遅くなってしまい、本当に申し訳ないです!!
「許可、許可、許可、不許可、許可、不許可……ふぅ、疲れた。」
「お父様、お疲れ〜。」
「マルス、お疲れ様。」
「マルス……。」
中華大陸の都である洛陽の玉座では、その大陸の皇帝である男、マルスが書簡を整理しており、最後の書簡を終えると一息吐く。
すると、赤毛のゴスロリドレスを身に纏った少女、妖精騎士トリスタンことバーヴァン・シーと妖精騎士ランスロットことメリュジーヌが語り掛ける中、マルス大好きな少女、恋が彼に駆け寄る。
「バーヴァン・シー、メリュジーヌ、それに恋もお疲れ様。……そろそろ昼か。昼飯でも行くか?」
「お昼!?ごめんお父様!これから沙和達と集まるの!また今度ね!」
「ボクも今日はモルガン陛下と華琳に呼ばれてるんだ。」
「そうか、気を付けて行くんだぞ。
それじゃあ俺も行くか。恋も来るか?」
「っ!」コクコクッ!!
首が取れそうな勢いで縦に振る恋、それを見たマルスは玉座に分身を置くと元いた国、“淫”へと転移すると、食事へと出掛ける……。
◆◆◆
「この世界も変わったなぁ……。」
「うん、食べ物、美味しくなった……。海老焼売、美味しい♡」
マルスが淫に着くと、その街並みを見ながらそう呟いた。中華を統べる皇帝となってから大陸は、その様を大きく変えていた。
前までの税は納めやすくしつつ、医療も受けやすくし、農業や漁業、畜産で食事の水準を上げた……それぞれが前までとは異なっており、飢えで死ぬ事も、病で死ぬ事もなくなり、資源を求めて戦争なども減少。
さらにそれぞれの“区域”も名前を変えていき、曹操こと華琳の治める魏は
華琳達“魏”だった者達は国の警備や戦など軍務が中心であり、有事の際は魏牙に行き、武器の開発にも余念がない。
蓮華達“呉”だった者達は国における政を決める為に大勢の智に優れている者が出向しており、海の向こうにある倭国にも目を向けている。
そして桃香達“蜀”だった者達はどんな場面でも活躍できる者が多く、魏牙や呉武に向かう者たちも多くいる。
マルスやモルガン達はその中心であり、大陸の方針などは華琳、蓮華、桃香などの代表が集まり、その会議の中で決めていく。
「おや主、恋。お昼ですかな?」
「あ、ご主人様達だ!久しぶり!」
「うん、久しぶり……。」
「星、桃香。お前たちもか。お疲れ様。」
話しかけてきたのは、星と桃香であった。桃香はマルスに駆け寄ると抱き着き、マルスはその頭を撫でる。
「うん、愛紗ちゃんがお昼にって言ってくれたの。お腹ペコペコだよぉ〜。」
「全くです。私なんぞ慣れない仕事で知恵熱が……。全く腰と武を振るのは得意だというのに、堅物愛紗には通じませぬ。」
「ふふっ。それは大変だったな?何なら奢ろうか?」
「本当!!?やった〜!」
「おやおや、主は気前が良いですな。では、善の店に行きましょう。あそこのメンマはなかなかのモノですからな。」
「本当に星ってメンマ好きだな……。あと恋、これから食堂行くんだから、買い食いするなよ。」
「うん……。」
「あはは……。」
マルスは呆れながらも桃香達と仲間の一人である少年、善が働く食堂に向かうと、店は繁盛していた。
「いらっしゃいませ!あ、皆さん!」
「善、4人なんだが入れるか?」
「はい!お座敷が空いてますよ。どうぞ。」
4人はお座敷に座ると、善は注文を取る。
「何にしますか?」
「俺は青椒肉絲定食。」
「私は海老焼売定食!」
「メンマ丼だな。」
「オムライス、大盛り……!」
「マルス様が青椒肉絲、桃香様が海老焼売定食、星様がメンマ丼に恋さんがオムライス大盛り。
はい、承りました!待ってて下さいね!」
注文を聞いた善は調理に向かっていった。
善は空丹と付き合ってから、少しずつ痩せて変わっていき、前よりも明るくなっており、空丹もたまに手伝っているらしい。
淫は性産業が盛んであるが、その傍らで料理がとても美味しく、これには野菜や肉類、魚なども関係している。
その後、運ばれてきた料理達(恋のオムライスは枕サイズ)を食べていく。
「あむっ、ん……!はむっ……!」
「しかし、恋はよく食べるな?その大きさのオムライス、中々食えんぞ?あむっ……うむ、ここのメンマ丼は一級品だな。」
「メンマばかり食べてないで、野菜も食え。」
「メンマ丼、色が茶色だけ。」
「ブーディカにも言われたが、メンマは美味いですぞ?」
「まぁ美味いのなら、それが一番だな。……恋、口の周り汚れてるぞ?」
「ん……。」
「〜〜っ♡恋さん、海老焼売食べる?」
「うん!」
嬉しそうに焼売を皿に貰う恋。
そんな中で星がとんでもない爆弾を落とす。
「ところで主、正妻は誰にするので?」
「「っ!!?」」
「どうした急に。」
「いえ、皆が噂しているのですよ。モルガン殿は妻を自称してますが、正式に契ってはいない。ならば、淫の皇帝の妻の座は“空席”。……狙う者は多いでしょうな。」
「妻、か。」
「華琳や蓮華、桃香様等ならまだ良いです。
しかし、どこぞの馬の骨に主の妻の座は渡せませぬ。」
星の言葉に桃香は顔を赤くしつつも、内心強く同意するように首を縦に振る。
「まぁ確かにな。」
「主、我々は主が国を良くするために、手を汚しておられることは知っておりますし、そう言った事への覚悟もお持ちなのも知っております。
ですが、主の正妻には相応しい人物がいなければなりません。」
「星、それは。」
「こればかりは曲げませぬ。主、主を思う者が多くいるのは分かっていて欲しいのです。」
「……分かった。それは肝に銘じておく。」
その中で恋は……。
「(痛い……。)」
胸を抑えていた。まるで針に刺されたような、強くないが鋭い痛みを胸に覚えていた。
恋は桃香に尋ねた。
「桃香、桃香はマルス、好き?」
「え!?それは好きだよ!ご主人様の事、その……。」
「……分かった。」
それだけ尋ねると恋は勢いに任せるように、枕オムライスを完食し、それぞれが仕事に戻ったのであったが、恋は何か言いしれない不安を覚えていた……。
◆◆◆
その日の夜、マルスは仕事を終えて風呂に入った後にゆったりしており、今日の仕事はすべて終わっているので、流石に寝ようと思っていた。
その時、扉がノックされた。
「誰だ?」
呼びかけても反応がない。
だが、知っている気配だったのでマルスが扉を開けると、そこには恋が立っていた。
「恋?どうかしたのか?」
「マルス……。」
「取り敢えず入れ。」
「……。」
マルスは恋を部屋に入れると、恋は不安気な様子で入っていった。
「どうした恋?なにかあったのか?」
「マルス……。マルスは誰が、好き?」
「?誰が好きって、どうした急に?まぁ誰か決まって好きっていうのは……。」
「じゃあ、恋のことは?」
「好きだぞ?恋の事も愛紗や桃香、牛金や「やだ……。」恋?」
「恋、マルスの一番が良い……。一番好きになってほしい……!愛紗にも、蓮華にも、モルガンにも、みんなよりも一番がいい……!」
恋は涙を流した。
ぽたぽたと涙を流して、心から苦しそうな表情でマルスを見ており、その表情はとても悲しげである。
マルスはその顔を見て、まさかそれほど恋から想われているとは思いもせず、驚いてしまった。
「恋、お前。」
「マルスは、恋を呼んでくれた……。それに、マルスは温かいから、大好き……。だから……。」
恋は迷いなく、服を脱いでいくと生まれたままの姿となり、マルスに抱き着いて見上げる。
「マルス……。恋に温かいの頂戴……。」
次回に続きます。
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