経緯は省くが、紆余曲折あり付き合うことになった七緒と穂波。いたって普通の仲睦まじいカップルとして、時おりデートに出掛けたりお菓子を作ったりと、ごくごく平凡な日常を過ごしていた。
それから数年が経過し、今日も何気ないデートに駆り出していた時のこと。いく宛もなくウィンドウショッピングを楽しんでいると、突如夕立に見舞われる。お互い傘を持ち合わせておらず、適当な屋根下で雨宿りをしていた。
「ごめんね、わたしがちゃんと傘を持ってきてたら……」
「いえ、気にしないでください。エスコートするのは男の役目ですし、僕が準備しなきゃいけなかったんです」
お互いに謝り合うも、こうなってはどこにも向かうことができない。ふと七緒が穂波の方へと目をやると、彼女の纏う白のワンピースが濡れていた。雨をしっかりと吸い込んで体の曲線美をこれでもかと強調し、次第に隠された下着の色を露わにしていく。
「……とりあえず、これを」
「え、あっ、ありがとう……見えちゃってた?」
「ええ、まあ……はい」
薄い半袖の上着をそっと差し出し、下着だけでも隠せるように努力する。しかし結果として穂波は七緒に見られた、という事実を知ることとなり、顔を赤くしていた。それでも正直に答えてくれる辺り、穂波にとっては好感触である。
「とりあえず、近くのコンビニで傘を買ってきます。タクシーを拾うにしても、どのみち道沿いにはいかなきゃ行けませんし」
「で、でもこんな雨だよ? 七緒くんが濡れちゃうし……」
風こそ吹いていないが、それこそバケツをひっくり返した様な大雨である。他の店に入ろうとしても、その家庭で濡れてしまう。
「気にしないでください。それに、彼氏なんですから見栄のひとつくらい張らせてもらえないと」
「じゃあ、お願いします」
彼氏、という言葉に少し甘えてしまう穂波は七緒を送り出す。目と鼻の先にあるコンビニへと駆けていき、しばらくして気を落としながら戻ってきた。当然全身ずぶ濡れである。
「すみません、売り切れだったみたいです」
「ううん、気にしないで。でもすごく濡れちゃってるよ。本当に大丈夫?」
「大丈──クシュッ!」
ハンカチで頭だけでも拭う穂波だが、その肌に触れれば明らかに冷えきっていた。このままでは風邪を引いてしまうだろう。思考を巡らせ、そんな中でひとつの看板を見つける。
「ねえ七緒くん。雨が落ち着くまでちょっと『休憩』していこっか」
「え? あ、はい」
七緒の理解が及ばぬ内にその手を引いて穂波が向かった先、そこは。
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「(どうして、こうなったんだろう)」
ダブルベッドに腰掛け、ただただ七緒は思考する。となりにはバスローブで身を包んだ穂波が腰かけており、同じように鎮座していた。
部屋の内装は一見すれば豪華なホテルといった印象で、アメニティーも豊富に取り揃えてある。しかし一部、これ見よがしと置いてあるのものが2つほど。ローションと避妊具……特にコンドームだ。
そう、ここはラブホテルと言われる場所。男女が愛を育むには最適な環境に違いない。『休憩』と言ってもカフェにでも入るものだと思い込んでいたため、二つ返事を返した七緒。しかしここ施設の利用を意味するものと気付いた時には、何もかも手遅れであった。
ちなみにお互いここを訪れる過程でずぶ濡れになった服は下着も合わせて干されており、バスローブの下にはなにも身に付けていない。そういった二重、三重の罠が七緒と穂波の前に仕組まれていた。後者2つは無意識ながらも自分達で仕組んだものであるのだが。
「雨、止まないね」
「そうですね」
思考に伴う長い沈黙を嫌ったのか、それともこの設備による妄想を振り払う為か、なんとか穂波が声を絞り出す。しかしその視線は避妊具か自分の下着、または七緒の下着へと向けられていた。
「え……っと、お風呂、入ってきます。さすがに冷えちゃうんで……」
「あ、うん……」
その視線に気付き、自分の愚息が反応しかけたのを本能的に察知した七緒は、逃げるように浴室へと駆け込んだ。しかしそこでもシャンプーやボディーソープと合わせて、ローションが完備してある。抽挿の為の潤滑油であり、様々な行為の手助けともなるソレ。この年ともなれば嫌でも知識として存在している。意識しない方がおかしかった。
バスローブを脱ぎ捨て浴槽にお湯を張る。しかしその大きさは2人で入ることができるほど。ゆっくりと浸かれるまでの水量がたまるには時間がかかる。確かに浴室なら汚れもすぐに洗い流せるし意外と『あり』なのでは……と思考し強引に振り払う。
しかし意識してしまったが最後。己が理性とは別に熱が股下へと収束し、肉棒が見事に反り返っていた。それを宥める術は知っていても、最愛の人が壁を挟んだ向こう側にいる。それによってなんとか理性を保ちつつ、七緒はシャワーのコックを捻るのだった。
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少しばかり時間は遡り、取り残された穂波は七緒が戻るのを待っていた。
「ちょっと大胆すぎた……よね」
誰もいない部屋でこっそりと呟く。ここに来たのも七緒を思ったからではあるが、それ以外の理由がないわけではない。むしろ入室した時点でその心配は口実程度に成り下がっている。
付き合って数年。七緒は変わらぬ優しさで穂波に尽くしてくれた。お互いにキスも済ませたし、デートの別れ際には挨拶代わりに交わすこともある。しかし、2人の関係はそこで止まっていた。
それ以上の事を七緒から成すことは絶対にないし、ふとした気の迷いから成そうとしても逃げられる。一概にそれは七緒が穂波を大切にしすぎているからであって、それをわからないほど鈍感でもなかった。
しかしそれと同時に、穂波自身にも意思があった。自分は愛でられるだけの花でなければ、それに甘える子供でもない。付き合って関係が深まっていけば、自然と行き着く愛情表現。お年頃の女性であり、そういったことには人一倍興味がある。
何よりも『はじめて』を彼に捧げたいと願っていた。そして本来の意思とは違うところで自分の、彼の初めてを奪われることに恐怖していた。そういった理由からこの手のお店の情報は下調べを終えており、七緒以上に知識を蓄えていた。当然そうなっては色々と『捗ってしまう』わけで。
浴室から出てくる気配はまだない。自分のスマホの電源を入れ、厳重に隠された深層ファイルへと指が走る。その中にあったのは、七緒を写した写真であった。数こそ多くはないが、デート中に捉えた彼の無防備な姿を納めたもの。幼馴染みや本人にも決して見せられない逸品の数々。自分だけの宝物であり、胸の内に秘したときめきそのものである。
そう、最初の頃は。
「あっ……♡ んんっ……♡」
バスローブの隙間に手を入れて、その年にしては豊満に育った胸を優しく揉む。それを望んでいたかのように体の熱が頭へと登り、思考を掻き乱した。
それは今や、穂波にとって性欲を沸き立たせるおかずでしかない。最初はほんの気の迷い。蓄積されていた欲求不満を解消するため、自慰に走っていた穂波は妄想してしまった。愛する彼の顔を。声を。しぐさを。
いけないと頭ではわかっていながらも自然と指が動き、ファイルを開いた。そこに写し出された無防備な彼の姿を見て、さらに鮮明となった記憶。そこからはもう止められなかった。0から1という壁を乗り越えてしまった以上理性はあっけなく砕け散り、いつしかこの写真そのものが穂波にとって欲情の対象になっていた。
「んんっ……なな、お……くんっ……♡」
ぷっくりと膨らんだ乳首に指を伸ばし軽く押し込む。静電気のように軽く、しかし確かな刺激が穂波を襲い理性を削ぎ落としていった。その名を呼んでも返ってくることはない。でも、部屋は違えど同じ屋根の下に存在している。そんな事実が穂波の劣情を掻き立てた。
バスローブをはだけさせ、両方の胸を激しく揉みしだく。時おり指でクリクリと乳首を弄って快楽を高め、全体に馴染ませるように再び胸へと手を戻す。
目を閉じれば思い返される今日の出来事。濡れた穂波の胸を見て、彼はおもむろに上着を差し出した。その後正直に答えてくれたこともあり事なきを得たのだが、それが今となって穂波の理性を削ぐことになるとは思ってもみなかった。
「あっ……♡ ダメ……♡」
快楽に身を委ねようとして、彼が戻ってきたときの事が頭をよぎった。このまま続ければ間違いなく達することができる。しかしそうなっては秘部が濡れぼそってしまい、バスローブ1枚で隠せる訳がない。誰に見せるというわけでもない──否、これから彼に見せるとなれば、文字通り痴態を晒すことになる。大切に思っている相手が淫乱だった、と失望されたくない。
残った理性を振り絞って目を開き、妄想の世界から現実へと自我を引き戻す。そんな彼女の目の前にあったのは、当然部屋干しされた七緒の服。自分にかけてくれた上着であり、彼が先ほどまで身に纏っていたシャツ。普段見ることは絶対に叶わないパンツまで。妄想より、記憶より、ずっと強烈な現実を叩きつけられ、穂波の頭が理性を残しつつも体が反応してしまった。
「あっ……! ダメッ、いくっ……いっくうううう♡♡」
いつもよりも激しい快楽で頭が真っ白になり、そのままベッドに倒れこむ。そのせいか先ほどまで座っていた七緒の残り香が鼻の奥へと導かれ、穂波の股下からは更なる蜜が漏れだした。
「はぁっ……はぁっ……また、やっちゃった……」
その後に訪れるのは多少の罪悪感。清楚な彼を自分の頭の中とはいえ汚してしまった。普段なら自己嫌悪に陥るのだが、部屋の雰囲気と彼の残り香が彼女に更なる劣情を沸かせる。
スローブがはだけた状態での自慰。自分もここに来る過程で濡れてしまっている。体の芯──特に下腹部と頭に熱が籠っていても、体を温めるにはまた別の方法が必要であった。
「……ちょっとくらい、いいよね。ここまで我慢したんだもん」
そういって穂波は立ち上がり、おもむろに脱衣所へと向かう。その道のりにはねっとりとした跡が点々と続いていた。
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一方その頃、七緒はシャワーを浴びながら陳列されたアメニティーを眺めていた。浴槽の湯が張るまでの間、と言い訳しつつ穂波とのプレイを妄想しては振り払ってを繰り返していた。
反り返った愚息から発信される劣情を一旦落ち着ける為に、自慰を考えたこともあった。しかし男性の精液は女性の愛液と違って臭いが強い。そのため後から入るであろう穂波の為に、必死になって我慢していた。
彼女を一人部屋で待たせるのはご法度だとわかっていながらも、ここを出てしまえばバスローブ1枚でこの欲の塊を穂波から隠し通すことになる。それは不可能なため、落ち着くまでアメニティーの観察し続けていた。しかし逆効果だと気付いたのはついさっきの事である。
ここから更に時間を浪費してもいいものか、と思考を巡らせていると不意に物音を耳にした。その瞬間口から心臓が飛び出そうになる。この場にいるのは七緒と穂波の2人だけ。
つまり原因となる人物は1人だけであり、この扉の向こうにあるのは脱衣所。今後起こるであろう展開を予測するも、それはないと決めつける。
穂波は自分の想いに対して自制が利く方だ。恐怖や保身など自らに帰結するものが多いが、どちらにせよ重要な決定に関しては奥手である。恋愛に関してもそれが顕著であり、キスに至るまでかなり長い時間を要した。
しかし、七緒は失念していた。一度決めた時の彼女の行動力と、好きな物に対する執着を。ガラス扉の向こう、鏡に写る白い人影が肌色に変わる。愛用のシュシュを外し髪を下ろした少女はそのまま歩み寄り、扉を開く。鏡に写し出された彼女の体に目を奪われるも、肝心な顔は見切れていた。
七緒の期待はことごとく──いや、これこそ本望であると気付き軽い失望と大きな喜びを感じつつも、反応して固くなる自分のペニスを押さえつける。お互いに今はタオルのひとつもしていない。大事なところは丸見えであり、七緒は目を必死に閉じて今の自分の感情を否定した。
それでも脳裏に焼き付いた少女の裸体。先ほどまで悶々と妄想を続けていた事もあり、簡単に離してはくれなかった。
「ねぇ、どうして見てくれないの?」
「っ……!!」
穂波の口から溢れた一言が、水面に落ちた滴の様に波紋となって広がり、意思を揺らがせる。理性を振り絞り、七緒は首を横に振った。
「だ、だって、穂波さんの……色んなところが見えるから……」
「七緒くんだから、見せてるんだよ?」
男であれば一生願っても聞けないであろう言葉。それによって更に性欲が掻き立てられた。うずくまって気づかれないようこっそりと手を動かし始める。もはや冷静な判断などできるわけでもなく、しかし頭の中では理性が生きている。そんな背徳感から得られる快楽は、普段のそれよりも格段に上であった。
「な、七緒くん大丈夫!?」
「でも……でも……はぁっ……!」
「あ……………♡」
いけない、という感情から口では否定するものの、そこに混じる熱い吐息が浴室の壁に反響する。突然うずくまった彼を心配するも、その吐息が耳に届いた時、穂波の中にあったなにかが弾けた。それがなんなのかはわからない。理性か、相手への情か。どちらにせよ穂波にとって最後の抑止力だった事に違いない。
すぐに指摘して、赤面する彼を見るのもいい。でも、気付いていないフリをしてもっと欲情させてあげたい。指摘するのはその後からでも十分できる。むしろ最初から気付いていた、と加えるだけでどんな反応を見せてくれるのだろうか。
緊張からの解放。相対する2つの感情に切り替わった時の落差が、より快感を生む。誰かを不幸にさせているわけでもない。いつまでも奥手な彼に対するちょっとした反抗心であり、愛してくれる彼に対する恩返しでもあった。
そっと近づき、耳元に口を寄せる。
「それとも、見るだけじゃ満足できない……?」
「はぁっ……はぁっ……えっ!?」
固くなった乳首で背中をちょん、と刺激する。悪戯に数回小突いてあげれば、我慢できない様子で更にその手を激しく上下させていた。先端からは次第にカウパーが漏れだしている。覗き見える男根は決して大きくないものの、興奮を呼び覚ますには十分すぎたようで、穂波もおもむろに自らの股下へ手を伸ばした。
元々体毛が薄い体質なのか、この歳になっても一切毛は生えることがなく、むしろ好都合として慰めてきた穂波の陰部。とめどなく溢れ出る愛液によって、少しでも弄れば水音を立ててしまうだろう。それでも、目の前に広がる光景を前にして止まれなかった。
彼だけ気持ちよくなって、自分だけ欲求不満なのが許せなかった。ベッドでの自慰などすっかり頭から抜け落ちていた穂波は、彼をおかずに自らの恥裂をまさぐる。
「はぁ……♡ はぁ……♡」
クチュリ、クチュリ。
淫らな水音と熱い吐息が七緒の耳に届くまで、さほど時間を要しなかった。背中に時おり伝わる固くも柔らかい刺激も合わさって、その手はもはや隠すことすら忘れ扱き上げていた。鈴口から溢れるカウパーが快楽と共に水音と大きくしていく。
お互い気づいているのに、まだ大丈夫という虚像の理性が興奮を掻き立てた。そして終わりが訪れる。他でもない、絶頂によって。
「ああ……っ! 出る……!」
「いくっ、いっちゃう……!」
「「んんーーーー♡♡」」
吹き出す精液と愛液が浴室を汚していく。お互いなんとも女々しい声であったが、気づかれていないことを前提に始めた自慰。最後のあえぎ声は必死になって押さえ込むも、漏れ出していることに気付いていない。力の抜けた穂波はそのまま七緒に体を預ける。胸が背中に押し当てられ、再び男根が高くそびえ立った。
「七緒くん、わたしの体見た後、オナニーしてたよね?」
「そ、それなら穂波さんだって」
「ふふっ、でも七緒くんの方が先だよ?」
「……穂波さんの意地悪」
耳まで真っ赤にした七緒は顔を背ける。そんなかわいい仕草に笑みをこぼし、穂波は身をよじりながら彼の男根に手を伸ばした。
「ほ、穂波さ……ああっ♡」
その柔らかい体を堪能してしまい、とっさに反応できないまま細い指が触れる。火傷しそうなまでに熱く、痛々しいまでに固いペニスを手に、先程溢れだしたカウパーと精液を潤滑油にシゴいていく。
「七緒くん……」
「穂波さ……んっ」
口惜しそうに呟くと、その意図を汲み取った七緒は顔を向けて唇を重ねた。唇だけでは飽きたらず、舌を絡め合いやがて口内へと侵入を許してしまう。たどたどしい七緒に対して歯の裏まで嘗め回す穂波は、経験者かとも思える技量で彼を更なる快楽の海へと沈めていった。
「ん、んんんんん♡」
唇で口を塞がれながら放たれる2度目の射精。それを手のひらでこぼれないように受け止め、汚れる様を見届ける。
「……気持ちよかった?」
「はぁっ……はい……」
目を合わせればいつもの可愛らしい童顔が蕩けていた。大切な幼馴染みも知らない彼の顔。それを見てもっと気持ちよくさせてあげたいと思った。体も、心も。こうして思い立った1つを行動に移す。
「ん、れろぉ……♡」
手にへばりついて落ちないザーメンを、できる限り淫靡に舐め取る。口に運ばれた後もクチュクチュ、クチャクチャとわざとらしく咀嚼音を立てる。その仕草と音で2度の射精を為した彼のペニスは再び復活の兆しをみせ始めた。
そうして得られた彼の一番濃い匂い──臭いが穂波自身の鼻孔をくすぐり、よりいっそうの興奮を引き立てる。相手を興奮させるつもりが、自分も興奮してしまう。そんな展開に穂波は気を良くしていき、最後には大きく喉を鳴らして飲み込んだ。
「ほら、ちゃんと全部飲めたよ」
口を大きく開き、中になにも残っていないことを確認させることも忘れない。しっかりと順序を踏まえて引き立たせるのは、穂波の得意分野であった。
「えっと、じゃあ……僕も穂波さんのこと、気持ちよくさせてあげたいです」
「ふふ、ありがとう。じゃあ……一緒に入ろっか」
ひとまず仕切り直しとして、お互いの汚れた部分をシャワーで洗い流す。
「あ、穂波さんの……」
「えっ? あっ……! ごめんね、わたしの方がすごい、よね」
見えた穂波の秘部の方が濡れぼそっており、お互いに赤面。しかし視線をそらすことはない。この際どんな相手の痴態であろうとも受け止める覚悟が出来上がっていた。
「あ、いえ。最初は驚きましたけど……その、エッチな穂波さん、僕は好きですよ。
乳首を勃起させて背中に当てたり、こっそり僕のオナニーをおかずに自分もオナニーしたり、
僕よりずっと興奮しておまんこ濡らしてたり……」
「っ! ダメ、そんな言い方されたら、わたし……!」
自分の心のうちを見透かしたような言葉の羅列。七緒の素直な言葉は、あまりにストレート過ぎた為に『責め』となって穂波の知らない快感を引き出した。それは過去に蓄積された恐怖と保身。彼の写真で快感を得ていたことに対する自己嫌悪。それらすべてを肯定してくれるような、甘い囁き。愛する人に刺激されることを良しとした、被虐の快楽。
事実でしかないのだが、行為や部位を包み隠さず伝えられ、暴走した熱が逃げ場を求め一気に下腹部へと集中した。
それを受け止めようにも、既に開かれた水門にできるはずもない。
「んんんんん♡」
口を押さえる手も間に合わず、純粋な喘ぎ声と共に股下から軽く潮が吹き出した。
「んん……あぁ……♡」
「えっと、流石にそれはノーカンでお願いします……」
「そんなぁ……ずるいよ、七緒くん……」
どうやら彼は加虐によって快楽を得られるわけではないらしい。口ではそう言いつつも、潮を吹く彼女の様に興奮した七緒。穂波はそそり立つペニスに期待を寄せながら、たっぷりと余韻に浸っていた。