新たな性癖の扉を開きたい方は、いいからそのまま踏み出してしまえッ!!
アイズ・ヴァレンシュタイン~urination=放尿~(1)
早朝、まだ夜も明けきらない時間、町全体も、そして夜の街すらも静まり返るそんな時間に僕とアイズさんは待ち合わせをしている。
以前の様に、鍛錬で使っていた城壁の上ではない。今日はダンジョンに潜って中層へクエストに赴く。一級冒険者のアイズさんにとって、今回の同伴はたやすいこと、言うなれば気まぐれ
たまには僕とダンジョンへもぐりたい、そんな嬉しい一言から始まった一日
「……ッ」
待ち合わせの時間、噴水広場の前といういつもの位置で人を待つ。他にも人はちらほらと、冒険者が皆に多様な理由で待ち合わせ中だ。
でも、僕だけはおそらくこの中で一番浮ついている。足裏の妙な浮遊感で気分が落ち着かない、アイズさんが来るまであと数分
落ち着かない。相も変わらず、女性を待つという行為には緊張が
「よ!」
……バシンッ!!
「ひゃ!?」
「お……なんだその素っ頓狂な声は」
乱暴に話しかけられた。その相手はモルドさんと、その取り巻き数名。珍しく、今日はリヴィラにではなく地上にいる
「……珍しい、ですね」
「あぁ、悪かったな……俺達だってずっとダンジョンにいるわけじゃねえんだよ」
そうだそうだと、んなことしたらモンスターになっちまう、そうぼやき皆を見てふとベルは奥に
「お、そうだ……これからよ、リヴィラに戻ってから狩りにも行くんだけどな、お前も付き合えよ」
「え、いや僕は」
「おいおい、付き合い悪いこと言うんじゃねえぞ……良い狩場も知ってるし、損はさせねえって」
「だから、僕は待ち……聞いてない」
さあ行くぞ、良いから行くぞ、妙に連帯感のある汗臭いノリは僕の言葉を受け付けてくれない。半ば強引に肩を組まれダンジョンへ連れていかれそうになるところを
奥から来る、とっても綺麗な
「おら、さっさといっでぇえええええ!!!?!!?」
「!!」
とっても綺麗な、アイズさんが
モルドさんの腕を曲がらない方向へ曲げようとしている。
「ベルを苛めちゃ、ダメ」
「あ、アイズさん」
「ベルを苛めるなら……右手と左手、折って伸ばして蝶々結びにする」
「アイズさん!?」
静かな人ほど起こった時が怖い、そのことをモルドさんで実際に証明させてしまう前に何とか制止する。早朝の爽やかな時間に人体の破壊音も猟奇的な人体アートはふさわしくない
× × ×
「なんだよ、用があるなら先に言えよ!」
「えっと……すみません」
聞かなかったのは貴方の方ですよとは言えない。
無表情でぺこぺこと頭を下げるアイズさんを横に、僕は事情を一応説明する。上層のモンスターからドロップ品を集めるクエストを受けた僕はアイズさんと共に中層へ、どうも報酬にある新発売のジャガ丸君試食券に引かれわざわざ参加したといった経緯も含めて
たまには一緒に潜りたい、その嬉しい一言の裏にはあからさまな食欲という煩悩があったことに落胆したのは省略。理由は何であれアイズさんと一緒に過ごす時間は嬉しいものだ
だから、出来るなら
「すいません、だから今日は」
お供できない。そう告げて僕も頭を下げる。この行動にはもちろん、僕の本音もある。口にはしないけど
「……おい、リトルルーキー」
「は、はい」
「まあ、断るのはわかったが……つまりあれか、今日お前は」
アイズさんと僕を交互に見て、そして
……爆発しろ
……みせつけやがって、ぶっ殺すぞ
……明日、手前の上履き隠してやるッ
「……?」
聞こえるか聞こえない程度のか細い声で皆呪詛を唱えている。アイズさんはきょとんと今の沈黙の空気に首をかしげている。僕は男だから、今向けられている感情は理解できてしまう。
速く去りたい、そう思い踵を返そうとした時
「あぁ、やめろやめろみっともねえ……お前ら、そんなんだからモテねえんだ」
……お前にだけは言われたくねえよ醜男ッ×3
……皆、ギスギスしてるなぁbyリア充
妙に落ち着いた様子、モルドは周りの取り巻きを諫め、改めてベルに向き合う
「あぁ、悪かったな……デートの邪魔したみたいでよ」
「デ!?」
「ひゅぅ、甘酸っぱいったりゃあらしねえ……ほら、早くいっちまえ」
「……デート?」
未だきょとんとしたアイズさんの手を引き、僕は逃げるようにその場を後に
けど、すぐに呼び声がして僕の足は止まる
「!」
「受け取れ、詫びだ!」
受け取った。それは革袋でできた携帯用の水袋だ。ダンジョン付近の雑貨屋等で売っているもので、時折僕も買うから知っている。
「飲みかけじゃねえからな。俺の奢りだ、取っとけ」
「……はぁ」
詫びの品、という割に渡されたのはただの飲み水。でも、ダンジョンという場所では何気に大事なものだったりする。現地調達は出来るけど、そう言う場所にはモンスターも多いし、何より用意に越したことはない。
ありがたく受け取っておこう。そう思いバッグの中に収めて、礼をする。
「もう、いいの」
「はい……じゃあ行きましょうか」
気を取り直し、僕とアイズさんはダンジョンへ向かう。遠巻きに何か話声が聞こえるが、それもすぐに聞こえなくなる。
× × ×
「さて、用事を済まそうぜ……さっさとリヴィラに戻らねえと」
機嫌がよさそうに、モルドはへたくそな口笛を吹かして
取り巻きの一人がジト―とした目で、そしてこんな質問を
「モルド……お前、何盛った?」
「あっ」
「とぼけるなって……お前メッチャしてたじゃん。後ろ手に薬いれてたじゃん」
「……まあ、そうだな」
三人の目が点になる。この男、息をするように嘘をついていた。
「盛ったってお前ら……俺はただ、水を分けただけだっての。ちょっとそこの店で買ったやつ」
「で、入れた薬は」
「利尿剤」
率直に答えた、モルドは取っても綺麗で真っ直ぐな眼をしている
「おま、クソだな」
「クソは漏らさねえ。ただ、あいつが剣姫の前で小便漏らすだけだな」
「外道だ、外道がいる」
「てか、なんでお前下剤常備してんだよ。こわ」
男達は口々にモルドの行為に呆れた感想を述べる。しかし、だからと言って今からベル達に助けの手を差し伸べる意思はなく。
四人はそのまま、ベル達のことなど忘れいつもの日々に戻る。今日、この出来事が近くとんでもない結果をもたらすことを知らずまま、四人は物語から姿を消す。
……喉、乾いた
……あ、じゃあこれを
……ありがとう、ベル
種は巻かれた。二人が後にどのような花を咲かせるか、それは次のページから
エッチ展開は次回から、投稿は気ままに