僕は黒……いや、今はマルス様から名前と地位を貰って、今は王平で真名が黒っていうんだ。
僕はこの国、淫に拾われたお陰で今があるし、たぶん拾われてなかったら野犬か猪に食われていたし、皆さんにも会えてなかったと思う……。
昔の僕は何も出来なかったし、それが理由で虐められもした……畑1つ耕せず、ただいるだけの穀潰し。父からは殴られ、母からも忌み嫌われていた。そんなある日、僕はいつもより酷く父に殴られ、蹴られ、母からも殴られ、蹴られて、その挙げ句には村の人達全員から石をぶつけれられた。
そして、母に言われた……。
『お前なんて産まなきゃ良かった!!!死ね、ごみ!!』
母にそう言われて、全てが嫌になった僕は抵抗する気力もなく、横たわっているところを助けてくれた人がいた。
それがマルス様だった。
銀色の髪、この世の者とは思えない美貌、何より美しい紅い目……でも、僕にはどうでもよかった。こんな綺麗な人に殺されるなら、それでも良いと思って目を瞑った。
けど、僕は目が覚めると体の傷も無くなっており、村にいた頃よりも上等な服を着ていて、寝台に寝かされていた。戸惑っていた僕が部屋を見渡していると、そこには本を読んでいるマルス様がいた。
何で助けたのか、何でここまでしてくれたのか……色々分からなかったが、マルス様は僕を見て淡々と答えてくれた。
『お前は死ぬべき人間じゃない。あいつらが要らないなら俺が貰おうと思ってな……黒、俺と来い。』
真名を呼んで頭を撫でてそう言ってくれたマルス様に、僕はただ抱きついて涙を流して、大声で泣き叫んだ。そんな僕をマルスは静かに見守ってくれていた。
その後に僕は紫苑ママや桔梗ママを抱いて、僕の全部を話すと2人が僕の母様になってくれたし、僕のどこが悪いのか、どんなことが向いてるのかを教えてくれたマルス様はそこを念入りに教えてくれて、今では牛金さん率いる“牙牛”にならぶ“白蛇”という隊を率いさせてもらっている。
けれど、そんな中で僕を傷付けた挙げ句捨てて、無視した村の連中がマルス様にすがってきて、その上僕を見て猫撫で声で助けを求めてきた。断ると、育てた恩を返せだの何だのと文句を言ってきた。
……気持ち悪い、そうとしか思わなかった僕や怒った桔梗ママが豪天砲を構えたが、マルス様が止めて、ある条件を出した。
『淫に加わりたいなら、明日から“お前ら全員”で黒が今まで働いた給料の食い物を納めてみろ。もし質が悪かったら、その年は数えない、一からやり直しだ。』
その言葉に全員が言葉を失い、自分たちだって辛いという文句を言ったがマルス様はため息を吐いて答えた。
『お前ら全員で働いても敵わないほどの額を、黒は一人で稼いでるし、何より努力をしてる。お前らだけが辛いというのは大間違いだ。文句があるなら……村を潰すだけだ。』
マルス様の眼光に怯えた村人達は退いたが、監視役として張燕さんと厳白虎さん、僕と兵士の皆さんがついて監視したが、村で採れる野菜なんて高が知れており、何より僕も許す気もないので全部を不合格にして、村は潰れた。
聞いた話では最後は、僕を残して置かなかった事を責められて、両親は袋叩きにあったらしいが、僕にはどうでもよかった……。
だって僕には、優しいママが3人と、もう一人加わるんだから……。
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