波乱の幕開けから、一週間が経ち、世間は週末を迎えていた。
土曜日といっても、俺は平日と同じく出勤して、仕事をこなす。そして本来なら、日曜日も自宅勤務をしなければいけないのだが、今週に限って休日となった。
というのも、同僚のはづきさんが、俺の担当している業務を手伝ってくれて、そのおかげで休めることになったのだ。キャパシティに余裕があるのなら、普段から手伝ってくれよと、思わなくもない。
でも、又聞きではあるが、彼女は事務員の他にも、様々な仕事を掛け持ちしており、とても多忙な生活をおくっているらしい。だから彼女の厚意に、素直な気持ちで感謝しなければならない。
ともかく、明日は完全にオフというわけだ。
そして、現在の時刻は、21時頃。
俺は残業を終え、自宅にて遅めの夕食をとっていた。
「おいしいですか?」
隣に座っている千雪が、笑顔で尋ねて来る。今日のメインメニューは、豚の生姜焼きだった。
俺は、それに舌鼓を打ちながら答える。
「もちろん、千雪が作ってくれたものだし、おいしいに決まっているよ」
「もうっ、おだてても何も出ませんよ? ……でも、嬉しいですっ!」
頬を赤らめながらも、満更でもない様子を見せる千雪。
現役アイドルが、自宅に平然と居る状況に、違和感を抱かなくなってきた自分が怖い。慣れとは恐ろしいものだ。
あれから千雪は、昼用の弁当を作ってくれたり、今みたく自宅に来て、夕食を振舞ったりしてくれるようになった。彼女曰く、毎日一食は、自分の手料理を食べて欲しいとのこと。
千雪の手料理は、とてもおいしいので、ありがたいのだが、家に入り浸られてると、いつか他の人にバレるのではないかという懸念がある。ただでさえ、スキャンダルになりそうなことを、しているのだから。
そう思って、やんわり断ろうとしたものの、結局は押し切られてしまった。なんだか催眠をかけてから、押しが強くなった気がする。あと、遠慮をしなくなったとも思う。
「私の手料理じゃないと、満足できない身体にしちゃいますね!」
「はは……。それは、楽しみだなぁ……」
冗談で言っているのかと思ったが、千雪の顔を見ると本気っぽいので、適当に相槌を打っておいた。
ちなみに彼女は今日、泊まっていく予定だそうだ。着替えなども持ってきているし、最初からそのつもりだったんだろう。
おそらく、はづきさんの差し金で、彼女が今週中、妙に親切だったのも、これが理由なんだと思う。
千雪に性的な入れ知恵をしているのも、きっと彼女に違いない。あの人は、そういうことに関しては、やたらと口を出してくる人なのだ。
俺と千雪の仲を応援すると見せかけて、対岸の火事のごとく、面白おかしく引っ掻き回したいだけのような気がするが、杞憂かもしれないので、黙っておくことにした。俺より口八丁の彼女に、駆け引きを仕掛けても、勝てるわけないからだ。
「ふふっ、幸せです……。貴方の部屋で、二人きり……。ずっと、このままでいたい……」
俺の隣では、千雪がうっとりとした表情を浮かべていた。
彼女は先ほどから、ずっとこの調子だ。自身の料理に手をつけず、恋人のように腕を組んできたり、肩に頭を乗せて甘えてきたりと、とにかくベタベタしてくるのだ。
正直、食事中くらい離れて欲しいと思うのだが、美人にくっつかれるのも悪くないと思える自分もいる。プロデューサーである前に、一人の男であるから、しょうがないだろう。
俺は、彼女に見えないように苦笑すると、生姜焼きを口に運んだ。
「——ごちそうさま」
互いに食事を済ませたあと、シャワーを浴びようと立ち上がったところで、俺は動きを止める。
千雪が、俺の服の裾を、ぎゅっと掴んでいたからだ。そちらに目を向けると、潤んだ瞳で見上げている彼女と、目が合った。
言葉にされなくても、わかってしまう。目は口ほどに物を語っていた。
つまり、夜のお誘いである。
無言の訴えを受け、俺は嘆息した。どうせ断ろうとしても無駄なので、大人しく従ったほうが、楽だと悟ってしまったのだ。
ここ最近は、まったく手を出してこなかったから、ようやく自重してくれたとばかり思っていたが、そんなわけはないと、すぐに思い知らされた。まあ、泊まると言われた時点で、ある程度、覚悟していたことだが。
「せめて風呂く——」
「だめです♡」
千雪は立ち上がりながら、俺の言葉を遮るように言うと、手を掴んできて、そのまま寝室へと引っ張っていった。
今日は快晴のもと、外回りの営業をしていたので、結構な量の汗を、かいてしまっている。できれば行為の前に、さっぱりしたかったが、そんな余裕はなさそうだ。
「あれから、一人で気持ちよくなったり、していませんよね?」
「……ああ」
千雪が、俺の服を剥ぎ取りつつ、尋ねてきたので、素直に答えた。
あれからというのは、俺の部屋にあったアダルトグッズが、千雪に没収された日を指しているのだろう。
あの日以降、俺は自慰行為をしていない。理由は単純明快で、千雪以外の女性では、もはや勃起すらしなくなったからである。
千雪に言われた通り、本当に千雪なしでは、快楽を得られない身体になってしまった。今では、彼女の芳香を嗅ぐだけで、肉棒がいきり立ち、我慢汁が溢れ出す始末。
「ふふっ。それは、良かったです……。私も、我慢した甲斐が、ありますから……」
千雪は、嬉しげに微笑むと、全裸になった俺の胸板に顔を埋め、すんすんと匂いを嗅いでくる。いつのまにか、彼女も服を脱いで、同じように全裸になっていた。
それから、上目遣いでこちらを見つめながら、乳首に舌を這わせてくる。全体をねっとり丁寧に舐め上げると、今度は、ちゅうぅ……っと吸い付いてきた。
乳輪ごと口に含み、舌先で乳首を転がされる。それだけで、腰の奥が疼いて、肉棒は硬度を増していく。
「スイッチ、入っちゃいましたね……? まだ、おちんちんにも触ってないのに……。ふふっ、可愛い……♡」
千雪は、唾液まみれの唇に指を当てて、妖艶な笑みを浮かべると、俺をベッドの端に座らせた。
それから、俺の前に正座すると、俺の膝に手を置いて、すっかり反り返った肉棒に、顔を近づける。
「ぁ、あっ……ああっ! これですっ! この、むせ返るような、おちんちんの匂いが、たまらなく好きなんです……!」
千雪は目を輝かせると、俺に見せつけるように、ゆっくりと肉棒に鼻を押し当て、深呼吸を始めた。
「すうぅ……。はあぁ……♡ すうぅ——」
まるで犬のように、何度も繰り返して臭いを堪能したあと、少し間をおいて、裏筋にすりすりと頬擦りをし、うっとりとした表情で見上げてくる。
それから、俺の反応を楽しむかのように、くすりと笑うと、包皮に守られている亀頭に、愛しげに口づけをした。
「毎日していたら、この濃厚な匂いは、味わえませんからね……。でも、我慢するのも、辛くて嫌なんです。うまく両立できれば、いいんですけど……」
そう言いつつ、すんっすんっと、わざとらしく鼻息を鳴らしながら、陰毛を掻き分けて、根元から先端にかけて、丹念に嗅いでいく。
千雪の、シミひとつない白く美しい顔に、汚臭を放つ肉棒が触れている光景は、あまりにも背徳的で、魅力的だった。
獣が、みずからの所有物に、マーキングをしているようだと思ったが、まさにその通りかもしれないと、納得してしまう。いや、この場合は、させていると言ったほうが、正しいのか。
私は、貴方だけのもの。
そう言わんばかりに、千雪みずから、俺のものであるという証を、こうして身体に刻みつけているのだ。清純派アイドルである彼女が、こんなことをしているなんて、誰も想像できないだろう。
そんなことを考えていると、千雪が俺の股間から、顔を離した。
かと思うと、肉棒の先端に余ってある包皮を、両手の人差し指と親指で、優しく摘んできた。そのまま剥いていくのかと思えば、そうではないらしい。
中を確認するように、くぱぁ……と開き、そこに鼻の穴を向けて、思いっきり息を吸ったのだ。
「すうううぅ……! ……んっ、んんんっ! こ、これっ……すごいぃ……♡」
どうやら、皮の中に閉じ込められていた、熟成された恥垢の香りが、千雪の脳髄を刺激したようだった。だらしなく鼻の下を伸ばして、陶酔しきっている。
かれこれ四日も性行為をしていないし、皮の中も洗っていないので、かなり強烈なはずなのだが、千雪には、むしろ興奮材料にしか、ならないのだろう。
彼女の一番の好物は、俺の身体から分泌される体液全般であり、特に恥垢が大好物だと公言する変態っぷりなので、それも当然と言えば、そうなのだが。
「だ、だめぇ……♡ 匂いを嗅いだだけで、気持ちよくなっちゃうぅ……♡ はっ……♡ はぁ……♡」
千雪は、俺の肉棒に熱い吐息を吹きかけながら言うと、自らの秘所へと手を伸ばす。そして、ちゅくちゅくと水音を立て始めた。
しかし、俺の視線を感じてか、すぐに手を引き抜くと、潤んだ瞳で見上げてくる。
「ご、ごめんなさい……! 貴方に我慢をさせておいて、自分だけ気持ちよくなるなんて、ずるいですよね……。私ったら、本当に卑しい女です……」
「……謝らなくてもいい。千雪は、いつも俺を気持ちよくしてくれるから、なんてことないさ。俺の匂いでよければ、思う存分嗅いでくれ」
俺は、千雪の頬を撫でながら言った。
上気した彼女の顔は、発情した雌そのもので、口の端から、だらしなく唾液が垂れている。早く快楽を得たくて、仕方がないのだろう。
その望みを叶えるべく、俺は竿の先端を握り、一気に皮を剥いた。我慢汁で濡れているため、あっさりと亀頭が露出する。
カリ首まわりに、白い恥垢がこびりついていて、汚く臭い肉棒。それを、千雪に見せつけるように、顔の前まで持っていき、小刻みに振ってやる。
「あ、ああっ……♡」
そこから、むわりとした臭気が立ち込め、千雪は目を見開いて、口を半開きにした。
肉棒から漂ってくる汚臭は、俺自身、鼻を摘みたくなるほど強烈なのに、千雪は鼻の穴を大きくして、必死にそれを取り込もうとしている。
「んっ……♡ んくっ♡」
そして、再び秘所に手を伸ばして、指先で弄り始める。どうやら、無意識のうちに行っているようだ。その下品な姿を見ていると、悪戯心が湧いてしまう。
俺は亀頭を、千雪の鼻に押し当ててやった。すると、彼女も自ら進んで、鼻先を押し付けてくる。
「すぅー、ふぅ〜♡ すぅー、ふぅ〜♡」
鼻から吸い込んで、口から吐き出す。それを、何度も何度も繰り返しているうちに、だんだんと呼吸が激しくなってきた。
やがて、我慢できなくなったのか、カリ首に舌を伸ばして、チンカスを舐め取ろうとし始める。
だが、まだ早い。もっと焦らしてからのほうが、より美味しく感じられるはずだ。なので、俺は肉棒を上に逸らして、避けてやった。
「あっ……。あぅ……」
千雪は、もの欲しげな声を出しながら、切なげに見つめてくる。いつも彼女には、主導権を取られてしまうので、たまにはこうして、意地悪をしてやりたくもあった。
でも、舌を伸ばして、懸命にチンカスを味わおうとする姿を見ると、少し可哀想にも思えてくる。
「そんなに、これが欲しいのか……?」
「はいっ♡ ほしいですっ♡ おしっこと汗の混ざった、おちんちんの匂いがっ、ほしぃんですぅ……♡」
普段の清楚な雰囲気とはかけ離れた、下品で卑猥なお願い。
そのギャップに、俺の肉棒は膨張し、硬度を増していく。この瞬間だけは、世界中のどんな男よりも、優位に立っている気がした。
千雪を屈服させているような錯覚を覚えて、さらに興奮が高まっていき、嗜虐的な感情が芽生え始める。
俺は、千雪の鼻先に、肉棒の先端を突きつけた。鈴口と鼻が触れ合うくらいまで近づけてやると、彼女がゴクリと喉を鳴らす音が聞こえた。どうやら期待しすぎて、生唾を飲み込んだらしい。
「匂いだけで、いいのか?」
「い、いえっ! おちんちんについた、白いのもっ……! チーズみたいに濃厚なのも、ぜひ舐めたいですっ! 舐めさせてくださいぃ……!」
千雪は、顔を真っ赤にして叫ぶ。その目は血走っていて、焦点が合っていない。
俺の言葉一つで、こんな風に乱れる彼女を見るたびに、征服感のようなものを感じて、ぞくりと背筋に快感が走る。
「これはな、チンカスって言うんだ」
「チ、チンカス……♡」
「普通の女性なら、絶対に口にしない言葉だし、聞いただけで、嫌悪感を覚えるだろう。だけど、千雪は違う。そうだよな?」
「は、はいぃ……♡ 私は……千雪は、おちんちんの匂いを嗅いで、それに……チ、チンカスを口にして、おいしいと思う変態ですっ♡ だからぁ、お願いしますっ! その素敵なものを、私に食べさせてくださいぃ……!」
千雪は、嬉々として答えながら、俺の太ももに手を置いてきた。そのまま爪を立ててくるのだが、痛みはまったく感じない。それはきっと、彼女が本気で媚びてきているからだろう。
その証拠に、豚のように鼻息を荒くして、こちらの股間に熱い視線を送ってきている。俺が許可を出せば、すぐに飛びかかってくるに違いない。しかし、それでは面白くなかった。
俺は、千雪の口の前に肉棒を持っていくと、そこで静止させた。あとほんの数ミリで、唇に触れそうな距離だ。
「はっ……♡ はっ……♡」
だが、彼女は決して動こうとはせず、じっと亀頭を見つめているだけ。舌を前に突き出してしまえば、念願のモノを味わえるにもかかわらず。
俺の言葉に従うことしか頭になく、それ以外の思考は、すべて放棄しているように見える。催眠のせいか、本能的なものなのかは不明だが、今の千雪は、本当に従順だった。
そのことが、なんだか恐ろしくもある。このまま、どこまで堕ちていってしまうのだろうか。そう考えると、胸の奥がざわついた。
でも同時に、もっと見たいという気持ちもあった。目の前にいる雌が、壊れていく姿を。
「じゃあ、俺の匂いだけで、イクことができたら、しゃぶってもいいぞ」
「に、匂いだけで……?」
「ああ。自分の身体に触れずに、俺のモノを嗅ぐだけ、見ているだけ。舐めてもいけない。ただそれだけで、絶頂できたらの話だが。……どうだ?」
俺は、意地悪く言ってやった。普通に考えたら、そんなことできるはずがない。
それに、これで千雪も、少しは懲りてくれるかもしれない。そういう打算もあった。
しかし——
「わかりました♡」
即答。千雪は、あっさりと受け入れてしまった。
そして、躊躇うことなく、俺の肉棒へ鼻を押し付ける。まるで、キスをするかのように。
途端に、すぅー、っと大きく息を吸い込む音が、聞こえてきた。
「んっ……♡ すぅ〜♡ すー♡ んんっ……♡」
何度も何度も、呼吸を繰り返すうちに、どんどんと呼吸が激しくなっていく。そのたびに、ビクンッと身体を震わせて、甘い声を漏らしていた。
千雪の手は、俺の太ももに置かれたままであり、肉棒には触れていない。つまり、匂いだけを楽しんでいる状態なのだが、それでも十分に興奮できるらしい。
そして、鼻息が亀頭に当たるたびに、ゾクゾクとした快感が襲ってくる。我慢汁が、だらだら流れ出してきて、止まらない。早くイキたいと、愚息が涙を流すように訴えかけてくる。
俺が意地悪をしているつもりなのに、いつの間にか立場が逆転しそうになっていた。
「あっ……♡ この段差の裏にあるチンカス……♡ すごく、濃い匂いです……♡ すぅ……ふぅ……♡ はぁ……♡ んっ……♡」
千雪は、チンカスのとりこになっており、目を蕩けさせて、夢中で匂いを嗅いでいる。その表情からは、理性というものが、完全に消え失せていた。
「すぅー! すぅー! ……だめですぅ♡ こびりついていてぇ……全然取れません……♡」
どうにかしてチンカスを味わおうと、鼻の穴を広げて必死になっている姿は、なんとも滑稽である。しかし、その姿が、たまらなく愛おしかった。
成人した女性が、処女の女性が、アイドルの女性が、俺のチンカス欲しさに、顔を歪ませているのだ。これ以上ないくらいの、優越感だった。
「あっ……♡」
俺は、無意識のうちに、彼女の頭を撫でてしまっていた。すると、千雪の動きがピタリと止まる。
不思議そうな顔で、こちらを見上げてくるのだが、それも束の間のことだった。すぐに、幸せそうに微笑む。それから、再び鼻を鳴らし始めた。
「ふう〜♡ すうぅー♡ んっ……♡ ふぅー♡」
今度は、先ほどよりも強く、深く、息を吸っているようだった。
カリ首を重点的に攻めてくるような動きが、妙にいやらしく感じられる。千雪の鼻先が、押し付けられていて、その柔らかな刺激が心地よかった。
そして何より、俺のモノの匂いを貪る彼女の姿が、俺の中にある征服欲を刺激する。
決して男尊女卑をうたうわけではないものの、男としての本能的な部分が、確かに満たされていく感覚があった。
「すぅ〜♡ ……ん、ふ、ふごっ!?」
しかし、唐突に豚の鳴き声のような音が聞こえたかと思うと、千雪の顔が、大きく歪み始める。
嗅ぐのをやめ、鼻の下を伸ばして、何かに耐えるように唇を震わせている。
「……どうした?」
「は、入っちゃいましたぁ……! 貴方の、チンカスぅ……♡」
どうやら鼻の穴に、チンカスが入り込んでしまったらしい。苦しそうにしているものの、どこか嬉しそうな声音だった。
「おっ……♡ こ、これ……すごぉ……♡ んおっ……♡」
千雪は、異物を取ろうとするわけでもなく、そのまま匂いを嗅ぎ続けていた。そのせいで、余計に深く入り込んでいるのか、ときおり身体を痙攣させている。
俺は、そんな彼女の様子を眺めながら、股間を熱くさせていた。
正直、今すぐこの女を、犯してしまいたい。欲望のままに腰を振りたくって、孕ませるまで犯し続けたいという気持ちがある。
こんな痴態を、平然と男の前で晒すのだから、当然だろう。よくその歳まで、処女でいられたものだと、感心してしまう。
いや、だからこそ、なのか。千雪という女性は、これまでずっと男性経験がなく、それゆえに純真無垢であったからこそ、ここまで淫らになれるのかもしれない。
黒を桃色にするのは難しいが、白を桃色にするのは容易い。ただ欲望のままに、ぶちまけてしまえばいいだけだからだ。
「ふっ♡ ふっ♡ すぅ〜♡ ……んひっ♡ ひぃっ……♡」
千雪は、完全に快楽堕ちしていた。物足りないと言わんばかりに、肉棒へ鼻を押し付けて、匂いを吸い込む。そして、脳を突き抜ける快感に、身をよじらせていた。
鼻息も荒くなり、呼吸が激しくなっている。そのせいで、呼吸に合わせて揺れ動く乳房が、俺の視界で自己主張をしていた。
大粒の汗を流して、さらさらの髪を額に張りつかせている姿には、とてつもない艶めかしさが感じられる。ダンスのレッスン後や、公演後の同じ姿を見ても、こうは思えない。
「んん〜♡」
千雪は、俺に見せつけるように、ぐりぐりと鼻を押し付けてきた。そして、手コキをするように、ゆっくりと上下させる。
その動作によって、亀頭からカリ首にかけて刺激され、たまらない快感を生む。我慢汁が、どんどん溢れ出してくる。しかし、絶頂するには至らない。
「すんっ♡ すんっ♡ はぁ……♡ んふぅ……♡」
それを知ってか知らずか、千雪は鼻を鳴らし続ける。
俺は、ふと気づいてしまった。千雪が絶頂しないと、俺は生殺しのまま。そう、主導権を握ったつもりが、最初から立場は逆だったのだ。
「……くふっ♡ どうしましたぁ……? おちんちん、びくびくぅ〜って、なってますけどぉ……?」
千雪は、俺の反応を見て楽しんでいるようで、妖しく微笑み、こちらを見つめてくる。そして、小悪魔のように、囁きかけてきた。
今まで、理性を失っているものとばかり思っていたが、それは大きな間違いだった。千雪は意図的に、俺を焦らしているのだ。
みずからは快感を楽しみつつも、しっかりと首に繋いだ手綱を握っている。俺は千雪に、弄ばれているのだ。
そう考えると、ゾクッとしたものが、背筋を走る。悔しいとか、惨めだとか、そういった感情は一切なく、むしろ千雪に支配されているという感覚に、高揚を覚えてしまう。
千雪に屈服させられてしまっているという現実が、たまらなく心地よかった。未経験の女性に、手玉に取られている事実。これほどまでに、被虐性愛を満たせるものはない。
攻めるよりも、攻められる方が好きな性癖なのだと、自覚してしまう。そして、千雪がそれを見抜いていることに驚いた。
千雪は、俺のことが好きだから、わかるのだろうか。それとも、男というものは、みんなマゾヒストであると考えているのか。
どちらにせよ、今の俺は、彼女の手のひらの上で、転がされていることに変わりない。
そんなことを考えながら、俺が何もできずにいると、千雪の瞳に、嗜虐的な光が宿る。そして、彼女の口角が、大きく歪んだ。
「イきたい、ですよね? 私の言うことを聞いて、一人ぴゅっぴゅ我慢していましたから、そろそろ限界なんじゃありません?」
そう言って、千雪は玉袋を揉んできた。
長らく射精を止められていたそこは、すっかり精液の製造量を増やしており、ぱんっぱんに膨れ上がっている。そのせいで、鈍痛を感じるほどになっていた。
「ほら、こんなに大きくして、重くして、つらいでしょう……? 赤ちゃんみるくが、どくんどくんって、暴れ回ってますよぉ……」
千雪は、うっとりした表情で、優しくそこを撫で回す。まるで、赤子をあやす母親のようでもあった。
俺の中にある、億を超える精子たちが、今か今かと待ちわびているのが、伝わってくる。
早く出たい。楽になりたい。千雪の子宮に入って、卵子を凌辱して、千雪の子になりたい。そんな本能の声が、聞こえてきそうだ。
「この子たちは、千雪ママの赤ちゃんになりたいよぉ〜って、懇願していますね♡ でも、貴方が素直にならないせいで、こんなに苦しんでしまっています……。可哀想、ですよね……? だから、大人の男性なら、責任をとらないと、いけませんよね……?」
千雪の言葉は嘘ではない。実際、俺自身もそう思ってしまうほどだった。
愛する千雪と子供を作れなくて苦しい、切ない。だから俺に、彼女を否定することはできない。肯定することしか、できないのだ。
すると、俺の本心を読み取ったかのように、千雪の笑みが深くなる。そして、ゆっくりと顔を近づけてきた。
キスをされる。直感的に、そう思った。しかし、違った。千雪は、そのまま俺の耳元へ唇を寄せると、甘い吐息を吹きかけるようにして、囁いた。
「今からパパに、なっちゃいましょうか♡」
そう言われた瞬間、全身の力が抜けて、身体を支えていられなくなった。そのまま後ろに倒れ込みそうになってしまう。
しかし、なんとか手をついて耐えた。だが、その体勢は、あまりにも無防備だ。千雪にとっては、格好の獲物だっただろう。
彼女は、素早く俺の太ももに腰を下ろすと、首に腕を回してきた。そして、ぐいっと引き寄せられる。
視界いっぱいに、千雪の顔が広がり、少し視線を下げると、二つの膨らみが見えてきた。陥没していた乳首は、すっかり勃起しており、谷間からは、むわりとした熱気が漂ってくる。
「くふふ……♡」
そのあまりの淫靡さに、目が釘付けになっていると、千雪はさらに身体を密着させてきて、互いの股間が触れ合うような位置まで、腰を移動する。豊満な乳房も押し潰され、形を変えていた。
俺の肉棒が、柔らかな感触に触れる。同時に、熱いほどの体温を感じ、頭がくらくらとした。
千雪の秘所が、ぐしょ濡れになった陰部が、俺のモノに押し付けられる。陰毛と恥丘が絡み合い、愛液と我慢汁が混ざり合った。
「おちんちんと、おまんこが、ちゅっちゅしちゃいましたね……♡」
それと同時に、千雪はゆっくりと前後に動き始めた。まるで、挿入しているかのような動きだ。ぷっくりとした小陰唇のヒダが、亀頭を刺激し、裏筋を擦る。
あまりの気持ち良さで、意識が飛びそうになった。このままでは、本当に交わってしまう。
俺は必死になって、千雪を引き剥がそうとした。しかし、マウントを取られているせいで、ビクともしない。それどころか、より一層、下半身を押し付けられてしまった。
「私のお口は、チンカスが好きですけど、下のお口は、どうなんでしょうね……? きっと、大好きだと思うんですよ……♡ だって、こんなにも涎を垂らして、吸いついているんですから……♡」
俺のモノに、自分の愛液を塗りたくるようにしながら、千雪はさらに激しく動いた。
にちゅっにちゅっという卑猥な音が鳴り響き、彼女の割れ目から溢れた愛液が、竿全体に塗りたくられていく。
対面座位で、素股をしているような状態だ。一歩間違えれば、膣内へと入ってしまいそうな、危うい状況である。
そんな状態でも、千雪は俺の目から視線を離さない。じっと見つめながら、激しい抽送を繰り返す。太ももに乗られているのもあって、俺よりわずかに高い位置にある瞳が、真っ直ぐにこちらを見下ろしている。
もう、貴方しか見えない——
そう物語っているようだった。
俺は、千雪の瞳の中に映っている、情けない顔の自分を見ていられず、目を逸らす。すると、彼女はくすっと笑い声を漏らした。
「試して、みませんか……? 私の、ぴっかぴかの新品おまんこに、貴方のチンカスまみれの汚ちんちんを……にゅぷぷぅ〜♡ って、挿れてみるんです……♡」
間近で囁かれる、淫語の数々。覚えたての言葉を、嬉々として使う子供のように、羞恥もなくチンカスだの、おまんだのと口にする千雪が、とても魅力的で、恐ろしかった。
「たぶん……いえ、ぜぇ〜ったいっ♡ 挿れられただけで、イっちゃうと思います♡ 想像してください……♡ 貴方のおちんちんで、二十三年物の処女膜を貫いて、ふわとろおまんこの一番奥を、ごつんっ♡ と突く感覚を……♡ 私は、すぐにイってしまいます♡ 初めては痛いって聞きますけど、愛している人と繋がれたら、幸せすぎて、気持ちよくなって、痛みなんて、忘れてしまうはずですから……♡」
そう言いながらも、千雪は身体を淫らに動かしている。最初は前後に動いていたのが、徐々に跳ねるようになっていった。
パンッ! パンッ! という音とともに、千雪の柔巨尻が跳ね上がり、そのたびに、硬く尖った乳首が擦れて、俺の胸板を刺激する。
側から見れば、本番行為をしているように、見えるかもしれない。
だが、これは素股だ。ただ、互いの性器を、擦りつけ合っているだけである。
それでも、千雪の腰使いによってもたらされる快感と、彼女が動くたびに擦れる乳房や乳首の感触が、俺の理性を着実に破壊していく。
「挿れてくださったら、い〜っぱい、よしよし♡ してあげますよ……? 貴方のおちんちんを、とろとろの柔らかぁ〜い♡ おまんこ肉が包み込んで、ぎゅーっ♡ って、抱きしめるんです♡ そして、たぁくさんっ♡ 甘やかしたあと、子宮の入り口と、ちゅっちゅ♡ させながら、ぴゅるるぅ〜♡ って、お漏らし♡ させてあげるんです……♡」
千雪の腰を動かすペースが、速くなっていく。そのせいで、互いの秘部がぶつかる回数も増えていき、にゅちゅっ! にゅちゅっ! と、水っぽい音が響く。
彼女の、しっとりと汗ばんだ肌が触れ合う感触と、陰部から与えられる快楽。さらには、千雪の甘い匂いまでもが、脳髄を刺激した。
頭がクラクラとする。心臓が高鳴る。全身の血流が早くなり、脳へと酸素を送り込む速度が、上がっていく。視界が明滅して、意識が遠のきそうになる。
「貴方は、千雪ママのおっぱいが大好きな、甘えん坊さんですから、その子種汁にいる子たちもまた、甘えん坊さんのはずです♡ だから、子宮にぴゅっぴゅすると、必死に泳いで、私の卵子に、抱っこされにくるんですよ……♡ 私も甘かしんぼなので、その子たちが来たら、絶対受け入れちゃいます♡ それからぁ……たぁくさんっ、いい子いい子してぇ……可愛い赤ちゃんに育ててあげるんですっ♡」
千雪の口から発せられる甘言を、拒むことができない。耳を塞ごうにも、手は身体を支えるために使っているため、どうすることもできなかった。
なすがままになっている俺の耳元に、千雪はさらに顔を近づけると、淫靡な声で囁いた。
「わたしぃ……きょうはぁ……危険日♡ なんですよぉ……?」
それは、悪魔の誘惑だった。意味を正しく理解した俺は、思わず息を飲む。
千雪は、俺を堕としにかかる。俺の耳に唇を押し当てて、吐息を吹きかけるようにしながら、甘く、優しく、言葉を紡いだ。
「つまりぃ……孕みたがりのぉ……新鮮な卵子がぁ……あなたのすぐそばにぃ……いるんですぅ……♡」
俺の意思を守る壁をぶち抜いて、直接入り込もうとしてくるかのような淫語の数々。何重にも重ねられた防壁に亀裂が入り、割れ目が広がっていく。
だが、崩壊寸前のところで、千雪は俺の耳元から唇を離すと、正面に向き直った。同時に、腰の動きも止まる。
それでも、身体は密着したままだ。千雪は俺を見下ろしながら、妖艶に微笑んでいた。目つきは熱っぽく蕩けており、口元は緩んでいる。
愛する男にしか見せないような表情。そんな顔のまま、千雪は言った。
「いまからあなたと、ひとつになります♡」
千雪は腰を浮かし、俺のモノを掴んで、自分の秘部に押しつける。亀頭の先端が入り口に触れると、ぬちゃっという音が聞こえた気がした。
抵抗しようにも、身体は動かせず、言葉も唇が震えて出てこない。
「くふっ……♡」
千雪は俺の目を見て小さく笑うと、そのまま腰を落とし始めた。じっと見つめられた状態で、ゆっくりと、着実に、膣内へ挿入されていく。
熱い肉の塊が押し込まれて、狭く窮屈な穴の中を掻き分ける。十分に濡れそぼったそこは、まるで愛液でできた沼のように、容易く侵入できてしまった。一度はまったら抜け出せない、底なし沼。そんな予感が頭をよぎる。
しかし、どうすることもできないまま、ただ受け入れることしかできない。
やがて、亀頭が半分ほど挿入されたとき、先端に何かが触れる。ぷにっとした、わずかに押し返すような抵抗感。
千雪は、そこで動きを止め、一度大きく深呼吸をしてから、口を開く。
「……ここから先に進めば、私たちは身も心も、一つになります。アイドルとプロデューサーではなく、愛し合う男女の関係に。その前に、貴方の意思を、もう一度だけ、確認させていただきたいんです……」
そう言うと、千雪は真面目な顔で、こちらを見つめる。先ほどまでの淫猥な雰囲気はなく、そこには清楚で美しい女性がいた。
千雪の瞳には、覚悟と不安の色が見える。それを感じた瞬間、胸の奥が締め付けられる感覚に襲われた。
このままではいけない。なんとかしなければ。
そう思うものの、焦燥感ばかりが増していき、何も思い浮かばず、わずかに与えられた時間が、着実に過ぎていく。
「私の質問に、はいか、いいえで答えて下さい。言葉ではなく、身体で、です」
千雪は、真剣な眼差しで、問いかけてくる。
彼女の目は、真っ直ぐに俺を捉えており、視線を逸らすことはできない。嘘をつくことも、ごまかすことも許さない、そう言わんばかりの強い意志を感じる。
俺の喉が、ゴクリとなる。緊張から汗が流れ落ちた。心臓が激しく脈打ち、全身が強張っているのがわかる。
千雪は、俺の目をしっかりと見据えたまま、ゆっくりと唇を動かしていった。
「私を、愛していますか?」
それだけだった。結婚式で牧師が、新郎新婦に対して投げかける誓いの言葉のような、シンプルで簡単な問いだ。
しかし俺は、すぐに答えることができなかった。以前、千雪に向けて、確かに言ったにもかかわらず。
「はいなら、私の身体を掴んで、下まで降ろしてください。いいえなら、持ち上げてください」
その言葉を聞いて、俺は反射的に手を伸ばした。千雪の、雄を蠱惑する大きな尻を、下から掴む。指が沈み込むほどの柔らかさを感じて、思わず唾を飲み込んだ。
このまま下に降ろせば、千雪の処女膜を、確実に突き破ってしまうだろう。そして、そのあとは、止まらない。
互いの溜め込んだ欲望が爆発して、この場で獣のようなセックスが始まってしまうことは、想像に難くなかった。
雌を孕ませるための交尾だ。初めてだろうがお構いなしに、本能のまま快楽を求めて、腰を振り続けるに違いない。孕んでもなお、犯し続けるかもしれない。それほどまでに、目の前の雌が欲しかった。
しかし、それはできない相談だった。千雪は、俺に愛しているかと問うた。
もちろん俺は、千雪を愛している。アイドルではなく、一人の女性として。そして、その愛情は、性欲とはまた別のものだ。
彼女を大切にしたいと思う気持ちがあるからこそ、こんな状況で、一足飛びに関係を深めたくはなかった。
千雪が与えてくれた、わずかな猶予。俺が理性を取り戻すには、十分すぎる時間だった。
あのまま腰を振り続けられて、淫語を耳元で囁かれ続けたら、きっと堕ちていただろう。理性を保てたのは、ひとえに彼女が、俺のことを想ってくれたからだ。
だからこそ、このチャンスを、無駄にするわけにはいかない。ここで踏み留まることこそが、俺の愛情表現なのだから。
「あっ……」
俺は、震える腕に力を入れると、千雪の身体を持ち上げた。徐々に亀頭が入り口から引き抜かれていく。
しかし、膣壁は獲物を逃すまいと絡みついてきて、精液を搾り取ろうとしてくる。まだ処女膜を破っていないのに、子種を注げと言わんばかりだった。
それでも、なんとか耐えて、引き抜いていく。そして、亀頭の先端が抜ける直前で動きを止め、千雪の表情を見る。
千雪は、どこか悲しそうな顔をしていた。
そこで、俺は気づく。気づいてしまう。
このまま抜いてしまったら、俺は千雪を愛していないと、宣言することになるのだ。
そのとき、千雪はどんな反応をするだろうか。俺に失望して、離れてしまうのか。あるいは、逆上してしまうのか。
最悪なのは、心を閉ざして、誰も受け入れなくなってしまうことだ。
笑顔を無くして、暗い部屋の中、ひとり頭を抱えて過ごすことになる。そんな未来が、容易に想像できた。
そんなことになったら、俺は一生後悔することになってしまうだろう。
だが、どうすればいい。この状況を打開する方法なんて、あるはずがない。どうしようもない絶望感が、押し寄せてくる。
それに、催眠深度のこともある。今朝確認したときは、30%だった。
今、千雪を拒めば、おそらく……いや、確実に100%になる。どちらにせよ、精神崩壊に繋がるわけで、はなから俺に、拒否権はないのだ。
大団円など、迎えられるはずがない。どこかで、肉を切るしかないのだ。
そう考えた瞬間、脳裏にある考えが浮かぶ。賭けでしかないが、これに全てを託すしかないと、そう思えた。
俺は、ゆっくりと息を吐き出すと、覚悟を決める。そして、再び千雪の腰を、ゆっくり降ろしていった。
ぬぷっという音と共に、亀頭が飲み込まれていく。
「……んっ♡」
すると、待ってましたと言わんばかりに、千雪の膣内がうねって、亀頭に強く吸いついてくる。まるで、奥へ来いと誘うように。もう逃がさないとでも言うかのように。
そのまま、一気に根元まで挿入してしまいたい衝動に駆られるが、ぐっと堪えて、処女膜を破ることのない浅いところで、慎重に抜き差しを繰り返す。
千雪は、物足りなさそうに身体を震わせているが、決して自分からは、深く入れようとしなかった。少しでも腰を落とせば、望みが叶うのにもかかわらず。
やがて、射精欲が高まってくるが、歯を食い縛って我慢する。そして、ゆっくりと千雪の腰を上げていき、またゆっくりと降ろした。それを何度も繰り返していく。
「んんっ……♡ あぅ……♡ そんな、焦らさないでくださいよぉ……♡」
千雪は、その度に切なそうな声を上げた。おあずけを喰らった犬のように、舌を出して呼吸を荒くしている。
とろみのある熱い蜜が溢れ出して、結合部から肉棒を伝って落ちてきた。
俺は、千雪の顔を見つめながら、必死に理性を保つ。少しでも気を抜けば、一瞬にして快楽に屈服してしまうだろう。
それくらいに、目の前の雌は魅力的で、性的欲求を掻き立てる存在だった。
「ぐぅっ……!」
そして、限界まで高まった欲望を、ようやく解放させる。堰き止めていたダムが決壊するように、大量の精液が解き放たれた。
びゅく、どぴゅ! ぶぴゅうっ、どくん、どくん——
凄まじい勢いで、千雪の膣内に精液を叩きつける。今まで溜め込んでいたものを、すべて吐き出すような、長い射精。腰の奥から、マグマの如き熱が込み上げてきて、身体を震わせる。
「あっ……えっ?」
千雪は、なにが起きているのかわからないといった様子だ。当然だろう。まともな返答がないまま、一方的に精を注がれているのだから。
それでも俺は、千雪の尻を支えたまま、最後の一滴を出し切るまで、じっとしていた。
やがて、全て出し切った俺は、ゆっくりと亀頭を引き抜く。栓を失った膣口からは、ごぽりと濁った粘液が流れ出した。
千雪は、呆然としたまま、自分の股間を見下ろす。そこには、白い液体がべっとりと付着していた。
四日分の、溜め込んだ精液。それを、一度の絶頂で、すべて放出させたと思う。
結果、俺の肉棒は萎えて、小さくなっていた。剥いていた皮も元に戻っており、亀頭を隠してしまっている。
「わ、悪い……。出してしまった……」
「……どういう、つもりですか?」
千雪が、俺の太ももに腰を下ろしたまま、静かな声で問いかけてくる。
怒っているのか、悲しんでいるのか、判断できない。感情を押し殺した声色だった。
その間にも、秘裂からは精液が逆流して、どろりとしたものが、垂れてきている。
「いや、千雪の処女は、一度きりだろ? だから、存分に堪能してから、いただこうとしたんだよ。だけど、そのうち我慢できなくなって……。しかも、出し尽くしてしまって、もう勃ちそうにないんだ……」
俺は、取り繕うように言い訳をする。もちろん、嘘だ。
膣内に挿れたまま暴発させて、肉棒を萎えさせれば、肯定も否定もない解答が、導き出せると考えたのだ。
追っ手から逃げる際、二股の分かれ道で、左右に進むのではなく、物陰に隠れてやり過ごすような方法。
あとは千雪が、どう捉えるか次第。
「……ふふっ、そういうことですか。まだ、焦らしたいと、愛を膨れ上がらせたいと。そう、仰るんですね?」
千雪は、口元に笑みを浮かべる。しかし、瞳には光が宿っていない。
その不気味さに、思わず息を呑む。だが、今更引き返すことはできない。俺は黙って、千雪の言葉を待った。
千雪は、しばらく沈黙していたが、やがてゆっくりと俺の身体に倒れ込んでくる。乳房を押し付けるようにしながら、首筋に顔を埋めてきた。
それから、甘く蕩けるような声色で、耳元に囁かれる。
「いいですよ……。お強い貴方も大好きだから……私は待ちます……。いつまでも……。貴方が覚悟を決めるまで……。でも……その間……私の愛は……どんどん……どんどん……大きくなっていきますよ……? そしていつか……必ずそれを……受け入れてもらいます……。大きくなりすぎて……貴方には荷が重くなるかも……知れませんけどね……?」
そう言って、千雪は、俺の身体を強く抱きしめる。豊満な胸と、柔らかい肢体が、ぎゅうっと密着した。甘い匂いと温もりに包まれて、頭がクラクラとしてくる。
千雪は、そのままの姿勢で、耳の穴に舌を差し込んできた。くちゅくちゅという水音が、脳に直接響き、ぞくりとする快感が、背筋を駆け抜けた。
同時に腰を、ぐりっと動かされる。萎えていたはずの肉棒が、刺激を受けて少しずつ硬さを取り戻していった。
「あぁ……!」
俺は思わず、情けない声を出してしまう。勃起してしまっては、元の木阿弥。俺は、慌てて千雪を引き離そうとする。
しかし彼女は、俺の頭を両手で抱え込むようにして、さらに強く抱きついてきた。
そして、艶めかしい声で、誘惑するように言う。
「大丈夫ですよ……。もう私からは、迫ったりしませんから……。ただし、それ以外は、好きにさせていただきます……♡」
千雪の柔肌と体温を感じながら、再び理性を溶かされていく。安心しきったところに、不意打ちで強烈な快楽を叩き込まれ、思考力が奪われてしまう。
それでも、なんとか抵抗しようとするが、結局、無駄に終わった。千雪の巧みな腰使いによって、肉棒は再び勃起させられてしまったのだ。
それを確認した千雪は、妖しく微笑んで、腰を上げる。にちゃぁ……と音を立てて、秘裂と肉棒の間に、粘ついた糸を引いた。
「わあ……! こんなに私の膣内で、出してくださったんですねっ! もしかしたら、受精しちゃってるかも……なんてっ♡」
千雪は、自分の下腹部を、愛しげに撫でる。それから、淫靡な表情で、こちらを見つめてきた。
その視線に晒されると、心臓の鼓動が早くなるのを感じる。
俺のとった行動の、最大の懸念材料は、膣内出しによる妊娠の可能性だった。
一応、浅いところで射精したのと、子宮に入りにくい体位だったため、可能性は低いとは思うが、それでもゼロではない。なにせ千雪は今日、危険日なのだから。
肉を切ると言っても、俺のみならず、千雪の将来にも関わることだ。軽率なことをした自覚はある。だからといって、あの状況を切り抜ける手段は、他に思いつかなかった。
「くふふっ♡ 処女のまま、妊娠……♡ じゃあ、私たちの赤ちゃんが、私の初めてを、奪うのかもしれませんね……?」
身籠る未来を想像しているのか、千雪はうっとりとした表情で呟いた。
その言葉に呼応するかのように、膣内が収縮したのか、秘所の奥から、どろりと白濁液が流れ出てくる。
「んちゅっ……もっふぁいないれすぅ……♡」
千雪は、指先でそれを掬い取ると、俺に見せつけるように舐めた。ちゅぱっ……と音をたてながら、口の中に広がる精液の味を、楽しんでいる。
それから、ゆっくりと喉を鳴らして、飲み込んだ。しばらく口の中に残った余韻に浸っていたが、やがて満足そうな笑みを浮かべる。
「そうなる前に、覚悟を決めてくださいね……? やっぱり初めては、愛する殿方に捧げたいですし♡ 私の、私だけの……旦那さまに……ねっ♡」
もはや千雪の中では、俺との性交は決定事項で、その先にある未来を、確信しているのだろう。
催眠のせいか、倫理観や貞操観念が著しく低下しており、常識的な判断ができなくなっているようだった。まともな説得は、もう無理かもしれない。
いや、恋は人を盲目にするとはよく言ったもので、彼女の場合は、最初からこうだったのかもしれない。考えたくないことではあるが。
それに、抱くのが恋ではなく、愛だとしたら? 盲目どころか、狂気が人を支配するのだろうか?
どちらにせよ、俺のすべきことは、変わらない。催眠が解ける、あと22日を耐え抜いて、必ず千雪を解放するのだ。
たとえそれが、どれほど困難な道であ
「あひぃっ!」
俺の思考は、突如として襲ってきた強烈な快感によって、中断させられた。
見ると、千雪が俺の前に座って、肉棒を口で愛撫していた。舌で裏筋をチロチロと舐め上げ、皮の被った亀頭を舌全体で包み込むようにして、刺激してくる。
俺が見ているのに気づいたのか、千雪は上目遣いでこちらを見ると、悪戯っぽい笑顔を見せる。
「くふっ♡ お掃除のついでに、チンカスもいただきますねっ♡」
そして、皮をずるっと一気に剥いて、肉棒を頬張るようにして深くまでくわえ込むと、激しく頭を動かし始めた。
「じゅぽっ! ぐちゅっ……ずぷっ……! 」
卑猥な水音が響く。唾液と混ざり合った精液が泡立ち、千雪の口から溢れ出た。
「あぁ……!」
不意打ちと、あまりの快感に、俺は情けない声を上げてしまう。腰を引いて逃げようとするが、千雪にしっかりと掴まれていて、身動きが取れなかった。
そればかりか、千雪は俺の反応を楽しむように、さらに強く吸い付いてくる。肉棒全体を、柔らかい唇と熱い口腔で締め付けられ、腰が砕けそうになる。
「んむ……ふふ……♡」
千雪は、目尻を蕩かせながら、淫靡に微笑んだ。そして肉棒から口を離すと、舌先でカリ首の溝に沿ってなぞってくる。敏感な部分を擦り上げる感覚に、思わず背筋が伸び上がってしまう。
そのまま、千雪は恥垢をこそぎ落とすように、何度もそこに舌を這わせた。
「れろっ……♡ れっ……♡ れるっ……♡」
舌先を尖らせて、まるでチーズでも削るかのように丁寧に、丹念に舐めとっていく。
やがて、すべての汚れが取り除かれると、千雪はまた大きく口を開いて、舌に乗った恥垢を見せつけてきた。
「んべぇ……♡ いへふらはい、ひんはふは、こんはひほ……♡」
舌を出しながら喋ったので、よく聞き取れなかったが、おそらく『見てください、チンカスが、こんなにも』と言ったのだろう。
白く粘ついた汚臭を放つかたまりが、びっしりと舌先にこびりついている。見るだけで吐き気をもよおすような光景だ。
それでも、千雪は目を細めて、うっとりとした表情を浮かべていた。
「いふぁふぁひはぁ〜ふっ♡ んっ……けほっ……! うんっ……♡ ふぐっ……! おっ……♡ おぇっ……♡ んん……ごくんっ♡ こくっ……♡ ……んべぇ♡」
千雪はそのまま、見せつけるようにして咀噛すると、嗚咽しながらも、喉を鳴らして飲み込んでいく。
喉の奥からごきゅっと音がして、ごくりという嚥下音も聞こえてくる。そして、再び口を開くと、そこにはもう何ひとつ、残ってはいなかった。
「ふふ、おいしかったですよぉ……♡ 旦那さまのぉ……チ、ン、カ、ス♡ くふふっ……!」
それから口角を吊り上げて、呆然としている俺の目を、射抜くように見つめる。その白い歯を覗かせるような笑い方は、普段の彼女なら、絶対にしないものだ。
飢えた獣が、獲物を前にしたときのような、嗜虐的で野生的な笑み。ただの人間にすぎない俺が、抵抗できるはずもなかった。
「でも、ごちそうさまは、まだしませんよ? こっちのお口にも、赤ちゃんみるくを、ぴゅっぴゅしてくださらないと……♡ 赤ちゃんには、してあげられませんけど、おいしくいただきますから……ねっ?」
「いや、そ——」
「だ〜め♡」
俺の言葉を無視して、千雪は再び肉棒を口に含むと、先ほどと同じように激しくしゃぶり始めた。
それから、千雪は手を伸ばして、俺の手を握ってくる。恋人つなぎで、ぎゅうっと両手を塞がれて、逃げることもできなくなってしまった。
「じゅるっ……! じゅぼっ! ぐちゅっ……! んじゅっ!」
下品に音を立てながら、千雪は頭を前後に動かしていく。喉奥にまで飲み込まれてしまいそうなほどの勢いだった。
それから、頬をすぼめて、吸引するようにしながら、肉棒全体に刺激を与えてくる。
「じゅるっ! ぢゅばっ! ぶっぽッ! ぐぽッ!」
激しいバキュームフェラが続く。千雪の口の端からは、唾液が垂れ流しになっていた。
その動きを維持したまま、ざらついた舌の表面で、亀頭や裏筋を執拗に責められる。時折、我慢汁と唾液の混ざったものを、ゴクッと喉を鳴らして飲み込んでいる。
以前、口淫されたときよりも、さらに巧みになっている気がする。処女なのに、この短期間で、ここまで上達するものなのか。
もしかすると、千雪は性技に関して、天賦の才を持っているのかもしれない。天は二物を与えずとはよく言ったものだが、彼女にはそれすら当てはまらないようだった。
「じゅるっ……ちゅうぅ……。んむ……♡」
今度は、亀頭に重点をおいてきた。先端からカリ首にかけての、短い範囲を集中的に、ねっとりと責められる。
頬をすぼめながら引き抜く際、亀頭に吸いついた唇が、裏返って捲れ上がる様は、卑猥極まりないものだった。いわゆる、ひょっとこフェラというやつだ。
「ん〜♡ んむっ……♡ ん〜♡ ちゅるぅ……♡」
千雪が持つ唯一の欠点は、この卑しすぎる色欲にあるのではないだろうか。いくら好きな男のものとはいえ、チンカスまみれの肉棒を、躊躇なく口に含んでしまうなんて、常軌を逸している。
しかし、その二面性こそ、俺だけが知る千雪の魅力なのだろう。普段は清楚で淑やかな女性が、ベッドの上では一転して、娼婦のように乱れ狂う。これほどギャップのある女性は、なかなかいないはずだ。
俺は、そんな千雪に魅せられてしまった。彼女の卑しさすらも、愛おしく思えてしまう。
「れるれるれる……♡」
やがて千雪は、カリ首に唇を引っ掛けて、亀頭を舌で舐めまわし始めた。舌の両面を使って、ゆっくりと回転させるように刺激される。最初の、搾り取るような刺激とは違い、口内で甘やかすようなものに変わっていた。
その間も、しっかり手を握られ、潤んだ瞳で上目遣いに見つめられる。俺の反応を楽しんでいるかのような視線に、心臓が高鳴ってしまう。度重なる刺激に、もう俺の理性は、限界を迎えていた。
「……らひへ、ふらふぁい♡」
すると、それを察してか、千雪が声をかけてきた。奉仕しながらも、口内射精を促しているのだ。その優しい声色が、余計に快楽を増幅させていく。高波は、すぐ側まできていた。
俺は、千雪の手を強く握り返し、絶頂の合図を送る。もはや言葉はいらない。
「んっ♡」
千雪が小さく鳴いた次の瞬間、どくんどくんと脈打ちながら、口内に白濁の欲望が吐き出されていく。
本来、一瞬で終わるはずのそれは、数秒間にわたって続き、千雪の口内を犯していった。
そして、いつもなら射精中もずっと吸われ続けるのだが、今回は違った。俺を見つめながら、ただじっと受け止めているだけだ。
「ごくっ……んっ……こくん。……ちゅぴっ」
千雪は、射精が終わるまで待ったあと、おもむろに精液を飲み込んでから、口を離してくれた。
俺のモノと千雪の口の間に、白糸が伝っている。それがぷつりと切れたとき、彼女は優しく微笑んで、口を開いた。
「……げふっ♡ ……ごちそうさまでした♡」
それは、終幕の口上だった。長いようで短かった交わりは、ようやく終わりを迎えたのだ。
緊張の糸も解けたのか、どっと疲れが出てきた。仕事帰りで、晩飯を食べていたときしか、休めていないから、当然だろう。
このままベッドに倒れ込みたい気分だが、千雪が手を離してくれないので、それもできない。
「ふふっ。さあ、おちんちんが、すっきりしたところで、シャワーを浴びて、さっぱりしましょうね〜」
そう言いながら、千雪は俺の手を引っ張ってくる。
体力は、男の俺のほうがあるはずなのに、彼女には敵わないようだ。伊達に、歌って踊るアイドルを、していないということか。
その後、なすがままに浴室へと連れていかれた俺は、千雪と共にシャワーを浴び、またしてもお掃除という名の口淫で、しっかりともう一発抜かれてしまった。欲を我慢していたのは、なにも俺だけではない。
そして、へろへろになった俺を、千雪が寝室まで運んでくれたのだった。
それから、彼女が夕食の食器を片付けて戻ってくるまでの間、俺はベッドの端に座り、船を漕ぎながら待つ。
しばらくして、戻ってきた千雪と、添い寝する形でベッドに入ったときには、眠気が限界に達していた。
「ちゅ……。おやすみの、キスです。明日は、おはようのキスで、起こしてあげますね?」
寝ぼけ眼の俺に、彼女が軽く唇を当ててきた。そのまま右腕を、ぎゅっと抱きしめられる。
ちなみに、俺も千雪も全裸である。服を着ることを、彼女が許してくれなかったからだ。
服すらも、俺たちの仲を隔てる邪魔者と考えているようだ。オナホにも嫉妬していたし、いずれこうなるとは思っていたが。
「こうすると、安心できるでしょう?」
深い谷間に腕を挟まれ、柔らかさと温かさを、直に感じさせられる。それだけでも心地よいというのに、一つの枕を分け合っているせいで、互いの顔の距離が、とても近い。
「ふふっ。私も、貴方の隣で寝られると、とても安心できるんです……。まるで私たち、おしどり夫婦みたいですね? 旦那さま……♡」
その状態で、至近距離から見つめられ、耳元では甘い吐息で誘惑してくるものだから、堪ったものではない。
そんなことをされたら、また愚息が元気になってしまいそうになる。
しかし、疲労もあって、意識はどんどん微睡みの中へ落ちていき、やがて深い眠りにつき始める。千雪の吐息が、子守唄のように聞こえてきた。
「——、——ら、————す……」
その最中、千雪が何か呟いているような気がしたが、何を言っているのかまでは、聞き取れなかった。たぶん、夢の中での、独り言だろう。
こうして、俺たちの夜は、更けていくのであった。