【誰か】エロゲの竿役になったわ【助けて】 作:ボルケーノボルシチ
今回はちょっと趣向を変えて。
「……ん、ふぁあ」
私、小鳥遊青葉の朝は早い。具体的には朝六時ほど。
理由は、あの人、――さんに朝ごはんを作るため。
なん、だけれど……
「お、おはよう。今日も早いねぇ、まだ寝ててもいいのに」
この人は、もっと早く起きて、朝ごはんを作っている。
「て、手伝います!」
「いや、大丈夫。もうすぐ出来るからね……あ、でもお皿は出してくれる?」
「分かりました…」
手伝いを申し出ても、いつも大丈夫と断られる。
料理ぐらい、少しは出来るのに……
(ゲームだと好感度とか低いと低確率で自殺とかしかねんらしいからね…出来るだけ今はキッチン入らせたくないんだよなぁ)
朝ごはんを食べたあと、テレビを二人で見る。
平日の朝だからか、面白い番組はあんまりない。
私が外に出るのが駄目だからだけど…それに付き合わせてしまっている気がして申し訳なくなる。
それはそれとしてチャンスでもある。
私のアピールをするチャンス。
同じソファに座ってるため、すぐ横にいる。
――さんの手はソファの上に無造作に投げ出されている。
っえい!
心の中でそんな掛け声を出しながら――さんの手を握る。
「!?」
隣から息を呑む音がして、手も少し震えた。
たったの数秒が数時間にも感じられた。
や、やっぱりやるんじゃなかった!普通に考えたらそうだよね、――さんは優しいから受け入れてくれてるけど、私達、おんなじ女だし、好きって言っちゃったけど、ホントは気持ち悪がられてるんじゃ……!
負の考えが頭の中をぐるぐるする。
その負の感情がもっと大きくなる前に手を離そうとした。
そんな時だった。
――さんが手を握り返してくれていた。
驚いて顔を見る。
――さんは目だけを合わせて、微笑んだ。
……少し、ズルいな。
(ヒェェェェこれで良いのかぁ!?普通に考えたら成人男性に手を握られてるって地獄じゃねーの!?今は成人男性じゃなくて精神男性だけどぉ!………うーん、審議拒否)
そんなこんなでお昼になった。
また、ごはんは――さんが作っている。
テレビを見るという気分でも無かったので、料理しているその姿を見つめる。
慣れた手つきでトングとフライパンを動かす。
今日はパスタみたい。
格好いいなぁ…あの時から、ずっと。
「っ!」
――さんを見ているとたまに起こる発作。
身体が一瞬震える。
助けてもらってから始まった謎の発作。
毎日、というわけでもなく、たまにしか起こらないとはいえ、なんだか不気味だ。
それが、嫌だと感じない自分にも。
そんなことを考えていると、ピンポーンと音がした。
誰か来たみたいだった。
でも、私達の家に来るのってあの人ぐらいだよね……
――さんもそう思ったのか、出迎えを任せてきた。
「一応、覗き穴を見てからね。宅配の人とか別の人だったらすぐ呼んでね」
「はい、分かりました」
そう言って玄関に向かう。
覗き穴を覗くと、やっぱりな人だった。
扉を開ける。
「や、元気かい?」
私がそばにいても大丈夫な人の一人、
「はい、大矢さんも、お元気そうですね。と言っても、毎日来てますけど……」
「はっはっはっ、確かに毎日会ってたら分かるよねー」
大矢さんは自称地理が大好きなただのお姉さんらしい。
前にテレビで全く同じ名を聞いたことあるような…無いような…
「今日は上がっていきますか?」
「んーん、今日もここで良いや。はいこれ。美味しそうなお菓子見つけたから」
「いつも、ありがとうございます…ホントに良いんですか?」
大矢さんはいつもお菓子などのお土産を持ってきてくれている。最初のうちは――さんと一緒に申し訳ないので断っていたけど……
「いいのよ、当分出ないでしょ?外。私も食べたいから買ってるし」
……らしい。
「んじゃ、またねー。あ、そうだ。なんか聞いておきたいことある?」
「いえ、何…も…やっぱり一つあります」
「なになに?お姉さんに任せなさいな」
「――さんのことを考えていたり、見たりしてると、たまに身体が震えるんです」
「………ふーん、具体的に、どこら辺が?」
「どこら辺、ですか?」
そういえば考えたこと無かったな……
「えーっと、ここら辺です」
そう言いながら股、股間の方を撫でる。
「………そうだな、また今度にしよう。少し長くなるからね。ああ、身体に問題はないから」
「分かり、ました」
首を傾げながら、別れの挨拶をするために手を振りながらまた、と言う。
なんだったんだろう?
「なるほーーーど?申し訳ないけど、イッチとスレ民には黙っておこうかな。乙女には、秘密がたくさんだからね」
お昼ごはんを食べて、またテレビを見て過ごす。
なんというか、退廃的、自堕落、引きこもり…そんな言葉が似合う生活をしている気がする。
そういえば。
――さんって、私のためにいつも家にいるけど、何をしてるんだろう?
なんとなく気になったので、隣にいる――さんに聞いてみる。
「あの、一つ質問、いいですか?」
「ん、なあに?」
「――さんって、働いてるんですか?」
突然、――さんは固まってしまった。
も、もしかして、聞いちゃいけないことだった…?
「……ちょっと待っててね」
そう言って――さんはトイレの方へ歩いていった。
ややややっぱり聞いちゃいけないことだったよね!?
ど、どうしよう私嫌われちゃったかも…!私はいつもそう、誰かに嫌な思いをさせちゃって、それでみんな離れていっちゃって…お父さんが私を襲ったのもそう、私が、私が、悪いんだ…もう…死ぬしか「ごめんごめん、急に離れてごめんね?ちょっと言うか迷ってて」――さん…?
「……青葉ちゃん?ってアアー!?な、泣いてるー!?やっべどうしよう……あーもう、頑張れ俺!」
――さんは泣いてる私に抱きつき……
「ごめんね、俺さ、実は働いてないんだ。お金を沢山貯めてから止めたとはいえ、青葉ちゃん、優しいから遠慮がちになっちゃうかなーと思って……青葉ちゃん?」
そして、耳元で囁いてきた。
身体の震えが止まらない。
一日に二回もなんて初めて、それも長い。
すごく、きもちいい。
指が、股間の方へ伸び「青葉ちゃん!」る前に、正気に戻った。
「大丈夫!?」
「あっはい、大丈夫…です」
「ごめん、急に離れるのがあんなに不味いとは…」
「えっと、わ、私、昔から、人の嫌がる事、言っちゃって、それでいつも怒られて、――さんにも嫌われたかと思って」
「嫌ってない嫌ってない!」
「料理とか、手伝わせてくれないし…」
「ぐっ、あーっ………ごめん、過保護すぎたね。怪我しちゃうんじゃないかって思っちゃって」
「……」
さっき死にそうになってたからそこまで間違いじゃない……
「じゃ、晩、一緒に作ろうか」
「はい!」
「返事が早いな」
洗濯物を一緒に畳んだり、大矢さんが持ってきたお菓子を食べたりして、時間を潰す。
そして、ごはんを作る時間になった。
「何を作るんですか?」
「今日はねー、お好み焼きにしようかなって思ってる」
「お好み焼き!いいですね!」
「簡単に作れていいからね」
そう言いながら――さんは冷蔵庫からキャベツや豚肉、ネギなどを取り出す。
「青葉ちゃんには粉を……いや、野菜を切ってくれる?」
「はいっ、任してください!」
前は自分で料理をしたこともあったし、包丁を使っても大丈夫。
――さんは、不安そうにこっちを見ていたけど、切り終わったあとは、安心したように息を吐き出す。
なんだか、大切にされてるみたいで、すごく嬉しい。
そのあとも順調に進み、問題も起こらずお好み焼きができた。
「「いただきます」」
美味しい。
自分で作ったから、だけでなく、やっぱり、この人がいるから、というのも絶対あると思う。
落ち着くな、すごく、とても。
正直、ホントに恋をしてるのかは分からない。
けど、ずっと一緒にいて欲しい。
これは、間違いない想い。
ごはんを食べ終わり、お風呂に入る。
体を洗って湯船に浸かり、考える。
この先の事を。
私は高校生…のはず。
だから、このまま行けば近くの高校入ることになる。
でも今の私には――さんと大矢さん以外の人とまともに話せる気がしない…特に男の人。
でも、ずっと家にいるという訳にもいかないし……
悶々としながらお風呂を出る。
「………ん、お風呂上がったね。じゃ、俺も入ろうかな。あ、冷凍庫にアイスあるから食べていいよ」
「はい、ありがとうございます……」
「?」
冷凍庫からアイスを取り出して食べる。
一度考えると悩みは止まらない。
まるでブレーキが壊れた車のよう。
「………うーん」
「どうしたの?」
「ひゃっ!」
アイスは食べ終わり、アイスの木の棒を咥えていると、後ろから声が聞こえた。
後ろを振り替えると、そこにいたのはお風呂上がりの――さんだった。
「ごめん、驚かすつもりはなかったんだけど」
そう謝る――さんの体は……有り体に言えば、凄くいやらしかった。
私は咥えていた木の棒を落とす。
完璧に拭けていないのか、濡れている髪に体に服が張り付いて、ラインが丸見え。
なんなら足はとても短い半ズボンで、太ももまで丸見え。
悩みは煩悩へと変身してしまった。
「……青葉ちゃん?」
怪訝な顔で、私の名前を呼ぶ――さん。
私のすでに脳はキャパオーバーしてしまい、「おぉぉおやすみなさぁい!」と言って、というか叫んで自分の部屋に入って布団に入った。
そして、邪な考えと今日三回目の震えをすぐに消すために目を閉じ、眠りにつくことにした。
幸い、すぐに夢の世界へと行くことが出来た。
そこでも、――さんはいたけれど。
「スレ民に言われてこの格好にしたけど、よくなかったか…?」
一旦ふたなりネタは置いておくけど、見なくていい番外編に出すみたいな感じはどうだろうか?
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それならまだ…
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許さんが?