脳破壊は自分で回避してください。
人理継続保障機関フィニス・カルデア。
それは、極北の果てに存在し何者かによって焼却された人類史の回復と守護を目的とした「グランドオーダー」に臨む
地球上最後の天文台にして人類の守護者達、サーヴァントを擁する魔術機関――である。
英霊。境界記録帯。
死後、英雄と呼ばれる存在達が人理にその姿を刻まれた影法師。
カルデアが開発した守護英霊召喚システム・フェイトにより呼び出される存在達。
多くは人理の回復――特異点と呼ばれる歴史の歪みの修復に協力している。
現実世界に存在し続ける為には当然魔力が必要となるが、通常時はカルデアの魔力炉によって賄われている。
――が。
現在魔力供給を行っている魔力炉は変調を来している。
人理焼却の首謀者、ソロモンによるものかと考えられているが原因は不明。
これによってカルデアの英霊達は現界こそ保ててはいるものの、
戦闘や、それを準ずる行為を行うには圧倒的にリソース不足の状態に陥っている。
魔力炉の異常解決に向け、現在カルデア技術部及び英霊ダ・ヴィンチが尽力しているものの、事態収束の目処は立っていない。
しかしいつ敵の襲撃が来るか、戦闘が必要な事態が発生するとも限らない。
――これを解決するために提案されたのが、人類最後のマスター藤丸立香と一部の英霊間で魔力パスを直接繋ぐ事だ。
前述したように平時、カルデアのサーヴァント達の魔力は魔力炉によって賄われている。
そのため、マスターと英霊を繋ぐ契約はあってもマスター直通の魔力供給は行われていない――する必要がないのだ。
これには人類最後のマスターの出自から、直接のパスが合ったとしても大した供給量にはならない事も起因している。
しかし、異常が発生している今例えカルデアの魔力炉と比べて雀の涙程であったとしても、
使えるものを使わない手はなく、緊急時の備え程度にはある。
負担が掛かるとの説明を受けた上で、人類最後のマスターは快くそれを承諾した。
平時、サーヴァント達に戦闘を任せきってしまっている事に対する無力感、申し訳無さもあった。
自分が出来ることなら、どんなことでもやる。
それが人類最後のマスターの出した答えだった。
「(けど、その方法がなあ…………)」
――用意された部屋で、ベッドに腰掛けてマスターの青年は天井を見上げ心中で呟く。
一流の魔術師であればサーヴァントとの間にパスを繋ぐなど容易いことだった。
だが、人類最後のマスターである青年の出自は魔術に縁のなかった一般人。
レイシフトの際や戦闘時はカルデアが用意した礼装によって簡易的な魔術行使程度なら可能としているものの、
正式な魔術の使用、ましてやサーヴァントとの間のパスの開通などできる訳もない。
ならば、と提案・採用されたのが最も原始的な魔力供給、接続の方法だ。
すなわち粘膜による接触、交合。
かんたんに言い換えてしまえばセックス――性行為だ。
人類最後のマスターの故郷である日本でも、古来より房中術というものが存在する。
西洋魔術に置いてもこの概念と通じるものがある、というのはカルデア技術顧問ダ・ヴィンチから聞かされた話だ。
魔力は体液に溶けやすい。体液なら血液でも魔力を供給出来る。
性的な体液の方が魔力が多いが、そもそも体液に混ざった分しか供給出来ない為、効率は良くない。
パスは物理的に近ければ近い程、繋がりが太くなり、離れれば離れる程細くなる。
「近い」の究極系は接触であり、そのため身体の接触が多い性交渉が最もパスを繋ぎ魔力を効率的に供給出来るようになる――
――などと。
長ったらしい説明を受けたが要するに自分はこれから、カルデア側が選定した相手と、セックスをするのだ。
どういうわけだか――そういうものなのか――英霊、という存在は美男美女が多い。
カルデアに召喚された英霊達もそうだ。
歴史に名を刻み、語り継がれるような存在達なのであるから、ある意味当然の事なのかもしれない。
けれど、と。
マスターたる青年は溜め息を吐いて肩を落とす。
青年にとってサーヴァントの皆は頼れる仲間達であり、尊敬と親愛の念を抱く存在だった。
もちろん「そういった目」で見たことが無いと言えば嘘になる。
しかしそれは遠い存在――例えるならアイドルにでも向けるようなものであって。
自分の未熟、力不足のせいでそういった事を強要するような形になる事は酷く受け入れ難い事だった。
そして何より――――
「マスター、失礼します」
りん、とした涼やかな声にうつうつとしはじめた思考が遮られる。
はっと天井から視線をドアに向ければ静かな機械音と共に自動ドアが開かれていた。
戦時に身に纏う白銀の甲冑を解いた下の、青いドレス。
見目麗しい金髪をシニヨンにして纏めた、可憐さと凛々しさを併せ持った翠眼の少女。
アルトリア・ペンドラゴン。ブリテンの伝説的君主、アーサー王その人。
現在に残された資料では男性とされていた為、召喚し初めて出会った時にはマスター自身も驚いたものだ。
しかし、その力、心、風格は伝説のアーサー王そのものに相違ない。
このカルデアでも最高クラスの戦力として、共にマスターと戦場を駆け抜け、支えてくれていた。
――そんな彼女が、こつりと足音を響かせ部屋へと踏み入ってくる。
魔力供給の為、マスターに用意された部屋にだ。
マスターは酷く喉が渇くのを感じて、ごくりと唾を飲み込んだ。
けれど、いやまさか、胸中で繰り返す。
「アルトリア、ええと」
「はい?」
「その、……何をしに? この部屋は……」
「ええ、存じています、先程ダ・ヴィンチから説明を受けました」
問うた言葉に思いも掛けない返答が返ってきて、今度は息を呑む。
そんな風に考えていると、彼女――アルトリアは靴音を鳴らしてこちらに近付き、自然な様子で隣に腰掛けた。
「魔力供給の為のパスを繋ぐのでしょう?確かに戦力確保は最優先で進めるべきだ」
「現在の状況を考えるとあなたとの付き合いが長い者が適任ではないかと思いまして」
「他の者達もいましたが、私が自分で立候補してこの場に来ました。 ……何か問題でもありましたか?」
「問題でも、って――何するか本当に分かって」
「もちろん理解しています、回路の接続と原始的な魔力供給……つまり性行為でしょう?」
何を今更当然の事を、とでも言いたげな顔でアルトリアはそう言う。
少しして、様子を怪訝に思ったのかこちらを見ながら、彼女が首を傾げる。
なんだかいたたまれなくなってしまい身体ごと顔と目を逸らせば、不思議そうに覗き込まれた。
やがて、ああ、と呟いた後にアルトリアが苦笑する。
「思いを寄せている相手でもいましたか? だとすれば、申し訳ありません」
「マスターも年頃の男性ですからそういった事もあるだろう――とは思っていたのですが」
「いかんせん緊急事態ですので、ここはぐっとこらえて……」
「そ、そうじゃなくてっ」
「?」
「アルトリアは、その……良いの?だって……っ」
言いかけた言葉が遮られる。唇に柔らかい感触。
アルトリアの、剣を握り振るっているものとは思えない柔らかな人差し指がぴとりと当てられていた。
「マスター、私達は共にいくつもの戦いを駆け抜けて来ましたね」
「その中で私は、あなたと信頼の置ける間柄になれた――とそう思っています」
「人類の為に闘うあなたのその在り方は、私にとっても好ましい」
「だからこそ、力になりたいのです。そう思ってはいけませんか?」
「それは、でも……だってアルトリアは、男として生きて来たんでしょ」
アルトリア・ペンドラゴン。彼女自身から聞いた話だ。
生前は魔術師マーリンの力も借りその出自、性別を隠し男性として生き、そして死んだ。
「その、だったら男してはともかく、女の子として、その、そういう経験というかそういうの、無いんじゃないかって」
「それなのにいくら魔力供給で必要な事だからって――」
英霊とは過去の存在。そんなことはマスターも分かっている。
だとしても、だ。経験のない――見た目としては同年代か、あるいは年下の、経験もないであろう女性に。
「アルトリアの事を信頼してないとか、そういうのじゃなくって」
「信頼してるからこそ、そういう風にしてほしくないっていうか、なんていえばいいかな……!」
もちろん男として、オスとして。
アルトリアのような美少女と性行為をしたくないと言えば嘘になる。大嘘だ。
大切な仲間であるからこそ必要な事だからといって、そういった行為を迫りたくはない。
それがマスターの素直な心の内だった。
何がおかしいのかアルトリアは、ぽかん、という顔をして、
……くすくす。
少しして――口元を手で抑えた、控えめな笑い声が静かな部屋にやけに大きく響いた気がした。
「――なんだ、そんな事でしたか」
アルトリアが笑っていた。ネガティブなものではないからかうような、面白そうな表情で。
なにがおかしいのかわからず、ええと、という言葉がマスターの口から漏れる。
「ああ、すみませんマスター……いえ、そうですね、気を使っていただいてありがとうございます」
「確かに私が話していた過去から言えばあなたがそういった疑問を持つのも最もだ」
「そういった面での心配を抱く事も当然でしょう」
「ですが、心配はいりません」
「え」
微笑み。凛とした中に普段とは違う女性らしさが見えて、どきりとマスターの心臓が脈打った。
「女の身でもそういった経験はありますし、殿方の悦ばせ方も心得ている」
「経験豊富――とまでは言いませんが気遣いの必要はありませんよ」
胸に手を当てながらアルトリアはそう言う。
「誰と」というある種当然の疑問が言葉が口から出そうになり、あまりにも踏み入り過ぎではないかマスターは口元を抑える。
それは、こんな――アルトリアのような美少女なら当然だろうとも考えられる。
だが男として生きてきた彼女がどこで――と考え、頭を振るう。
余計なことだ、と思った。
「その……けど……」
「む、まだ何か問題が? ――マスター、こちらを見てください、話をする時は人の顔を見るべきだ」
マスタが―言葉と共に、気恥ずかしさから隣に座る少女の顔を正面から見ることができずに視線を空中に彷徨わせれば、
アルトリアの手がマスターの頬に伸びて、触れ、自分の方へと首を向けさせる。
どきりと、胸の鼓動を早めながらマスターは観念したように視線だけを逸しながら小声で呟いた。
「……俺がしたこと無いんだ――女の子とそういう……性行為っていうか、セックスっていうか」
「分かりやすく言えば、……その、童貞で」
気まずそうに、気恥ずかしそうに――実際に羞恥で顔を赤く染めて――マスターが語る。どこか言い訳がましく。
ここに来るまでは極めて普通の学生であって、平凡に過ごして来て、彼女こそいた事はあったものの。
そういった事に至るまでは無く、自分の年齢ではむしろその方が一般的であって。
口数多く語れば語るほどにマスターの青年はなんだかひどくいたたまれない気持ちになっていった。
意味をなさなくなっていた言葉が、ベッドに置いていた手の上にそっとアルトリアの手が重ねられる事で止まる。
「――何も心配は要りません、マスター」
「誰であれそういう事はあります、私自身そうでしたし、他の多くの者達もそうですし、英霊であれそういった時はある」
「そういった時は往々にして経験があるものが相手をリードするものです」
重ねられた手指が絡められる、マスターに心配をかけまいとするように。
声色は穏やかで、親しい友人のように、頼れる姉のように、あるいは甘い恋人同士のように。
「ですから、マスター」
「相手が私で申し訳なくは思いますが」
「――しっかりと私があなたをリードします」
「安心して私に身を委ねてください、マスター」
――
――――
――――――
――――――――
――――――――――
ちゅっ……ちゅっ……、ちゅっ。
小鳥が啄むように、ベッドに腰掛けた二つの影が唇を重ねている。
「上手ですよ、マスター」
「あ……う、うん」
「さ、もう一度です。ゆっくり――互いの体温を感じるように」
「簡単なものではありますが、まずはこれでパスを繋ぐ感覚を掴んでいきましょう」
アルトリアが、重ね絡めた手指にきゅっと力を入れる。
身体的な接触面積が増える事で、緩やかにパスが開いて互いが繋がっていく感覚。
「ん……ちゅっ、ちゅっ……ちゅ……っ……」
もっと深く感覚を開こうと――あるいは、欲望の衝動に突き動かされるままに――
二人は何度もキスを繰り返す。アルトリアの方から、促されてマスターの方からも。
「(すごいやわらかい……なんだこれ……アルトリアの、顔が、近くて、いい匂いが)」
頭がくらくらしてくるのを、マスターは感じていた。
夢でも見ているかのような心地、しかし伝わってくる手の感触も唇の感触も間違いなく現実だ。
「っぷぁ……ふぅ――……、マスター」
「あ、え、はい」
そして耳に響く普段よりずっと優しい澄んだ声も。
それがマスターの意識を現実へと引き戻す。
「キスには慣れたようですね、大変よろしい。それでは次はより深く魔力を繋げてみましょう」
「より、深く」
「はい。――大丈夫ですよ、マスターはただ私を受け入れてくれれば良い、さ……」
「う、うん――っ」
ちゅっ、ちゅっ。
――れろっ
「……っっっ」
れろ、くちゅっ、れろぉ――っ……。
閉じた唇を押し割って、マスターの口内に侵入してくるものがある。
なまめかしく、ぬめる粘体。
アルトリアの舌だ。
「ふ……っっっ」
それがマスターの舌を絡め取る。
生き物ののように。ぬるぬると。
「ふぁ」
息継ぎのために唇を離せば、今度は舌で唇をなぞるように。
ちゅう、と舌に舌で吸い付いて唾液を奪われ、彼女の唾液を飲まされる。
魔力供給。
じんわりと自分から彼女に、彼女から自分への流れが広がっていくのが
吸い上げられ、染み込み、染み渡って行くのがマスターにも理解できる。
重ね合った手が熱い、触れ合う唇から、唾液と、魔力と共に熱が流れ込んでくるようだった。
「ん――っぷぁ、パスの接続は順調のようですね」
「は、っ……はぁ……そう、なの?」
「ええ、微量ですが力が流れ込んでくるのを感じます。マスターは感じませんか?」
「なんとなく……だけど、うん」
「上出来です、では……そうですね次の段階に。失礼します、マスター」
「えっ――うわっ」
マイルームの、高級とはいえないものの上質なベッドがぎしり、ときしむ。
繋いだ手を取られたマスターが、ベッドに押し倒されていた。
アルトリアの細い――華奢とも言っていい身体がマスターに覆い被さり密着している。
しゅるり。
アルトリアの腕がマスターの身体を這って、下衣の中へと侵入り込む。
そうして下着の隙間から、すでに固く、熱を帯びているマスターの男性器――ペニスに触れる。
「あ、あ」
マスターの喉から、情けない声が漏れる。
女性に――アルトリアのような美女、美少女に。
伝説の英霊、円卓の騎士を統べていた王に。
少し前までただの学生でしかなかった自分が奉仕されている。
その事実がマスターの頭の、ペニスの熱を更に昂ぶらせた。
「下衣が邪魔ですね、マスター、腰を浮かせてもらえますか?」
「う、ん」
言われるがままに身体を動かせば、するりと下衣がおろされ張り詰めたペニスが露わになる。
それに白い指が絡みついているのが、いやでもマスターの視界に入り、興奮で目を逸らせないでいる。
「うん――立派ですね、とても逞しい」
「あまり多くを見たことがあるわけではありませんが、マスターのものもとても立派ですよ」
ちゅ。
「うあ」
――しこ、しこ、ちゅこっ、ちゅぐっ、ぬちゅっ、ぐちゅっ。
「あ、あっ、ああ」
「マスター、こちらを」
「あっ――んっ、ちゅっ……ちゅ……」
頬に口付けが落とされ、それと並行してペニスに細い指が絡められ上下に扱かれる。
殿方を悦ばせる術は知っている、との言葉通りマスターにとってアルトリアの奉仕は充分に巧みなものだった。
繊細な指使い、力使いで強弱をつけて上下にしごきあげられペニスの先端からは先走り――カウパーがとろとろと漏れ出す。
それを潤滑剤にして、手指による奉仕はだんだんと速さ、激しさを増していく。
少しも経たずにマスターは意味のある言葉を発することができなくなっていた。
口からは「あ」だとか、「う」だとか、意味のない喘ぎ声が漏れる。
やがて、ぷくぅっとペニスの先端、亀頭が膨れ上がり――
「あ――あ、っ、あ……っっっ!!」
「と」
「っっっ、は、っ……!?」
――高ぶった感覚が爆ぜそうになったところを、堰き止められる。
アルトリア野細い指がペニスの根本を指でぐっと締め付けていた。
「アル、トリア、なんでっ……」
マスターが当然の疑問を呈せば、寄り添うように密着していたアルトリアが身体を起こして離れていく。
そうして、ベッドを小さく軋ませてマスターの腹部から腰の辺りに跨る。
「いけませんよ、マスター」
「目的は魔力供給です、皮膚からも吸収は可能ですが効率が悪い」
「それにマスターは初めて、と自分で言っていたでしょう?」
「男性の方は、初めての時は緊張で一度射精した後に勃起を維持できなくなる者も多い――と聞いています」
「であれば最初の射精でしっかりと目的を果たすべきです」
「主君を下に組み敷く、という体勢で些かの申し訳なさはありますが――」
「今回はマスターへの私からの奉仕、と捉えていただけるとありがたい」
ぱぁ、と。
アルトリアの身に纏っていた青いドレスが小さな光を放ち、粒子となって解けていく。
露わになるのはシミひとつ、シワひとつ、汚れ一つ無い白磁の肌。
小振りだがツンと突起が上を向いて主張する可愛らしい双丘。
そして毛の一つもない、緩やかな丸みを帯びた麗しの恥丘。
アルトリア・ペンドラゴンの裸体がマスターの目の前に曝される。
マスターにとってはそれだけで、せっかく彼女が堰き止めた精の昂りが弾けてしまいそうな光景だった。
「ん……、っ」
「あ、ああ、あっ」
アルトリアが、片手をマスターの胸について自分の腰を持ち上げる。
そうしてもう片方の手でペニスを優しく持ち、自らの秘部――まだ幼さすら残る割れ目に、押し当てた。
くちっ、くちっ、くちゅっ、くちゅり……っ。
ペニスの先端と割れ目が、感触を確かめるように何度か擦り合わされる。
マスターの目は、その光景をじっと見つめていた。
「(もしかして、これって、夢なんじゃ)」
あまりにも――あまりにも非現実的な光景にマスターはぼんやりとそんな事を考える。
カルデアの魔力炉に異常など起きていなくて、現状は閉鎖環境でそういった欲求が溜まっていた自分が、
しらずしらずアルトリアや女性サーヴァント達に向けていた劣情を発散するために、
程度の低い夢を見ているのではないか――と。
そんな風に考え――ペニスを襲う熱に現実に引き戻される。
「は――……あ、ああ……ンッ……!」
ず、……ぐりゅ、ず、ちゅんっっ。
アルトリアの腰が沈み、マスターの腰と密着する。
無毛の秘部がマスターのペニスをしっかりと根本まで咥え込んでいた。
熱く、愛液でぬかるんだ、初めての女性の膣内。
鍛えられぎゅうぎゅうと、それでいて甘く、いやらしくペニスを締め付ける膣壁の感触。
「ぁ――は、ぁ……」
「ふふふ……これで、立派な男性ですね」
「逞しく、私の膣内で硬く、熱く……立派ですよ、マスター」
自分の上で優しく――それいて快感か、興奮かで頬を紅潮させて微笑む、アルトリアの表情。
とても、初めての青年が耐えられるものではなかった。
「あ……」
びゅるっ、びゅくんっ。びゅるるるぅっ、どぷっ。
身体の中に走る熱い感覚に、アルトリアは小さく声を上げる。
「あ――……ッ、んッ」
どくん、どくん、どくん。どくん。どくん。
アルトリアの狭い膣内に収められたペニスが何度も跳ねる。
熱く脈動しながら精を放つ。
アルトリアは下腹部――ちょうどペニスが埋没しているであろうそこを手で抑えて、ふう、と熱い吐息を吐き出す。
マスターにも深く、彼女と肉体的以外なものでつながる感覚があった。
「パス」が通ったのだ。
精と共に、魔力がアルトリアへと流れ込んでいく感覚を確かなものとして互いに実感できるようになっていた。
当初の目的は果たされた――ともいえる。
「ご苦労さまでしたマスター、これで万全に――とは言えないまでも戦えるでしょう」
「宝具を使えばあなたに負担を掛ける事になるでしょうが、ダ・ヴィンチの予想ではそこまでの規模の事は起きないと――おや?」
自身の中に満ちる魔力の感覚を確かめながら、アルトリアがマスターにねぎらいの言葉をかける。
しかしマスターの反応は芳しくなかった。
ある種、当然ではある。
「ご、ごめん、俺、勝手に……ひ、ひとりだけっ」
初めての行為で、膣内に挿入しただけで「暴発」してしまったのだ。
目的を果たしさえしたものの男としては落第点――そんな考えをしてしまうのも無理はない。
そんなマスターの頬に――身体を倒し、小振りな胸をマスターの胸板に密着させたアルトリアが優しく手を触れる。
「何を恥じる事があるのですかマスター、誰にでも初めてはある、そういったでしょう?」
「女性経験が無いというのならば尚更です、なにより目的そのものは果たしたのですし――」
「私の身体で、あなたが我慢できなくなる程快感を得れたというのならそれは喜ばしい事です」
励ましながらもけれど、とアルトリアは思う。
男性にとっても、女性にとっても初めての体験というのは記憶に残る重要なものだ。
それはアルトリア自身の遠い――それでも決して色褪せぬ記憶も「そう」だと告げていた。
このまま行為を終えれば、マスターは心に良くないキズを負ってしまうだろう。
それならば、とアルトリアは少年の頬に触れながら決意して言葉を口にする。
「――それにマスター、まだ……んッ……まだ、行為を続けられる事はできるでしょう?」
ぐりゅ……ぱんッ。
アルトリアが尻を持ち上げて、軽く打ち付けてやればマスターは「ああッ」と喘ぎ声を上げる。
膣内に迎えられたペニスも、白濁とアルトリアの愛液に塗れながら硬度を取り戻していた。
「パスは繋がったようですが、魔力が多くあることに越したことはない」
「ですから、今後のマスター自身の勉強も兼ねて、もう少しだけ」
「――大丈夫ですよ、次は一緒に達せられるようリードしてさしあげますから」
「う、……う、うん……」
「よろしい。 ――では、続けましょう、マスター」
「責任を持ってこのアルトリア・ペンドラゴンが――あなたを導きます」
ちゅっ、ちゅっ。――ぐちゅっ、ぱんっ、ぱんっ。
部屋には静かな水音と、二人が唇を交わす音だけが、響いていた。
FGOはメルトリリスに20万ぶっこんでからやめました。