるほど酔うなんて奴の話は聞いたことがない。
酒は嫌いだ、思考が鈍る。なんて言ってたっけか——そりゃそうだろうよ! あと何だそのクール系お姉さん的な口調は! 素か!? まさかそれが素なのか!?
「……ああ、今ので体力が戻ってきた。お前も絶頂してから体が動かずに気が逸っていただろう? これからは私が動いてやるさ」
「なっ、ちょ……これ以上は明日に響くって……」
「
そうは言いつつプロメスティンはお構い無しに俺を引き倒した。ただえさえ抵抗なんてできないのに、上下すら逆転されてしまえば当然だが為す術はない。
「うっ、あ……!」
「ほぉら、期待していたんだろうが。さっきからナカで苦しそうにピクピクしてたのは分かっているんだぞ……!」
「それっ、駄目だって……っ!」
ゆっくりとグラインドするように腰をねちっこく動かしながら、嗜虐に満ちた笑みを浮かべて眼鏡越しに見下ろしてきた。今まで一度も見せた事のないその表情——予想外の刺激に、俺はすぐに興奮が高まって射精を我慢できなくなりつつあった。
「くくっ、もう限界か。最初の頃と比べてどうだ、随分と上手くなっただろう……?」
まるで情けないものを見るような視線と、自慢するような優越の表情。こちらを労わりつつもどこか機械的だった普段の搾精とはまた違った情の交わりが、ふつふつと白濁の放出を込み上げさせていた。
「ほら……イけ! イけっ、イけ……っ!」
迫る絶頂を予期してか彼女の腰使いが明らかに変わる。ぱちゅん、ぱちゅん、と強制的に射精を促すような、激しい上下運動の快楽が抵抗もできない俺に襲い掛かった。
腰を深く沈める度に子宮口が亀頭にキスをしてくるのを感じる。迎え入れるように精液を飲み込む瞬間を今か今かと待っている。その刺激がとうとうトドメとなり——
どびゅっ、びゅぐっ! っ!! どぷっびゅるるうううっ!!
「あっ……ああ〜〜っ!!」
びちびちっ、と下から叩き付けるような勢いで射精した。あまりの快感に腰ががくがくと震える。
直前に強く精気を吸われたから、というのも確かにあるが、そうした許容量を越えた感覚によって脳から締め出されるように——がくっと、