※この作品はR-18です。

淫魔による外史破滅。   作:ボルボロックス

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これで、恋姫は本当に終わりです。


これからは外伝、エロなどです。
残りは……クリスマスと英霊とエロだけ。

来年はゆっくりでいいか。


戦④ 終わる歴史(外史)と始まる歴史(外史)

 貂蝉が牛金、王平の2人と接触した事は仲間達にも伝えられ、今後は彼がどのような動きを見せてくるのか、警戒するように通達された。

 

 

 その中で牛金も王平も愛する者達を抱き締めて、キスして癒された……相当辛かったらしい。

 

 

 その後、部隊を組み直した淫軍は全軍で貂蝉のいる城を取り囲んで包囲し、いつでも攻め込める用意をしていた時……マルスが言い放った。

 

 

「俺が1人で行く。みんなはそこで待機しててくれ。」

 

 

「なっ!?ご、ご主人様!いくらなんでもそれは……!!敵には妖術を使う者達が多くいます!そんな中にご主人様をお一人でなど!」

 

 

「確かに。主よ、それは些か承服出来かねます。行くのならば誰か供をさせるべきかと。」

 

 

「なら……恋が行く。」

 

 

「いやボクが行くよ。なにせボクはマルスの騎士だからね!」

 

 

「「……。」」バチバチッ!!

 

 

 恋とメリュジーヌが睨み合う中、マルスは理由を話した。

 

 

「みんなありがとうな。だが今回の敵の狙いは俺だ。これ以上の死人はいらない。ま、信じて待ってろ。」

 

 

 マルスはそう言うと、1人で貂蝉の座する城へと向かったのであった……。

 

 

◆◆◆

 

 

 貂蝉の座する城、そこには彼のみがおり、その近くには巨大な水晶が鎮座していて、妖しい菫色の光を放っている。

 

 

 水晶……“転生の水晶”は言うなれば、自在に転生者を呼び出す装置であり、“大転生の儀式”は、この水晶を使い、死者を無差別に転生させる儀式なのである。

 

 

 これは本来使用するのには、かなりの精神力と体力を消費し、1度前回で使えば48時間は使えず、貂蝉もその代償として体力や気力を消耗する代物なのだ。

 

 

 しかし、貂蝉はそれを知っていながら使った。否、マルスを相手にするには、“使わざるをえなかった”……。

 

 

「はぁ、はぁ……っぐ!?ま、まさか、これほどの疲労とはね……?でも、私はやるわ……いいえ、やらなければならないの……!!」

 

 

「ずいぶん必死だな。貂蝉。」

 

 

「っ!!!?ま、マルス!!?どうやってここに!!?通路にいた彼ら(転生者)は!!?」

 

 

「全員始末した。……“それ”が転生者を呼び出してる装置か。闇の棺(ダークコフィン)。」

 

 

ゴオオオォォォッ!

 

 

「なっ!!?や、止めなさい!!!これは壊させないわ!!これがあればご主人様を、北郷 一刀を蘇らせれる!!それにこの水晶を壊したら、転生者達はあの世に!!」

 

 

「“地獄”じゃないだけマシだ。闇重圧(ダークプレッシャー)。」

 

 

バキッ……!!ミシッミシッ……!!

 

 

「や、や……!止めろぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!?」

 

 

バギイィィィィィィンッ!!!!

 

 

「あ、ああ……!ああああああああああああああああっ……!!」

 

 

 転生の水晶は砕け散り、辺りに破片が散乱する。その様子を見ていた貂蝉は愕然として膝を付き、目の前に散乱していた破片を掬うと身体を震わせ、嘆くように声を絞り出す。

 

 

「そ、そんなぁぁ……!!私の、私の希望がぁ……!ご主人様を呼ぶための鍵がぁぁぁっ!!!?何てことしたの!!?この水晶にどれ程の価値があって!!どれ程大切な物か!!」

 

 

「さぁな。俺からしたら、そんなのは壊れたらただの“硝子”だし、興味もない。」

 

 

「ただの、水晶玉……ですってぇ……!!?この転生の水晶は、あらゆる存在を蘇らせられる神秘の道具なのよ!!?それにこの水晶を造るのに、何百年掛かると思ってるの!!?それを、た、ただの硝子ですってぇ……!!!?」

 

 

「神秘?んなものには何ら心動かされないな。」

 

 

「っ!!!やはり貴方は異物ね……!貴方は人を殺そうが、何をしようが心に響かない!!女の子を犯し、壊して、その人生を歪める!!貴方に世界を治める資格はない!!!!!!」

 

 

 貂蝉の言葉にマルスはただ静かに聞いていた。そして、その全てを聞き終えると、マルスは彼を真っ直ぐ見て考えを述べた。

 

 

「“資格”、か。確かに俺はそんな資格はないな。俺はただの女が好きな淫魔だからな。……だが、俺は破戒者(影人)と一つになって、そこから多くの世界を見てきたし、何人も殺し、世の中を滅茶苦茶にしていった……。恨まれるのは構わない。何せこっちは何百、何千、何万と壊してきたからな。」

 

 

「何ですって……!?」

 

 

「百人殺したら百の恨み、千殺したら千の恨み、万殺したら万の恨み。俺はそれを全て受け入れる。だが、それと同時に“あいつら”の事が大切に思えるんだ。」

 

 

「どういう、意味……?」

 

 

 身体を怒りで震わせる貂蝉の問いにマルスは答える。

 

 

「愛紗達や牛金達、兵達やそれに民達……。俺はそいつらに出来るだけの事をする。ただ“名”が売れただけで持て囃されるだけ、担がれるだけの存在にはならん。」

 

 

「それは……ご主人様を、北郷 一刀を侮辱しているのかしら……!?彼を、彼が紡いできた、全てを……!!」

 

 

「別に侮辱してはいない。だが、それは本当にそいつにとって幸せか?ただ偶然違う世界に来て、担がれ、持て囃されるだけで大陸の裏も表も知らず、それでたまたま王となった。それだったら、もと居た世界で、誰か好きな女と愛し合って、幸せな結婚して、それで良いんじゃないか?勝手に他人の人生決めるのは、烏滸がましすぎ……否、お前の方が質が悪いな。」

 

 

「っ!!!!!!!ぶるあああああぁあああああああぁぁぁぁぁっ!!!!!お前如き異物がぁ!!!人の、人間の幸せを決めるなぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!!!」

 

 

 貂蝉はマルスに向かって飛び掛かり、殴りかかるが、それをマルスは容易く避ける。その後も貂蝉のラッシュを避けていくマルスは、右手を上に挙げる。

 

 

「っ!!?何をする気!?」

 

 

「悪いが、今日はさっさと帰ってやらなきゃいけないことが多くてな。お前如きに割いている時間はない。“特殊領域”展開。墜ちろ、“雷神の瀑布”。」

 

 

 その瞬間、貂蝉とマルスの城の上空に雷雲が現れ、2人のいる城に向かって夥しい数の雷が降り注いだのであった……。

 

 

◆◆◆

 

 

 洛陽の宮殿、そこでは今すぐ慌ただしい騒動が起こっており、兵や将達が駆け回っていた。

 

 

「おい!?居たか!?」

 

 

「いやダメだ!?ここにはいない!!」

 

 

「あぁもう!!どこにいらっしゃるんだよ!?もうすぐ戴冠式始まっちまうぞ!!?」

 

 

 将達、牛金や星、翠に蓮華達が必死に目的の人物を探すが、その当人はここにはいなかった。

 

 

「あぁもう!!!どこにいるんですか!!!!マルスの旦那ぁ!!!!?」

 

 

 その頃、仲間達が必死に探すマルスはというと、静かな河の畔で横になっており、その両隣には恋とメリュジーヌが静かに寝息をたてており、側に愛紗が控えていた。

 

 

「ご主人様、洛陽に向かわずに宜しいのですか?そろそろ戴冠式が。」

 

 

「“玉座”に興味はない。なんなら、桃香、蓮華、華琳、麗羽と月がやれば良くないか?」

 

 

「いけません!この大陸は名実ともにご主人様であるマルス様の物!その皇帝となるあなたが行かずでは、民に示しが着きません!!」

 

 

 生真面目な愛紗にマルスは楽しげに微笑む。

 

 

 今から数日前に起きた管理者“貂蝉”との戦い。

 

 

 マルスは“雷神の瀑布”という夥しい量の雷を降らせる術を使った。

 

 

 その滝のような雷に打たれた貂蝉とマルス。マルス本人は無事だったが、貂蝉はその雷の熱と力に耐えきれず、肉体が炭化しかけており、瀕死の状態だった。

 

 

 トドメを刺そうとしたマルスの前に現れたのは、貂蝉の仲間である卑弥呼であった。

 

 

「何の用だ?」

 

 

「これ以上はさせぬ……!!貂蝉を殺めようと言うのなら、ここでわしがそなたを討つ!!!例え、刺し違えようとも……!!!」

 

 

 必死な形相でマルスを睨む卑弥呼。そんな様子を見ていたマルスは退屈そうに頭を掻くと、後ろを振り返る。

 

 

「トドメを、刺さんのか……?」

 

 

「悪いが、俺も暇じゃない。今日はさっさと帰ってやらなきゃいけないことが多いんだ。……そこの転がってる奴に伝えとけ。“こっちも暇じゃない、用があるなら真正面から来い”とな。」

 

 

「……良かろう。我ら管理者は、この外史には手を出さん。この場で約束しよう。」

 

 

「言霊は取った。ただし、次に手を出したら……お前らの権限も奪うからな。」

 

 

 卑弥呼の言葉を受け取り、釘を刺したマルスは仲間達の下へと戻り、愛紗や恋に泣きつかれ、仲間たちから心配されたのであった。

 

 

 その後、マルスは空丹、白湯らと共に洛陽に向かい、そこで2人から新たな皇帝となるように伝えられた。

 

 

 本来なら地位や名誉等に興味がなく、ただ快楽があれば良いという存在なのだが、空丹と白湯、そして仲間達からの強い推薦もあり、マルスは皇帝となるのであった。

 

 

 勿論、それに反発する者達もいたが……。

 

 

「ならお前達が皇帝をやればいい。ただし、お前達が大陸を盛り立てて、孤児も、貧困も起こさない善政をするなら何にも言わない。だが、俺はお前らみたいな口だけの連中は信用してない。いつでも喉元狙ってるからな?」

 

 

 マルスのその獰猛な笑みに反発する者達は、死を予感し、何も言えなくなり、マルスは皇帝となるのであった……。

 

 

「あいつらの顔見た時は面白かった。だが、今後はもっと忙しくなるな。」

 

 

「ですね。ですが、これからご主人様の手腕が頼りです。信じていますよ。」

 

 

「ま、やるだけやるさ。さてと、それじゃあ洛陽に行くか。恋、メリュジーヌ。起きろ、洛陽に行くぞ。」

 

 

「ん……っ。マルス……。」

 

 

「ふぁ〜ぁ、分かったよ……。むにゃむにゃ……。」

 

 

 4人は洛陽まで転移すると、今日のために仕立てられた絢爛豪華な衣装を見ると、嫌そうな顔になる。

 

 

「これ着るのか?こんなの着なくても、俺は俺の着たいものを着る。」

 

 

 マルスは洛陽の門から出て、空に自身の姿を映した。

 

 

 その力を見て、知らぬ者たちは妖術だと騒ぐが、マルスは構わずに続ける。

 

 

「面倒な事は言わない。ただま、名前とかは覚えとけ。俺はマルス、この大陸の生まれじゃない。だから、この大陸の決まりとか知らないし、守らない。嫌なら掛かってこい。だが、俺は前みたいにごちゃごちゃしたのは面倒だから、やるなら徹底的にやるから覚えとけ。あとまぁ、付いて来たい奴は来い。」

 

 

 マルスはそう言うと、空の青にも負けない彩り豊かな花火を打ち上げたのであった。

 

 

 その後、マルス達は盛大な祭りを開き、民は平民なども差別なく迎え入れ、皆がその祭りを楽しむのであった。

 

 

 本来の外史を治める筈だった存在、北郷 一刀ではなく、代わりに外史を治めたのは……1人の淫魔、マルスであった。

 

 

 今、一つの歴史が終わった……。




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早いかもしれないが、良いお年を。

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