俺は283プロダクションのプロデューサー。日本中にいるであろうアイドルの卵達をスカウトして、彼女たちを輝く舞台へと送り込むのが俺の仕事だ。
俺が子供の頃は、よもや自分がこんな業界に足を踏み入れるとは思っていなかった。しかし、今の俺はプロデューサーという仕事を誇りに思いながら、日々を過ごしている。
そんな俺には、ある悩みがある。それは自分が担当しているアイドルの一人についてだ。
名前は、桑山千雪。千雪は、とても優しくて、いつも笑顔を浮かべていて、そしてスタイル抜群の美人さんだ。そして俺が最初にスカウトした女の子でもある。
彼女は元々、雑貨屋で仕事をしていたのだが、必死に口説き落として、この283プロに来てもらったのだ。今では兼業していた雑貨屋を退職し、283プロの所属タレントとなっている。
俺と千雪の関係は良好だった。毎日のように顔を合わせていたし、時には一緒に飲みに行ったりすることもあった。
千雪は酒に弱く、酒癖が悪いわけではないが、酔うとちょっとだけ甘えん坊になるところがあった。そういう時の彼女は可愛いと思うし、普段とのギャップがあって魅力的だとも思う。
千雪の笑顔を見るたびに日々の疲れが飛んでいき、彼女の歌声を聞くだけで元気が湧き出てくるのだ。彼女と出会ってから現在に至るまで、色々と大変なこともあったが、二人で力を合わせて乗り越えてきたつもりだ。
だが最近になって、俺はあることで悩んでいる。それが何かと言うと、千雪のことを異性として意識してしまうようになったのだ。
もちろん、以前から彼女に対しては好意を抱いていた。でも、あくまでもそれはプロデューサーとしての感情であり、恋愛対象としては見ていなかったはずだ。なのに最近は、千雪の事を考えると胸が痛みを覚えるほどに高鳴り、彼女の顔をまともに見ることが出来なくなってしまった。
年齢が二十代半ばを過ぎたいい大人が、初恋の女の子を前にした中学生みたいな反応をしている。正直なところ恥ずかしい事この上ないが、これは紛れもない事実なのだ。
俺がそんな風に悶々として、一人で悩んでいたある日。俺以外誰もいない事務所で、いつものようにデスクワークをこなしている最中のことだった。
不意に机に置いていたスマホが震える。画面を見ると、見慣れないアプリからの通知が表示されており、それはインストールが完了したとの内容であった。
「……なんだ、これ。催眠……アプリ?」
なんとも胡散臭い名前である。怪しげな雰囲気しか感じられない。ウイルスにでもかかってしまったのだろうか。こんなものを残していたら大変だと思いつつも、好奇心を抑えきれずにタップしてみることにした。すると画面には次のような説明文が表示される。
【あなたは、このアプリを使って、対象に催眠術をかけることができます】
【やり方は簡単。このアプリの画面を、対象に見せながら、対象のフルネームを呼ぶだけです】
【そして、催眠状態にした対象の行動を、自由自在に操る事ができます。また、記憶を操作することも可能です】
【ただし注意事項がいくつかあります】
【まず、催眠状態にした対象は、自分の意思では動けなくなります。安全な場所で、催眠をおこなってください】
【次に、催眠状態を解くには、このアプリをアンインストールしなければなりません】
【催眠が使えるのは一人だけ。そして一度きりです】
【最後に、催眠が解かれた相手は、催眠中の記憶を全て忘れてしまいます】
【以上の点を踏まえてご利用ください。貴方の欲望が満たされる事を、切に願います】
何度見ても、ふざけた内容だと思った。どう考えても悪質な詐欺アプリにしか見えない。
そもそも催眠術なんてものを信じる人がいるのか。普通はいないだろう。しかし世の中には、そういったオカルト的なことを、本気で信じてしまう人間もいるわけで。まあ、その辺りについてはあまり深く考えないようにしよう。
とにかく、こういうものは無視しておくに限る。そう思って、アプリを消すために、指を動かそうとした瞬間だった。
「おはようございます。プロデューサーさん」
「うおっ!」
不意に声をかけられて、心臓が止まりそうになった。声の主は、今まさに俺の心を惑わしている女性、桑山千雪であった。
俺は慌ててスマホを隠して、平静を取り繕う。
「あ、ごめんなさいっ。驚かせるつもりはなかったんですけど……」
「ああ、いや……俺の方こそ悪かった。ちょっと考え事をしていてな」
千雪は申し訳なさそうな表情を浮かべて謝ってきた。
危ないところだ。まさか、こんなタイミングで千雪が現れるとは思わなかった。もし彼女が現れた時に、あの画面を開いていたとしたら、そう考えただけでも恐ろしい。しかし、何故だか分からないが、妙に気になってしまうのだ。
俺は改めて、先ほどまで見ていた画面に視線を向ける。そこにはこう書かれていた。
【あなたは、このアプリを使って、対象に催眠術をかけることができます】
本当に、この文章の通りなら、千雪を自由に出来るという事なのか。千雪は優しいし、可愛らしい女の子だから、この先悪い男に騙されて酷い目に遭わないとは限らない。それならば、いっそこのアプリの力を借りて、彼女を俺のモノにした方が良いのではないか。
……いや、待てよ。いくらなんでも突拍子が無さすぎる。それに、仮にそんなことが出来たとしても、後味が悪くなるだけだ。
「……ところで、俺に何か用か、千雪」
とりあえず思考を切り替えることにした。このままだと、おかしなことを考えてしまうかもしれない。千雪は少し困ったような顔をした後、ゆっくりと口を開いた。
「あの、用って言うほどのことじゃないんですけど……」
「勿体ぶらなくたっていいよ。俺には、何でも言って欲しいんだから」
千雪が遠慮がちに何かを言いかけたので、俺は促すように言葉を続けた。これは本心だ。千雪が何か悩みを抱えているのであれば、相談に乗ってあげたいし、力になってやりたいと思っている。
すると彼女は、意を決したかのように顔を上げ、真剣な眼差しを向けて言った。
「その……私、プロデューサーさんに、何か嫌われるようなこと、しちゃいましたか? もしそうだとしたら、謝りますから……」
一瞬、何を言われたのか分からなかった。
俺が千雪を嫌う? そんなことはあり得ない。今までだって、ずっと彼女のことを支えてきたのだ。嫌いになる理由などない。
「俺は千雪を嫌いになんてならないよ。でも、どうして急に、そんなことを思ったんだ?」
率直に聞いてみた。すると千雪は、どこか寂しげな表情を浮かべる。そして、小さな声でぽつりと呟いた。
「だって最近、プロデューサーさんが、私のことを避けてるみたいだったから……」
「……ああ。それは違うよ」
誤解されていると分かったので、すぐに否定する。確かにここ最近は、千雪のことを避けるようになっていた。だがそれは、別に彼女に嫌悪感を抱いているとかそういうわけではない。むしろ、逆である。
千雪の魅力に囚われてしまった結果、無意識のうちに目を奪われてしまい、仕事に手がつかなくなったので、その結果として距離を取ってしまうようになったのだ。
しかし、それを正直に言えるはずもない。どうしたものかと考えているうちに、千雪は更に話を続ける。
「どう違うと仰るんですかっ! 私が近寄ると、プロデューサーさんはいつも逃げていくじゃないですか! 今だって、私と目を合わせてくれないし……。私が悪いのなら、ちゃんと言ってくださいっ……」
そう言いながら千雪は涙ぐんでいた。まずい。これではまるで俺が泣かせているようではないか。
俺は、どうにかして彼女を宥めようと考えた。まずは、落ち着かせることが最優先だ。
俺は立ち上がり、千雪の肩に手を置いて、なるべく優しく語りかける。
「それは、俺が悪いんだ。千雪は何も悪くない。だから、泣く必要はないんだよ」
その言葉を聞いた途端、千雪は驚いた表情でこちらを見つめてくる。そして、おずおずといった様子で、俺の顔色を窺うようにして尋ねてきた。
「どういう、ことですか? プロデューサーさんが、悪いって……」
「……あー、それはだな……」
俺は言葉を濁しながら考える。どうすれば良いだろうか。ここは、素直に話すべきか。それとも誤魔化すべきか。どちらにせよ、あまり上手くいくとは思えない。そもそも、この状況を打開する方法があるのかも分からない。
【いや、あるじゃないか。一つだけ方法が】
天啓が降りた。
俺は、その神の囁きに促され、スマホの画面を開く。そこに表示されているアプリを見て、覚悟を決めた。
「千雪、これを見てくれ」
「……はい?」
俺はスマホを操作して、画面を千雪に見せつける。そこには、先ほどまで見ていた催眠アプリの画面が表示されていた。
千雪はそれを見た瞬間、大きく目を見開く。そして数秒ほど固まった後、ゆっくりと口を開いた。
「催眠……アプリ?」
俺は小さく息を吐く。これで、もう後には引けない。
俺は、アプリについて説明することにした。このアプリを使えば、催眠術をかけることが出来ること。その催眠術は、かけた相手を好きに操れるということ。
千雪は、黙って俺の話を聞いている。その表情からは、何の感情も読み取ることが出来ない。
「俺は今から、千雪に催眠をかける。そして、俺の気持ちを伝えようと思う。それはプロデューサーという立場上、絶対にやってはいけないことだ。それでも、俺はやる。もう、我慢出来ないんだ」
ここまで来たら、開き直るしかない。千雪に告白をしてしまおう。彼女への想いを告げて、それで終わりにする。記憶を消して、元の関係に戻るだけだ。何も問題はない。
そう言って、千雪の顔を見る。彼女は、まだ戸惑っているようで、どこか不安げな表情を浮かべたままであった。
……大丈夫。俺なら出来るはずだ。自分に言い聞かせるように、何度も心の中で繰り返す。そして、意を決して口を開いた。
「……桑山、千雪」
名前を呼ぶと、千雪はびくりと身体を震わせる。これで催眠にかかった筈だ。後は、俺の言うことに従順に従ってくれるだろう。ただ、本当に催眠状態になっているかを確認する必要がある。
「俺が今から言うことに、従ってほしい。いいかな?」
「……はい」
俺の言葉に反応するように、千雪はこくりと首を縦に振った。その瞳には、光が宿っていない。ぼんやりとした視線で、虚空を眺めている。どうやら、うまくいったようだ。
「じゃあ……その場で、猫のポーズをしてくれ」
そう命令すると、千雪はすぐに行動に移った。言われた通りに、その場にしゃがみ込んで、両手を床に付けて四つん這いになる。そして、尻を高く突き上げるような体勢になった。
その姿は、まさに雌豹のポーズと呼ぶに相応しいものであった。千雪の豊満な胸と、肉付きのよい巨尻が強調されており、非常に扇情的な光景である。俺は思わず生唾を飲み込んだ。
千雪は恥ずかしがる様子もなく、無言のままこちらを見つめてくる。その顔に羞恥の色は見られない。どうやら、完全に催眠状態になったらしい。
しかし、ここまで大胆にするとは思わなかった。俺の中では、招き猫みたいなポーズで止まってくれると思っていたのだが……。まぁ、それはいいか。問題は、これからどうするかだ。
このまま放っておくと、他の人に見られてしまう可能性がある。今のところ、事務所には俺達以外誰もいない。とはいえ、いつ誰かが来るかも分からない状況だ。さっさと終わらせた方が良いだろう。
「もういいから、立ち上がって」
俺の命令に従うように、千雪はゆっくりと立ち上がる。そのままの状態で、俺の方へ歩いてきた。彼女が目の前に来る。
改めて近くで見ると、凄まじい迫力だ。その肉体美は、もはや芸術品と言っても良いレベルである。出るとこは出ていて、グラビアアイドルも裸足で逃げ出すほどの素晴らしい肉付きだ。
千雪はこちらを見つめながら、何かを待つようにして立っている。いつもの柔和な笑みは消え去り、人形のような無機質な雰囲気を醸し出している。
「千雪。今から俺が口にする言葉は、全て本心だと思って聞いて欲しい。嘘偽りのない、本当の気持ちだ。分かったな?」
「はい」
俺が問いかけると、千雪は無表情のまま小さく首肯した。
俺は、大きく深呼吸をする。心臓が激しく鼓動しているのを感じた。こんなにも緊張したのは、生まれて初めてかもしれない。俺は一度目を閉じて、心を落ち着かせる。よし、もう大丈夫そうだ。
覚悟を決めて、千雪の目を見る。彼女は、俺の言葉を待っているようだった。……いよいよだ。俺は大きく息を吸うと、ゆっくりと口を開いた。
「俺は、千雪が好きだ。プロデューサーとしてじゃなく、一人の男として、この気持ちを伝える。俺は、千雪のことを、一人の女として好きなんだ。……愛しているんだ」
俺は、一気に言葉を吐き出す。そして、再び大きく息を吐いた。自分でも分かるくらい、身体が震えていた。
千雪は、俺の言葉を黙って聞いていた。その表情に変化はない。何を考えているのかも分からなかった。催眠状態だから当然だが、まるで感情というものが存在しないように見える。
俺は、恐ろしくなって千雪から視線を外す。駄目だ。やはり、怖くてまともに見ていられない。
千雪は今、どんな心境なんだろうか。催眠状態の時でも、感情はあるのだろうか。それとも、俺のことなんて何とも思ってないのか。そんな考えばかり浮かんできて、どんどん不安になっていく。
「……なあ。千雪は、俺のことを、どう思っているんだ? 教えてくれないか?」
俺は、意を決して質問をした。答えを聞くまでは、とてもじゃないけど催眠を解除できない。
千雪は少し考えるような仕草を見せると、静かに口を開いた。
「私も、プロデューサーさんのことが好きです。一人の男性として、大好きです。ずっと前から、貴方のことだけを考えていました。貴方を愛しています。だから、プロデューサーさんと両想いだと知って、本当に嬉しいです」
千雪は、俺の質問に対して、はっきりとした口調で答える。その声音からは、普段の彼女と同じ優しさが感じられた。そのことに、ほっとする。
千雪は、さらに話を続けた。
「私は今、プロデューサーさんの言いなりになっています。なんでも言うことを聞いてあげますよ。ほら、もっと命令してください。遠慮しないでください」
そう言って、千雪は両手を広げる。まるで、俺を受け入れるかのように。彼女の瞳には、妖しい光が宿っていた。その雰囲気に、思わず飲み込まれそうになる。
俺は、ごくりと唾を飲み込んだ。彼女のことを、じっと見つめる。告白をした時点で、催眠を解くつもりだったが、もう少しだけ続けてみることにした。せっかくの機会なのだ。どうせ記憶が消えるのなら、やりたくてもできないことをやってしまおう。
「……じゃあ、千雪の体を、触らせて欲しい」
「はい。いいですよ」
千雪はあっさりと承諾すると、腕を後ろで組んで、胸を突き出すような姿勢になる。そして、俺に向かって、ゆっくりと近づいてきた。
その顔は、ほんのり赤く染まっている。どうやら、催眠状態でも羞恥心はあるみたいだ。
俺の前で立ち止まると、千雪はそのまま動かなくなった。どうすれば良いか分からないという様子だ。
俺はおもむろに、千雪の胸に手を伸ばした。服越しに感じる柔らかさは、想像していたよりも遥かに心地良いものだった。指先が沈み込むほどに柔らかく、それでいて張りがある。今までに触れたどの女性の乳房より、魅力的だと思った。
「んっ……」
俺は夢中になりながら、何度も胸を揉みしだく。その度に形を変える様は、何とも官能的だった。俺は、しばらくの間、その感触を楽しむことにする。
「……っは」
しばらくすると、千雪は何かを堪えるように、もじもじと身体を動かし始めた。呼吸が荒くなっている気がする。もしかしたら、快感を感じているのかもしれない。
俺は、乳房の頂点にある突起物に、手を移動させる。それは、既に固くなっていた。それを軽く摘むようにして刺激する。途端に、千雪はびくんっと大きく跳ね上がった。どうやら、乳首が弱いようだ。
今度は、そこを指先で撫で上げるように動かす。千雪の反応はさらに大きくなった。どうやら、かなり敏感になっているらしい。
俺は調子に乗って、さらに責め続けることにした。両乳首を同時に引っ張ったり、つねってみたりしたが、千雪は抵抗しなかった。ただ、与えられる快楽に身を震わせていた。
「んんっ、あっ! はぁ、はぁ……!」
千雪の顔は真っ赤に染まっている。呼吸も乱れていた。その目は潤んでおり、焦点が定まっていないように見える。彼女は、額から汗を流しており、身体が熱く火照っていた。まるで発熱しているかのように見える。
「くふっ! はあ、あっ……ああっ!」
俺が乳首を強く捻ると、千雪は大きく仰け反った。背中を弓のようにしならせる。それと同時に、ぶるっと全身を大きく痙攣させた。どうやら絶頂を迎えたらしい。
流石にこれ以上は駄目だと思い、俺は手を離す。
「ふーっ……、ふうぅ……」
千雪は、肩で息をしていた。俺が見ていることに気づくと、気まずそうな表情を浮かべて、顔を背ける。頬は上気しており、耳まで赤くなっていた。
俺は、改めて自分のやったことを振り返る。よくもここまで好き勝手にできたものだ。我ながら呆れてしまう。いくら催眠状態とはいえ、少しやり過ぎてしまったかもしれない。
正直に言えば、途中から完全に興奮して、理性を失っていた。冷静な状態なら、絶対にできないようなこともしたと思う。千雪は嫌な思いをしていないだろうか。今更だが心配になってきた。
千雪の様子を窺うために視線を向けると、ちょうど彼女と目が合う。すると、なぜか微笑まれた。催眠状態の時でも、俺に対する好意は変わらないということなのか。あるいは、俺が千雪のことを好きだからそう見えただけかもしれないが。どちらにせよ、その笑顔は反則だった。
俺は慌てて目を逸らす。なんだか変な雰囲気になってしまった。このままではいけないと思い、もう催眠を解こうかとスマホに手を伸ばしたところで、股間に違和感を覚えた。
「お、おいっ……」
ズボンの上から、局部を触られていたのだ。犯人はもちろん千雪である。千雪は、妖しい笑みを浮かべて、俺を見上げてきた。
「プロデューサーさんのここ……すごく固くなってますね……」
そう言うと、指先で優しくなぞってくる。ゾクッとした感覚に襲われた。まさか、催眠状態でもこんなことができるとは思わなかった。命令をしていないのに、一体どうしてだろう?
「ねえ、プロデューサーさん……。私にも、気持ちよくさせてください」
千雪は、俺の返事を待たずにチャックを開けると、パンツの中に手を入れてくる。そして、陰茎を直接握って、外気に晒してきた。
「わぁ! これが、男の人の……」
千雪は、まじまじと観察するように見つめてくる。恥ずかしいので止めて欲しいのだが、そんなこと言えるはずもない。
「皮……剥けてないんですね。これが、包茎っていうんですか?」
「……ぐっ。そうだけど、あまり言わないでくれ……」
「あ、ごめんなさい。興味があったので、つい」
千雪はそう言いながら、まるで壊れ物を扱うかのように、そっと手で包んでくる。そのまま上下に動かし始めた。自分でやるのとは全く違う感触だ。他人に触れられるのは、なんとも言えない心地良さがあった。
「どうですか、私の手は? 痛くないですか?」
「ああ……いいよ……」
千雪は、不慣れな手つきで竿を擦り始める。絶妙な力加減がたまらない。千雪の手の中で、どんどん大きくなっていくのが分かった。彼女の熱い吐息が、顔にかかる。それがまた、俺の情欲を掻き立てた。
「あはっ! 今、おちんちんが、びくってしましたよ? 気持ちいいんですね……?」
千雪は嬉しそうに笑うと、今度は亀頭を撫で回し始めた。その動きに合わせて、腰が跳ねそうになる。しかし、千雪はそれを許さなかった。片手でしっかりと固定すると、執拗に責め続ける。カリ首や裏筋などの弱い部分を集中的に攻めてきた。
「ここが、良いんですよね……? 分かりますよぉ……。私、プロデューサーさんのことを、ずっと見ていたので、触った時の反応で、どこをどうすれば良いのかが分かるんです。ふふっ……」
千雪は、指で輪っかを作ると、それで肉棒を包み込んで扱き上げた。根元から先端まで、一気に刺激される。強烈な快感に、思わず声が出そうになった。
「あ……先っぽから、ぬるぬるが出てきました。これって、カウパー腺液って言うんですよね……? 男の人が、気持ちよくなった時に出るお汁……」
千雪は、鈴口から滲み出てきた液体を手に取り、舐め取る。俺はその様子を、固唾を飲んで見守っていた。
「んっ……ちょっと苦いですね。それに、変な味です。でも、プロデューサーさんが気持ちよくなっている証拠だと思うと、なんだか美味しく感じるかも……」
千雪はそう言って微笑むと、再び肉棒を握って、扱いてきた。それから、胸を押し付けるようにして、抱きついてくる。服越しに、豊満な乳房の柔らかさと温もりを感じた。
「はあ……! はあっ……!」
「どうですか? 出そうになってきたら、言ってくださいね? 私が、ちゃんと受け止めてあげますから……」
千雪は、さらに激しく手を上下させる。最初の探るような優しく手つきではなく、射精を促すような激しいものだった。
「はあ……はあ……。ぐっ、も、もう駄目だ……出るっ……!」
俺は限界を迎えようとしていた。千雪は、俺の耳元で囁いてくる。
「はい……出してください。全部出して……。ほら、私の、手の中に……」
「あうっ……うううぅぅ!!!」
俺は、欲望を解き放った。余った皮の先から、白濁した精が噴き出す。千雪は、それを両手で受け止めると、まじまじと見つめてきた。
「わぁ……すごい量ですっ。こんなに、たくさん……」
千雪は、精液を指で掬って口に含むと、舌の上で転がして味わい始めた。その光景に、目が釘付けになる。
「んん……濃いです……。プロデューサーさんの、精液……。すごく元気で、熱くて……。はあ……。こんなの、癖になっちゃいますよぉ……」
千雪は、陶酔しきった表情を浮かべている。その淫靡な雰囲気に、頭がクラクラしてきた。
「あ……プロデューサーさんのおちんちん、まだ固いままですよ……?」
千雪は、頬を赤らめて呟いた。それから、俺の股間に目を落とす。そこには、萎えることなく反り立ったままの陰茎があった。
「あれだけ出したのに……すごいですね……」
千雪は、ごくりと喉を鳴らすと、妖しい笑みを浮かべた。そして、再び体を密着させてくる。
「ちょっ、ちょっと待ってくれ。これ以上はまずいって……」
俺は慌てて制止しようとするが、千雪は聞く耳を持たない。
「大丈夫ですよぉ……。だって私達、愛し合ってるじゃないですかぁ……」
そう言いながら、千雪は背伸びをして唇を重ねてきた。柔らかい感触が伝わる。それと同時に、生温かい唾液が流れ込んできた。
「ちゅぷ……ちゅう……」
千雪は舌を差し入れてきて、口内を貪ってくる。歯茎をなぞるように舐められ、ゾクッとした快感に襲われた。そのまま舌が絡み合い、互いの体液を交換する。脳髄まで蕩けてしまいそうな心地良さだった。
やがて、千雪はゆっくりと口を離す。二人の間を繋ぐように、銀糸が伸びた。
「ふふっ。キス……しちゃいましたね? 大事にしていた、私のファーストキス……。初めてが、プロデューサーさんで、本当に良かったですっ……」
千雪は、幸せそうに目を細める。その様子に、胸が締め付けられるような思いがした。俺は彼女の肩を掴むと、ぐいっと引き剥がそうとする。
しかし、彼女はそれに逆らって離れようとしなかった。このままでは、本当に一線を越えてしまう。それだけは避けたかった。
「駄目だって、千雪! 離れてくれっ! これは命令だ!」
「……めい、れい?」
千雪は一瞬、きょとんとする。だが、すぐに寂しげな表情に変わった。
「……そうでしたね。分かりました」
千雪は、俺から離れてくれた。ほっと一安心する。これで、最悪の事態は免れた。後は、彼女が冷静になるまで待つだけだ。
しかし、先程の千雪の様子は、とても催眠に掛かっているとは思えなかった。やはり完璧ではないのか。
だとすると、催眠を解いた時に、何か影響があるかもしれない。俺は今更ながら、あんな怪しいアプリを使ったことを後悔した。
その時、千雪がこちらを見つめていることに気付いた。彼女は、顔を真っ赤にして俯いている。モジモジと太ももの辺りを動かしているようだったが、それが何を意味しているかはすぐに分かった。
千雪は、潤んだ瞳で訴えかけてくる。その視線は、下半身の一点に集中していた。
「……とりあえず、今からは普段通りにしてくれないか? お互いのためにも……な?」
「え? ……はい」
俺は、努めて平静を装いながら言った。千雪は、少し躊躇う素振りを見せた後、こくりと小さく首肯する。
俺は出しっぱなしになっていた愚息を仕舞うと、スマホをポケットに入れた。それから急いで部屋を出て、トイレに向かった。
個室に入り、鍵をかける。ズボンを脱いで便座に腰掛け、どろどろになった下半身を見た。そして、トイレットペーパーで付着している精液を拭っていると、千雪との行為を思い返してしまう。あの時、俺は確かに興奮していたが、同時に罪悪感のようなものを感じていた。
千雪は、自分の意思で俺の愚息を慰めた訳ではない。あくまで催眠によって、強制的にさせられたことだ。それを思うと、どうしても複雑な気持ちになってしまう。
しかし強制と言っても、俺は千雪に命令をしていない。そのことが、気がかりだった。
これからどうしようか。とにかく今は、千雪の催眠を解くことが最優先事項だ。そのために、まずは状況を整理する必要があるだろう。
俺は、スマホを取り出して、アプリを起動した。すると、画面上に大きなハートマークが表示される。その中に、ポップな書体で桑山千雪の名前が描かれていた。
「……なんだ?」
ハートの下部に、ゲージのようなものが表示されており、それが少しだけ溜まっていた。これは何を意味するんだろうか。
試しに指で触れてみると、画面に文字が現れた。
【催眠深度】
【この数値が高いほど、催眠が深くかかります。数値が上限に達すると、完全催眠状態となります。対象の人格・記憶・肉体は、使用者のあなたに支配され、愛欲を満たす為だけの傀儡となります。現在の値は10%未満です】
なるほど。つまり、これが100%になると、完全に俺の命令に従うようになるということらしい。ということは、今の千雪は、まだそこまで深い催眠状態になっていないという訳だ。だから、あんな突飛な行動を取ったりしたのか。
【なお、完全催眠状態になると、催眠を解除することができなくなります。ご注意ください】
その説明文を見て、思わずゾッとした。それはまずい。何とかして、千雪に元に戻ってもらわないと。そう思いながら、解除の項目を探していると、ふと気付いた。
催眠を解くには、アンインストールをすればいいんじゃないか? 確か、最初にアプリを開いた時に、そんな説明を見た覚えがある。
俺は、早速実行することにした。ホーム画面で、アプリの削除をタップすると、
【本当によろしいのですか? キャンセルはできませんよ? 本当にいいのですか? 本当にOKですか!? 本当に、本当に、本当に、本…………】
何度も確認するように、同じ文言が繰り返された。そのしつこさに辟易しながらも、俺は了承ボタンに触れる。
直後、画面が暗転した。
真っ黒な背景に白い文字が浮かび上がる。そこには、こんな文章が描かれていた。
【アンインストールは、このアプリを使用してから、一ヶ月経つまで不可能です。なお、催眠対象が完全催眠状態にならなければ、一ヶ月後に自動的に消去されます】
俺は、呆然としていた。どういうことだ。これじゃあ、千雪を助けることができないじゃないか。
絶望的な気分になっていると、突然トイレの扉がノックされた。
「プロデューサーさん」
「……えっ、あ、千雪……か?」
「はい。私です」
なんで千雪がここにいるんだ? ここは男子トイレなのに。動揺する俺に構わず、彼女は話を続けた。
「あの、扉を開けてもらえないでしょうか? なぜか鍵が掛かっていて、入れないんです。どうしてかなぁ……?」
そう言って、千雪はドアノブをガチャガチャと回し始めた。壊れそうな勢いだったので、慌てて鍵を開ける。
「あ、やったぁ! 開きました!」
「お、おいっ」
彼女は、嬉しそうに入ってくるなり、後ろ手に施錠した。そして、妖艶な笑みを浮かべながら、こちらを見つめてくる。
俺は息を呑んだ。目の前にいる千雪は、いつもの彼女とは全く違っていたからだ。顔つきは大人っぽくなっているし、身体も成熟しているように見える。催眠の影響だろうか。
「な、なんの用かな? ここは男子トイレなんだが……」
「決まってるじゃないですか。さっきの続きをするんですよ」
千雪は、ゆっくりと近づいてくると、そのまま唇を重ねてきた。舌を入れてきて、口内を舐め回すようにしてくる。
俺は抵抗しようとしたが、上手く力が入らなかった。先程の行為のせいで、まだ腰に力が入らないのだ。
しばらくキスをしているうちに、千雪は俺を押し倒してきた。便座に腰掛けた俺の前に、少し足を広げてしゃがみ込み、曝け出された愚息を優しく撫で始める。
「馬鹿っ……普段通りにしろって言っただろっ」
「はい。私、お馬鹿さんなので、よくわからないんです。だから、教えてくださいね、プロデューサーさんっ」
そして、先端に軽くキスをした。それだけで、愚息はビクンっと反応してしまう。それを見た千雪は、楽しげに微笑むと、舌先を出してチロチロと先端を刺激し始めた。亀頭から裏筋にかけて、何度も往復させる。その度に、俺は情けない声を出してしまった。
「や、やめて……くれ……千雪……うあっ……」
なんとか止めようとするが、全く効果がなかった。催眠深度とやらが低いせいで、俺の言葉が届いてないようだ。千雪は、ひたすらに愛撫を続けていく。
「おちんちんの皮……剥いちゃいますねっ?」
千雪は返事を待たずに、唇で亀頭の皮を甘噛みして、ゆっくりと引き下ろしていった。敏感になった粘膜部分に、空気が触れる感触を覚える。
やがて、完全に露出した肉棒は、ピクピクと震えていた。普段、皮を被せているので、刺激に慣れていないのだろう。俺の意図に反して、俺のモノは興奮しきっているようだった。
千雪は露出されたそれをじっと見つめると、ごくりと喉を鳴らした。
「すごい、すごいですっ。こんなにも、雄々しくて、立派で……」
そして、顔を近づけたかと思うと、鼻をすんすんと動かした。
匂いを嗅がれていると気付いた瞬間、恥ずかしさが込み上げてくる。しかし、千雪は気にせず、俺のモノを凝視しながら呟いた。
「……んはぁっ……これが男の人の……。なんて、濃厚な香り……クラクラしちゃいます……。プロデューサーさん、最近ちゃんとお風呂に入っていないでしょう? だっておちんちんのぉ……あたまのところにぃ……しろいのがぁ……いーっぱい、ついてますよぉ?」
千雪は、舌先でカリ首の裏側辺りに付いているカスのようなものを取ると、それを躊躇なく口に含んだ。そして、俺の顔を見上げながら、味わうようにして咀噛する。
「んふふっ。チーズみたいで美味しいですぅ。もっと食べたいですっ。だからぁ……いただきまぁ~すっ!」
千雪は、再びカリ首の裏に舌を這わせてきた。まるで犬のように、そこばかりを執拗に舐め回していく。その刺激を受けて尿道口から溢れ出た我慢汁も、彼女は嬉しそうに吸い取っていった。その光景は、あまりにも淫猥で、背徳的だ。
しばらくして、千雪は満足げに顔を上げた。彼女の口元には、唾液とカウパー液と恥垢が混ざり合った液体が付着していた。それを舌で掬い取ると、喉を鳴らして飲み込む。それから俺に見せつけるように、口を大きく開けて、中を見せてくれた。
真っ赤な口腔内には、真っ白な歯と、ぬらぬらと光る舌が覗いていた。そして、舌の上には、白い塊のような物が乗っかっていた。恐らく、さっきまで千雪が舐め回していたものだ。
千雪は、その白い粒を摘み上げると、自分の指ごと咥え込んだ。そして、そのまま、ちゅうちゅうと音を立ててしゃぶり始める。
俺はその様子を、呆然と眺めていた。
あの、綺麗で清廉潔白な印象を持たれている千雪が、俺の汚物を喜んで食しているのだ。その事実が信じられなくて、脳が理解することを拒否している。
しばらくすると、千雪はちゅぽんっと音をさせて指を引き抜き、こちらに視線を向けてきた。俺と目が合うと、妖艶に微笑んでくる。
俺は思わず目を逸らしてしまった。見てはいけないものを見てしまったような気がして、胸の奥にモヤがかかる。
千雪は、そんな俺の様子に構わずに、話を続けた。
「……ごちそうさまでした。でも、まだ本命を頂いてませんよね?」
千雪は、おもむろに愚息に手を伸ばすと、優しく握ってきた。そして、ゆっくりと上下させ始める。
「ああっ……くっ……や、やめて……」
俺は必死に懇願するが、手の動きは止まらない。むしろ、どんどん激しくなっていく。先走り汁が潤滑油となり、にゅちゅっにゅちゅっという卑猥な水音が響き始めた。
千雪は、俺の反応を楽しむかのように、亀頭を掌で包み込んで、ぐりぐりと弄ってくる。その瞬間、目の前が白く点滅し始めた。限界が近いようだ。
「ぐっ……やばいっ……出るぅっ!」
俺は腰を浮かして、絶頂に達そうとした。しかし、寸前のところで、千雪は愚息の根元をギュッと握り締めた。射精が阻害される感覚を覚える。
「あっ……がっ……!」
強烈な痛みが全身を駆け巡った。あまりの苦痛に耐えきれず、情けない声が漏れてしまう。寸止めを食らった俺の身体はビクビクと痙攣し、肉棒からは絶え間なく我慢汁が垂れ流されていた。
「な、なんでぇ……?」
イかせて欲しい。早く楽になりたい。
その一心で、千雪の瞳を覗き込みながら、媚びるような声で問いかけた。だが、彼女は何も答えない。ただ黙って、ニヤリと笑うだけだ。
そして、ゆっくりと俺の股間に顔を近づけていく。
「くふふっ。手では散々気持ちよくなってもらいましたけどぉ……次はぁ……。こっちですよぉ……?」
千雪は、亀頭の先端を舌先で舐めた。それだけでゾワゾワッとした快感が背中を走り抜ける。
それから千雪は、竿全体を丁寧に舐め回していった。裏筋から玉袋にかけて、何度も往復する。
そして、舌がカリ首に差し掛かった時。千雪は、カリ首全体を舌先で円をなぞるように愛撫してきた。敏感な部分を責められ、俺は思わず喘ぎ声を上げそうになる。それをなんとか堪え、千雪の舌使いに抗おうとした。
しかし、彼女はカリ首への刺激をやめようとしない。それどころか、今度は裏筋に舌を押し当てて、前後に動かしてきた。舌表面のざらついた部分が擦れ、途方もない快楽を生み出してくる。俺は、その刺激から逃れようとして、無意識のうちに腰を引いてしまった。
すると、彼女は俺の腰を掴み、強引に引き寄せる。それにより、より深く彼女の舌がカリ首に食い込んできた。彼女は、そのまま舌を左右にスライドさせ、亀頭の周囲を舐め回してくる。
今まで感じたことのない種類の快感に、俺の脳味噌はドロドロと溶け出していく。思考能力が失われ、意識までもが曖昧になっていった。
「んっ……どうれふかぁ? きもひいいですかぁ……?」
「あふぁぅっ……」
彼女は舌を休めることなく、こちらに話しかけてきた。
俺はそれに答えることができず、意味不明な言葉を口走ることしかできない。もう完全に、されるがままの状態だ。彼女に身を委ねること以外、考えられない。
「……んー、これじゃあ駄目みたいですね。やっぱり初めてだと、上手くいかないなぁ……」
千雪は一旦顔を上げると、俺の愚息をじっと見つめて、何かを考え込んでいる様子だった。やがて、俺の方へと視線を向けると、にっこりと微笑んでくる。その笑顔を見た瞬間、心臓が大きく跳ね上がった。
「知識だけじゃなくて、もっと練習しないと……。習うより慣れろって、よくプロデューサーさんも言うじゃないですか。だからぁ……」
千雪は目を細めると、大きく口を開けてみせた。赤く滑った粘膜の奥には、ハート型に見えるほどの空洞が見える。まるで、雄の肉棒を飲み込むために存在しているかのようだ。
彼女は、その口腔内を見せつけるようにしながら、ゆっくりと愚息へ近づいていった。そして、唾液まみれになった唇を、肉棒の先端に重ねると、一気に根本まで飲み込んでいく。
「あっ……! あああぁっ!!」
熱くてぬるりとしたものが、肉棒全体に絡みついてきた。それは生き物のように脈動し、激しく吸い付いてくる。気を抜くと、一瞬で果ててしまいそうだ。
「んぐっ……むぐぐ……」
千雪は、喉奥に亀頭がぶつかるところまで、俺の肉棒を頬張っていた。そのせいで、喋ることができないようだ。苦しそうな表情を浮かべながら、必死に頭を上下させている。千雪の口からは、ジュプッ、グポッという卑猥な音が漏れていた。
彼女が頭を動かす度に、喉奥に亀頭がぶつかり、嘔吐反射を引き起こしているようだ。それがまた気持ちよくて、俺は声にならない声を上げてしまった。
「おぐぇっ……おごっ……!」
千雪の顔を見ると、瞳からは涙が零れ落ちている。時折、嘔吐くような声が聞こえてくるが、それでも動きを止めることはない。むしろ、どんどん激しさを増していった。口をすぼめて、強く吸引してくる。それと同時に舌を使って、鈴口や裏筋を執拗に攻めてきた。
「くっ……千雪ぃ!」
俺は、あまりの快感に耐えきれず、千雪の頭を掴んでしまう。だが、彼女はその行為を嫌がる素振りを見せなかった。それどころか、逆に嬉しそうに目尻を下げて、こちらを見上げてくる。彼女は、俺の手を掴むと、自分の後頭部に押し当てた。彼女の柔らかい髪の感触が伝わってきて、思わず心臓が跳ねる。
千雪は、そのままの状態で、頭を動かし始めた。喉奥に亀頭を突き入れられて苦しいはずなのに、彼女は幸せそうな笑みを浮かべている。そんな姿を見ているうちに、胸が締め付けられるように痛くなってきた。
俺は、千雪の後頭部を押さえつけて、欲望のままに彼女の喉奥を犯していく。
「んふー! ……ふぅんっ!」
彼女は反射的に涙を流しながらも、自ら喉を開いて、より深く肉棒を飲み込もうとしてくる。カリ首が引っかかり、喉壁を擦っていく感覚がたまらなく心地よい。
俺は、無我夢中で腰を振り続けた。千雪の舌が裏筋に何度も触れ、竿全体を包み込む。その刺激によって、射精欲が高まってきた。
しかし、そこで俺は、あることに気がついてしまった。このまま千雪の口の中に出してもいいものだろうかと。もし、ここで彼女の口に出した場合、彼女は間違いなく飲んでくれるだろう。
だが、気持ちを歌に込めてファンに届けるのが、アイドルの姿だ。その歌が発せられる喉奥に、邪欲の象徴である精液を流し込むことは、果たして許される行為なのだろうか? ファンに対する背信になるのではないか?
いや、そもそもアイドルに咥えて貰っている時点で、既に罪深いことなのだ。これ以上、己の快楽を優先するのは間違っている。
「ち、千雪っ……もう、いいっ、からっ!」
俺は、慌てて腰の動きを止めようとする。
すると、千雪はそれを察したのか、さらに深くまで飲み込んできた。そのまま喉を鳴らして、尿道に残った残滓まで吸い出そうとしてくる。
千雪の顔を見れば、苦しさで歪んでいるにも関わらず、どこか満足げな表情をしていた。鼻水を下品に垂らしながらも、俺のことを見つめてきている。陰毛に触れるほど喉奥まで犯されているのに、彼女は俺を受け入れてくれていた。その姿を見た瞬間、下半身に全身の血流が集まっていくのを感じる。
結局、俺の理性が勝ったのは、そこまでだった。一度、決壊してしまった堤防は、元に戻らない。
俺は、千雪の頭を掴み直すと、その喉奥に向かって思いっきり突き入れた。
「おっぐぅっ!?」
千雪の目が大きく開き、白目を剥きかける。彼女は一瞬、驚いたような顔を見せたが、すぐに笑顔に戻った。そして、喉の奥まで挿入された俺のモノを離さないよう、強く吸引してくる。
俺は、それに抗うことができず、腰を幾度も振って、千雪の喉奥を犯した。先程よりも強い力で吸われてしまい、思わず膝から崩れ落ちそうになる。それを必死に堪えながら、彼女の頭を両手で固定して、肉棒を出し入れしていった。
「んぐっ……ぐぐっ……! おっ……!」
千雪は、喉奥を突かれる度に嘔吐いていたが、それでも決して俺の愚息を吐き出そうとはしなかった。その健気さに胸が熱くなり、それと同時に、嗜虐心も芽生えてしまう。
千雪をもっと苦しめたい。もっと辱めたい。もっと喘がせたい。もっと泣かせたい。もっと歪ませたい……。そんな衝動に駆られてしまうのだ。
俺は、千雪の頭を掴んだまま、乱暴に揺すり始めた。彼女の頭が激しく前後に揺れる。その度に、口から唾液が飛び散っていた。
「おごっ……おごっ……おごっ……!」
俺は、千雪の頭を抱え込みながら、ラストスパートをかける。彼女の喉奥を突きまくった後、口から抜けるギリギリまで引き抜き、それから千雪の喉奥に愚息を一気にねじ込んだ。
「っぐんぎゅっ……! ぐむんんん……!!」
千雪が身体を痙攣させ始める。彼女は涙目になりながらも、必死にこちらを見上げてきた。俺は、彼女の瞳を見つめ返しながら、欲望のままに大量の精液を解き放った。
「おごぉおおおおぉぉぉっ……!!!!」
あの、清楚な千雪の姿からは想像出来ない程の、獣のような声が上がる。俺は射精中、千雪の頭を掴んで、その喉奥に肉棒を押し込んでいった。
「おぶっ…………ごくっ…………ごくっ…………」
千雪は、俺の股間に顔を埋めたまま動かなくなった。喉を鳴らして、精液を飲み込んでいるようだ。
やがて、長い放出が終わると、俺はゆっくりと愚息を引き抜いた。彼女の唇と肉棒の間に白い糸が引いている。それは切れる事なく伸び続け、繋がったまま垂れ下がっていった。まるで、俺達の行く末を象徴しているように見えた。
俺は、そんな淫靡な光景を見て、再び欲望が湧き上がってくるのを感じた。しかし、流石にこれ以上、彼女の口内を汚すわけにはいかないと思い、何とか自制する。
「……しゅごぃぃ……しゅごしゅぎましゅぅ……」
千雪は放心状態のままそう呟くと、その場にへたりこんだ。床に座り込むと、大きく口を開いて息をしている。どうやら、呼吸を整えることに一生懸命になっているらしい。
千雪は、肩を大きく上下させていたものの、しばらくすると落ち着いたようで、いつものように微笑みを浮かべた。
しかし、その表情はまだどこか蕩けているように思える。頬は紅潮し、半開きになった口からは舌が見え隠れしていた。
「……ぉげぇえっぷっ!! ……げふぅ……あぁ、ごめんなさい、プロデューサーさん……。ちょっと、飲み過ぎちゃいましたね、えへへっ……」
千雪が口に手を当てて、恥ずかしそうな仕草を見せる。俺は、自分のしたことに対して後悔の念を抱いたが、同時に、千雪の可愛らしさに感動を覚えていた。
こんなにも見目麗しい女性が、俺の目の前で下品に乱れてくれたという事実が嬉しく思えたのだ。もちろん、彼女を苦しめたことに対する罪悪感もあったのだが、やはり邪欲の方が勝ってしまう。
俺は、自分の下半身に視線を向ける。そこには、精を出し切って萎えている男性器があった。先程までの勢いが嘘だったかのように、すっかり元気を失っている。千雪の唾液と胃液、そして俺の我慢汁と精液を纏わりつかせていた。
「あ……私ったら、うっかりしてました。お掃除……しますね?」
千雪が俺の足元にしゃがみこむ。彼女は、俺の愚息に手を伸ばすと、優しく撫で回し始めた。
敏感になっていたため、それだけでも感じてしまう。だが、今の俺にとっては、それが心地よかった。
千雪が口を開けて、俺のモノをくわえようとする。その瞬間、俺のモノはビクンッと震え上がった。先程、大量に出したばかりだというのに、もう復活の兆しを見せている。俺は慌てて腰を引いた。
「あ、逃げないでくださいよっ。今から、綺麗にしてあげますから……」
千雪が悪戯っぽい笑みを浮かべる。彼女はそのまま、ぱくりっと俺の愚息を口に含んだ。温かく湿った感覚が、亀頭に伝わる。
「……くっ!」
先程までとは違った優しい刺激に、思わず声が出てしまった。
千雪は、俺の愚息を根元まで呑み込むと、舌先で裏筋を舐め上げたり、鈴口を刺激してきたりした。その絶妙な舌使いに、俺の分身はあっという間に勃起してしまう。
「うふふっ……。お掃除のつもりが、また元気にさせてしまいましたね……?」
千雪は、妖艶な笑顔を見せながら、俺を見上げてくる。俺は、千雪の言葉に反論出来なかった。実際、彼女の言う通りなのだから。
千雪は一旦、口から肉棒を離すと、今度は竿の部分へとキスしてきた。何度も繰り返し、軽い音を立てながら、俺の愚息へ口付けしていく。
「どう……しますか? このまま、口でしましょうか? それとも、手がいいですか? ……私は……こっちがいいなぁ……?」
千雪はそう言って立ち上がり、スカートの中に手を突っ込んだ。俺は、彼女の行動の意味を理解して、ごくりと唾を飲み込んだ。
「やだぁ……すごく濡れてますぅ……。みてください、これぇ……」
千雪は下着を脱ぐと、それを俺の目の前に持ってきた。彼女の秘部を守るはずの布地は、愛液によってぐちょぐちょになっており、その役目を果たしていなかった。淫靡な匂いが、千雪の下着から漂ってくる。
「こっちも……ほらぁ……」
千雪はスカートを捲ると、指で陰唇を広げるようにして見せてきた。彼女の割れ目はヒクついており、膣からは大量の蜜が溢れ出てきている。その蜜に誘われるように、俺のモノは再び、痛いくらいに硬くなっていった。
「プロデューサーさんのおちんちんで、お口を犯されて……私のここ、こんなになってるんですよぉ……?」
千雪はそう言いつつ、自分の性器を指で弄り始めた。その光景はあまりにも官能的で、俺は頭がクラクラしてくるような錯覚を覚える。
「プロデューサーさんが欲しいってぇ……涎を垂らしちゃってますねぇ……?」
彼女はそう呟くと、ゆっくりと俺の上に跨ってきた。そして、男性器の先端部分を、自身の入り口に当てる。その状態で動きを止めて、こちらの様子を窺ってくる。
千雪の顔を見ると、彼女は目を潤ませていた。まるで懇願するような表情をしている。
「……だ、駄目だ! それは、それだけは……!」
俺は必死に首を横に振った。しかし、そんな俺を見て、千雪は微笑む。
「どうしてですかぁ? プロデューサーさんもぉ、私と一つになりたいですよねぇ? こんなにかたくさせてるんですから……」
千雪は自分の秘部を、愚息に擦り付けるようにしながら、腰を淫らに動かし始めた。彼女の愛液も相まって、ぬちゅっぬちゅっという水音が聞こえる。
正直、今すぐにでも挿れたい衝動に駆られたが、俺はなんとか踏み留まった。確かに、俺のモノは限界に近いほどに勃起している。だが、それでも一線を越えてはならないと強く思った。
なぜなら、千雪はアイドルとしてはまだまだ新人で、これから多くの仕事をこなしていかなければならない立場にある。だから、この行為が原因で、今後に支障をきたしてはいけないのだ。
そもそも、俺と千雪は恋人同士ではない。催眠のせいでこうなっている訳で、もし俺達が結ばれてしまったら、他のアイドル達にも示しがつかないだろう。
……我ながら、今更になってプロデューサーらしいことを言っていると思うが、これは仕方がないことなのだ。
俺が葛藤を続けていると、千雪が妖しく笑いながら囁いてきた。
「私の初めて……。欲しくないんですか? 二十三年間、誰にも許したことのない……私だけの大切な場所……。そこに、貴方を受け入れたいと思っているんですよ……?」
俺は息を呑んだ。千雪の瞳は真剣そのもので、嘘をついているとは思えない。それに、彼女も本気で誘っているのだと理解できた。
彼女の誘いに乗ってしまえば、きっと後悔する。しかし理性では分かっていても、本能が求めてしまう。
「ほら……あと少し、貴方が腰を上げれば……入っちゃいますよ……? ねぇえ……どうしますぅ……?」
千雪はそう言って、再び俺の愚息に割れ目を押し当てた。亀頭部分が熱い粘膜に包まれるような感覚。このまま、何もしなければ、本当に入ってしまうかもしれない。
……もう、いいのではないか。ここまで我慢して耐えてきたのだし、一度くらいはいいじゃないか。俺は、おもむろに腰を浮かして——
「……くぁ!」
俺は欲望に負けそうになったが、すんでのところで思い止まった。やはり、俺が彼女の人生を狂わせて良いはずがない。
俺は最後の力を振り絞って、彼女の肩を掴んだ。
「あんっ……」
すると、千雪は残念そうな顔をしながら、俺の上からどいてくれた。俺は安堵の溜息をつく。どうやら、諦めてくれたようだ。
「……もう少しだったんだけどなぁ。でも、まだ時間はありますからね。ゆっくりと、堕としてあげますよ……」
「な、何を、言っているんだ……?」
「……くふふっ」
千雪の言葉の意味がわからず、俺は戸惑う。彼女は笑顔を浮かべて、俺を見つめていた。その笑みはどこか妖艶な雰囲気があり、見ているだけで吸い込まれそうになるような魅力がある。
千雪は跪いて、俺の愚息に手を伸ばしてくると、優しく握りしめてきた。そして、そのまま上下に動かし始める。
「なっ! やめてくれたんじゃっ……」
予想外の展開に、俺は声を荒げた。だが、千雪は手を止めることなく、むしろ激しく動かす。
「はい。初めてを捧げるのは、一旦後回しにしましたよ。でも、こんなに大きくなったおちんちんを、放っておくなんてできませんから……ねっ?」
「い、いやっ、もうっ……!」
俺は抵抗しようとしたが、力が入らない。身体が熱くなり、全身が敏感になっている。それに加えて、千雪の手技によって、的確に性感帯を刺激されて、腰が抜けてしまった。
そして、俺はあっという間に限界を迎える。
本日三回目の射精。いったい、どこにそんな量が残っていたのか分からないほど、大量の精液を吐き出してしまった。千雪の手の中に収まりきらず、白い液体が溢れ出てきている。
「わぁっ……わあっ! すごいですっ! いっぱい出てるぅっ……!」
千雪は目を輝かせて、俺の出したものを手に取ったり、匂いを嗅いだりしていた。そして、俺に見せつけるようにしてから、口の中へと運んでいく。ゴクリと喉を鳴らしてから、飲み込んだ。
千雪がこちらを見てくる。彼女の瞳には、ハートマークが浮かんでいるように見えた。どう見ても正気じゃない。搾り取れ、なんて命令をした記憶はないはずだ。
俺は、どうにか逃げ出そうとしたが、腰が抜けた状態なので、上手く動けない。それに、今の状態だと、またすぐに勃起してしまいそうだ。
……いや、してしまっていた。普段の自慰でも、一日に出せて二回が限度なのに、今はそれ以上だ。さすがに体力の限界が来ている。腰を動かすだけで、陰嚢に鈍い痛みが走った。
「まだ……できますよね? 今度は、お口で、してあげますねっ……」
千雪が近づいてきて、俺の耳元で囁いた。
甘い吐息が耳に吹きかかる。それだけでゾクッとした快感を感じてしまう。
その後、俺は千雪に二回迫られて、計五回も射精させられてしまった。幸いにもその間、誰も事務所に来ることはなかったが、もし誰かが来て、この状況を見られたらと思うと、気が気ではなかった。
俺はへろへろになりながらも、なんとか自分の家までたどり着いた。仕事は手につかなかったので、別のスタッフが事務所に戻り次第、早退させて貰ったのだ。
俺は玄関の扉を開けて中に入ると、その場に座り込んでしまった。身体が怠い。
人間の限界を遥かに超えた回数の射精をしたのだから当然だろう。もう一歩も動きたくない気分だったが、そうも言っていられない。俺は這うように進んでいき、カーペットの上に倒れ込む。このまま眠ってしまいたい衝動に駆られた。
しかし、俺の意識はすぐ覚醒する。スマホの振動音が聞こえてきたからだ。
俺は重くなった腕を持ち上げて、スマホを確認する。すると、アプリの通知が表示されていた。……催眠アプリだ。
嫌な予感を覚えつつ、俺は画面をタップして、アプリを起動させる。すると、画面上のハートが妖しく光った。そして、下部にあるゲージが少しずつ増えていき、ハートの四分の一を占めたところで止まる。
そこで、ピロンと音を立てて、メッセージが届いた。
【催眠深度が上がりました。現在の催眠深度は30%未満です】
それは短い文章だった。俺はその意味を理解するのに少し時間がかかった。そして、理解すると、愕然としてしまう。まさか、トイレでの千雪とのやり取りで、催眠が深くなったというのか。
さらに、続けて新しいメッセージが届く。
【対象への催眠成功率が上昇しました】
これは、額面通りに受け取るなら、俺の催眠スキルが上がったということだろうか。しかし、催眠深度とは、何をきっかけに増減するものなのだろう。そもそも、どうして急に上がったりしたんだ?
そう疑問に思っていると、再びメッセージが表示される。
【催眠深度は、使用者及び対象の欲望によって上下します。欲望が抑圧されればされる程、ゲージが上昇します。欲望が満たされると下降していきます。基準は愛欲に重きをおいて設定しています。欲求不満は催眠深度の上昇の主因となり得ます】
……長いな。つまり、俺と千雪が性的な関係を持つほど、ゲージが下がっていくわけか。そして、千雪の誘惑を耐え抜くほど、逆に上昇していく、といったところか。
俺は納得しつつ、辟易とする。あと一ヶ月も我慢しろと言うのか。それは無理だ。なにせ初日で30%近く溜まってしまったのだから。明日からどうすればいいというのだろう。
千雪は積極的に誘惑してくるだろうし、俺の方から仕掛けることもできなくはないが、やはり立場的にまずい。万が一見つかれば大変なことになるだろう。
それに、こんなことをしていては、仕事に支障が出る。俺の我欲のせいで、他のスタッフにまで迷惑をかける訳にはいかない。
千雪を満足させつつ、この問題を解決する方法を考えなければならないようだ。
俺はため息をつく。今日だけで一生分くらいの幸せが逃げていったような気がした。こんな糞アプリなんか使うんじゃなかったと後悔するが、もう遅い。
ゲージが100%になってしまえば、千雪の精神は崩壊して、完全に俺のものになるらしい。だが、そんな事は、俺は望んでいない。
千雪にはいつも通り、ファンを癒してくれる存在であって欲しいと思っている。いや、それも俺の勝手な願望なのか。
だが、現状ではどうすることもできない。とにかく、しばらくは様子見をするしかないようだ。俺はそう結論づけて、重い身体を引きずって、ベッドへと向かうのであった。