【書籍化】エロチートを授かってタイムリープしたので、2度目の人生はクラス一の美少女を抱き潰す 作:月見ハク
電話のコール音がやけに長く感じる。それもそのはずだ。これまで、ミキが2コール以内に出なかったことなんて無いのだから。
『……もしもしアラタ君、オペレーション・Z…だよね?』
「はい。オペレーション・
オペレーション・Zは、俺と、スキルのことを知るミキとで練った対応策だ。
万が一、スキルの効果が消えたとき、段階的に身の安全を確保するのが目的だ。
まずはミキの反応から、スキル消滅範囲がどの程度に及んでいるかを確認する。
オペレーション・Zの名前がミキの口から出たということは、少なくとも今までの記憶は引き継がれているということだ。
『う、うん…いえ、分かりました。まず、記憶はあるみたいです。アラタ君との、その…性行為とか、快感の記憶もです。ただ、今はスキルの効力が解けているので、これまでのような感情はない、です。夢から…恋から醒めたような感覚です』
言いにくいようなことも、話してくれてありがたい。
スキルから急に解放されて混乱してるだろうに、必死に状況を整理して伝えてくれている。
「今後のネムへの影響は、どのように想定できますか?」
『想定パターン・
そうだろうな。
俺も、同じ見立てだ。
「…
『それは、やめたほうがいい、かもです。私も、気持ちの整理がまだ……』
そっか。
まあ、散々シミュレーションしたシナリオだ。当面の対応はミキに任せて大丈夫だろう。
ネムのコンプライアンスは盤石だし、内部留保も潤沢だ。
むしろ、今は俺の存在こそが、一番のリスクになり得る。
「では僕は予定通り、ドロンします。最後に……エリカの身の安全確保を、頼む。あと、ついでに俺の家族も」
「承知しました。ご家族はセーフハウスに避難させます。対象
ついつい、ため口になってしまうな。
しかし今の俺とミキは、ビジネスパートナー以上でも以下でもない関係だ。気持ちの整理がつくまでは、下手に感情を挟むと危険だ。
「了解しました。報告ありがとう。後処理を任せて申し訳ないです。では、また」
俺は電話を切った。
スマホを落としそうになり、手汗をビッシリかいていたことに気づく。いや、全身に緊張の汗をかいているようだ。
さて、どこに雲隠れするか。
俺はネム関連で、多方面に恨みを買っている。
護衛も甘くなるから、産業スパイとか、下手したら暗殺者に狙われかねない。
それに、今まで抱いてきた女たちも…。
当然だが、俺を恨む子もいるだろうな。
こういう時のために、セーフハウスは用意してある。
だが、念のために避けたほうがいいだろう。
歩きながらミキとやり取りし、状況を整理していた俺は、やっと目的の場所に着く。
大きな川にかかる橋の、中間地点。
まず、スマホのSDカードを抜き取り足で踏み潰し、本体もろとも川に投げ捨てる。ノートパソコンも同じように捨てる。GPS機能付きのボールペンやピンバッジも。
カードも、もう使えない。バキッと折って全部投げ捨てる。
現金は、至る所に隠してあるので何とかなるだろう。
最後に、緊急連絡用の足のつかないガラケーを取り出し、電源をオンにする。
「これでOK、と」
念のため、持っていたバッグも川に放り投げる。
さて、何年かぶりに一人になってしまったな。
まったく、「神」め…唐突が過ぎるぜ。
でも今思えば、なんとなく、こんなことになるような気がしていた。
死期の近い人が身辺整理を始める、みたいな。自覚はなかったが、ここ最近は女たちに対しても、消え去る準備をしていたような気がする。
***
とりあえず駅に来てみた。
できるだけ遠くに行ったほうがいいだろう。女たちに刺されないためにも。
切符を買おうと券売機に向かう。
いや、ダメだ。駅前は監視カメラが多すぎる。噂では券売機にも顔認証システムがこっそり導入されているらしいし。
無難にタクシーか。
「その前に、腹ごしらえでもするかなー」
旅は長くなりそうだ。
駅前広場から交差点をぼーっと眺めていると、制服姿の女子高生が大型バイクに乗って、信号待ちをしていた。
フルフェイスのメットを被っていて顔は見えないが、とんでもなくスタイルが良い。
スラっと伸びた長い足と、ゴツい大型バイクのコントラストが、めちゃめちゃエロい。
俺の隣にいるおっさんも、ぼけーっとその女子高生を見ていた。主に足を。
心無しか、バイクの女子高生がこちらを見ている気がした。
彼女はおもむろにメットを外す。
中から現れたのは、透き通るような金髪ショートの美人顔。姫島ハルが、手を振っていた。
大型バイクを引きずりながら歩いてくる姫島ハルは、注目の的だった。
男たちは見惚れ、帰宅途中や夜遊び中の女子たちも「ねぇあのコ…」なんてざわついている。読者モデルとして、けっこう知名度があるようだ。
姫島ハルはそれを全く気にせず、俺に近づいてくる。
「アラタどうしたの? もしかして、夜遊びとか?」
言いながら、姫島ハルはニマニマしている。
しかし俺には、憎まれ口で返す余裕はなかった。
「いや、ちょっと……旅に出ようかなと思って」
「……話聞くよ。とりあえず、なんか食べよ」
俺の態度に不穏な空気を感じたのだろう。姫島ハルは、一転して真面目な顔になった。
***
駅近くの、老舗っぽい喫茶店に入る。
ここなら店内に監視カメラも無さそうだ。
俺は、パンケーキを注文する。
「すいません、ハチミツとメープルシロップを目一杯かけてください」
自家製ハチミツは、バッグと一緒に川に捨ててしまった。痛恨のミスだ。
「アラタって甘党なんだね。あの…これいる?」
姫島ハルがバッグから取り出したのは、瓶に入ったトロトロの液体だった。
「まさか、自家製ハチミツ?」
「そうだけど、もし良かったらと思って。あ、もしイヤだったらいいんだけど…」
「ありがとう。いただくよ」
「そ、そっか…良かったっ」
まさか、俺と同じくハチミツ好きとは。
姫島ハルのハチミツは、申し分なく甘かった。
***
俺は、姫島ハルにスキルについては濁しつつ、事情を話した。
関わっていた会社で問題が起きて、自分はその責任の一端を担っていて、しばらく姿をくらます必要がある…といった感じだ。
姫島ハルは、意外にも真顔で聞いてくれた。
雲隠れする人間が、さっそく第三者に明かしてどうすんねんという話だが、なぜだか、姫島ハルなら話しても問題ない気がしたのだ。
「なるほど〜、ふむぅ…」
何がなるほどやねん。ほんとに分かってんのかコイツ?
俺が黙っていると、姫島ハルは手をパンと合わせた。
「とりあえずは、遠くに行きたいんだよね? じゃあ、海に行こ、海っ!」
だからいちいち仕草が「時かけ王子」の悪役令嬢みたいなんだよ。
まあでも、海か。いいな。
「…行こうかな」
「よし、決まり! あたしが連れてくよ」
俺は、姫島ハルのバイクの後ろに乗り、風を切った。
***
真夏の夜の海は、気持ちが良かった。
満月の光が、海岸線や砂浜の輪郭をくっきり浮かび上がらせている。
もっとジメジメしているかと思ったが、水平線の向こうからは涼しい潮風が流れ込んできていた。
俺たちは、道路脇にバイクを停め、砂浜に降りる。
少し離れた所で、陽キャのパリピヤンキー達が、花火を打ち上げていた。「ギャハハ」という下品な笑い声が聞こえてくる。それもまた風流だ。
「アラタってさ、いつもそうやって一歩引いた所から眺めてるよね?」
姫島ハルが何やら語り出した。
海を見ながらそれっぽい事を言うのって、恥ずかしくないのかな?
とりあえずスルーしよ。
「あたしもさ、そうなんだ。傍観者ってやつかな。流れを
相槌すら打ってないのに、自分語りパートに入るって、大した図太さだな。
「でもね、傍観者じゃなくて、当事者になるときもあるんだ。周りが見えなくなって、心が制御できなくなって。アラタに会ってからあたし、ずっとそう」
前置きの異常に長い告白(2度目)だったか。
どうするかなー。
正直……ひと目見た時から、ルックスも中身も、俺の好みというか理想ドンピシャなんだよね。
まいった。でもなー。
「でも俺、追われる身ですし…」
「そんなの、どうとでもなるよっ! 人はね、どこからでもやり直せるんだよ。運命なんて、抗えばいいんだよ!」
それ、「時かけ王子」の悪役令嬢のセリフなんですが。
ちなみにこの後、悪役令嬢は魔王に手玉に取られ、破滅寸前まで追い込まれるんだけど。
「大丈夫! アラタは、この先も、ずっと大丈夫なのっ!」
なんでそんな自信満々やねん。
あ、ほら、そんな大声出すから、パリピヤンキー達がこっち来るじゃん。
「うおっ、超かわいくね?」
「え、芸能人? アイドル?」
「マジだ。女子高生? おっぱいデカいね〜」
「うっわ、足えっろ…!」
「なぁ、俺らと一緒に遊ばん?」
「隣の、彼氏? お前に用ないから」
「つか、車でさらっちまうべ」
一人、いきなり物騒な奴おるな。
ひーふーみーよー…全部で7人か。
はぁ…仕方ない。
2度目の人生で鍛え上げた俺の戦闘術、見せてやりますか。
「失せろよ」
ん? 物騒な声が隣から聞こえたぞ。
見れば姫島ハルの目が、鋭くヤンキー達を睨んでいる。
「邪魔しやがって、この野郎」
姫島ハルの顔をした
スタスタとヤンキー達に向かって行った姫島ハルは、正面の男にいきなり後ろ回し蹴りを食らわせた。
月明かりをバックに、嘘のように吹っ飛ぶヤンキー。あ、パンツ見えた。
姫島ハルは、さらに女豹のような動きで別のヤンキーに飛びかかると、顔にひざ蹴りを食らわせる。
すぐ近くにいたヤンキーには見事な上段蹴り、その勢いで尻もちを付いた別のヤンキーには、そのままかかと落としをお見舞いした。
残るは3人。俺は傍観者。
やっと戦闘モードに入ったヤンキー達だが、もう遅い!
姫島ハルは、向かってきた3人に砂を浴びせかけて視界を奪う。さっき「さらっちまうべ」とか言ってた物騒な奴には金蹴りを食らわし、その隣の男を二段蹴りで砂に沈めた。
最後に、襲いかかってきた男のタックルをしゃがんで躱し、立ち上がりながら掌底アッパーでKO!
「時かけ王子」の悪役令嬢も武術を極める設定だけど、そこまでトレースしてるのか。
いっそ清々しいぞ。
微動だにしなかったり、微かに呻いているヤンキー達を尻目に、姫島ハルが戻ってきた。
「やはは……つい、カッとなっちゃって」
「とりあえず、お疲れ様です」
暴行事件の現場にいるのも俺の身が危ういので、俺たちはさっさと姫島ハルのバイクまで戻る。
「それでね、この後なんだけど、うちの別荘すぐそこなんだ。……来ない?」
さっきまで大立ち回りを演じていたとは思えない、弱気な態度だ。
このギャップは、好きなヤツは好きだろうな。俺のように。
「ハルって、お嬢様だったんだね」
「まあ、うちっていうか、あたしがなんだけど」
どういうこっちゃ。姫島ハル個人で稼いだってことか?
だとすると、確かに隠れ家としては最適だ。
他に行くアテもないし。
「別荘、行くよ」
「よっしゃ。えへへ…」
***
姫島ハルの別荘は、浜辺から少しだけ高台にあるログハウス風の建物だった。
周りは高級リゾート地だ。
読者モデルの収入だけで、この別荘を手に入れるのは難しいだろう。
なんてことを考えながら、俺はベッドに座り、窓から夜の海を見下ろしていた。
遠くで、姫島ハルのシャワーの音が聞こえる。
音が、止まった。
ピタピタと、素足の音が近づいてくる。
「あの…お待たせ…」
姫島ハルは、なぜか男物のTシャツ一枚の姿だった。
髪はまだ少し濡れており、顔に貼り付いている。
大きい瞳は潤み、白い頬は紅潮していた。
明太子…じゃなかった、えーと、花弁を思わせる唇は艶めき、不安そうに小さく閉じたり開いたりしている。
豊満なふくらみがTシャツを押し上げ、先端にはくっきりと突起が浮かびあがっていた。
Tシャツのすそから伸びる白い足はなめらかで、触れたらツルンと滑りそうだ。
おまけに、間違いなくノーパンだろう。
まあ、控えめに言って、男の理想のような格好。童貞を殺すルックだ。
「海から人魚が水揚げされたのかと思ったよ」
むっちゃ適当な褒め言葉を発してみる。
「ふふ…なに、それ」
マジな目をした姫島ハルが、近づいてくる。
これ以上ないくらい顔が近づくと、唇に、びっくりするほど柔らかい感触が押し当てられた。
温かい鼻息がこそばゆく、甘くて落ち着く香りに脳が蕩けそうになる。
ンチュ…チュッ、チュム…チュ…チュウ…。
波の音と、キスの音が合わさり、えーと、あー、なんかいい感じのアレが響く。
「んちゅ…んっ…アラタ、すき」
ゆっくり肩を押された俺は、ベッドに大の字になる。
そこに、姫島ハルの軽い体が乗っかってくる。
半開きにした口の中に、彼女のピンクの舌が入ってきた。
舌と舌が触れ合うと、姫島ハルの舌は一瞬ためらうように引き、やがて絡みついてくる。
扇風機…じゃないか、船のスクリューが交わるように、お互いの舌がグルグルと回転した。
「は…ぁ、キス、気持ちいい。あたし、初めてなんだ…」
姫島ハルは、一度体を起こすと自身のTシャツを下から捲り上げ、脱ぎ捨てた。
男のエロ妄想の集合体のような裸体が、姿をあらわす。
予想通り、シミ一つない白い肌は艶々で、形のいい乳房には、桜色の上品な乳首が勃っていた。
姫島ハルは、しばし見せつけるように「恥ずかしくて俯いちゃった」ポーズを維持した後、こちらをじっと見つめてくる。
「アラタのも、見せて」
おもむろに、俺の着ていたTシャツが捲られる。
姫島ハルは、俺の胸板を指でなぞると、乳首をペロペロと舐めてきた。
うーん。くすぐったいが、俺、乳首で感じないタイプなんだよな。
やがて、舌先がヘソの周りをぐるぐる回った後、姫島ハルの手が俺のジーパンのベルトを外しにかかった。
俺は、少し腰を浮かせて、手伝ってやる。
ジーパンを脱がされ、ボクサーパンツも下ろされると、ボロンとチンコがまろび出た。
チンコは、重力に逆らうことなく、
「アラタ、緊張、してるの?」
いや、そういうワケでは…。
「あの、じゃあ、口で…シてあげる」
よろしくお願いします。
「こう、かな……ちろっ、れろぉ…れろれろ、あむっ…じゅる、じゅろ」
亀頭を舌先で転がした後、裏スジを舐め上げ、カリに舌先を這わせた上で、パクっと口に含む。
なんとも模範的なフェラだ。
チンコからは、確かに一定の快感が流れ込んでくる。かなり気持ちいいはずだ。
多分、15分くらいだろうか。
姫島ハルの献身的なフェラチオをもってしても、俺のチンコは勃起しなかった。
諦めたのか、温かい口内がチンコから離れていく。
「アラタ、どう、して?」
「ごめん、なんか勃たないみたい」
なぜか分からないが、姫島ハルでは勃たないのだ。
自分でもなぜだか分からない。非常にもったいないとも思う。
もしかしたら、スキルが消えて、1度目の人生のようにインポテンツになってしまったのでは。
そうも考えたが、よく分からない。
みじめな思いをさせてしまっただろうか。姫島ハルは泣きそうだった。
そこで俺は、魅力的な提案をしてみることにした。
「ハル、ハチミツ持ってきてくれる?」
「え、ハチミツ? どうするの?」
「ハルの体に塗りたくって、舐めまくってみようと思って」
ボッと音が出たかと思うほど、姫島ハルの顔が赤くなった。プルプルと体が震えている。それでも好きな相手のためなのか、コクリと頷いた。
「ど、どうぞ…」
姫島ハルから瓶を手渡されると、俺は対面に座る彼女の肩めがけて、ハチミツを垂らした。
肩から流れ落ちるハチミツが、豊かな胸を避けて太ももや、秘所に塗られていく。
俺はベッドがベトベトになるのも気にせず、瓶の中を空にした。
ハチミツまみれの体に触れてみる。
ねろねろと手にハチミツを集めると、姫島ハルの豊乳を揉んだ。
「あっ…アラタ、ん…あっ、ううんっ…あんっ…アラタの手、ゴツゴツしてる…やっ…あ…」
乳房全体に塗りたくるように揉み上げると、姫島ハルは切なげな声を上げた。
ハチミツまみれの白い裸体は、とても淫らで、美味しそうだ。
俺はとりあえず、ハニーな2つの双乳を頬張ってみることにした。
「あんっ、あ、あんんっ…いやぁんっ、あん、はぁん…ふふ…いい、よ…めしあがれ? …あっ、んんっ…」
口では収まりきらない大きさのマシュマロをはむはむする。固くなった突起は、パンケーキの上に乗ったチェリーのようで、ついつい甘噛みしてしまう。
俺は、姫島ハルの両肩を手で押さえつけ、ひたすら甘い乳房を味わった。
「……アラタぁ…うんんっ、あ…もう、だめ、だよぅ…」
見れば、姫島ハルの目から涙がこぼれていた。
焦らしすぎたか。
うん、たいへん甘くて美味でした。ごちそうさまでした。
自分の股間に目を向けると、申し訳なさそうにお辞儀をしたままだ。
うーん。とりあえず、姫島ハルのハニーまみれマンコをぺろぺろして、イかせてやるか?
そんなことを考えたときだった。
不意に、緊急連絡用のガラケーから、警報音が鳴り響いた。
これは、エリカ警報だ…!
俺は素早くジーパンのポケットに手を伸ばし、電話に出る。
「どうした!?」
「アラタ君、エリカちゃんの後を付ける不審車がいるって連絡があった!」
ミキの声だ。
「場所は? ――分かった、すぐ向かう」
俺は電話を切ると、すぐに服をかき集める。
「え、今から行くの!?」
姫島ハルが、目を見開きながら聞いてくる。
俺はボクサーパンツを履く。
「うん、行かないと」
「アラタが、行く必要あるの?」
俺はジーパンを履く。
「うん、俺が行かないといけないの」
「でも、今戻ったら、たいへんなことになるって言ってたじゃん! だから隠れなきゃいけないって!」
俺はTシャツを着る。
「でも行かなきゃ」
「行かなきゃ行かなきゃって、そこにアラタの意思はあるの!? 本当にアラタがやんなきゃいけないことなの?」
俺の意思?
そんなの最初から決まってるんですけど。
エリカを手に入れる。
そのためならネムがどうなろうと、俺がどうなろうと、どうでもいい。
俺は自分の頬を思いきり叩き、気合を入れる。
「ごめん、行くわ」
「待ってっ! 行ってもアラタの能力は戻らない、あたしが全部消したから! だから、行かないでよ…」
俺は一瞬だけ固まる。
「全部消した」だと?
ふーん、へー、そういう展開か~。
「じゃ」
「え、ちょっ…」
俺は、ハチミツまみれの姫島ハルを残し、フルダッシュで別荘内を駆け抜ける。
今、のんきに真相解明編とかやってる場合じゃないんだわ。
別荘を出ると、ちょうど見慣れたスポーツカーが横付けされた。
ミキの私用車だ。
「アラタ君乗って!」
俺は、開いたフロントドアに飛び込んだ。