すき。
常世の何処か。
人理の外に在り、地上では有り得ざる後傾が広がる異空間。
そこには優雅にして絢爛な城が存在している。
――アンゼロット城。
城主の名を冠する美しき白亜の城。
彼女に仕えるウィザード達――ロンギヌスの拠点。
世界の守護を司る人理の城壁。
その城内の一際高い塔の天辺に当たる階層の部屋。
そこが城主アンゼロットの居室だ。
彼女が普段人理を守るウィザードを出迎える為の謁見の間や、ウィザード達を出迎える客室でなく、
極個人的にプライベートな時間を過ごすために存在している私室というべき部屋。
そこに、「あなた」は招かれていた。
部屋には、あなたとアンゼロットの姿のみ。
他の者の姿はない。
たおやかな微笑みを浮かべた絶世の美しさを持つ女神と、「あなた」だけの空間。
大きく優美な寝台や、立派なソファ。城に見合った調度品や家具の数々。
華美過ぎず、されど質素過ぎない。城主であるアンゼロットに見合った部屋だった。
窓からは美しい異界の光景が一望できる。――夢のような空間だった。
「うふふ」
アンゼロットがあなたに向けて微笑む。
美しさの中に、妖艶さをたたえた蠱惑的な笑みだった。
多くの騎士を、ウィザードを従える絶世の美しさを持った女神の瞳があなたにだけ向けられている。
「どうしたのですか、そんなに緊張して」
「――さ、座りなさい?」
促されるまま、ソファに腰掛ける。柔らかで上質な布の感触。
対面のソファに同じようにアンゼロットが腰掛けあなたと見つめ合う。
銀色の美しい髪。きゅっと引き締まり少女と女性の中間にあるような細身。
吸い込まれそうな青紫の瞳の中に、あなたの姿だけがある。
「それでは、改めて――」
「此度の働き、本当にご苦労さまでした」
「あなたのおかげで世界の危機は未然に防がれ、また平和を保つ事ができました」
す、と小さくアンゼロットが頭を下げる。
あなたとしては仕事を果たしたまでだ、ひいては自分の世界の事でもある。
改まって礼を言われるような事では――と手をひらひらと振って頭を上げるよう頼む。
「いいえ、今回ばかりは本当にあなたのおかげです」
「様々な事情で他に動ける者達が居ない中、あなたは本当によくやってくれました」
「ですので、今回あなたには特別に報酬を与えられれば、と思います」
報酬。
その言葉に首を傾げ、考える。
金銭的な物や、物品的な物だろうか。
あなたは貧乏という訳でもないが、特別裕福なわけでもないが――さしあたって金銭には困っていない。
では特段欲しいものがあるか、と問われればそれも否だろう。
刺激的な生活は間に合っているし、普段の平凡な生活も必要な物は充分に持っている。
はて、何か与えられるようなものはあっただろうか。
あなたが顎に手を当てて考える素振をしていれば、アンゼロットの小さな笑い声が正面から聞こえてくる。
「うふふ」
口元に手を当てた上品な、けれど誂うような笑み。
細められた瞳は全てを見透かしているようで、あなたは何故だか顔がかぁと赤くなるのを感じた。
「隠さずとも良いのですよ」
「――女性は男性が思っているより視線ですとか、そういうものに敏感ですから」
「ええ、特に私は絶世の美貌を持つ女神ですので、普通の女性よりそれはもう」
アンゼロットがソファから立ち上がる。
あなたがなにを、と思う間もなく言う間もなく、女はあなたの隣に腰掛けた。
香水だろうか。
それとも女神として造られた彼女本人のものだろうか。
甘い香りがあなたの鼻孔を擽り くらり、と来る。
魅了<チャーム>でも発動しているのかと疑ったがそうではなさそうだ。
「私の事、見ていましたよね」
「――もっと正確にいうと、私の……肉体を」
「邪な視線で、舐め回すように、じっくりと、見ていたでしょう?」
どきり。
上目遣いでこちらを見上げるアンゼロットの視線と、言葉にあなたの心臓が大きく跳ねる。
事実だった。
自分でも知らずの内に彼女を、その美貌を眼で追うことから始まっていた。
それから彼女を思い、上品な仕立てのドレスの下に隠された肉体に欲望の目線を向けたことは数え切れない程。
衣服に隠された肉体を妄想し自慰に耽った事も何度もある。
「あなたへの報酬がなんなのか、教えてあげましょう」
アンゼロットが、その体をあなたに傾けて半身を預ける。
――するり。
食器より重いものなど持ったこともないであろう白魚の様な細い手が、あなたの手の上に重ねられる。
指は指に絡みついて――俗に言う恋人繋ぎのかたちで強く繋がれる。
「報酬は、私です」
「神々はあなたの働きは、私の身体の価値に値すると判断しました」
至上の宝石の様に整って”造られた”顔が、みずみずしい唇があなたの耳元に寄せられる。
――あなたは、囁かれた言葉が信じられず思わず聞き返し、自分より頭一つは小さな女神の身体を見下ろす。
今、何と?
報酬は、「私」?
それは――あなたは自分が想像した光景に思わず生唾を飲む。
「もっとわかり易い言い方でないとわかりませんか?」
「それとも……うふふ、言わせたいのでしょうか、いやらしい人」
繋がれた指が解かれ、柔らかな感覚が離れていく。
隣に存在していた女神の女体が、ソファに座るあなたの正面に立つ。
――しゅるり、ぱさ……とさっ。
黒いドレスが肩からはだけられ、重力に従って地に落ちる。
露わになるのは染み一つ無い純白の肌と、僅かにそれを覆い隠すドレスと同じ色の黒いベビードール。
繊細にレースがあしらわれたそれが、上品さと妖艶さを演出している。
誰もが目を引きつけられてやまず、触れられるなら死んでも構わないものもいるであろう
極上の女体が、あなたの――、一匹のオスの視線の前にさらされている。
アンゼロットは――女はその視線を浴びて恥じるでもなく、たおやかに微笑んで言葉を紡いだ。
「私を一晩好きにする事が、今回のあなたへの報酬です」
「どのように使っても構いません、あなたが望めば望む侭に奉仕しましょう」
「花のように、蝶のように、あるいは物でも扱うかのように」
「――全てあなたの望むがままに」
「私――アンゼロットをあなたに与えます」
「どうぞ、お好きなように"愛"でてくださいな、――ご主人様」
そっ、と。
微笑みと共に宣言したアンゼロットは三指を付いてあなたの前に跪いて頭を垂れる。
こうまんちき、ともされる女神が。
あなたという一人の人間の前に。
素肌をさらし。
あまつさえ、自分を好きにしていいと、そう宣言している。
酷く喉が渇く気分だった。状況を飲み込めず頭がぼうっとしている。
――ただ、身体だけは正直だった。
股間に血が集まって、脈動している。
下衣と下着の中で勃起がパンパンに張り詰めている。
ちょうど、顔を上げたアンゼロットの前に下着に隠されたそれが、ある。
女神の視線はそれに気づき、妖艶な――あなたが見たことのないような笑顔が浮かべられる。
それはまるで女神とは正反対の――淫魔のような。
唇の端から舌を出し、こちらを挑発するような。
意気地なし、とでも誂っているような笑み。
「いかが、なさいますか?」
「――お好きに命令してくださって、いいのですよ」
…
……
………
…………
ちゅ、くちゅ。れろ。ぶちゅ。
――れろお~~……っ、ちゅ、ちゅぶっ、ぢゅぶっ、ぢゅるっ。
「――は、あ♥」
「ふふ、ご立派ですね、こちらの方も一流のようで……♪」
アンゼロットがあなたの開かれた足の間に跪き顔を寄せている。
白く美しい手は張り詰めた勃起に絡みつき、幹全体を扱き上げている、
みずみずしい唇は――いやらしくリップ音を立てて――亀頭に繰り返し口づけを落とす。
「んっ♪ ちゅっ♪」
その手付きは穢れなき無垢な物ではない。
何度も男に抱かれ、男を翻弄したであろう慣れたものだ。
少女の様な容姿をして男の事など知らない幼な顔をしていて。
どうしようもなく女を、メスを感じさせるものだ。
快感と共に沸々と疑問が湧き上がる。
湧き上がった疑問が、つい言葉となって口を出る。
――他の男にも、こんな事を?
そう問えば、女神は少しむっとした視線であなたを見上げた。
「心外ですね」
「私が誰にでも股を開くような女に見えますか」
しかし、とあなたが口を挟もうとすると、ぐりぃっ、と。
幹全体が強く握りしめられる。痛みとも快感ともつかない感覚にあなたの言葉は途切れた。
「そもそも、何故私が”女神”の形をしていると思いますか?」
それは――何故だろう。
アンゼロットは使徒、正しくは亜神――より上位の神によって造られた被造物存在だ。
そうなれば、なんらかの目的を持って女体として造られているのだろう。
では、その目的とはなんだ。
まさかより上位の神の慰み者――
「……また失礼な事を考えていますね?」
「そんな酷い殿方は――こうです」
「あー……ん、っぶっ」
にゅる――じゅるっ。
大きく口を開けたアンゼロットが、あなたの勃起に顔を寄せて――それを一息に飲み込む。
ひどくあつく、ぬかるんだ感触が勃起を包む。
極上の蜜壺に挿入しているかのような口淫、口奉仕。
長い舌が口内で幹をねぶりあげる。口が窄められ頬肉が勃起を締め付ける。
勃起を咥えこんだ頭が前後され、みずみずしい唇が幹全体を攻め立てる。
あなたが堪らず声をあげて喉をそらせばちゅぽん、と音を立てて口が離され奉仕が中断された。
「私は、"女神"として造られました」
「そう、世界の守護者として時にウィザードを見守り、時に助力し、時に試練を、時に癒やしを与える存在としてです」
「――傷付き倒れた戦士は時に女神の抱擁が必要な場合もあるでしょう」
「そういった時のために、女神は色事に関する知識も持って造られるのですよ」
「ですから、実際の経験が然程無くともこうして――」
言葉と共に、勃起に絡みついた手指が上下に動かされる。
先程の口奉仕でまぶされた唾液を潤滑剤に、勢いをつけて。
幹全体を扱き上げたかと思えば先端、亀頭を手で圧し潰すように。
刺激に堪らず絶頂を迎え吐精しようとすれば、両手の指で輪を作りカリ首と根本をキュッ、と強く抑えつけられた。
「あなたを満足させるに足る奉仕をすることができるのですよ、おわかりですか?」
女神の、アンゼロットの言葉にあなたは何度も首を縦に振る。
良く理解できた。身体でも頭でも、充分過ぎる程だ。
「よろしい。 ……うふ、ぱんぱんに張り詰めてなんて逞しい……♥」
アンゼロットが笑う。
全てに許しを与える、たおやかな慈母のような笑み。
しかして現状を考えれば真実は淫魔のそれだ。
女神は笑みを浮かべたまま、射精を堰き止められ張り詰めた勃起の先端に口付ける。
唇を離したかと思えば、ふぅ、と息を吹きかけて、あなたを上目遣いで見上げて。
到底その口から紡がれてはいけないような、淫語をささやく。
「射精、したいですか?」
「私の手で、指で、口で、身体で――女神の奉仕で子種を吐き出したいですか?」
「溶岩のように煮えたぎったその欲望で、私を穢し尽くしたいのですか?」
あなたは何度も、何度も首を縦に降る。
ソファに腰掛け見下ろしているのは自分、床に跪き見上げているのは彼女。
それでも今、あなたの身体も、心も、アンゼロットに支配されていた。
――くすり。
女神が微笑む。
そのまま、再び勃起に顔を寄せた。
「では、どうぞ」
「――あなたの貴重な遺伝子……全て飲み干してさしあげます……♥」
ちゅっ……くぽっ。
薄く口紅が塗られた柔らかな唇が、勃起の先端を包む。
それとほぼ同時に幹を締め付けていた指がほどかれ――あなたの欲望が破裂する。
びゅるっっっっ!! びゅるるるぅぅ~~っ!!どぶっ、どぶぅぅっ、びゅるるっ、びくんっっ!!!
ごぶっ、ごびゅぅっ。びゅるるるっ。
射精が止まらない。
絶大な快楽と、無限にも思える射精感。
全てが絞り尽くされるような感覚が襲ってくる。
座っていなければ、その場に倒れ込む醜態を晒していただろう。
――思わず、足の間にあるアンゼロットの頭を抑えつける。
女神はそれを拒否するでも、振り払うでもなく、ぐっと喉奥まで勃起を迎え入れた。
ぶりゅっ、びゅるぅぅっ、ごぶっ……どぷっ、どぷっ。
「んんんっ……♥♥」
「ん、くっ♥ ――ん、くっ、ごきゅ、きゅぅっ……♥ ん、んんぅぅぅ……~~……っ♥」
「っく、……んッ」
ごくり、ごくり、――ごきゅんっ。
勃起を口に収めたまま女神が喉を鳴らして、口内で溢れた白濁を飲み干す。
そうして口を大きく開け、女神があなたを見上げる。
口内を見せつけるように、一滴も零さず飲み干したことを示すように。
「はぁ……臭くて、苦くて、ねばっこく喉に絡みついて……」
「――とても素敵な味です」
女神が立ち上がり、あなたの手を取る。
その手を取って立ち上がった瞬間、身体に活力が満ちていく。
吐精後の倦怠感などまるでなかったかのように、柔らかな手の感触だけで勃起が張り詰める。
「勇敢なる方」
手を引かれるまま、寝台へ。
「今度はあなたから」
肌をわずかに隠す黒い下着すらも自ら脱ぎ去って。
「どうぞ――私の身体を自由に貪ってください」
「女神アンゼロットは、今夜一晩あなたの"もの"です」
銀色の髪を寝台に波打たせ広げた女神が、あなたを誘惑する。
「身体には尽きぬ精が満ちているはずです、さあ、さあ、さあ――」
「――今一時は全てを忘れて、私に、溺れなさい……♥」
ぷつり。
理性の切れる音が、頭の中で響いた。
…
……
………
「ぁ――は、ぁっ♥」
「んっちゅ、ちゅっ、ちゅ……♪」
小さいがしっかりとした膨らみがあなたの手の中で柔らかに形を変える。
寝台に横たわる女神の身体に覆い被さって唇を奪い、その身体を手で、口で、鼻で堪能する。
「ああっ♥」
胸の先端、突起に吸い付けば女が甘え媚びた声を上げる。
あの女神アンゼロットが、あなたの攻め手で喜悦に蕩けている。
目尻を下げ瞳を潤ませ、快楽に翻弄されている様は、それだけで極上のスパイスだった。
「は、あああっ、ああっ♥」
首筋に口付けしながら下腹に手を這わせて撫で回せば、強い快楽に髪を振り乱していやいやと首を振るう。
それでいて、細い腕はもっともっとと快楽を求めるかのようにあなたを抱きしめて離さない。
「あっ、やっ、くるっくるくるぅっンンンン~~~~ッッッ♥♥♥」
下腹に這わせた手でしとどに濡れそぼった秘部を指でなぞってやれば幼さを残した女体は白い喉を逸して強く跳ねる。
小さくみだらな陰核は強く固くなって存在を主張して割れ目からはぷしゃあっ、と淫汁が吹き出した。
「あ、ふっ♥はー、ぁ♥はーっ……♥」
「ふふ、ふ、ふふ」
「どう、ですか――私の身体」
「あなたのご期待に添えていますか?」
アンゼロットが、絶世の美貌を持つ女が、あなたに手を伸ばし頬に触れる。
快楽で火照った体の熱が手からも伝わってくるようだった。
「言ったでしょう、私の身体は”そう”造られたもの」
「だから、経験は本当にないのですよ?」
「こうして私に触れたのは、あなたが初めてで――」
「だからちゃんとできているか……――んっ」
益対のない事を語るその唇を唇で塞ぐ。
語るまでもなかった。彼女は、この女神は今は自分の物だ、自分の女だ。
あなたは自分の猛りを、昂りを行動で示す。
乱暴に唇を奪われた女神が驚いたような反応を見せたのは一瞬。
すぐに瞳を細め、うっとりとした様子で舌を動かしてあなたに応えてくる。
ゆっくりと唇を離せば、熱っぽい瞳があなたを捉えて離さない。
「ん……っ、ふ、ふ」
「そう、ですね、無粋でした」
「――お詫びを、させてくださいますか?」
女神の言葉に頷き、促されるままあなたはベッドで仰向けに横になる。
絶頂で汗ばんだ身体をゆるゆると動かして、今度はアンゼロットがあなたに覆いかぶさった。
ぐにゅっ……にちゅっ、にゅるっ、ぐりゅっ。
いきり立った勃起と、淫乱汁でひどくとろけた割れ目が擦り合わされる。
それだけで、今まで味わった事のない快楽があなたの爪先から脳天を走り抜けていく。
口奉仕も、これまでにないものだったがその比ではない。
ひどく、あつい。
媚肉が勃起に食らいついて離さないかのようだ。
淫乱汁が幹全体に、先端にまぶされて胸の鼓動がかつてないほどに早くなっていく。
「――私の、身体は……っ♥」
にちゅ、ぐ……りゅんっ。
勃起を媚肉で圧し潰すように体重をかけながら、アンゼロットが笑う。
女神の笑みではない。 淫魔の顔で。
「子供を作ることは、できません」
「……では――なんのために、この器官が……」
「おまんこが、あると思います……?」
「――、はっ……♥」
ぐに――ずりゅんっ。
勃起の先端が陰核を強く擦る。
快楽を感じるのはアンゼロットの筈だというのに、先端に強い刺激が走る。
……熱い。熱い。どうにかなってしまいそうな程に頭が熱くなっている。
「教えて、あげましょうか」
「――"ここ"も……奉仕するために造られて、いるんですよ」
「ふ、ふ……っ♥ 使うのは、ええ、もちろん、初めてです」
「だから私もどうなるか、あなたをどうしてしまうか……んっ♥」
「わから――ないんです、うふふふ……♥」
アンゼロットが腰を浮かせる。
片手をあなたの腹について、もう片方の手で勃起を手にとって。
その先端を、これまで男を迎え入れたことが無いとうそぶく無垢な秘部にあてがう。
「あ♥」
にゅるぅ――っ。
どびゅっ、ぶびゅっ、ぶびゅるぅっっ。
先端だけが秘部に埋没する。
――脳が灼けるような快楽。
それだけで勃起が暴発して白濁が溢れて無垢な膣内に白濁を注ぎ込む。
白濁を溢れさせながらも勃起は収まらない。
性欲は留まることを知らず、永遠と勃起し続けている。
けれどアンゼロットが腰を浮かせた事ですぐに引き抜かれた。
なぜ、と思い女神の顔を見れば疑問は一瞬にして氷解した。
「――は、っ……♥ はーっ♥」
そこにいたのは淫魔だった。
端正な顔を快楽に歪め、瞳には随喜の涙を溜めながらハートを浮かび上がらせている。
「あ、ぁ♥だ、めですっ、……こわれ、こわれて……っ」
彼女は"奉仕するために造られている"と。自分のことをそう言った。
多くの男は女がみだらに乱れる姿に征服感を、達成感を覚えるものだ。
彼女を作ったものもそうだとするのならば、その身体は、その器官は。
男にとって極上の肉壷であると同時に彼女自身にとっても脳を、心を容易く壊して「メス」にさせるものなのだろう。
ごくり、とあなたは生唾を飲む。
「少し、待って、くださいっ……♥」
「このまま挿れたら壊れて、しまい、ます――だから、どうかっ……♥」
必死になって快楽を堪えようとするアンゼロットのその姿に――
あなたは、耐える事ができなかった。
「あ――」
白い足に手を伸ばす。
肉付きの良い太腿にそっと手を添える。
「まっ……ッ」
ズンっっっっ♥
「~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~か、はッ……っ♥♥♥」
ぐっと、力を入れて――女神の身体を引き寄せる。
重力に従わせて甘く蕩けた肉壷に勃起を突き立てる。
膣壁が、淫肉が。
男を堕とす――あるいは奉仕する為"だけ"にある性行為専用の器官が。
精液を搾り取ろうと勃起に絡みつき、吸い付いて来る。
ぼびゅぅっぶびゅぅぅるるるっ♥どびゅるるるるっ、ごびゅっ、びゅぅっ♥
「~~~~~~~~~~~~♥♥!!♥♥♥~~~っっっ♥♥♥♥♥!!!」
膣肉に包まれた勃起からの射精が止まらない。
魂ごと搾り取られるようだった。
「か、はっ♥」
思わず、下から突き上げる。
射精しながら。 本能だけで腰を動かす。
「は♥ あっ♥ はぁ、あ♥ああ♥」
本能なのか、あるいはこれも"そう"造られたものなのか。
あなたが腰を使えば意識を朦朧とさせた様子のアンゼロットも合わせて腰を打ち付けてくる。
あなたの腹に両手を付いて、脚を大きく開き結合部を見せつけるように。
銀色の髪を振り乱し一心不乱に腰を打ち付けるさまは娼婦の、淫魔のそれだ。
「ああーッ♥♥あッ♥う、ああああッ♥♥――は、あああああああああああっッッ♥♥♥」
強い突き上げと共に精液を子宮に注ぎ込めば、それを受け止めながら身体を反らして激しく絶頂する。
全身を大きく、びくんびくんと震わせて、両の瞳からは涙を流している。
与えられる快楽を脳が処理できていない。
けれど、あなたもの理性の糸も壊れてしまっていた。
「あ、ひゃッ♥――んああああッ♥♥」
動きを止めたアンゼロットの手を引っ張り身体を反転させ、華奢な体を組み敷く。
また、あなたが上だ。
「おッッ♥ふッ♥ああッ♥」
一心不乱に腰を打ち付ける。ぱんッ、ぱんッと肉と肉がぶつかる音が響く。
びゅるびゅると、魂を、生命すら吸われている気がする。
それでも構わない心地だった。
この快楽の中で死んでしまえるならばそれで。
ちかちかと、頭の奥で光が明滅している。
視界には姦淫に狂った女神の顔だけが見える。
――、一際強く腰を打ち付けると、光が自分の全てを埋め尽くすような感覚に襲われた。
「は、あ―――――ッッ~~~~~~~~~♥♥♥♥♥♥♥」
ごびゅっっっ♥♥ どぷっっっっっ♥
どぷっっ……どぷっ……びゅるっ、びゅくんっ、びゅくっ……♥
華奢な身体を全身で圧し潰すようにしながら、小さな膣内の一番奥まで突き挿れたまま最奥に精液を放つ。
このメスを孕ませる、孕まなくとも無理矢理にでも孕ませる。そんなふうに思いながら精液を吐き出す。
生も、精も、魂も、全てを出し切ってしまった気がする。
身体から力が抜けて、意識がぷつりと途切れそうになる――とアンゼロットの手があなたの頬に触れた。
力が、意識が戻ってくる。
倦怠感が嘘のように。
全身に活力が漲り、むくむくと性欲が沸き上がってくる。
精を出し切ったはずの陰嚢がぷくりと膨れ、本能が目の前のメスを喰らえとあなたに訴えかける。
これは――と疑問に思い、身体を浮かしアンゼロットを見下ろして合点がいった。
”もっと。”
淫魔がそう笑っていた。
「あひっ♥ あ~~♥ あ~~~~っっっ♥♥」
どちゅっ、どちゅっ。
淫汁で水音を立てながら、あなたはまた腰を動かし始める。
アンゼロットは今宵一晩と、そう言った。
女神の加護があなたに無限の体力と精力を与えてくれる。
ならば文字通り、夜が明けるまで彼女を貪り続けようと。あなたはそう決めた。
――夜は、まだ始まったばかりだ。
すき。