――――――四方を海と険しき山に囲まれた女神の住まう大地――フォドラ大陸。
フォドラ歴1186年の今、平穏だったその土地はそれぞれの思惑と、あるいは邪悪なる策謀を謀り、地の底深く闇に蠢く者達の意思の下、激しい最中にあった――――――――。
フォドラの大地で広く信仰されるセイロス教、そして女神が与えたとされる伝承の力である「紋章」への信仰。
それ等全てを灼き滅ぼし大陸に覇を唱えようとする、皇帝エーデルガルト・フォン・フレスベルク率いるアドラステア帝国。
そして、それに対し抗しようと――或いは個人的な私怨と復讐の憎悪を煮え滾らせて帝国と争う獣の如き蛮王、ディミトリ・アレクサンドル・ブレーダッドが統べるファーガス神聖王国。
その二大国の間で多くの平民と貴族――あるいはフォドラの「外」に住まう者達、数多の人の意思の束なりの下活動するのが、クロード・フォン・リーガンが率いるレスター諸侯同盟である。
レスターの諸侯貴族達が一団となり和を結び――時に不和も結び――強大な二大国の狭間の中、各々の信念を果たす為に集い、戦う者達。
そしてそれを率いる女神の加護を受けたかのような淡い翠髪を靡かせる”悪魔”の異名と”炎”の紋章を持つ女教師。
彼女、そしてクロードの指揮の下――かつて金鹿の学級に属していた生徒たちは、フォドラの地を包む戦いの場に身を投じて居た――――……。
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フォドラ大陸南部。
現在はレスター諸侯同盟の大規模作戦拠点でもあるガルグ=マク大修道院を除けば、その殆どは帝国の勢力圏となる。
今回の同盟の戦場となったのも、そんな帝国領の一つだ。
紋章を持つとある貴族の名家の領地であり、巡礼者達の順路としてガルグ=マクへ続く道が拓かれている事から戦略的にもそれなりの意味を持つ土地。
巡礼の道である事から中規模ではあるがセイロス教の教会も擁しておりアドラステア帝国としては信仰の厚い地でもある。
――――戦いの舞台となったのは、その教会である。
ガルグ=マク大修道院は帝国に取って王国への侵攻・強襲を掛ける大きな足掛かりになる。加えて王国にも帝国にも付かず存在しているレスター諸侯同盟というのは、そこに存在するだけであらゆる面で煙たい存在だ。いっそう王国に属して対立してくれたほうが大義名分も立つというのに、そうでもなく時に帝国と、時に王国とも敵対する。
侵攻を題目に掛けて潰せてしまえるのならばそれで良い――というのが帝国側の主要な考えであった。
セイロス教はフォドラで広く信仰される宗教ではあるが、それを打ち倒す事を掲げる帝国軍にとってはその限りでは無い。
帝国の権威を示す示威行為の側面も併せてか、主戦場は教会周辺とガルグ=マクへと続く街道となった。
レスター諸侯同盟は部隊を二つに分けてこれに応戦。
街道の護りにクロードと女神の加護を受け、その身に紋章を宿す女教師を主とした部隊を。
そして教会を任せられたのが金鹿の学級の古株でもある四名の女傑を主とした部隊だった。
フォドラの首飾りを守護するゴネリル家の長女、ヒルダ・ヴァレンタイン・ゴネリル。
若年ながらも魔導に優れた白髪の才媛、コーデリア家の娘リシテア=フォン=コーデリア。
エドモンド辺境伯の養女であり、敬虔なセイロス教信徒でもあるマリアンヌ=フォン=エドモンド。
サウィン村出身である傭兵を志し、槍術や馬術、用兵にも長けるレオニー=ピネッリ。
レスター諸侯同盟、金鹿の学級でも中核を担う戦力である彼女達に、騎士団に現地の戦力を加えれば防衛戦を死守する事は容易とも思える戦線であった。
――本来であれば。
開戦から五年、その中で卓上の鬼神とすら恐れられる様にすらなったクロードの戦略眼に”ほぼ”誤りは無かった。
帝国の戦力を正確に把握して建てられた計略は余裕を持って侵攻を跳ね除ける事に成功する筈だったのだ。
それを大きく覆した要因はーーーーフォドラの地の底、深く”闇に蠢く者達”。
直前まで盤上に居なかった筈の駒が魔獣を引き連れて突如として現れ、帝国に味方した。
帝国と彼の者達に繋がりがある事は把握されていたが、闇から闇へと蠢き在る時は忽然と姿を消し、またある時は突如として戦場に現れる彼等を計算に入れる事は如何なクロードとて至難の業だ。
実際に、クロードがその戦場に居たのであれば機転を利かし対策の一手ーーあるいは逆転の一手を打つ事や、リスクを鑑みての転身を選択することも出来ただろう。
あるいは、戦場を分ける事それ自体が帝国と闇に蠢く者達の目論見の一つであったのかもしれない。
「っくう……ッ!……はっ、はーーっ、はぁっ……」
「ヒルダさんっ!?」
「あはは、大丈夫、大丈夫だから……あーー、もう、女の子への扱いが全っ然なってないんですけど……っ!」
「無理するんじゃありませんよっ!ここは私が……く、っ……!」
「あははは、リシテアちゃんよりは無理、してないかなぁ……はーー……っ……!」
教会の奥。
扉は一つ、籠城に向く聖堂の中。
酷く刃毀れした戦斧を支えにして、膝を付いていたヒルダが必死に立ち上がろうとしていた。
身に纏う鎧と、良く手入れされた桃色の髪は既にボロボロで肌にはいくつもの生傷が刻まれている。ひどい出血や、致命傷になるような怪我は見受けられないが万全とは程遠く、口振りとは裏腹に、これ以上戦える様な状態では無いのは見て明らかだ。
その背には疲弊した様子のリシテアとマリアンヌの姿もある。
押し寄せる敵の物量、連続しての魔法の使用によって立つ事もままならない様子だ。
ーーそんな彼女達を、武装した帝国兵数名が取り囲んでいる。
「はあ、はあ、はあ……へ、へへ、ゴネリルの怪力女や天才のガキもこうなっちまえば怖くもねえや……!」
「油断するな。紋章持ちだ……確実に殺すまで気は抜けないぞ」
「待て、殺していいのか?紋章持ちの貴族だ、捕らえられるなら捕虜にすべきではーー」
喧々諤々。眼の前の女ーーレスター諸侯同盟に置いても強い発言力を持つ三人の処遇についてを言い争いながらも、兵士達はスキを見せる事は無い。武勇で言えば一人一人は遠く及ばない者達であっても、良く練兵されている事が伺えた。
(レオニーちゃんは……まだ、協会の外、かな……上手く逃げてクロードくんや先生達のところに向かってくれてると助かるんだけど……)
この状況を切り抜けるか、あるいは味方の助けが来るまで如何に命を繋いで場を長引かせるか――それだけに思考を向けて、ヒルダは帝国兵達の様子を伺う。一人、この場に居らず状況を打破する要因なり得る味方がいる――レオニーだ。
馬を駆り、槍を操る騎兵。彼女が無事であれば街道まで馬を走らせ味方に援軍を求めることが出来る。
クロードや”先生”程ではないにせよレオニーは傭兵を得手としている。この状況からそれが最適と判断し、そう行動してくれるだろうと思える信頼もある。
「あっと……すこし……がんばるかぁ……!」
「!こ、こいつ、まだ……!」
「だから油断するなと――――」
一縷の希望に望みをかけて、ヒルダは自らを奮い立たせる。細く靭やかだが兄ホルストにも劣らない剛力を秘める両腕に力を込め、刃毀れした戦斧を振り上げる。斬る、断つまでは敵わずとも打ち付けて砕く、盾として使い凌ぐ事は出来るだろう。身に宿るゴネリルの紋章が閃かせ、敵兵へと――
「動くなゴネリルの女!この平民を殺すぞ!」
「ッ――……!」
――襲い掛かる事は、叶わなかった。
現れた敵兵に捕らえられた、レオニーの姿があっては。
「それでいい。……おいお前達、その女達から武器やらを奪い取れ。全てだ、油断するんじゃあないぞ」
「は……ハッ!」
「おっと、妙な真似をするんじゃないぞ。こちらとしても紋章持ちを不必要に殺すつもりもない。この平民の命もお前達の命もこちらの匙加減一つだ。――弁えた行動に期待したいところだな。」
「……さいっ……あくなんですけど……」
頭から血を流し意識のないレオニーのその姿を見て――ヒルダは振り上げた大斧を誰に向けるでもなく、ゆっくりと降ろした。
周囲を取り囲んでいた帝国兵達がヒルダ達へと近付き武器や杖、戦闘に用いる触媒や魔導書を奪っていく。その間に教会の外は静かにーー戦いが帝国軍にとって有利な形で終息していった。
……
……
……
……
暫くしてーーーー教会にはヒルダ達と、それを監視する様に囲む帝国兵数名程が残されていた。
戦闘能力はもう残されていない。
ヒルダであれば素手でいくらか暴れる事は出来るだろうが、マリアンヌやリシテア、負傷したレオニーが居る場でそんな事をするのは自殺行為にしかならない。
「へっ、ざまあないな。散々俺達の仲間を殺してくれた紋章持ちも、戦えなけりゃただの女だ」
「…………殺し殺されはお互い様じゃないですか、それが戦争なんですから。死にたくないなら出てこなけりゃいいんですよ」
「リシテアさんっ……!」
帝国兵の罵倒の声にリシテアが冷たく刺々しい言葉を返せば、マリアンヌがそれを咎める。ーーどうせこの後は捕虜にされてろくでもない扱いを受けるか、さもなくば殺されるかのどちらか、それをリシテアはよく理解していた。
帝国に、同名の貴族をわざわざ生かしておく理由は少ない。
ヒルダーーゴネリルの血族である彼女ならばともかく貴族としては弱小の類であるリシテアや、影響力そのものは大きくはないマリアンヌであれば尚更。
それを分かっているからこその態度だ。
媚び諂う様な姿勢を見せたところで、今後の処遇が変わるわけではないのだから。
「おーおー、金鹿の天才少女様は相変わらず頭のよろしいことで……ああ、いや、この年になっちまえば元・天才少女か、ナリは小さえままだがよ」
「……?……!……あなた達は、黒鷲の学級の……?」
一人の帝国兵の言葉に、マリアンヌがハッとして顔を上げる。
顔に覚えは無かったが声には聞き覚えがあったような気がしたのだ。何より、その発言。
学級内の事も、リシテアの年齢の事も。
同年代の士官学校に在籍していなければ知り得ない情報だ。
加えてーー士官学校は、五年前の事件以降完全に休校している。
つまり……
「俺だけじゃねえ、この場に居る兵士のほぼ全員さ。エーデルガルト……いや、皇帝に。あの時代士官学校に居た人間は全員戦場に駆り出されてる。出たかろうが、出たくなかろうがな」
「…………お互い、最悪な再開って訳ね……」
言いながらも、何が再開なものかとヒルダは胸中で毒づいた。
同じ士官学校に在籍していた事が分かっても尚、目の前の相手の家名すら思い出せはしない。
言われなければ殺した後でも相手の事を思い出さずに気持ちを切り替えて次の戦場に向かっていたのだろう。
戦場の無慈悲さと、「今」という時代の異常さを全身で感じるようだった。
「どうせ俺達の事なんて覚えてもいねえ癖に、よく言うぜ」
「……そっちがこっちの事を覚えて無くても、こっちはテメェ等の事を良く見てたんだぜ」
「あの傭兵上がりの教師と好き放題やってるのも、リーガンの盟主の事も……それを見てずっと思ってたんだ」
じっとりとした視線が、ヒルダ達の身体を舐め回す。
ーー閨事に疎い生娘ではない。
「歴史の浅い同盟の連中を……無茶苦茶にしてやりたいってなぁ……!」
経験は無くともその視線が何を意味するものか、自分達が何をされるのか。
残念ながら、分からない程ヒルダ達はもう幼くはなかった。
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「あっ、いや、ああっ……!?」
「マリアンヌっ!!ちょっとあんた達っーー」
マリアンヌとリシテア。
それぞれ異なる趣の美しい女に帝国兵達が群がって行く。
敬虔なセイロス教徒でありそういった事とは無縁な貞淑な乙女であるマリアンヌが帝国兵に衣服を胸元から引き切られて悲鳴を上げれば、リシテアが怒りを露わに吠える。
「うるせえよ、魔法の使えねえ魔導師の、分際でッ」
「ッ、あうッ!?」
だが何の抵抗にもならないと言う様に、別の男にその頬を叩かれて力なく転がされる。
魔法の使えない魔導師など、こんなものだ。特にリシテアは、魔法剣を操って闘う事はあっても軍の中でも際立って非力の部類に入る。前線で闘う帝国兵とは文字通り大人と子供だ。
「へへ、修道院の馬小屋で見る度にこの胸を好き放題したかったんだ、おら……ッ!」
「あっ、い、いやッ、やめてください、こんな事女神がお許しには……ひ、うぅッ!」
胸元を覆う布を剥ぎ取られればかつての士官学校内でも屈指の大きさを誇っていたたわわな乳房が露わにされる。両手で鷲掴みにして、なお溢れんばかりの豊かな果実が無遠慮に揉みしだかれ、兵士の手の中で形を変えた。屈強な兵士の手で痛い程に力を加えられる痛みと羞恥に、か細い悲鳴が上がる。
「おおおお……士官学校の頃よりデカくなってんじゃねえか、はあ、はあ、くそ、堪んねえ……!」
「あ、ぐっ……!?な、にをーーひ、ぃっ!?」
帝国兵が力任せにマリアンヌを床に引き倒しては下衣を脱ぎ捨て、その身体に馬乗りになる。露わになった熱り立った猛る肉棒を無理矢理に乳房で包み込ませ、前後に動き始めた。貴族が戯れに娼婦にさせるような胸を用いた遊びの疑似性交、乳交とでも言うべき行為。
仮にも辺境伯の娘であるマリアンヌにさせるような行為では無い。
が、今ここに置いては彼女の人権も、立場もあってないようなものだ。どうせこの後は捕虜になるか死ぬかなのだから。
「おおおお……ッ……ああ、くそ、もう射精るっ、射精る……うううッ!」
「ひーーい、や、あああ……っ、ううっ……!」
柔らかい胸肉で肉茎を擦り上げられる感触と、艶やかな唇と肌に亀頭が触れる感覚を目一杯に愉しんだ帝国兵はくぐもったうめき声を上げて欲望を解き放つ。煮え滾る欲望と等しい熱を持った白濁に乳房と顔を穢される恥辱と恐怖に、マリアンヌの端正な顔立ちが嫌悪に歪んだ。
「マリアンヌちゃんっ!っ……お願い、やめて!私がやるから!みんなには酷いことーーう、ぅぐっっ……!?か、は……ぁ……っ、っっ……!」」
声を上げ、自身が一身に仲間の身代わりになろうとしたヒルダの首がギリギリと締め上げられる。
身に纏う衣服は帝国兵のナイフで裂かれ、破り捨てられて行く。豊かで、一目見ただけでは戦場で大斧を振るっている姿とは結び付かないようなむちむちと肉感的で、艶めかしい肢体が露わにされていく。
乳房のサイズもマリアンヌに負けていない。
身体自体は細身な彼女と比べて、より女性的な肉付きをしているからかヒルダの方が官能的である程だ。
「まだ立場が分かってないようだな。私が、だとか誰が、だとかの話じゃない。お前等はみんな俺達の玩具に……いや、便器にされるんだよッ」
「っ!っっ……!ーーっっっ!?~~~~っ!~~~~~~っっっ!?」
「お前達に何人仲間が殺されたと思ってやがるっ、いや、それだけじゃない、帝国の誇りを踏み躙りやがって……その身で償わせてやるッ、おいッ脱がせッ、剥いてやれッ」
ぎりぎりと片手で首を締め上げながら、ヒルダの首を締め上げる兵が他の兵に命じて鎧の下の下衣を剥ぎ取って行く。元々が動きを阻害しない為の軽装の革鎧であったが、それすらも捕らわれた時に剥ぎ取られている。シャツが、タイツが、そして秘所を覆う下着までもが切り裂かれ奪われて裸体が露わにされる。
「ハッ、紋章持ちの怪物女の癖をして、なんて卑猥な身体だッ」
極上と称していい女体。闘いの中でも「女」である事を忘れまいと美しく手入れされた玉の肌、肉感的でありながら”無駄”になる贅肉が感じられない引き締まった身体。それでいて女性の魅力に溢れた乳房と尻肉は芳醇に実っていて捕らわれた四人の中でも頭一つ抜けた色香を醸し出していた。
複数人の帝国兵がヒルダの両腕、両足を掴んで抑えつけて大きく開かせる。手入れされた無毛の秘部は恐怖と羞恥でじっとりと汗ばんでいた。
「~~~~~~……っ……!」
粘着く視線が全身に絡み付く羞恥。
片手で首を締め続けながらも足の間に入り込む帝国兵。
生暖かい粘膜が粘膜に触れる感触と光景ーー
「~~~~~~~ッ~~~~!!ーーか……ぁ……っ……っ!」
「お、らぁッ……お、おおッ、うおおッ……!これがゴネリルの女のっ……!はッ、おらッ、おらッ」
そして、下腹から全身を杭で貫かれる様な痛み。
耐え難い痛みに、ヒルダは声を上げる事も許されず目を見開いた。
剛槍の如く硬く張り詰めた肉茎に貫かれた乙女からは純潔の証が流れていた。
股座から駆け抜ける激痛と、それをも上回るいつか誰かに捧げる筈だった乙女の証を無造作に奪われた心の痛み。
文字通りに、身も心も引き裂かれる様な苦痛だ。
だがヒルダを犯す帝国兵がその心を、身体を慮る事は無い。
片方の手で首を、もう片方の手で乳房を鷲掴みにしながらも一心不乱に腰を打ち付ける。女を悦ばせる様な技術の類は無い。
獣性と憎悪、欲望と怒りが綯い交ぜになった本能むき出しの腰使いは性行為ではなく凌辱、種付け、交尾と称する方がいっそ相応しいだろう。
「くそ、ああ、ああ~~ッ……はあッ、このッ、良い様に暴れやがって、俺達の、仲間の恨みをッ……はあッはああッ!」
「かッーーはーーぁ、はっ、はあっ、ひゅっっッーー!ッ、ぷ、ああッ!……げほっ、げほッーーンンゥゥッ!?」
首から手が離れ、呼吸が許されたかと思えば、唇を無理矢理に奪われて再び呼吸を閉ざされる。士官学校時代は男子生徒達から好意を集め、小悪魔の様に誂い弄ぶ事もあったヒルダだが、唇を許した事は無い。
そんな彼女の初めての接吻は屈辱と鉄錆の味をしていた。
「んぶッ、れろッ、はあッ、んぢゅッ……はあッはあッ、おおッ、射精してやるッ、ゴネリルの、あの、士官学校の……ッ憧れの女にッ、はあッ、はッ、種付けしてやるッ」
「ひーー、やーーやだッ、やだやだッ、ねえッ待ってッ、まッ、ああッ!?あぅッ、ううッ!やだぁッやだやだやだあッ!いやッ、あッ!?あああぁっ!?」
「暴れんなよ、どうせこの後誰の種か分からなくなるまで輪姦されるんだ、大人しくしておいた方が身の為だぜ」
唇が離れ、たわわな乳房に顔を埋めるようにした帝国兵の動きが切羽詰まったものに変わっていく。同時に、自身のナカに押し入った剛槍がぷくっと膨れ上がりその硬度を増し、幾度も強く打ち付けられる感触の感覚が短くなっていく。
何をされるのか、何が起こるのかを理解したヒルダは手足を、身体全体をのた打ち回らせてなんとか逃れようとするが四肢を抑えつける他の兵士達がそれを許してはくれない。体の上から聞こえる荒い息遣いは大きく、目の前に映る男の顔は醜悪な笑顔で歪んでーー
“ーーどぐんっっ どぐっっ どぷっ どびゅぅっ びゅるるっ”
「おッ、おおッ、くッ、ふぅぅううッッ……!」
「いーーや、あ、いやあああああっっ!!」
腰が強く打ち付けられると共に、穢れを知らぬーー知ら”なかった”膣内に欲望が吐き出されていく。
張り裂けんばかりの悲鳴は嗜虐的な笑い声に飲み込まれ、教会の中へと虚しく消えていく。
ーー気が付けば、神に祈るためのその場所は女四人の悲鳴と獣欲を剥き出しにした雄達の”鳴き声”で満ちている。
醜悪なサバトがーー戦場であっても許されてはいけない残虐の宴が、繰り広げられていた。
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◆◆◆
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「んッッ、ぐッッふぐぅうッーーーーんぅぅぅッッ!んぐぅッ……!ふ、ん、お”ぁっ、あ、ふッ、あ、ぎぃぃ……あ、や、め、やめ、ろ、こんな、もぉーーん、おごぉっ!?」
「喋ってんじゃねえよ、平民が」
数日が経った。
教会の中に設けられた野戦病院を思わせる寝床で細く靭やかな身体が嬲られている。
寝そべった男と、後ろから覆いかぶさる男に挟まれる様に前後の穴を肉槍で穿たれて、何事かを口にしようとすれば口内に指を押し込まれ喋る事すら許されずにいる。
レオニー・ピネッリ。
金鹿の学級に属し馬を駆り弓と槍を手繰る女傑、壊刃ジェラルドを師と仰ぎ傭兵として生計を立てる事を誓い、それを成してきた凛々しき女将。
そんな彼女が凛々しさも、溌剌さも、尊厳の全てを奪われた様な様で士官学校からの五年で磨き上げた彼女が言うところの「女っぷり」だけを、男たちに貪られていた。
「下賤の身分の癖に締まりは最高だぜ、兵士やるより娼婦やってた方がよっぽど稼げるだろう、よッ!」
「ん、ごぉッ……!?お”っ”!?ん、ぅッ!ん、ああ”っ!?」
「おい、まだ壊すなよ。こいつに何人殺られたか……こんなんじゃあ指先程の怨みも張らせて無いんだ、生き地獄を味合わせてやらないと気が済まねえ」
「お”ぉ”っ!?お”っ!ぎっ”っ”!?あ”あぁ”っ!?あ”ーーーーっ!?」
示し合わせた様に上下から突き上げられ、突き刺され、男に挟まれる圧迫感と苦痛、生理的に感じてしまう快楽を逃がす事も出来ずレオニーはただ悶え、叫ぶ。
貴族であるヒルダ達には「捕虜」としての政治的価値があるが、平民の出であり傭兵の立場のレオニーには、それが無い。また、騎兵、弓兵として多くの兵を屠って来た彼女への扱いは必然的に四人の中で最も苛烈な物となっていた。
「はッ、はあッ……おらッ、貴族様の種を、くれてやるッ……!」
「こっちも射精すぞ、殺した分だけ孕みやがれ……!」
「あ”っ!?うあっ……あ”ーーーーっっっ……!」
上下からの挟撃。前後の穴から内蔵を押し上げられる、圧し潰される衝撃。
どくん、どくんと自身の体内で欲望が脈打ち注がれる生暖かい感触を味わいながら、レオニーは自分んが上げたものとは思えぬ情けない悲鳴を上げて、悶えた。
ーーレスター諸侯同盟の救援は、未だ訪れてはいない。
囚われてからの数日の間、四人は延々と男達の欲望のまま、その身体を貪られていた。
純潔を奪われ、嘆くことも身を休める事も許されず昼夜問わず犯され、嬲られ続ける。
如何様な運命の悪戯かーーあるいは、開戦の時期やガルグ=マクに程近い土地である故の必然か。ヒルダ達を犯し穢すのはその殆どが、学級は異なるとは言えかつて士官学校にて同じ学びの場に身を置いた者達だった。
中には、その親族も居る。このフォドラの地を包む争いの火の中でレスター諸侯同盟の兵やの手やーーあるいはヒルダ達の手によって直接家族を喪った者達だ。
「は、ああああっ!うあああああああっ!は、ああっ!イ、ッ!うッ、イ、ぐぅぅッ!ひッ、ぎッ!!あ、あ、あ!あああああッ!は、はーー……ひ、ぃぐ!?う、ぁあぁ、あーーっ!や、嫌、も……ぉ、い、やぁああぁ……ッ!」
「あ、マリ、アンヌぅ……っ!あッ!?ぐッ、あッ、ああぁ、や、め、折れ、折れ、るぅ……!」
その憎悪をぶつけるかのように、犯す、犯す、犯すーー只管に犯し続ける。
大と小、マリアンヌとリシテアーーどちらも細身でありながら対極の体付きの女が二人が犯されていた。
手首を拘束され吊り上げられ、天井の梁から降ろされたロープに吊り下げられながら後ろから犯されているのは、リシテアだ。その髪色と同様に白い肌にはいくつもの赤痣、青痣が刻まれていた。彼女が帝国兵達の好まない態度を取った事の罰によるものだ。
生意気な口を利く度に、反抗的な態度を見せる度に、馬を打つ際に用いる鞭で叩く。”調教”の結果当初よりは大人しくなってはいたがーー
「まだ人のッ、心配してる余裕があるみてえ、だ、なッ!」
「あ”、ひぎ”いぃっ”!?」
一度向けられた悪意は、絶える事が無い。こういった異常なーー欲望が肯定される、されてしまう場では特に。少しでも男達の気に入らない態度を取る度に、鞭で打たれ、掌で尻を叩かれ、時には骨が軋み折れる程に乱雑に扱われる。先程も吊られた腕から厭な音が響く程にーー握り潰そうとしているかの様な力で掴まれて、悲鳴を上げていたところだ。そして今、目の前で犯されるマリアンヌを気遣う言葉を発そうとして、背を拳で強く打たれていた。
「あ、ぁっ!うぅぅっ、ぐっ!ふ、うぅっ、ひぎ、ぃっ!うっ、あっ!ああっ!あーーっ!あーーーーっ!」
リシテアが犯されるその正面、大きく足を開かされた体位ーー背面駅弁の体位で、マリアンヌは犯されていた。下から突き上げられる度にたわわな乳房が鞠の様に跳ねては落ち、汗を飛び散らせている。その頬は赤らみ、明確に快楽を感じてのが誰から見てもわかった。
ーー媚薬の類である。帝国に協力する、闇みに蠢く者の技術を用いて作られたもの、帝国貴族が戯れに情婦や娼婦に用いる、心身を蝕むものだった。
一滴垂らせば未通女も淫乱に堕とすそれを、一瓶分。
今のマリアンヌは、風が肌を撫でる感覚でも絶頂してしまいそうな程に敏感になっていた。そこに、士官学校時代からレスター諸侯同盟に至るまで望む望まずに拘わらず磨き上げられた、誰しもの目を惹くような美貌と男好きする魅惑の身体だ。
この数日で身体は開発し尽くされ、単純な抜き挿しが行われる度に絶頂するまでになってしまっていた。
「エドモンドのご令嬢様も、こうなっちまえばただの獣だな、オラ、口開けろ雌」
「あ、ぁあぁーーんぅ、ぶっ……んうぅぅ……!」
背後から羽交い締めにされ、逃れる事も出来ず唇を奪われればこの数日で身体に覚え込まされた”反射”で、自ら舌を絡める。心は自身と仲間達を襲う退廃的な暴力に苦しんでいるのに、身体は裏腹に男を求めている。それも、女神が見ているであろう教会という場で。
胸を揉み潰されれば接合部から潮を吹き出し、頭の中に響く粘膜同士が触れ、擦れ合う水音が必死に自身の名を呼ぶ仲間の声を遠く掻き消してしまう。
「んぅうぅ……ふぅ……んーーぅぅぅ……ぇお。れおろ、るーーんっ!んぅぅっ!ん”ん”っ!ッ!ん”っ”ァ!は、あ!」
「はははっ、ほら射精すぞ、しっかり味わえ雌犬がッ……!」
「あ!ああッ!あ、あ!ひ、ああぁぁぁあああぁ~~~~っっ……!!」
抱き潰され、上下の口で繋がりながら交合を繰り返し許容量を越えた快楽を打ち込まれ続けるマリアンヌ。口の端から漏れる音は言葉にならず、伝う涎が自身の肌を汚している事すらも認識できず帝国兵の腕に抱かれる中で大きく身体を跳ねさせて、潮を吹き出しながらまた絶頂を繰り返す。「いや」と拒絶の言葉を紡いでいた唇で自分から口付けを求め、注ぎ込まれる精液に合わせて自分から腰を揺らめかせている事すら、最早分からない。
助けが来たとして、到底「まとも」な生活に戻れる様子では無い。
それは誰の目から見ても明らかだった。
「い”っ!ふ、ぐぅッぎッ、いぎッ、も、や、めでぇ……や、だぁ、やだ、あ、あ……!」
マリアンヌと共に、リシテアも犯され続ける。犯される間に何度も叩かれ、殴られ、白い肌に目立つ青痣は増え続け吊るし拘束された両手首は鬱血している。嬲られ続ける身体は、どこか骨が折れてしまっていてもおかしくない。耐え難い苦痛と、その中に混ざる快楽。
「やめる訳ッ、無え、だろうがッ!死ねッ、死ね、死ねッ、イキ死ねクソガキがッ……!」
「やだ、やだ……や、ああぁぁああ……!」
自分の腰骨がみしり、と厭な音を立てるのをリシテアは聞いた気がした。骨盤が歪んでしまいそうな突き入れと、その直後に体内に感じる熱が心身を砕いていく。
痛みと熱に意識を引き戻されて、マリアンヌの様に狂う事も出来ずに、嬲られ続ける。
どちらが地獄かとは比べようも無いがーー
「ぁ……うぁ……あ、…………ぁ……あ……ぅ……」
ただうめき声をあげながら、複数の男に囲まれ犯されるヒルダの惨状よりはマシだろう、と言えた。
抱きかかえられ、前後の穴を犯されながらも大きな反応は無い。ただ、肉体の反応として痙攣や締め付けを繰り返している。頬には涙の跡が伝い、瞳は何処ともない虚空に向けられていた。
「ちっ、まさか一番最初に壊れるなんてな」
「男を舐めてたんだろ、なにせ紋章持ちの大貴族様だ。俺等みたいな木っ端貴族やら、平民出の兵士に犯されるなんざ思ってもいなかっただろうよ……っ、お、おおっ」
「ぅ、あぁ、ぁ……ぁっ」
膣穴を犯す兵が呻いて、精を注ぎ込む。
ヒルダの身体が小さく痙攣し、うめき声が上がる。
ーー豊満で肉感的な男好きのする身体。
士官学校時代に男女問わずの羨望を集めた美貌。
フォドラの首飾りを守護するゴネリルという名家の娘にして、紋章を持つ女。
この場の誰よりも男達の慾望の矛先となるのは自明で。
ーーそうなれば誰よりも先に壊れるのも、当然の事だった。
「お、おおー……ふぅ……」
「終わったなら変われよ、反応が無くても一番良い身体してるのはこいつなんだ」
「待てよ、こっちがまだだろ……おい、ケツ穴締めろよ、緩んでんぞ」
「ぁ……ぅ、ぁ……あー……」
頬を叩かれ、肛門を剛槍で穿り返されても返ってくるのは呻き声だけ。
戦場で美しく戦っていたゴネリルの戦姫の面影は、もう無い。
「そういや聞いたか?レスターの……」
「ああ、こっちと王国両方の部隊とかち合ったっていう、確かほぼ壊滅したとかーー」
「ハッ好い気味だな、国でもない連中が。早々に帝国に付いておけばこんな事にはならなかったもんをーー」
「そうなるとこいつ等もここに置いている訳にもいかないか、輸送の準備をーー
ヒルダにはもう男達が話している内容の殆どが理解できてはいなかった。
耳から入って、頭で理解する事が出来ずに、そのまま流れて零れ落ちていく。
「…………くろーど、くん……せん、せ…………」
ただーーーー助けは来ないのだ、と。
こんな姿を、大切な人達に見られる事は無いのだ、と。
聞こえてくる音に、ふとそんな風に思った。
FE風花雪月すき。