マルスが仲間たちに自分の素性と本当は何者なのかを伝えてから3日後、マルス達は何時、戦が起きても良いように用意をしていた。
愛紗達武将も鍛錬を欠かさず、兵達の調練を行っていき、七乃達軍師達もあらゆる策を模索していた。
そんな彼ら彼女らに従う兵達の顔は、いつになく真剣であり、覇気が籠もっている。
その中でマルスは貂蝉がこの世界に転生させた青年が持っていた“ボンゴレリング”とマルスの持つ“ヘルリング”、さらに匣の解析をしており、使い方についても考えていた。
そんな中、3日後の昼頃、物見の兵士から伝令が下った。
「申し上げます!!東に3里の辺りに軍勢を発見!!その数およそ500!!兵はおりませぬが、その者達は珍妙な服装や武具を身に付けております!!」
「あの城に常駐していた兵達は?」
「恐らく討ち取られたかと……。」
「そうか……。下がってくれ。」
兵士の報告にマルスが双眼鏡を持って、高台から東を見ると、そこには明らかに軽装であり、戦う姿勢という感じではなかった。
「ナメてるな、あれは。こっちに勝つから鎧とかはいらないって腹づもりか?」
「どちらにして不愉快です。戦をナメているというのが見え見えです。」
「華琳、相手は500の将、兵無し、指揮もバラバラ。真面目から当たれば、損害はどれくらいだ?」
「そうね……。最悪兵の半分は失うかもしれないわ。」
「そうか、半分か。なら淫の軍師達の智略を最大限活かして、損害を最小限にしてくれ。但し相手の損害は多めにだ。」
マルスのあまりにも無茶な注文に、華琳は微笑む。
「なんて無茶を言うのかしら。そんな事、普通は不可能よ?」
「その無茶を何とかしてしまうのが、覇王だろう。」
「そうね、手立てが無い訳ではないわ。来て。」
華琳はマルスを陣幕に呼ぶと、そこには大勢の牛金らがおり、朱里と稟が地図を拡げる。
「彼らが支配している城には“表門”と“裏門”があり、敵は表門に兵力を集中させています。本来なら全軍で真面目から攻めるのが早いのですが、敵は何やら策を弄している模様。」
「そこで、マルス様の要望を叶えるのなら、少数精鋭の別働部隊が裏門から奇襲を掛けて頂きたいんです。」
「奇襲、か……。これならば確かに敵の背後は突けるが、もし看破されたとしたら、別動部隊は危険になっちゃうよ?」
「……それなら、俺が行く。」
「「「!!?」」」
そう言い出したのは、マルスであった。
「俺ならちょうど良い的になる。他のみんなには表門を攻めるようにしてほしい。挟撃作戦だ。」
「しかし旦那!!それだと旦那の身が!」
「何かあれば合図を送る。その時に来てくれ……頼む。」
頭を下げるマルスに全員が押し黙る中、冥琳が頷いた。
「……分かった。では、別動隊はマルス1人に頼もう。ただし、危険と判断したら合図を出してくれ。」
「分かった。」
「マルス……!」
「だったら、恋も行く。」
「ならボクも!」
「メリュジーヌと恋はみんなを守ってくれ。頼んだぞ。」
マルスはそう言うと、戦の用意をするのであった……。
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