マルスの前に姿を見せたパンイチの巨漢、貂蝉。そんな彼を見てか、先程の戦闘を見てか愛紗、思春、バーゲストはマルスの前に出て敵である貂蝉に睨みを利かせる。
「貴様、先程の男の仲間か!!ご主人様を襲うなど万死に値する!!!」
「このような真似をするなど!その気色悪い首切り離して川に沈めるぞ!!!」
「お二人ともそのような生温いことではいけません。やるならば、犬の餌にしましょう……!!」
自身に敵意を向ける3人に貂蝉は、悲しげな表情になりながらも前を見る。
「何て可哀想に……。その男に毒されて……必ず私が助けてあげるわ!!!そこの異物を消してからね!」
「異物?貴様、ご主人様を侮辱するか!!このお方は淫の領主にして大陸の覇者であるマルス様!!そんな方を“異物”など……!許せん!!切り刻んでくれる!!!」
「待って!!貴女達は騙されているのよ!!本当のご主人様は、そんな外道ではなく、1人の純朴な青年なの!!」
「ふざけたことを……。あまり騒ぐなら首を切り落とすぞ!」
「それに、マルス様を外道呼ばわりとは。モルガン陛下やバーヴァン・シーが聞いたら、貴方はバラバラでしたよ。メリュジーヌなら粉々ですがね。」
愛紗、思春が怒鳴る中、バーゲストは若干冷静にそう返すが、その眼には鋭い殺意が宿っており、今にも剣を振りそうになっている。
そんな3人の前にマルスが出ると貂蝉を見据える。
「お前がどこの誰で、なぜ俺に敵意を向けているのかは知らんが、これだけは聞くぞ。……何が憎い?」
「何が、憎いですって?ふふっ!ふふふっ!!……そんなの決まってる!!!!あなたがこの世界に来てしまったせいで、ご主人様は……北郷 一刀の歴史は消えてしまったのよ!!そこから続くはずだった物語も……!貴方が現れたせいで!!」
「その北郷とかいうのは知らないし、そんな事で恨まれるの些か気分が悪い。だが、この指輪、ボンゴレリングと匣だったか?中々面白い道具だな。解析させてもらう。」
「人を殺しておいて罪悪感も起きないのね!?やはり貴方のような外道よりも「そこの男も人を殺していたようだが?」っぐ!?わ、私が言っているのはあなたに対してよ!……まぁいいわ、近々貴方を攻めに大軍勢が来るわ。今までのしっぺ返しを受けるといいわ!!」
貂蝉はそれだけ言うと、立ち去ろうとしたのを見て愛紗と思春が斬りかかろうとしたが、マルスによって止められる。
「ご主人様!あの不埒者を討たせてください!あのような侮辱!許せません!」
「私も愛紗に同感です。追撃の許可を。」
「余計な時間を費やす必要はない。いつか、その機会が訪れる。バーゲスト、愛紗、思春。国に戻るぞ。そこで、色々話をするから幹部や兵士達を集めてくれ。」
マルスは死体を闇空間の中へ捨てると、停めていた馬達に乗り淫へと戻るのであったが、そう言ったマルスの表情は暗かった……。
◆◆◆
その後、淫に戻ったマルス、愛紗、思春、バーゲスト4人は即座に緊急会議を開くと伝えて一旦部屋に戻ると、マルスは頭を押さえて一息吐くと俯いた。
「嫌われてもいい。そうなればみんなに殺されようが、疎まれようが、甘んじて受けよう……。」
マルスはそう言うと、拳を握ってすべての将兵達が集まった大広間に向かう。
するとそこには真剣な表情の仲間達が全員揃っていた……。
「んじゃ、軍議始めようか?」
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