軌跡シリーズの一般市民の民度、大体そんな高くはない。
聖ウルスラ医科大学病院。
クロスベル自治州南部、エルム湖畔に建てられた近代医療の研究を行う医科大学。
大規模な病院施設も付属しており、クロスベル市民のみならず諸外国から重病人や重傷患者を受け入れている。
3月15日、クロスベルにて再独立調印式が順調に行われようとしていたまさにその時――
先の「大戦」開戦の咎で逮捕された筈の元クロスベル総督ルーファス・アルバレア、
そして彼の率いる「黒の衛士隊」が調印式を襲撃し「特務支援課」は退却に成功するも散り散りになってしまった。
――ここ、聖ウルスラ医科大学病院にいるティオ・プラトーもまたその一人だった。
隊長として――また、叶わぬ思いであったとしても一人の男性として慕う――クロスベルの英雄ロイド・バニングス。
彼が敵に敗れるのを眼前で目撃した失意の中逃亡し、紆余曲折を経て仲間たちと共にウルスラ病院のトラブルの対応へとあたっていた。
そうして「新総統」を名乗る男の登場により戸惑う市民達とも良好な関係を築いていた――筈だった。
「――きゃっ……!っ」
ばん、ぎしっ。
小柄な身体が上質なベッドに放り投げられる。
「なにを――……するんです、かっ……」
ティオ・プラトー。
特務支援課に所属し調印式の場にも居た彼女だ。
放り投げた下手人は中肉中背のクロスベル市民の男。
興奮した様子で眼を血走らせ息を荒げ、全身から不穏な空気を漂わせている。
その背には同じ様に――ただならぬ様子の男たちが控えていた。
「はあ、はあ、クソッ、クソッ、あんた達の……お前のせいでっ……」
「そうだ、あんた達がそもそも前大統領を逮捕したりしなければっ」
「そうだ、こんな事にはならなかったんだっ!」
「そ――んな――」
口々に、ベッドで身体を起こそうとするティオを罵る男達。
ティオからすれば、無理矢理に跳ね除けたり鎮圧する事は容易い相手だ。
細身で、同年代の女性と比べてもやや小柄な身体の彼女ではあるが訓練はしている。
魔導の力もある。
それでも、男たちのあまりの勢いと異常といってもいい様子に「そう」できなかった。
何よりも彼等は自分達が守るべき――守らなければいけない市民だ。
どうあれ自分が暴力を振るっては――力で抑えつけて良い相手ではない。
「……っ、とにかく落ち着いてくださいっ、私は……いえ、私達はちゃんとここから――」
「なにが、ここからだっ!」
「っ!!」
ティオが身体を起こして、身を乗り出そうとすれば、
ティオをベッドに突き飛ばし放り投げた一番前に立っている男がティオの頬を平手で打つ。
華奢な体がベッドに沈む。
とうてい、女性に対して振るっていい力ではなかった。
一般市民の力でもない。頬を打った手も赤くなっている。
鋭い痛みが走る中で、ティオは身体を起こす。
「そもそもお前らがあんな連中に負けなかったら、こんな事になってないんだよっ!責任を取れっ!」
「責任、って、そんな……!私達は、ロイドさんは精一杯っ!」
「うるさいっ!」
「ああっ!」
ばしん。
男がまたティオの頬を打つ。
そして華奢な体を乱暴にベッドに押し倒し、手首を抑えつけた。
「(どう、して……?)」
ティオは理解できなかった。
少し前まで――彼等はこの場所に逃げ延びた自分達を気遣ってくれていた筈だ。
自分たちも、病院の施設の調整など含めて出来る限り彼等の力になっていた。
悪くない関係を――良い関係を築けていた筈だ。
それが何故今こんな事になっているのか。
何気ない会話をしていた筈だった。
その中でふと彼等の様子がおかしくなってしまった。
なにかよくないものに取り憑かれたように。
現状を悲観し、ネガティブな感情に支配されてしまって。
自分や、仲間達の声が届く事もなく――人が変わったようになってしまった。
「はあっ、はあっはあっ、ふうっ」
「! い、いやっ、やめてくださいっ」
「うるさいだまれっ!おいっ、こいつを押さえつけろっ!」
一人の男が鼻息荒く、呆然と横たわるティオの服に手を掛けて引きちぎる。
とっさに必死の抵抗を試みるが男たちがティオを取り囲みその腕を、脚を抑えつけた。
「や、いやぁっ」
シミひとつ無い美しい肌とそれを覆う黒色のブラジャーが露わにされ、
男の硬い手が下着の上から小振りな胸を鷲掴みにする。
乱暴な指使い、気遣いなどない力の入れ方にティオの表情が苦悶に歪んだ。
「っ、お願いですっ、やめて――ンンンンッ!!?」
静止の言葉をかけようとした唇が塞がれる。男の唇でだ。
「(や、やだっ……!)」
ファーストキスだった。
いつか好きな男に捧げたいと――ティオもなんとはなしにそんな事を思っていた。
それが奪われている。
守るべき市民に「乱暴」されている。
その事実が改めて突き付けられているようで、ティオの瞳にじわりと涙が浮かんだ。
「(私達は、何のためにっ……)」
硬く張り詰めているほど、一度罅が入った時に酷く脆くなる。
誰もが待ち望んでいた、再独立のための調印式、それを嘲笑うかの様に行われ、何もかもを台無しにした敵の強襲。
行方も分からない状態になっている仲間達。目の前で大きな傷を負った想い人。
そして今、異常な様子を見せ自分を蹂躙しようとする守るべき存在だった筈の市民たち。
仲間のために、なにより彼等の為に折れるまい、倒れるまいとしていたティオの心に罅を入れるには十分な現実だった。
「……っ」
唇が離れる。
――彼等を吹き飛ばすのは簡単だ。
杖は手元に無いが、それでも多少なりの魔導の力を使って鎮圧する事はできる。
それこそ赤子の手をひねるよりも簡単な作業――作業とも言えないような事だ。
「(でも……)」
吹き飛ばして、何になるというのか。
クロスベルを守ることもできない挙げ句に、独立に夢を馳せていた大切な市民を傷付けるのが正しい事なのか。
ならばいっそ、彼等の鬱憤を、欲望を、絶望をぶつける対象になる方が「いいこと」なのではないか。
一度思い浮かんだ負の感情は、どんどんとティオの心を蝕んでいく。
どのみち自分はもう汚されてしまった。
ティオは「ぴし」と自分のなにかに罅が入る音を聞いた気がした。
気力が削がれ目の前が暗くなり意識すら曖昧になるような感覚だった。
「……」
「へ、へへ、おとなしくなりやがった……最初っからそうしてればいいんだよっ」
ティオは、だらんと全身から力を抜く。
「(ロイドさん、リーシャさん、皆さん……ごめんなさい、私、もう……)」
”もうなにもかもがどうでもいい”。
一瞬でもそう思ってしまった。思いは毒となりすぐに全身へと回っていく。
ティオは自身の身体が、心が、自分を見下ろす男たちと同じ所へ堕ちていくことを感じていた。
けれど、もうそれに抗う事もできない――抗おうと思えなかった。
抵抗の様子が無くなったからか、男たちが迂闊にも拘束を緩める。
腕を抑えつけていた男がティオの身体を起こして後ろに回り込み、無遠慮に肩や胸を撫で回す。
脚を抑えつけていた男に至っては靴を脱がして放り投げ、ニーソックスに覆われた脚に頬ずりしだす始末だ。
どうでもいい。
好きにすればいい。
それで鬱憤が――少しでも絶望が晴れるというのなら。
自分の身体を弄んで気が済むなら、好きに使えばいい。
ティオの心はそんな諦観に支配されていた。
「お、オラッ、こっちを向くんだっ」
「ぁ……ンンッ」
正面の男にまた唇を奪われる。
その間も、後ろから自分を抱える男の、愛撫とも言えない乱暴が続く。
力仕事でも続けてそうなったであろう無骨で節くれだった指が力強く胸をもみしだく。
太い指がぎゅぅっと乳首を摘みあげれば快楽ではなく苦痛で喉から声が漏れた。
脚を這い回る手が気持ち悪い。
――ティオにこういった行為の経験は無いが、知識は人並みにあった。
愛する人とする行為は心地の良いもの、触れられ、触れて、肌と肌で語り睦み合うのは精神的な充足感を与え、
身体に性的な快感と幸福感を齎すものだと聞いていた。 だが今は嫌悪感と不快感しか沸いてこない。
胸を満たしているのは諦めと絶望の感情だ。
黒く暗いものが身体を、頭を、なによりも心を侵していく。
「くそっ、邪魔だっ」
「ぅ、ぁ」
ずるり。後ろの男が手を伸ばし、胸を覆っていたフロントホックの下着が乱暴に引きちぎる。
金具が壊れて飛び、床に転がって小さな音を立てる。
ティオは、身を覆うものが剥ぎ取られる度に心が剥がれていくような気がした。
「ぅ、ぁあ……」
男の手の中でティオの胸が形を変える。ぐっと揉み潰され、乳首に爪を立てられる。
太腿を触っていた手がスカートの下に侵入して来て、臀部を遠慮もためらいも無しに触る。
肉付きの良い身体ではないだろうに何が楽しいのか、そんな風にティオは思う。
同時にこんな自分が絶望の受け皿に――負の感情の捌け口になるのなら、と。
そんな風に思ってしまう。だから腐海な感覚も受け流せた。
自分が自分ではないような気持ち悪さ。
気持ち悪いはずなのに、それでいいと思えてしまうような感覚。
――ティオの心も、すでに男たちと同じところまで堕ちてしまっていた。
呪い、あるいは、毒。
ここが病院であることを考えれば心を蝕む病というのが的確だろうか。
この場にいる全員が、それに罹患していいた。
自分たちの街を、国を、居場所を必死に護ろうとしていた少女を毒牙に掛けようとする男達も。
気付きながらそれを止めようともしない女達も。
そして、それを受け入れてしまっているティオも。
誰もが皆、病に侵されてしまっている。
そうなっている事に気付く事もなく。
「ぁ……ン、ンン……ッ……ンァ、あぁァ……」
男達によるティオへの乱暴は、続く。
胸を揉む手も、尻を這う手も、止まる事はない。
そしてぷるんとしたみずみずしい唇もかさついた男の唇によって穢されている。
「ぁぁ……」
弱々しく、ティオが声を漏らす。
今度は苦痛から生じるものではなかった。
人間の体には生理的な反応というものがある。
水分を摂取すれば汗や尿として排出されるように。
性感となる部位を刺激されれば、精神がどうあろうと肉体は快楽を感じるようにできている。
「ァ、ァァっ……」
「はあっ、はあっ……あああああっ」
「ンンン……ンッ」
なによりティオ自身、諦観という形ではあるが――男達を受け入れている。
それが、ティオの身体に変化を齎していた。
発汗。
じっとりと前髪が肌にはりつくように。
苦痛だった筈の胸を揉みしだく手の感触に、甘い痺れが混ざる。
内腿を這い回る感触に、むずむずとしたものを感じて、じんわりと身体の内側が熱を持つ。
無理矢理に奪われ、勝手に口内を蹂躙している男の舌に、自分から舌を絡める。
「(溶けて、いく)」
自分を形作っていたもの全てが崩れ去っていくような感覚を、ティオは感じていた。
止まらなければいけない――と考えて、それがなぜかを考える。
「(しっかり、しないと)」
「(しっかり……)」
「(……なん、で?)」
なぜ止まらなければいけないのか。
どうしてしっかりしなければいけないのか。
最早どうすることもできないというのに――――。
「……ンッ」
自然と、ティオは正面の男の肩に、首に抱きつくように――あるいは縋るように手を回していた。
今はここに居ない、生きているかもわからない誰かの代わりの寄る辺を求めるように。
「んゥ、……ぅ……んっ、ん……」
男の身体に手を回し、唇を交わすその姿はまるで恋人同士が睦み合っているようだった。
始まりは男達からの暴行だった筈だ。
だが、今の様子を見てそうであったと気付くものはいないだろう。
「て、テメェっ、一人で使ってんじゃねぇよッ」
「うるさいッお前らは胸と尻触ってんだからいいだろォ」
「そういう問題じゃねぇんだよォッ」
別の男――執拗に太腿や内腿を撫で回していた男が、キスをしていた男の肩を掴みティオを引き剥がす。
胸を揉んでいた男もティオから離れ、キスをしていた男の胸倉を掴んでいる。
そのまま罵り合いが始まり――次第にそれは過激になり、殴り合い、取っ組み合いになった。
全員で弄んでいた筈の女を取り合い、争っている。
「(こんな)」
「(……こんなものを……こんな人達を守っていた、なんて)」
酷く、醜い光景だった。
クロスベルに暮らしている住民、自分達が守り共に歩見続けて来た筈の人々。
それがここまで壊れてしまっている。 ”自分たちのせいで”。
――本来ティオに、ティオの属する、属していた特務支援課に非はない。
彼等に悪しように言われる謂れもない。
憎み断罪すべきはルーファス・アルバレアだ。
しかし、今のティオは考えてしまう。
男達の言うように自分達さえ居なければと。
自分達に罪があるのだと。
自分達が責められ、罰を与えられて然るべきなのだ――と。
「(私に、できること)」
だから考える。
自分にできる贖罪はなにか。
「(できる、こと)」
自分が受ける罰はなにか。
「(…………ああ、そうか)」
胸中で、言葉を呟く。
――言葉と同時に、ティオの中で決定的な何かが砕けてしまった。
……ティオはゆるりとベッドから降りて、争い合う男達の間に割って入る。
「落ち着いてください、皆さん」
「――私は、逃げませんから」
「あ、へ……?」
争い合っている男の一人の服の袖を摘んで、微笑む。
ティオとしては微笑んだつもりだったが、ティオ自身今自分がどんな顔をしているのか分からなかった。
「喧嘩は、しないでください」
「私が、全部受け止めますから」
「私のことを、好きにしていいですから」
「だからどうか、――これ以上争うのは、やめてください」
「ちゃんと、皆さんのこと、全部、受け止めます、から」
自分の身体を使って、男達を受け入れ、慰める事。
今自分にできることの全てで男達を「癒やす」こと。
――それが、呪いという名の病に罹ったティオの答えだった。
…
……
………
…………
……………
「ん……ちゅぶっ、ちゅぅっ……はぁ……っ」
ティオがベッドに膝立ちになっている。
衣服は纏っていない。――否、自身のトレードマークである猫耳型の魔動機制御装置と、
黒色のニーソックスだけは履いたままだった。
それ以外には何も纏っていない。
そんなティオを囲むように三人の男達が立っている。
いずれも服は身につけていない、この場に置いては必要ないからだ。
「んっ、ちゅっ、ちゅっ……はあっ……んぶぅっ……ンンッ」
「あ、ああ、すげえ、気持ちいい」
「手が、柔らかくって、ああ……ああああ!」
「はあ、はあ、うっ、ううっうううううっ」
膝立ちになったティオは顔の前に突き出されたペニスを丹念にしゃぶりながら、
左右を挟んで立つ男達のペニスを一本ずつ右手と左手で扱いている。
フェラチオ、手コキ。
ティオも知識としては知っていた事だ。
まさかこんなところで実践することになるとは思ってもいなかっただろうが。
「んぶぅっ、んっ、れろぉ……~~っ、……はっ、はぁっ、はっ」
だが流石は元・天才少女というべきか。
優れた知力、記憶力は男達の反応からこの場に必要な事を学習していく。
スポンジが水を吸うように――どこをどうすれば、男達が悦びの声を上げ、どう悶えるか。
「んっ、じゅるるっ……じゅぼっ、じゅぶぶぅっっ……ぢゅぅっ……!!」
「おっおおおっ、あああっ」
どう舌を使えばよいか、どの程度指に力を入れれば快楽を与えられるか。
「おおっ、でっ、でるぅぅっ」
「んっ……んはっ、はぁ……はい、どうぞ、射精、してください……――んぢゅっ、ぢゅうううっ……っ!」
「うあ、俺もっ」
「ああああああっ」
どうすれば男を射精させられるか。
すぐに理解できた。
どびゅぅぅっ、びゅるっ、びゅくんっ。びゅるぅっ、びゅるるるっ。
「んっ、……んっっ……んんんぅぅっ……んくっ、く……んっ」
ごきゅ、ごくっ――ごくんっ。
三人の男達がほぼ同時に吐精する。
ティオの手練手管によるものだった。
性を知らず男達に暴力を振るわれるがままだった少女は、
ほんの僅かな時間で男達を手玉取れるような「メス」に花開いている。
「ああ……皆さんの、精液、熱い、です……」
口に吐き出された精液を飲み干したティオは、熱に浮かされたような――陶酔したような表情でそう呟く。
息苦しさからか、それとも異常な状況に適応してしまった事による興奮か。
ほんのりと赤く染まった頬と、蕩けたような瞳は、男を狂わせる蠱惑的なものだ。
「は、はあ、はあ……あ、あれ……」
「う、うぅぅ、頭、が……っ」
ふらり、――ばたん。
ティオを囲っていた男達の内二人が頭を抑え、その場に倒れる。
「あ……皆さん……?」
ティオが、男達を見下ろす。
息はある、しかし意識はない。
糸の切れた人形のようだった。
「あ……」
"助けなければ"。
反射的にそう思い、ティオは倒れた男達に近付こうとする。
「あ、っ」
だが、肩を掴まれベッドに押し倒される。
ティオが口奉仕をしていた男だった。
興奮した様子でティオに覆い被さっている。
精を吐き出した直後だというのにペニスは限界まで張り詰め、その目は血走っている。
異常な状況の中でも、際立って異常な様子。
明らかに正気ではないのだろう。
最も、今のティオにそれを判断できる程の思考力は残っていなかったが。
「あの、他の方が」
「そんなもの良いんだよっ」
「でも」
「良いって言ってんだろっ!」
「っ」
ばしん。
男がまたティオの頬を打つ。
ティオに暴力を振るうのは決まってこの男だった。
病院まで逃れて来たティオ達を率先して匿ってくれた男だった筈だ。
こんな事になるまで、ティオにはそう見えなかったが元々、そういった気質があったのかもしれない。
それがこの状況の中で際立ってしまっているのだろう。
「(この人も、私がタスケてあげなきゃ……)」
思考が上手く纏まらない中でティオはそう考える。
頭の中に黒いもやが掛かっているように、そうする事が正しいと心から、思う。
だから、男に頬を打たれても抵抗する気にはならない。
むしろ、それを受け止めなければと考える。
「わかり、ました……それじゃあ――」
「は、はああっ、はあっ」
「あっ……あっ」
ティオに覆い被さった男が自分のペニスに手を添えて、まだ幼さを残した無垢なヴァギナにあてがう。
ぴっちりと閉じたそこは僅かに湿っていた。無理矢理にでも快楽を与えられた事による生理的な反応だった。
「はあ、挿れるっ挿れるっ天才のっ特務支援課のまんこぉ」
「あ、っ、ああ、あ」
ず、ずずず、――ずりゅっ。
「あ、ああ」
ず――ぶんっ、ぶつんっ。ぐりぃっ。
「あ、……ッ、ッぅ……!」
花弁が押し開かれ、膣肉を裂いてペニスがねじ込まれる。
純血の証である処女血か、あるいは乱暴な挿入で膣肉が裂けたか。
欲望で踏み荒らされ広かったすじから一筋の血が垂れる。
「う、ぅ、あ」
声にならない声が漏れる。
それが自分のものだとティオが気付いたのは男がティオの一番奥までペニスを押し込み終わった時になってのことだった。
「はあっはあっ」
「うあ、っ、あああっ」
男が息を荒げながらペニスを引き抜いていく。
内側から膣肉を刮がれる痛みが、全身を引き裂いていくような痛みがティオを襲う。
苦悶の声を漏らしながらも、ティオは耐えるように男の身体に抱きついた。
「(これは、罰なんです)」
「(皆さんの、言ったように)」
「(私達が前大統領を逮捕しなければ……)」
「(特務支援課なんてものがなければ)」
「(この人達は苦しまずに済んだんだ)」
根拠も何も無い、妄想にも近い、負の方面に傾いて飛躍過ぎた思考。
それだけがティオを支配して、だから痛みも罰として受け入れる事ができる。
「っ、ぅああ……ああーーーー……っ」
男はティオの身体を気遣う事なく乱暴に腰を打ち付ける。
僅かな愛液と、男自身のペニスから漏れ出るカウパーが若干の潤滑剤となってはいるものの、ティオが快楽を感じる事はない。
感じる事があったとしても、それは肉を裂かれる痛みに上書きされる程度のものだ。
「う、ぅっ射精すぞッ射精す、ぞぉッ」
「ぁ……ッ」
男が腰の動きを早める。
ぱちん、ぱちん、と汗ばんだ肌同士がぶつかり合う音が他に何の音もない部屋に響く。
「ぅうぅぅッぅううッッ」
「ッ、ああ、あ、熱……っ、あ、ああ、ああ……」
ぐ、っ。
どぷっ、どぷんっ、どぷっ、びゅる……っびゅっ……。
男の腰が強く押し付けられ、ティオの中で精が放たれる。
膣の一番奥に亀頭を押し付け、本能のまま自分の子を孕ませようと無遠慮に膣内に白濁が注がれる。
「(あぁ……)」
身体に響く痛みと熱だけが、ティオに現実感を与えていた。
それ以外の全てが、希薄だった。頭の中に黒いもやが掛かっている。
「ふ、ぅーっ、……ぅ、ぅぅっ」
身体を離してペニスを引き抜いた男が、先程の二人と同じ様にどさりと倒れる。
助け起こさなければ。
そんな思考がティオの頭を過る。
けれど、それもティオの頭の中を染める黒いもやと、目の前の現実が阻んだ。
先程倒れた男達が起き上がり、まるで幽鬼のようにティオの身体へと手を伸ばしている。
「ああ、彼等も自分を求めているんだ」と。
ぼんやりとした思考でそう思い、なにかに促されるままにティオは倒れた男から視線を外して、自分を襲わんとする男達に笑いかける。
「どう、ぞ」
「どうぞ……満足するまで……」
「使って、くださいね……」
上手く笑えているだろうか。
自分は彼等の救いになれているだろうか。
もっと罰を受ければ、許されるだろうか。
そんな事ばかりを考えながら、ティオは男達を受け入れた。
全く関係ないけど後発作品が出る度に設定盛られる某緑川さんはそろそろギャグの領域だと思う。