今回捕まったのは……春蘭、華侖、香風、真桜、栄華、柳琳ですね。
柳琳は自己犠牲で捕まりました。
変更点はそのくらいです。
破滅へと向かう魏と来訪者
「ここが淫か。かなり賑やかで良い国だな。」
永安にある淫の国、その城門前に一台の馬車が止まり、1人の女性が降りてきた。その人物は空色の髪だが毛先が赤く、顔が半分隠れている女性で笑みを浮かべており、炎のような刺繍がされた羽織を着ている。
彼女はこの大陸で名無しから孫呉までも落とし、魏との戦をしようというマルスの噂を聞き、彼に会いに来たのである。彼女の背後には部下らしき人間が数人おり、その近くには目隠しと猿轡をされた2人の女性と大きな袋があり、それらを持って彼女は悠々と街へと入っていく。
その特殊な容姿から目につき、耳打ちをする者達が何人かいたが、皆が恐れて近付けずにいた。そんな中で彼女……黄祖はマルスのいる城へと“手土産”を持って、現れた。
その頃、蓮華の暗影化が完了し、魏との戦のために必要な戦力が整い、マルスも武器の手入れをしつつ、いつでも戦えるようにと用意をしながら白蓮、牛金、愛紗、蓮華らと共に軍議をしていた。
その時、張燕が慌てた様子で駆け込んできた。
「し、失礼しやす!頭に会いたいっていう女が来てやす!!」
「女……どこの誰だ?」
「そ、それが……荊州は江夏郡の太守、黄祖と名乗ってやす!」
「黄祖だと!?」
「これはまた、厄介なのが来たなぁ。」
白蓮と牛金の様子を見たマルスは何事かと怪訝に首を傾げる。
「誰なんだ、その黄祖ってやつは?」
「かなり厄介な奴でな、女だてらに盗賊紛いのこともしてるんだ。しかも、かなり性格がひん曲がってる。狡猾で冷酷ながら貪欲な奴なんだ。」
「しかも嗜虐的で強い女が好みとか……かなり厄介な奴ですよ。」
「会うだけ会ってみるか……。」
マルスは1人で客室で待っている黄祖の元へ行くと、そこにはお茶を飲みながら寛いでいる黄祖の姿があった。
「おや、勝手に待たせてもらってすまない。中々美味しいお茶だったよ。」
「それはどうも……あんたが黄祖か?」
「あぁ、そうだ。突然の来訪は許してくれよ?こちらとしては色狂いな男にナニをされるか、分からずに恐れてしまってね。」
「恐れ、ね?(下手なことしたらこいつに殺されかねないな。目が笑ってないし。)……それで用件は?わざわざこの国まで来たんだ。何も理由がない訳じゃないだろ?」
「ふふっ……世間話はしない口か。中々面白いな、まぁ良いさ。私が来たのは同盟の為さ。キミは今、この大陸でもっとも王に近い存在、腐りきった朝廷の馬鹿な連中よりもキミの方が分かりやすくて良い。それに私も、良い思いが出来そうだしね。」
ペロリと舌舐めずりをしながら、紅い瞳を光らせてそう言う黄祖に、マルスは腕を組んで考え込んでいた。
「疑り深いんだね?良いよ、疑う気持ちは良く分かる。私だって馬鹿じゃない、キミとの同盟を確立するために手土産を持参したんだ。」
「手土産?」
「あぁ……おい、連れてこい。」
部下の男が深く頭を下げると、部下が連れてきたのは母娘らしき女性2人と動物っぽい4人の幼女であった。
「誰だ?この人達は?」
「あの藍色の髪をした2人は陳珪と陳登っていう母娘さ。使えそうだから捕らえた。その4人は南蛮の出で孟穫とその子分らだ。捕らえるのに苦労したんだ、この面々をキミに手土産として献上する代わりに同盟を組んでほしい。」
「……ふ~ん。同盟の件は分かった。まだ何か欲しいもんが有るんだろ?でなきゃ割に合わない。」
マルスの言葉に黄祖は笑みを浮かべた。
「ほう?気付いたか……なら、甘寧と捕らえたら魏の楽進を頂きたい。甘寧は貰えないだろうが、楽進は構わないだろう?」
「……それなら考えておくよ。まぁ同盟の件は分かった。」
「ふふっ。受け入れてくれて嬉しいよ「ただし、裏切ったら死ぬより苦しい思いさせるからな?」……肝に命じておくよ。」
こうして、黄祖との怪しい同盟が築かれ、彼女の軍も魏との戦に就くとのことであった……。
そして、戦争が始まった。
マルス達と黄祖の軍は魏との戦を始めた。マルスがまず魏の本拠地にて大暴れをして、その騒動を鎮圧するために現れた魏の大剣こと夏侯惇がマルスと戦うが、直線的な夏侯惇にマルスは徒手で相手をしながら、牛金の元まで誘引した。
他の者達は白蓮の部隊と黒と紫苑達弓兵部隊で足止めされた上に分断されてしまい、魏は苦戦し、思う通りの戦が出来ずに数人の将が捕まってしまい、曹操達は逃げ出すしかなかった。
「紫苑ママ!逃がさないようにね!」
「分かってるわ!」
「全軍進め!!!」
『おおぉぉぉぉぉぉっ!!!』
その頃、マルスを追い、誘引された所で牛金を見た夏侯惇は一瞬首を傾げたが、すぐに思い出した。
「貴様!!牛金、曹純様を辱しめた上に山賊紛いな奴等に落ちぶれるとは……恥を知れ!!」
「おい、デコッぱち。お前、その話は誰から聞いた?曹純様から聞いたのか?」
「?誰からも何も、全て桂花が言っていたぞ!貴様が曹純様を辱しめたとな!」
自分を貶めた者の真名に牛金は頭を抱えた。
「あのガキか……あのなぁ、はっきり言うが!俺は曹純様を襲ってねぇし!あまつさえ辱しめてもいない!!その日、俺は曹純様にすら会ってない!!」
「そんな事を言って誤魔化す気か!?現に曹純様の部屋から出てきた男を見たと桂花が言っていたぞ!男ならば、非を認めろ!!」
「はぁ……まぁ良い。口で言っても話にならん……掛かってこい!!!」
牛金が狼牙棒“崩嶺”を構えると、夏侯惇と得物である大剣を構える。
互いに睨み合い、先に動いたのは夏侯惇であった。彼女は牛金の得物が重いと言うことを理解しており、その隙を突こうとするが彼女の予想よりも早く、狼牙棒は振られた事で夏侯惇は咄嗟に避けることが出来たが、軽々と狼牙棒を振り回す牛金に夏侯惇は驚いていた。
「貴様、どこでそんな力を!!?」
「お前らに殺されそうになってから、頭に救われてな!!それからずっと鍛練してきたんだ!!!お前らを、倒すためにな!!」
「やれるものなら、やってみろ!!!!」
そう叫んで大剣を振り上げて牛金に迫る夏侯惇に、牛金は高々と掲げた崩嶺を降り下ろすと、大地にヒビが入り、その振動に僅かに足を止めた夏侯惇に牛金は崩嶺で彼女の腹を打ち、その威力で吹き飛んだ夏侯惇は気絶した。
「中々強かったね……牛金、お疲れさま。」
「はっ!!」
「……白蓮から連絡があって何人か捕らえたみたいだし、魏の都も落とした。けど残りは洛陽に逃げたらしい。」
「じゃあ、このまま洛陽を落としに?」
「いや、そこには漢軍もいる……やるなら、もう少し戦力がほしい。今回はこのまま帰ろう。」
「はっ!!!」
こうして、魏の大半は漢軍に取り込まれたが、数人は捕らえることに成功したのであった……。
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