※この作品はR-18です。

【書籍化】エロチートを授かってタイムリープしたので、2度目の人生はクラス一の美少女を抱き潰す   作:月見ハク

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7.クラス一の美少女を追い詰めた

 1泊2日の体験学習が終わって、翌日。石垣ユイカは学校を休んだ。

 

 ピンポーン、ピンポーン

 

 そして、俺は石垣ユイカの家のインターホンを押していた。

 昨日、藪の中で彼女を襲ったとき、チート性器の力を発動しても、心が抵抗しているように見えた。こんなことは初めてだ。

 俺は、石垣ユイカというイレギュラーな存在に不安を感じつつも、ワクワクもしていた。

 もしかしたら、「嫌なのに体は反応してしまう」というテンプレエロ展開が楽しめるかもしれない。

 

「はい、どちら様でしょうか?」

 

 中年の女性の声がした。お母さんだろうか。

 

「あ、石垣ユイカさんと同じクラスの根室といいます。石垣さん宛の連絡事項があって来ました」

 

「あら、どうぞ、中にお入りください」

 

 電子音がして、固い門扉が開かれる。

 ユイカの家は、豪邸だった。

 玄関の扉を開けると、先ほどの声の主だろうか。50代の女性が出迎えてくれた。

 

「お邪魔します。プリント届けにきただけなのですが」

 

「ご丁寧にどうもありがとうございます」

 

 プリントを受け取ろうとした女性の口に、指を突っ込む。感度の目盛りをぐりぐりと上げつつ、耳元で囁く。

 

「ユイカの部屋に案内しろ」

 

 もう手慣れたものだ。

 

 聞けば、この女性はユイカの母ではなく、お手伝いさんだった。さすが豪邸。石垣家は代々の地主だそうだ。まあどうでもいいが。

 今日は平日で、家には今この女性以外は誰もいないという。好都合だ。

 

***

 

「ここがユイカさんのお部屋です。ではごゆっくり」

 

「ほい、ありがと」

 

 ガチャ。

 

 俺はノックもせずにドアを開けた。

 

「え……?」

 

 ベッドで布団にくるまりながら、驚いた表情を浮かべるユイカと目が合う。

 見れば、うつ伏せに布団を被り、頬を上気させていた。

 

 ふむ。これは自慰行為の真っ最中だったか。興味深い。ふむふむ。

 

「え…根室君、なんで!?……きゃっ」

 

 俺はズカズカとベッドに近寄ると、思いきり布団を引っ剥がした。

 ダボッとした青い上下のスウェットという色気のない格好だった。

 しかし、眼鏡を掛けておらず、髪も無造作に寝癖が立っていて、これはこれでエロい。

 

 俺はユイカの腕を引っ張って無理やり立たせると、思いきり抱きしめ、そのままキスをした。

 

「ふっ…むちゅう、はっ、どう…して、根室君…んッちゅう…あッ」

 

 スウェットの中に手を入れそのまま胸を揉む。やはりノーブラだ。こういうシチュエーションもいいな。

 ユイカの乳首は硬くなっていた。やはりチート性器の力に抗いきれず、自慰行為に耽ってしまったようだ。

 俺はユイカの耳元で囁いた。

 

「石垣さん、オナニーしてたの?」

 

「んッ…して、ないっ…」

 

「じゃあ、なんでここがこんなに濡れてるの?」

 

 俺はスウェットのズボンに腕を突っ込み、パンティ越しに秘部に触れる。

 

「そんな…知ら、ない…」

 

「俺に昨日レイプされて、それを思い出してオナニーしてたんだ。石垣さんて意外に淫乱なんだね?」

 

「ちが…うッ……ひぁっ…あんッ」

 

 俺は、パンティの中に指を滑りこませ、湿地帯をグチュグチュとかき回す。それだけで、ユイカの体はビクンと跳ね、軽くイッたようだった。

 

「やっぱ一人じゃ物足りないでしょ。俺が手伝ってあげるよ」

 

 そう言って、俺はユイカをトンと押した。ベッドに背中からダイブしたユイカの体が揺れる。

 その僅かな間で、俺は服を脱ぎ捨て全裸になり、「お邪魔します」と断ってから、ベッドに潜り込んだ。

 

 おお~なんか良い匂いがする。

 俺はユイカの枕にクンカクンカと鼻を埋め、漂ってくる雌の香りを堪能した。

 

「ちょっと、嗅がないで…」

 

 さて、では本体のほうを味わいますか。

 俺はユイカのほうに向き直ると、無言でスウェットを脱がしにかかった。

 ユイカは泣きそうな、困ったような顔を浮かべて、力なく抵抗した。

 

 しばらく布団の中でモゾモゾすることしばし。

 俺は、全裸になったユイカの体をねぶりあげるように鑑賞していた。

 

 うん、やっぱ引き締まったいい体をしている。

 ペタペタと体を触る度に、ユイカはピクンピクンと反応した。

 そういえば、さっきから無言だな。

 見れば、ユイカは腕で目隠しをして、必死に我慢しているようだった。

 自分で目隠しプレイとか、分かっててやってるのかな?

 

 俺は、再びユイカの秘所に手を伸ばし、クチュクチュと蜜口をかき混ぜ始める。そして、もう片方の手でささやかなふくらみを揉み、余ったもう片方の乳房にしゃぶりついた。

 いわゆる三点責めだ。

 

「はぅッんッ…んあッ…ああ……くっ…ぅんッ…ふあッ、あああんっ♡」

 

 視覚を遮断して、感覚が鋭くなっているからだろう。

 ユイカの反応はこれまでとは段違いだった。

 快感の濁流を必死に耐えようとして、でも抗いきれず声を上げてしまう。

 この反応を待ってました。ごちそうさまです。

 

 我慢できなくなったので、そのまま体をギュッと密着させ、挿入する。

 

 ズブリ……ズチュ…ズッチュ、ズッチュ、パン、パンッ、パンッ、パンッ…。

 

「うあっんッ、んんッ♡ んっ、んっ、んっ、んっ、ああッ、んんっぐう…ああんッ」

 

 すんなり入ったと思ったら、思いきりキュンキュンと吸い付いてきた。

 温かい肉壁に搾り取られる感覚に、腰が止まらなくなる。

 陸上部で足腰が引き締まっているからか、アソコの締まりも半端ない。

 

「ユイカ、もう、出すから…!」

 

 しかし、ユイカは快感以外をすべてシャットアウトしているかのように、口から悲鳴をこぼれさせるだけだった。

 

 ドビュル、ドビュッ、ドビュ、ドク、ドク、ドク…。 

 

 うお、まだ搾り取られる…。

 ユイカの秘部の収縮により、俺の射精感はしばらく続き、その間ずっとイきっぱなしだった。

 彼女の体に倒れ込む。

 俺も、ユイカも気づけば汗まみれだった。

 

「も、終わったの…?」

 

 ユイカが腕をどけて、薄目でこちらを見てきた。

 

「いや、まだまだこれからだけど」

 

***

 

 ズッチョ、ズッチョ、ズッチョ、ズッチョ…

 

 ユイカの部屋にいやらしい音が響く。

 外はすっかり日も暮れ、窓から差し込む外灯の仄かな明かりだけが、部屋を照らしていた。

 薄暗い部屋の中、俺はもう何度もユイカの体を犯していた。

 

「ほら、見える? ユイカ凄いエロい顔してる」

 

 俺は今、ユイカを姿見の前に立たせ、後ろから腰を振っていた。

 

「ふっ、あんッ……おねがい…言わないで、んッ、おかしく…なっちゃうッ…はうッ…ん♡」

 

 何度目からの合体から、ようやくユイカは素直になってきた。

 しかし凄い自制心だ。

 「神」から与えられたチート能力を凌駕するなんて。

 

 すると、部屋の外から先ほどのお手伝いさんの声が聞こえた。

 

『…旦那様、ユイカさんは今体調を崩してますから、部屋には入られないほうが』

 

『ああ、わかった。ユイカ、起きてるのか?』

 

 ユイカの体がビクンと震えたのが分かった。「あ…どうしよう…」と小さな声で狼狽えている。

 俺は、返事をするよう促した。

 

「お父さん、おかえりなさい…。はい、起きています」

 

『入ってもいいか?』

 

 ズチュ…ズッチョ……ズッチョ……。

 

 俺は、ゆっくりと抽送を再開しながら、「このまま答えるんだ…悟られるなよ」とユイカの耳元で囁いた。

 一瞬ビクリと体を震わせたユイカは、恨めしげな視線をこちらに寄越しながら、ドアの外にいる父親に向かって言った。

 

「入って…こないで」

 

『そうか。なぜだ?』

 

 ズッチョ……ズッチョ……ズッチョ……。

 

「…んッ…いま、きがえてる、からぁッ…はぅッ…」

 

『…わかった。着替えたら、下へ来なさい』

 

 遠ざかっていく足音にあからさまに安堵しているユイカを、思いきり突いた。

 

「ひあんッ♡……あう、もう、帰って……」

 

「ユイカのここはまだ帰って欲しくなさそうだけど?」

 

「…おとうさん、帰ってきちゃったから……」

 

「仕方ない。じゃあ最後に出すから、声抑えてろよ」

 

 そうして、必死に口を押さえるユイカの中に、今日何度目かの精を発射した。

 

***

 

「お父さん、お友達帰るから、外まで送ってくるね」

 

 リビングのソファーに座っていたユイカ父は、それはもう驚愕の表情を浮かべていた。

 そりゃそうだ。

 自分の娘が部屋に男を連れ込んでいたのだから。しかも、さっき娘は部屋で着替え中だと言っていたが、その時、男もユイカの部屋に居たのか!?

 …みたいなことが顔に書いてあった。

 

 ユイカ父は、厳格そうな顔つきだった。

 おそらく、ユイカの人並み外れた自制心は、この父親の影響なのだろうな。

 

「ユイカ、父さんに後で話を聞かせてくれるか?」

 

「はーい」

 

 ユイカは、吹っ切れたような、ごく軽い感じで返事をした。

 俺も、ペコリと頭を下げて、そのまま玄関を出る。

 

「また来るから」

 

「やめたほうがいいよ。うちのお父さん厳しい人だから。根室くん、張り倒されちゃうかも」

 

「別にいいよ。ユイカに会うためなら殺されたっていい」

 

 もちろん嘘だが、こういう言葉に女は弱かろう。

 

「はいはい、馬鹿なこと言わないで。まあ、学校…とかなら、いいよ」

 

 うひょー!校内セックス許可いただきました。

 

「愛してるよ、ユイカ」

 

「もう、ばか……んちゅ!? んッ…んんッ♡」

 

 俺はユイカに濃厚なキスをして、別れた。

 

***

 

 まさかの収穫だった。

 強い自制心があれば、俺のチート性器の力でも、心を完全に支配されない女もいる。

 

 千島エリカも、芯の通った女だ。しかも、今は俺に対して嫌悪感も持っているはず。

 チート能力に抵抗する可能性が高い。

 

 俺はククク……と、悪役のようにほくそ笑み、家路を急いだ。

 

 準備もそろそろ整う頃だ。

 

***

 

 カンカン、カンカン。

 

 夕暮れの迫った放課後の校内では、至る所から大工作業のような音が聞こえていた。

 文化祭まで、あと3日を切っていた。

 校内では最後の追い込み作業の真っ最中。うちのクラスも、皆でジャージに着替えて、お化け屋敷の準備に大わらわだった。

 

「おーい根室くーん、そっちの厚紙とってくれるー?」

 

 今回の人生で、俺は文化祭の実行委員にはならなかった。

 

「千島さーん、こっちの飾りお願いできる?」

 

 千島エリカも同様に、実行委員ではない。

 今回は、クラスメイトの優秀な工作員女子たちに、その任務を譲った。

 俺は何をしているのかというと、千島エリカを手に入れるための準備に忙しかったのだ。

 

 千島エリカをチラリと見る。

 体験学習以来、言葉を交わしていなかった。

 

 俺が千島エリカを襲った事実は、明るみになっていない。

 唯一の目撃者である石垣ユイカと、保健体育教師の江藤の口封じは、すでに完了している。

 俺も一応、千島エリカのケータイに、丁寧な謝罪と、もう二度と変なことはしない、二度と話しかけない旨のメールを送っておいた。

 今のところ、千島エリカも誰にも言わないでいてくれるようだ。

 

 そろそろか。

 俺は、石垣ユイカに目配せをする。

 

(もう、世話が焼けるな~根室君は♡)

 

 俺の指示を受け取ったユイカが、千島エリカにこっそりと話しかける。

 

「千島さん…ちょっといいかな。大事な話があって…」

 

***

 

「千島さん、ごめんね。体験学習でのこと。私、警察に言うの怖くて…根室君も同じクラスだから…」

 

「あ…うん、もう大丈夫だよ。根室も、もうしないって言ってたし」

 

「でも、やっぱりこのままじゃ駄目だと思って、江藤先生と話して、警察に相談しようって話になったんだ」

 

「え、警察…?」

 

「うん。でも千島さんの意思が一番大事だから、そこは3人で相談しようって話になったんだ。今から体育準備室に来てくれる?」

 

「江藤先生、だけ?」

 

「大丈夫だよ。江藤先生、前にもこういう相談を解決したことがあって、女の刑事さんとも知り合いなんだって」

 

「分かった。石垣さんもいるんだよね?」

 

「もちろん」

 

***

 

 俺は、学校を出たすぐのワゴン車の中にいた。

 無数のモニターには、様々な角度から体育準備室の様子が映し出されている。

 

「江藤先生、失礼します。千島さんを連れてきました」

 

「ああ…まあ、座って」

 

 江藤が緊張した様子で、千島エリカに席を勧めた。

 チッ、そんな態度で警戒されたらどうするんだ。

 まったく、これだから男は扱いづらい。

 

 江藤には、体験学習の翌日、口封じに行かせてある。

 チート性器で虜になった、女刑事、女弁護士、女新聞記者。

 それらが揃って江藤のひとり暮らしのマンションに突撃したのだ。

 

 なんと江藤は、3年生の女子と関係を持っていた。

 お互い同意の上らしいが、俺はさっそくこのネタを使うことにした。

 こういう時のために、学校の男性教師や男子生徒の弱みを集めているのが役に立った。

 

 刑事・弁護士・新聞記者が、徹底的に江藤を追い込む。

 教師として、人として終わりだ。社会的に死ぬぞと。

 江藤の冷や汗が止まらなくなった頃、満を持して宗谷ミキが登場する。

 ミキは江藤に取り引きを持ちかける。

 産業スパイである千島父を排除したい。そのために千島エリカの弱みが欲しいのだ、と。

 そして、一つのミッションを与える。

 

 体育準備室で、千島エリカに抱きついて欲しい。

 それを仕掛けたカメラで撮り、教師とのただならぬ関係というネタを使って千島父を排除するから、と。

 協力してくれた暁には、一生遊んで暮らせる待遇を用意すると約束した。

 誓約書と、手付金として300万円を渡す。

 

 さっきまで人生の終わりを突きつけられていた江藤は、またとないアメをぶら下げられ、難なく食いついた。人は追い詰められると、突拍子もない話でも簡単に信じてしまう。

 大会社の社長である宗谷ミキが堂々と共犯関係となることで、トカゲのしっぽのように切り捨てられることはないと安心したのだろう。

 それに、千島エリカに劣情を抱いている江藤にとって、このミッションは美味しいはずだ。

 千島エリカのあらわになった乳房を凝視していた江藤を見て、俺はピンと来たのだ。

 こいつは俺と同じクズだと。

  

「千島、すまなかった。お前、根室に襲われたんだろ」

 

「え…いえ、はい。……石垣さん、どこ行くの?」

 

「…ちょっと用事あって。ごめんね、千島さん」

 

「じゃあ私も、戻ります」

 

 あ、おいおい江藤、ちゃんと引き止めろよ。

 準備室を出ていったユイカを追いかけて、千島エリカも出て行こうとしてるじゃないか。

 

 すると、江藤は元ラガーマンとしての瞬発力を発揮し、ドアノブに手をかけた千島エリカに後ろから抱きついた。

 

 よし、撮った。

 

 ……ん? 長いな。

 あ、江藤のヤロウ、千島エリカの胸に手を這わせてやがる。

 調子に乗りやがって…!

 

 俺は、ワゴン車を勢いよく出ると、一目散に体育準備室に向かった。

 

***

 

「先生、痛い、です…ッ」

 

「ハァ、ハァ、声出すなよ。家族にバレたら大変なことになるんだぞ、お前。クソ、ちょっと位触ったって、文句言われねえだろ」

 

「ちょ…何言って、いやッ」

 

「千島ぁ、前からこうしてみたかったんだよ。どうせ教師やめるんだ。こんくらいしたってバチ当たんねえだろ。クソ、やっぱ柔らけーなチクショウ」

 

「やッ…んんっ…人、呼びますよっ!」

 

「この時間はこの辺誰も来ねえよ」

 

***

 

 ガチャン。

 

 体育準備室のドアを開けると、千島エリカは、江藤に後ろから抱きつかれ、胸を揉まれていた。

 見れば、江藤の腕が千島エリカのジャージの中に侵入していた。

 

 コイツ…!

 

「江藤、てめえ何してんだああああああ!」

 

 俺は大声で怒鳴り、江藤が怯んだ隙に、千島エリカの手を引き急いで退散した。

 俺の声を聞いて、近くにいた石垣ユイカがやってきた。

 

「根室君どうしたの?」

 

「石垣さん、ちょうどいいところにいた。千島さんが江藤に酷いことをされていたんだ。後は任せていいかな、俺は江藤と話をしてくるから」

 

「わ、分かった。千島さん大丈夫? とりあえず保健室行こ」

 

***

 

 俺は、体育準備室には向かわず、ワゴン車に戻った。

 江藤は…よし、体育準備室にいるな。

 俺は宗谷ミキに電話を掛け、江藤に連絡させた。

 

 江藤は明日から体調不良で学校を休み、そのまま退職する。

 最後は暴走したが、まあいい仕事をしてくれた。

 

 そして、仕上げに取り掛かる。

 俺は再度、ミキに電話した。

 

「例の件、発表していいよ」

 

***

 

『…次のニュースです。大手化粧品メーカー「ネム」は今日、美容サロン会員のデータなど、約80万人分の顧客情報が流出したと発表しました…』

 

 テレビのチャンネルを変えてみる。

 

『…顧客情報の流出事件を受けて、先日提携を発表した朱星堂などネム関連の銘柄は続々下落しており…』

 

 チャンネルを変える。

 

『…これを受け警視庁は、意図的に情報を流出させた疑いで、朱星堂の幹部の男を任意で事情聴取したと発表しました…』

 

 チャンネルを変える。

 

『…前代未聞の流出事件となった訳ですが、警視庁前から園田記者です。園田さーん』

『はい、警視庁前に来ております。関係者によりますと、男は愛人関係にある女性にデータを渡した疑いが持たれており、今後は組織的な犯行も視野に入れて捜査を進めていくようです…』

 

 チャンネルを変える。

 

『…さあ、北海道のご当地グルメツアーも終盤戦!次なる絶品料理は~…』

 

 よし。夜の番組は、ネムのニュースを一斉に報道している。

 もちろん情報流出の疑いを持たれているのは千島父だ。まあ濡れ衣なのだが。

 今頃、千島家は大騒ぎだろう。

 

 

 そして次の日、千島父は任意聴取から解放された。

 千島エリカは、学校に来なかった。

 

***

 

 文化祭当日、千島エリカは何食わぬ顔をして登校した。

 心中穏やかではないだろうに、気丈に振る舞う様子に胸が熱くなった。

 

「じゃあ千島さんは、ここでこんにゃく係お願いねー」

 

 実行委員の女子生徒が、千島エリカを半径1メートル四方程度のおどかし役スペースに押し込む。

 我がクラスのお化け屋敷は迷路構造になっている。

 千島エリカが配置されたのは、ちょうど教室の中央部分に位置する、重ねた机と布で覆われたスペースだ。

 糸が引いてあり、これを引っ張ることで、通路を歩くお客さんの頭にこんにゃくが降ってくるという単純な仕掛けだ。

 

「じゃあ、スタートするよー!みんなヨロシク!」

 

 教室の電気が消され、代わりに赤いセロハンを貼った照明器具の明かりが付けられる。

 教室内には、「ひゅ~どろどろどろ」というお化け屋敷定番のBGMが流れ出す。

 お客さんの、「きゃ」とか「うわ」という声が教室内に響き渡る。なかなか盛況のようだ。

 

 そろそろかな。

 

 俺は、千島エリカがいる狭いスペースに、ずいと入り込んだ。

 

「え…? 根室…んむっ」

 

 俺は、千島エリカの口を手で塞ぐ。

 

「静かに。千島のお父さんのことで大事な話がある」

 

 赤い照明の下、千島エリカは一瞬驚いた顔をしたような気がする。

 しかし、コクリと頷いて手を離したその顔は、いつものように真っ直ぐこちらを見据えていた。

 

「なに…?」

 

「千島のお父さんが警察に聴取されたことは知ってる。会社も証拠を固めてお父さんを刑事告発するか、できなくても高額の賠償請求をしようとしているみたいだ」

 

 すると、目に見えて千島エリカは動揺しだした。

 

「なんで…お父さんが。信じられない…賠償、請求? どういうこと?」

 

 俺は、糸をくいと引っ張って、お客さんの頭にこんにゃくを落とした。

 通路側から「きゃ」という声が聞こえ、千島エリカの視線が俺の手に向けられた。

 

「あ、ありがと…」

 

「どういたしまして。それで多分、お父さんは5億円くらいの損害賠償を請求されることになる。僕は仕事上この件に深く関わっているから、教えられるのはこのくらいだけど」

 

「5…おく? そんなに…」

 

 もちろん適当な金額だ。

 でも、一学生である千島エリカにとって、衝撃的な額だろう。

 

「ただ、俺の立場を使えば、お父さんの無実を証明できる」

 

「え、本当に…?」

 

「うん、俺がネムの中核にいることは知ってるだろ? そして、俺は今回のプロジェクトで千島のお父さんを管理する立場にあってさ、ある程度状況は分かってるんだ」

 

「…お父さんは、無実なの?」

 

「……それは、千島の頑張り次第、かな」

 

「…は?」

 

 俺は、千島の履いているデニム越しに、太ももに手を這わす。

 

「千島が努力してくれれば、お父さんの潔白を証明してもいい。意味分かる?」

 

「…根室の彼女になれって…こと?」

 

 千島エリカは、悔しそうに声をくぐもらせた。そんなに嫌か。ちょっとショック…。

 

「別に、1回抱かせてくれれば、それでいいよ。それだけで、お父さんの疑いは晴れるし、一度疑ってしまったお詫びとして、出世させてもいい。

 あとはこの写真も、週刊誌に流れないで済む…」

 

 俺は、千島エリカが江藤に後ろから抱きしめられている写真を見せた。

 千島エリカの顔が強張る。

 

「それ…なんで…?」

 

「週刊誌の記者から入手した。今は俺の所で止めてるけど、この写真はお父さんの追い打ちになるかもね。

 かたや愛人に会社の情報を流し、その娘は校内で男性教師を(たぶら)かしていた、なんて、絶好のワイドショーネタだと思わない?」

 

 まあ実際は、千島エリカの写真が週刊誌に乗るわけないんだよな。

 いくら情報を売り渡した犯罪者だからって、その娘の淫行疑惑なんてどこにも需要ないし。そもそも一般人だし。

 でも、千島エリカの心を揺り動かすには、十分なカードだったらしい。

 現に、さっきから千島エリカの太ももをまさぐっているのだが、抵抗する気配がない。

 

「わたしに、どうして欲しいの…?」

 

「明日14時、ゴールドウィンホテルの701号室に来て。親には、()()()()()になると伝えるんだ。分かった?」

 

 耳元で囁く。「泊まりがけ」を強調しながら言うと千島エリカがビクッと震えたのが分かった。

 彼女はしばし俯いて、コクリと頷いた。

 

 俺は千島エリカの顎をクイと上向かせると、ゆっくり顔を近づける。

 

「舌、出して」

 

 千島エリカの口元から、躊躇うように舌がチロリと覗いた。

 俺はその舌をゆっくり舌で絡め取り、そのまま唇にむしゃぶりついた。

 

「ちゅる、じゅるるる、ちゅろ、はむッ…じゅる、ちゅうううっ…」

 

 しばらく、お客さんの頭にこんにゃくが降ってくることはなかった。

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