※この作品はR-18です。

催眠アプリがインストールされました   作:ぬいカス

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16日目・中編

 

「撮影は以上となります。お疲れさまでした!」

 

 晴天に恵まれた昼下がりの砂浜。滞りなく進行していた水着の撮影は、予定時間通りに終了した。スタッフさんの締めの言葉とともに、各々が帰り支度を始める中、私はほっと一息つく。

 でも、気を抜きすぎてはダメ。まだお仕事は終わりじゃないんだから。

 

「どうも、お疲れさまでした……!」

「はいはい、お疲れさま!」

 

 私は、撤収準備をしているスタッフさん方に挨拶をして回り、最後に監督さんへ声をかけた。

 

「いやぁ、今日の千雪ちゃん、よかったよぉ……! 前よりも表情に色気が出てきたし、ポージングにも磨きがかかったねえ!」

「あ、ありがとうございます……」

 

 興奮気味にまくしたてる監督さんに苦笑しつつ、お礼を述べる。

 実際、自分でも手応えを感じていた。以前はスタッフさんとはいえ、多数の男性に肌を晒すという行為が恥ずかしくて、緊張していたけど。

 これも全部、プロデューサーさんのおかげかな。撮影前に緊張をほぐしてもらったもんね。心と身体……両方とも、やりすぎなくらい。

 

 ちらりと、少し離れたところでスタッフさんと談笑している彼を見やる。彼は私の視線に気づくことなく、楽しそうに笑っていた。

 

「前はこう……ウブというか初々しい感じだったのが、今はグッと色っぽくなったよ! 恥じらう表情もたまらないけど、こういう余裕のある大人の女のエロスっていうのかなぁ? 千雪ちゃんのナイスボディでそんな表情をされると、こっちまでムラムラしてきちゃうよ!」

「えっ……?」

「うーむ、脱がなくても凄いけど、脱いだらとんでもないなぁ。ボンッとはみ出しそうなくらいたわわに実った胸、キュッとくびれた腰、これまたボンッなヒップ……! グラビアアイドルなら、優にトップをとれるだろうねえ。実に惜しい……」

 

 監督さんはそう言いながら、視線を私の顔から下へと舐めるように移動させていく。遠慮のないその眼差しに思わず身じろいでも、下心を隠そうともしない彼。

 そして、その視線が、私のある一点に集中していることに気づく。照りつける日差しに汗が滲み、ぴったりと張り付いた水着の生地を押し上げている、大きな二つの膨らみ。

 

「……っ」

 

 ——きもちわるい。

 

 私が、それを隠すように腕を組むと、監督さんの口元がにやりと歪んだ。でっぷりと肥えて日焼けしている肌に、加齢による薄い頭髪。いかにも好色そうな顔つきをした中年男性が、舌なめずりする様を見て、はっきりと嫌悪感を覚える。

 今までも男性にこういう目で見られることは度々あったけど、ここまで露骨なのは初めてだった。誰しも下心をオブラートで包むものだけど、この人の場合はそれがまったくないみたい。

 

「……このあとさあ、打ち上げをやるつもりなんだけど、千雪ちゃんも来なよ」

「打ち上げ、ですか……」

「うん。こういう業界は、付き合いってものが大事だからねぇ。君も大人なんだから、意味はわかるでしょ?」

 

 監督さんは厭らしい笑みを浮かべたまま、一歩前に踏み出す。私が反射的に後退りすれば、彼は手入れのされてない眉をひそめて、露骨に不機嫌さを露わにする。

 正直、断るべきだと思う。でも、目上の方からの誘いを私の一存で無下に断るというのは、今後のことを考えるとあまり良くない。私だけじゃなく、283プロ全体のイメージに関わること。今のは私は、アイドルとしてここにいるのだから。

 

「ええっと……」

 

 そうだぞ、千雪。私は大人なんだし、上手く立ち回らないと。ご機嫌とりくらい、お手のものでしょ? 

 だから愛想笑いを作って、お受けすればいいのよ。それで万事解決。簡単じゃない。ほら、言ってみて? 大丈夫、少しの間、我慢するだけ。

 

 ——うるさい。

 

「千雪ちゃんは頭がいい。どうすれば円滑に世渡りできるか、わきまえてるはずだ。なに、美味しいものを食べながら、ちょっとお酒でも飲んで楽しく話すだけさ。経費もこっちが持つし、悪い話じゃないだろう?」

 

 監督さんは、なおも食い下がり、私に迫ってくる。

 

 ……きたない。

 

 彼の口から吐き出される生暖かい吐息が気持ち悪い。ねっとりとした視線に晒されるたび、全身に鳥肌が立つのがわかる。中年男性特有の脂ぎった肌が、まるでナメクジのように思えてくる。

 

 ……くさい。

 

 この人の体臭……それが熱気によって蒸らされ、不快な臭いとなって鼻腔を刺激する。

 ツンとくる汗の臭いと、波音と共に漂う潮風の匂い。それらが混じり合って吐き気を催す悪臭となり、私の身体を侵していく。はやく、この場所から離れたい。

 

「ん? どうなんだい、千雪ちゃん……」

 

 難を逃れるように視線を落とすと、はっきりと分かるくらいに盛り上がった彼の股間が目に入った。短パン越しにその存在を主張している、欲望の塊。それを目にした瞬間、私の脳裏に最悪のシナリオが浮かんだ。

 

 仮に打ち上げに行ったとして、その最中セクハラを受けるのが予測できるし、多少なら我慢しようと思えるけど、その後は……? お酒に弱い私なんて、酔わされたら抵抗できないに決まってる。そうなったら、きっとホテルに連れ込まれて……。

 そんな犯罪めいたこと、立場のある人がするの? ……ううん、立場があるから、しちゃうんだ。だって、スキャンダルを起こしたって、揉み消せるから。そういう陰のある業界に、私は身を置いている。

 

「283さんとは、これからも良い付き合いをしていきたいんだから……ね?」

「……私は」

 

 私はアイドル。アルストロメリアの桑山千雪。283プロのおねえさん役。だったら——

 

 ……違うでしょ。私は、千雪には——

 

 

「——あの……! 桑山がなにか……?」

 

 不意に私の視界に、さっと大きな影が映る。私を庇うように監督さんと私の間へ割り込んだそれは、紛れもなくプロデューサーさんの背中だった。

 

「……ああ、なんてことないよ。千雪ちゃんを打ち上げに誘っただけだから」

「そうですか。……ですが、あいにく桑山はこのあと予定が詰まっておりまして……。申し訳ありませんが、今回はご遠慮させて頂きます」

「んん……? そ、そうかい。じゃあ、しょうがないか……」

 

 監督さんは一瞬面食らったような顔をしたけど、すぐに軽薄そうな笑みを浮かべると、また今度誘うよと言って去っていった。

 

「……ふっ」

 

 私は安堵のため息を漏らしつつ、後ろを振り向いたプロデューサーさんを見上げる。

 そう、私には彼がいる。彼がいる限り、不幸になんてならない。杞憂にしかならない。勝手に変な想像しちゃって、馬鹿みたいだなぁ。なにやってるんだろ、私。

 

「ごめんっ、千雪!」

「えっ……?」

「一人にしてしまって、気が利かなかった。俺としたことが、プロデューサー失格だ……」

「そ、そんな……! 謝らないでください……!」

 

 開口一番、頭を下げて謝罪の言葉を口にする彼に、慌てて声をかける。そもそも、私が一人で行動していたのが悪いんだから、プロデューサーさんが謝る必要なんてないのに……。

 

「いや、いつもは平気だろうけど、この現場は……な。仕切ってる監督のあの人、仕事はできる人なんだけど、ちょっと悪い噂があるんだよ。だから……」

「そうだったんですか……」

 

 でも、この人はそういう人なんだ。優しくて、誠実で、他人のために一生懸命になれる人。自分のことなんて二の次で、いつだって他人のことばかり考えてる。

 そんなプロデューサーさんが好き。何物にも代え難いほど愛している。絶対に私のものにしたい。

 

 だから、彼の弱みをついてでも、私は征くの。唯一見出した綻び。ほつれたボタン、縫い目の小さな穴。彼の……我欲。

 あのときみたいに、直す……? ううん、穿つ。こじあける。内側に入り込む。逃さない。

 

「何もされてないよな? 何か不快な思いをさせることとか、言われてないか……?」

「ふふ、大丈夫ですよっ。プロデューサーさんが、来てくださったので……!」

 

 その心配は、プロデューサーとしての立場から? それとも、一人の男性……恋人としての感情?

 後者だったらいいなぁ……と思いつつ、プロデューサーさんを見つめて微笑む。すると、彼はほっとしたように表情を緩めて、私を見つめ返してくれる。

 

 ——好き。真っ直ぐな瞳。私を射抜く爽やかな視線。優しい言葉。全部、全部、大好き。

 でも、足りない。もっと私を見て。あなたに全部見られたい。女の子として見られたい。少し視線を下げるだけでいいの。あなたにしか見せたくない、私の大事なところ。

 

 少しだけ穢されてしまったから、またあなたの手で塗り替えてほしいな。あなたの色にしてほしいの。

 揉んで、吸って、弄って、くすぐって、挟んで、気持ち良くなって、出して、染み込ませて……。あなた以外寄り付かなくなるように、味と匂いをマーキングしてもらうの。

 

「よかった……。じゃあ、控え室に戻ろうか。この日差しの中、長居するのはまずいからな」

「はいっ……!」

 

 もう、堪え性がないんだから。彼が近くに来た途端、私の中が騒ぎ出すの。

 さっき変な想像しちゃったからかもしれない。身体が火照って、子宮が疼いて、欲しくてたまらなくなる。水着の布地を押し上げて、埋まっていた芽が顔を出してしまう。

 

「暑かっただろ? 戻ったら水分補給を忘れずにな」

「ええ、たっぷりいただいちゃいますから……!」

 

 溢れ出る蜜がシミになる前に、早く二人きりになりたい。汗がじわりと滲むのは、気温のせいだけじゃないかも。

 

「ふふっ……!」

 

 アイドルのお仕事は終わり、私たちだけの時間が始まる。

 砂浜を歩き出したプロデューサーさんの足跡をなぞりながら、これから味わう楽しみを想像して、私は口元が緩むのを感じた。

 

 

 

 それからしばらくして、私は控え室そばにあるシャワールームの個室に居た。汗と潮風にまみれた身体を洗い流すためにここに来たんだけど、別の目的もあるの。

 

「千雪……そんなに焦らなくても……」

「いいじゃないですか。お仕事も終わりましたし……ねっ?」

 目の前に居る旦那さまが、困ったような声を出す。半ば強引に連れてきたから、当然といえば当然の反応かなぁ。でも、あなたが優柔不断なのがいけないんだぞっ。

 

 だから、そんな彼を無視して、私は密着させた身体をよじらせる。お互いに裸で汗ばんでいるおかげで、触れ合う肌がしっとりと吸い付くような感覚。

 普通なら気持ち悪いと思うかもしれないけれど、彼のものだと全然嫌じゃないのが不思議。洗い流すのがもったいないと思っちゃう。

 

「なにもこんな場所で……」

「ここは女性専用で、関係者以外利用禁止になってますから、大丈夫です……!」

「……そういう意味じゃなくてだな」

 

 身体の内側で燻る熱が、行き場を求めて全身を駆け巡る。狭い個室に、蒸気した私たちの体臭が充満して、雰囲気までもが淫靡なものへと変わっていく。

 催眠深度を弄っておいたおかげか、口では言いつつも身体は抵抗の意思をみせていない。今までたくさん誘惑してきた成果も相まっているのかな。

 

「……まあ、仕事後のご褒美って思えばいいか」

「ふふ、いっぱい頑張りましたからね、私……!」

 

 私が熱っぽい視線を向ければ、彼は困ったように頭を掻いて、ため息をつく。そして、諦めたかのように私の身体に腕を回してきた。

 

「んっ……まずは水分補給をしなきゃ、ですね?」

 

 私は彼を見上げて、口を開ける。雛鳥が親鳥から餌を求めるような仕草だけど、これはキスを待っているわけじゃないの。

 

「くりゃひゃい……♡」

 

 それを理解したのか、旦那さまも口を開いて、舌を突き出してくれる。それを伝って落ちてくる彼の唾液を一滴も零さないように受け止めて、こくりこくりと飲み干していく。

 ああ……美味しい。彼の体液が喉を通り、胃に落ちる感覚すら愛おしい。それにキスでするよりも、よりダイレクトに彼の味が伝わってくる気がして、とっても興奮する。

 

「んん〜……れぇ〜っ♡」

 

 そのまま背伸びして、少しずつ舌を近づけていく。私と彼のあいだに架かった銀の橋が狭まっていって、やがて先っぽ同士が触れ合った瞬間、どちらからともなく貪るように絡みついた。

 

「れるぅ……ちゅっ……ちゅるるっ……♡」

 

 舌の表面を擦り合わせるようにして舐め回し、裏側も丹念に愛撫する。深くて濃厚なキスは、まるでお互いの口を犯し合っているかのような錯覚に陥るくらい気持ちいいの。

 

 その間も、私たちは身体を重ね合わせてる。がっちりとした筋肉質の身体に包まれると、なにをされても抵抗できなくなっちゃいそう。もちろん、逃げる気なんてさらさらないんだけど。

 そして私の柔い胸は、鍛え上げられた彼の胸板に征圧されて、いやらしく形を変えていた。少し身じろぎしただけで、先っぽから甘い刺激が伝わってくる。

 

「ちゅるっ……んっ、あちゅいぃ……♡」

 

 火傷しそうなくらい滾った彼のモノが、お腹に当たってるのがわかる。先っぽを私のおへそ辺りにぐりぐりと押しつけてきて、まるで中に挿入りたいって言ってるみたい。

 でも、その奥は赤ちゃんのお部屋。みるくをぴゅっぴゅしたいのなら、おまんこに入れてごしごししないとダメなの。あなたからしてくれるなら、いつでも大歓迎なんだけどなぁ。

 

「んん……ちゅっ。ふふっ……♡ おかげさまで、潤いましたぁ……♡」

 

 しばらく堪能してから口を離すと、ねっとりとした橋がふたたび私たちの間に架けられて、ぷつりと切れた。彼もぼーっとした顔で私を見下ろしているあたり、どうやら満足してくれたみたい。

 

「お次はぁ……塩分補給です……!」

「んっ……」

 

 私は旦那さまの前にしゃがみこみ、ピンっと上を向いて準備万端といった様子のおちんちんを、両手で包み込むようにして握った。それだけでぴくりと反応しちゃうのが、とっても可愛いの。

 

「こんなに張りつめて……んっ……ん、んっ♡ 今から楽にしてさしあげますね……?」

「あっ……くぅ……っ!」

 

 先っぽを覆う皮に唇を這わせて、軽くキスをしていく。そのたびに頭上からは切なげな吐息が漏れ聞こえてきて、私の心を満たしてくれる。

 普段は頼りになる私の旦那さま。でもスーツを脱いだら、一人の男の子になるの。

 皮かむりの包茎おちんぽちゃんを見られると、自信なさげに縮こまっちゃうかわいい人。恋人の私だけが知っている、秘密の素性。

 

 よくわからないけど、彼は包茎がコンプレックスみたい。汚れが溜まりやすいからかなぁ。こんなに可愛いんだから、気にすることないのに。

 だけど、欠点だと思ってくれたほうが、受け入れ甲斐がある。上辺だけで好きになったわけじゃないって、証明できるから。

 恋は盲目っていうけれど、私には当てはまらない。だって彼の良いところも悪いところも、その全部を知ったうえで好きなんだもん。

 

「わあ……♡ 先っぽからおつゆが垂れてきましたよぉ……? 撮影中も我慢してたのが分かっちゃいますね……ふふっ♡ ちゅ……っ♡ んん〜♡」

 

 私と違って、彼には異性経験がある。いつかの食事を共にした際、お酒の入った彼にさりげなく聞いた男女の話。

 こんなに素敵な人なんだから、あるのが当然なんだけど……そのときは胸焼けするくらいに嫉妬したのを覚えてる。

 

 今まで何人かとお付き合いしたんだって。でも、長続きしなくて、全部相手側から別れを切り出されたみたい。

 何が不満なの? 仕事人間だから? 時間がなくて構ってくれないから?

 そんなことで彼を蔑ろにするなんて、同性として心底軽蔑する。おかげで彼と関係を結べたんだから、私にとっては好都合だけどね。

 

 それに、そこまで好きじゃなかったんでしょ? 外面だけしか見てなかったんでしょ? だからあっさりと捨てちゃえるんだ、物みたいに。かわいそうな旦那さま。

 私は違う。彼の全部が好き。包茎も、チンカスも、カウパーも、精液も、おしっこも、アナルも、たまたまも大好き。

 

 私は雑貨が好き。彼を私のものにしたら、なによりも大事にするの。汚れてもキレイにしてあげて、壊れても直してあげて、ずうっと使い続けてあげる。他の人みたいに身勝手に捨てたりなんかしない。

 そう、私の存在を縫って、刻んで、刷り込んで……他の誰も手出しできないようにするんだから。

 

「撮影中の私はどうでしたか……? おちんちんがこんなになってるから、聞くまでもないかもしれませんけど……」

「ああ……良かったよ。スタッフさんも手放しで褒めていたくらいだ」

 

 ゆっくりとおちんちんを扱きながら聞くと、彼は照れたように微笑んで答えてくれた。

 

「でしたら、きっとスタッフさんたちもこんな風に、おちんちんをおっきくしてたんだろうなぁ……」

「えっ……?」

「私のことをいやらしい目で見て、えっちな妄想をして……。つまり私は、精神的に犯されていたんです……」

 

 私がそう言うと、旦那さまは困惑した表情を見せる。それと連動するように、手の中のおちんちんがピクッと反応した。

 あの監督さんみたいに私を狙ってる人がいるんだぞって、はっきりと分からせてあげなくちゃ。守ってくれるのもいいけど、早く私を旦那さまのモノにして、安心させてほしいの。

 

「あの場に居た方たちだけじゃありません。雑誌に載った私の水着姿の写真を見るファンの人にも、頭の中で辱められるんです」

「それは……」

 

 私は上目遣いで彼の目を捉えながら、二の腕を寄せて胸を強調するポーズを取る。すると密着した谷間から、汗がじわりと滲み出してきた。

 片手だとはみ出しちゃって支えきれないほどに育った、私のおっぱい。女性としての魅力が詰まった身体。でも私は学生時代、これを好意的に思っていなかった。

 

 幼少期から発育が良かったせいか、中学を卒業するときにはもう90センチを超えていて、歩くたびに揺れるのが恥ずかしくて、それに嬉々としている男子たちの目線が苦手だった。

 高校に入ってもそれは変わらず、むしろ悪化していって、好奇の目に晒される毎日。身体を動かすのは好きだけど、一挙一動ごとに観察されるのが嫌だったし、その頃から体臭がキツいのもあったから、運動部に入ろうという気にはならなかった。

 結局は文化系のクラブに入って、そこでは穏やかな日々を過ごしていった。美術部の部室の窓から眺めていた野球部の練習風景を、今でも鮮明に覚えてる。

 

「ええ、アイドルがそういう目で見られるのは、仕方のないことです。私だって覚悟の上でしたから。表舞台ではキラキラと輝いていても、裏ではドロドロとした競争のある世界ですし……」

 

 そんな恋愛にも奥手で、目立つのを恐れていた私がアイドルになったのは、ひとえに旦那さまの……プロデューサーさんのため。彼に必要とされたから、私は変われた。

 

「でも、最近は嫌になってきたんです。人前で踊ったり、肌を晒したり、写真を撮られたり……」

「そ、そうだったのか……? 気づいてやれなくて悪かった。俺は千雪の担当なのに……」

「いえ……。でも、どうしてだと思います……?」

「えっと……」

 

 私が話している間、彼はずっと私の目を見据えていてくれていた。わざとらしい誘惑に負けてうつつを抜かすことなく、ちゃんと話を聞いてくれているのだと分かる。

 私に言い寄ってきた男性は、みんな私を見ていなかった。上っ面しか見ていないような人たちばかりだったから、私も自然と距離を置くようになっていた。だからこそ、あなたに惹かれてしまったのかも。

 

 初めて出会ったあのとき、真っ直ぐ私を見てくれたあなたが好き。人の気持ちに敏感で、自分のことのように考えてくれる優しいところが大好き。あなたになら自分のすべてを捧げられると思うくらい、心の底から愛している。

 

「アイドルじゃなく、恋人としてあなたのそばに居たい。そういう気持ちが強くなったからかなぁ……? ふふっ……!」

 

 だからこそ、この思いを知ってほしい。知ってもらって、受け止めてほしいと思うのは当然でしょ? それが、どんなに歪なことであっても——

 

「あ〜……んむっ!」

「はうっ……!」

 

 私は大きく口を開けて、彼のおちんちんの先っぽをぱくりと咥える。突然のことに驚いたのか、彼が小さく悲鳴を上げるのが聞こえた。

 言葉は多くの場合、心情を偽る役を担うから、本心を伝えるには身体を通すのが一番効率的で、そして確かなもの。そう考えている私には、性行為に対する抵抗がない。もちろん、愛する旦那さま限定だけど。

 

「ん〜♡」

 

 先っぽの段差のところに唇を引っかけて、ちゅっと吸い上げてみる。すると口の中に、ほんのりと苦味を帯びた味が広がった。

 余った皮の先から、とろ〜っと溢れ出てくるカウパー液。女の子と一緒で、興奮したり気持ちよくなったりすると出てきちゃう、えっちなお汁。私に対する愛情が形になってるみたいで、とっても嬉しいの。

 

「ちゅ……♡ れぅ……♡」

「うぁ……!」

 

 だから私は、貪欲に求めてしまう。唇をキュッと締めておちんちんの皮を固定し、舌先を包皮の中にねじ込む。彼のせつなげな声が上から降ってきたけど、気にせずに続けて、そのままこじ開けるようにぐりぐりと動かすと、すぐに粘膜の部分が舌先に触れた。

 

「ぅん……ッ♡♡」

 

 途端に舌の上に広がる、塩気の強い味わい。それに口内から直接肺に流れ込む、彼の濃厚な匂い。おしっこと汗と愛液が混ざり合った背徳的とも言える香り。

 現場で彼も立ち会っていたから、包皮の中には熱気によって蒸れたソレがたくさん溜まっていた。それに剥かずに咥えているせいか、いつもより匂いが強くて頭がクラクラしちゃう。普通なら耐えられないほどの悪臭だけど、私にとっては大好きな旦那さまの匂いだもん。

 

 ただ、おちんちんの掃除を禁止していても、毎日えっちしてると薄れていくのが難点かなぁ。チンカスがこびり付いてるおちんちんを食べたいのは山々なんだけど、溜まるまで我慢できるわけないじゃない。

 そういえば、遺伝子的に相性の良い異性の体臭は好ましく感じるって、雑誌で読んだことがある。だから私は何もおかしくなくて、匂いを吸い込むほどに、汚れを味わうほどに身体の芯が熱くなって幸せな気分になっちゃうのは、彼が運命の人だって裏付けに他ならないの。

 

「れるれるぅ〜♡」

「いっ……! そ、その動きは、ダメだって……っ!」

 

 包皮の中に舌をねじ込んだまま、先っぽの周りをぐるぐると舐め回すように刺激する。粘膜と皮の裏側を同時に攻められて辛いみたいで、彼の口から苦悶の声が漏れだした。でも、その声色からは苦痛よりも快感のほうが勝っていることがうかがえる。

 

「や、やめっ……くぅ……!」

「んふふ……っ!」

 

 ふふっ、情けない声だなぁ。でもやめてあげないもんっ。今日は散々イかされちゃったから、沢山お返ししてあげたいの。

 おちんちんは、女の子のクリトリスを大きくしたようなもの。だから性感帯も一緒で、感じすぎて苦しくなっても、それ以上に気持ちいいはず。

 

 私は腰を引きはじめた彼を逃すまいと、お尻を掴んでがっちりとホールドした。それから咥えたままの口をすぼめて、唇で甘噛みするように先っぽを虐めてあげる。

 

「あむあむぅ〜♡ れるぅ〜♡」

「ち、千雪ぃ……!」

 

 露出した粘膜の根元……この段差になっているのが、彼のイイところなの。汚れが溜まりやすいから、いつも入念に舐めているんだけど、ここに触れるとビクビク震えだすのが可愛いんだぁ。

 

「ふふっ、たくふぁんひもひよふひてあげまふね……?」

 

 外側には唇で柔らかい刺激を与えつつ、内側を丹念に磨いていく。舌が包皮に挟まれてるから、剥いてるときよりおちんちんに密着していて少し動かしづらいけど、その分じっくり味わえるのがいい。

 

「き、気持ちよすぎ……っ!」

 

 それに、いつも以上に感じてくれてるから、こっちもやりがいがある。彼が私で快感を得るほど、私の中の女としての本能が満たされていく気がして、ますます興奮してしまうの。

 でも、これはまだ序章。ほんの前座に過ぎないんだから。本番はやっぱり——

 

「もう……でるっ!」

「んん……っ!?」

 

 私が夢中に奉仕していると、おちんちんが限界を迎えたみたいで、ビクッビクッと脈打ち始めると同時に、熱いものが口内に流れ込んでくる。

 途端に鼻を突き抜ける、濃厚な彼の匂い。そして、ほろ苦い味が広がる度に、頭の中が真っ白になって何も考えられなくなる。

 

「んっ……♡」

 

 この瞬間が好き。好きな人のものを受け止めてあげられる幸福感が、全身に染み渡っていくのが分かるもの。

 私が彼を幸せにして、彼も私を幸せにしてくれる。これが恋人の特権。夫婦の営み。最高の愛情表情だと確信できるわ。

 

「んぐぅ……」

 

 残った精液を舐めとりやすくするために、口の中で包皮を剥いていく。甘噛みしたままおちんちんを奥へと迎え入れれば、自然と先っぽの粘膜が顔を出してくれる。

 

「れるれるぅ〜♡」

「うぅ……!」

 

 そして、おちんちんについた精液を絡め取るように舌を動かしたら、おちんちんをピクピクと痙攣させて反応してくれた。イッた直後は敏感になるのも、男女で変わらないみたい。

 それが可愛くて、ついつい何度も繰り返しちゃう。休みなく続けられると辛いのはわかってるけど、止められないの。旦那さまも、私がイッてもやめてくれなかったもん。それは同じ気持ちだからよね?

 

「こく……っ、んく……んっ……♡ ちゅる……っ♡」

 

 唾液と一緒にお汁を飲み込みつつ、そのまま味がしなくなるまでおしゃぶりしてから、口を離してあげる。

 ぷるんっと揺れて姿を現したずる剥けおちんちんは、私の唾液にまぶされてテカテカと輝いていた。ワックスがけされた床みたいに光沢を帯びてて、とっても素敵だなぁ。

 

「はあぁ……♡ ごちそうさまでしたぁ……♡ やっぱり直接中にいただけると、一味違いますね……!」

「ははっ……それはなによりだ」

「ふふふっ……! 旦那さまにも、ご満足いただけたようですね……?」

「ああ、あの動きは凄かったよ。今までで一番だった。あんなのされたら、ひとたまりもないさ。どんどん上手くなっていくなぁ、千雪は……」

 

 彼はそう言って、褒めるように私の頭を撫でてくれた。それが嬉しくて、自然と笑みが溢れてしまう。

 

 ……今までで一番かぁ。旦那さまは今まで、何人の女性と、何回えっちしたんだろう。その思い出は、まだ残っているのかな……? 

 私は初めてなのに。私はこんなにも、あなたのことしか考えられないのに。あなたが他の女の子と仲良くしているだけで、胸が張り裂けそうなくらい苦しいのに。あなたが他の女を抱いていると考えると、気が狂いそうになるのに。

 

 でも、いいもん。これからは私で、あなたの中を埋め尽くしてあげるんだから。ランキングを千雪の名前で独占して、他を圏外に突き落として、永遠に居座り続けるの。私がいる限り、他人がつけ入る隙なんて与えないんだから。

 

「よかったぁ……! でも、まだおちんちんがおっきしたままですね?」

「えっ……いや、これは……」

 

 私の目の前には、まだ物足りないと訴えかけるかのように元気なままのおちんちんがあった。血管をくっきりと浮かび上がらせて、ビクビクと力強く脈動していて、たくましい大人のおちんちん。

 

 男性は一度にイける回数に限りがあるらしいけど、旦那さまのはそれを感じさせないくらい立派にそびえたって、今か今かと待ち侘びているみたい。

 そして丹念にお掃除したはずなのに、もう濃厚な匂いが漂ってきてる。私をダメにする、えっちな香り。

 

「ふふ、遠慮はいりませんよ? 私たちは恋人なんですから……♡」

 

 愛する旦那さまの欲望を前にして、我慢できる女の子はいないと思うの。私も例に倣って、自分の感情に素直になるべきよね。

 

「今度は旦那さまの大好きなおっぱいで、ご奉仕しますね……?」

 

 私は膝立ちの姿勢になって、おちんちんの前に胸を突き出すような体勢をとった。それから彼のものを挟んで、外側から手で押しつぶして圧迫する。

 

「ふふっ……! おちんちん、おっぱいに食べられちゃいましたね……?」

「ああ……あったかくて、柔らかくて、溶けそうなくらい気持ちいいよ……」

「あらあら……♡ じゃあ、ふにゃふにゃの赤ちゃんおちんぽちゃんになるまで、たっぷりほぐして甘やかしてあげますからねぇ〜♡」

 

 彼の惚けた声を聞いたら、もっと気持ちよくなって欲しいっていう気持ちが溢れてくる。

 いつもは頼りにしているけど、今は私が主導権を握っている。その事実が、余計に優越感を感じさせてくれるの。だから私は、彼の前では大胆になれるのかもしれない。

 

「むにゅむにゅう〜♡」

「くぅ……!」

 

 まずは両胸で優しくマッサージをするようにして擦り上げる。こうやっておちんちん全体を包めるから、胸が大きく育ってよかったと思える瞬間のひとつかも。

 それから徐々に力を込めて、搾り出すように強くしていく。ぎゅっと密着した肌に、おちんちんの細かい反応が伝わってきて、私の中で愛情が弾けそうになっちゃう。

 

「ふふっ、ぴくぴくぅ〜って震えてる♡ おっぱいで包まれて幸せだもんねぇ〜?」

 

 少し煽るように言いながら、私は両胸で挟んだまま上下に揺すり始める。胸の内側におちんちん汁と唾液がまぶされているから、動きは遠慮なく淀みない。

 にゅちゅ……♡ にゅちゅ……♡ って水音が鳴って、今自分がいかに卑しいことをしているのか自覚させられちゃう。赤ちゃんに母乳をあげるための器官を、こんないやらしいことに使ってるなんて。

 そんな倒錯的な行為でも、旦那さまが相手なら幸せな気分に浸れるんだもん。これが異性に恋をして、愛し合うってことなのかも。

 

「ん〜、なかなかほぐれないなぁ。一回お漏らししたから、慣れちゃってるのかなぁ……。もっとキツめのがいいんです……?」

「い、いや、十分すぎるくらいだよ! 本当に気持ち良すぎて……」

「じゃあ、どうしてぴゅっぴゅしないんです? 我慢なんていらないのに……」

「それは、したくてもすぐにはできないというか……」

 

 しばらく続けているうちに、段々と反応が悪くなってきた。彼は大丈夫って言うけど、動きが単調だから飽きちゃったのかも。口や手と違って、細かい動きができないし。それなら……ちょっと趣向を変えてみようかな。

 

「そうだ、旦那さまが動いてくださいませんか? 私ったらまだ不慣れだから、うまくできなくて……」

「ええっ? そんなことは……」

「いえ、教えてほしいんです。旦那さまが気持ちいいと思えるやり方を、包み隠さずに……ね?」

 

 昨日したときみたいに旦那さまの好きにさせて、私を使ってもらおう。物みたいに扱われるあの感じがとてもよくて……いつもは優しい彼が性欲に負けて、欲望のままに私を求めてきてくれるのがたまらなく嬉しいから。

 

「……わかったよ」

 

 彼を納得させたところで、私は一旦動きを止めて胸を支えていた手を離す。おちんちんにぴったりと張り付いている両胸は、なごり惜しむように粘ついた糸を引きながら、ゆっくりとわかれていった。

 

「痛かったら、言ってくれよ……?」

「んっ……♡」

 

 旦那さまは私に一言断ってから、両胸に手を添えて腰を動かし始めた。私がしたように上下ではなく、正面からおちんちんを入れて前後に擦る。そう、まるでセックスみたいな動きだった。

 

「わあ……♡ これ、おっぱいがおまんこみたいに使われてるみたいで、なんだか興奮しちゃうなぁ……♡」

 

 彼の顔を見上げながら媚びるように言うと、気を良くしたのか少しづつ動きが大胆になっていく。すっかり尖りきった乳首が、リズムよく彼の肌に擦れるのが気持ちいい。

 

 それに、これ……四つん這いになって腰を掴まれて、後ろから突かれたときのことを思い出しちゃう。遠慮のない動きで、アナルが壊れちゃうんじゃないかって心配になったっけ。

 でも、旦那さまに征服されてるって感じがして、すっごく嬉しかったの。私をものにしようと、独り占めしようと必死になってくれてたんだって伝わったから。

 

「まったく、どんどん下品なことばかり覚えて……くっ!」

「え〜? 旦那さまに喜んでいただきたくて、頑張ってるのになぁ……?」

 

 旦那さまだって、人のこと言えないくせに。私の弱いところを見つけては、執拗に責め立てて喜んでるじゃない。

 

 それに、ほら。今もこんなに激しくしてるもん。胸の形が歪むくらいに深く腰を打ちつけて、支えてる手の力も強くなってる。

 ぎゅむ〜♡ っておちんちんを抱きしめて、みっちりと隙間なく吸い付いてる私のおっぱい。突かれるたびに彼が気持ちよくなれるよう柔軟に形を変えて、旦那さま専用の性処理道具にされちゃってる。

 私の心は当然だとして、身体も一途に彼になびいているのは、ひとえに愛する旦那さまのために他ならないんだから。

 

「私がえっちになったらダメなことなんて……」

 

 ふと、ある考えが頭をよぎった。それは口に出したことはないけど、ずっと片隅にあったもの。

 

 彼は怖いんだ。私の魅力が強くなって、それにつられて寄ってくる悪い虫が現れるのが。そして自分とつり合わなくなって、私が離れていくかもしれないって不安なんだ。

 

 私は知っている。彼は怖がりなの。特に、女性に対しては。それは元々じゃなくて、以前付き合っていた人たちに振られ続けたからだと思う。

 他人に、女性に、アイドルに……そして私にみせる優しさは、彼の低い自己肯定感の裏返しなのかも。

 

 だから催眠アプリなんて信じちゃうし、未だにおまんこセックスしてくれないし、あわよくば全部無かったことにしようとしてる。やり方は卑怯でも、一歩踏み出したんだから、そのまま思い切ってしまえばいいのにね。

 

「ふふっ……!」

 

 私は、そんな旦那さまの弱さを含めて愛してる。私から愛想を尽かして離れることなんてありえないし、絶対に逃さない自信があるもの。

 千雪を愛してるって言葉は本心なんだから、私をその気にさせた責任を取ってもらわなきゃ困っちゃう。でも、その自信をつけるまでのお手伝いは、惜しみなくするつもり。

 

 私は、あなたのおかげで変われた。だから、私もあなたを変えてあげる。誘惑して、誘引して……あなたの心をこじ開けて、欲望を引き摺り出してあげる。

 理性の垣根を越えて、私を独り占めにしたいと思えるくらいに。私と一緒の気持ちになれるように。

 

「はあ……っ! 千雪の胸……っ! 大きくてっ、柔らかくてっ、最高だ……!」

 

 旦那さまは、そろそろ限界が近いみたい。イクときの癖で身体が前のめりになってるから、すぐにわかっちゃった。切羽詰まった表情で歯を食いしばりながら、必死におっぱいにすがりついてるのも可愛いなぁ。

 

「ふふっ、気に入っていただけて嬉しい……! お好きなタイミングで、ぴゅっぴゅしていいですからね〜♡ かっこよくお射精するところ、しっかりと見ててあげます……♡」

 

 私の言葉を合図に、ラストスパートをかけるように動きが激しくなる。肌がぶつかり合う乾いた音が鳴り響いて、それと一緒におっぱいの形が歪んで、母乳が出そうなくらい乱暴に揉み潰されちゃう。

 痛いはずなのに、それが嬉しくて仕方ないの。遠慮のない力加減で蹂躙されるのが好き。

 人が記憶しやすいのは痛みをともなう出来事だから、これは私にとって特別な思い出になるはず。あなたの存在を身体に刻みつけられるなら、いくらでも痛めつけられたい。

 

 ——変態? マゾヒスト? ううん、これは愛。だって私も、旦那さまにそうしたいって思うんだもん。

 毎日おちんちんを虐めて、泣かせて、空っぽになるまで搾り尽くして……。だから彼が乱暴になればなるほど、私たちの愛は似通って、同じになっていくの。

 

「ちゆっ……! ちゆ、きぃ……イくっ……イ、イクぅ……ッ!」

 

 喉から絞り出すような低い声と共に、旦那さまはひときわ大きく腰を打ちつけてきた。それから乳首が潰れる感覚がして、私の視界が白いシャワーで埋め尽くされる。とってもキレイだから見ていたいけど、反射的に目をつぶってしまう。

 

「わあ……っ!」

 

 それはビューッビューッと断続的に吹き出してきて、あっという間に私の顔に降り注いでくる。熱くて、心地よくて、蒸しタオルで覆われているような感覚。

 昨日初めてされたけど、もう癖になっちゃいそう。やっぱりこれ、すごくいいなぁ。愛する旦那さまの色彩に染められて、あなたのものだってマーキングされたみたいで。

 私たちが愛し合ってるって見た目だけでもわかるのなら、これは私にとってウエディングドレスのようなものかな。彼以外に見せたりはしないけど。

 

「……す、すまん! かけるつもりはなかったんだ……」

「ふふっ……♡ いいんですよ〜♡」

 

 射精が落ち着いてくると、旦那さまは慌てて謝罪してきた。おっぱいの中に出したかったけど、勢い余って顔にかけちゃったみたい。おっぱいがヌルヌルで滑るし、おちんちんも元気いっぱいに反り返って上向きだもん、仕方ないよね。

 

「でも、しっかりと目に焼き付けてくださいね? あなたの愛で彩られた、あなたの千雪を……」

「……ああ。……こんなこと言うのもなんだけど、今の千雪は輝いていて、すごく綺麗だ。アイドルでいるときより、今のほうが……」

「わあっ、嬉しいなぁ……♡ もっと愛していただけるように、頑張っちゃいますね……!」

 

 褒められて嬉しくなった私は、顔にかかった精液を指ですくって、見せつけるように口に含む。初めのより粘りがよくなってて、苦味も強い。きっと私への愛が、大きくなってるからなんだろうなぁ。

 

「私は……千雪は、あなたの恋人ですからね? 他の人がどんなにいやらしい思いを私に抱いても、それをぶつけてきても、我慢できます。あなたがそれ以上の愛で、私を満たしてくれますから」

 

 目を開けられるようになった私は、立ち上がって旦那さまの顔を見る。言葉で、身体で、私たちが特別な関係だということを、より理解してもらうために。

 あなたの愛は、私を繋ぎ止めておくには十分すぎるほど重くなったはず。何度も身体を触れ合って、それを見せつけてあげてるんだから。あとは、自信を持つだけ。

 

 飛び込んできて。思い切りをつけて、私のところへ。大丈夫、もう沈んでこられるはずだから。薄い水面を貫いて、深く深く……熱い愛で彩って——

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