本番なしですが、気が向いたら続き書きます。
最初のきっかけも理由なんかも覚えていない。彼、衛藤七緒は突然現れてやってきた。曲が作れるわけでもなく、絵が書けるわけでもなく、動画が作れるわけでもない。それでも、ナイトコードは彼を受け入れた。
作曲補佐だったり、絵や動画のアドバイザーだったり、色々役職はあったかもしれないけど、彼が一番やっていたのは「雑用係」だった。誰か──大体は絵名か瑞希──が突拍子もなく言い出した提案を"叶える"役目。そのお陰か張りつめたような空気はどこかに消えていった。
その理由は別にどうでも良かった。あの時セカイで言われたのは単純。「人の夢を奪ったから、今度は人の夢を叶えなきゃいけない」と。なら、自分が消えろと言われたら消えるのだろうか。誰かを消せと言われたら消すのだろうか。私は尋ねていた。
その答えは呆気なかった。「その人が幸せになるのなら」と。思い返せば、似ていると思った。彼は笑うし、心配するし、楽しもうとするけど、元から自分のやりたいことを言い出すことはない。だって、そんなものとっくに失くなってるんだから。
相性は良くなかった。私が分からない私と、人の夢を、願いを叶える彼。そんな2人が出会ってもなにも起こらない。ただ、ずっと傍に居てくれること以外は。いつしかそれが当たり前になって、私が何かを口にすればすぐに動いてくれる。瑞希がいつか「まるでアニメの騎士みたい」なんて言ってた気がする。気分は悪くなかった。
彼はずっと傍に居続けた。宮女を卒業して、大学に通い独り暮らしを始めてもシェアハウスの一員として付き添っている。女の独り暮らしは危ないからと絵名や瑞希が口酸っぱく言っていた気がするけど、私にとってはどうでも良かった。それでもしつこいから、チャットに居た七緒にお願いして、今に至る。
ただ、居心地は悪くなかったと思う。ミクみたいに傍に居てくれて、生活の助けをしてくれる。料理は大体彼が作る(けど相変わらず味はわからない)し、帰れば洗濯も掃除も大抵終わっていた。だから作詞の時間は昔と変わらず取れている。会う機会は随分減ったけど、まだニーゴとして私達は活動していた。
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そんなある日の事、最初の異変があったのは夜だった。部屋が狭いから、寝るスペースも隣同士。七緒の息が荒かったのを思い出す。体調が悪いわけでは無いらしいけど、その日からどこかよそよそしくなった。
暫くしたらトイレに籠るようになる。その頃から同時に下着がよく無くなった。彼は気付いていないと思っているみたいだけど、洗濯籠から無くなっていることの方が多いのは知っている。
ここまで来ると確信犯だけど、私にとってはどうでもいい。それを目撃するまでは。
「何してるの」
「えっ、あっ……どうして……」
シャンプーが切れてたから替えを探しに出たところで、七緒が私のショーツに固くなったペニスを擦り付けていた。タオル一枚だけの私を見てその手が早くなり、すぐに我慢できなくなったのか、精子をショーツの中に吐き出した。
私のショーツが七緒ので汚れていく様が、頭に焼き付いていく。ただの生理現象なのに、頭を掴んで離さない。理由なんてわからない。
でもそれ以上は追求はせず、そのまま替えを手にお風呂へ戻った。その後は絶望しきった七緒が部屋で待ってたけど、何もなしに作業を始める。
「あの、何も言わないんですか?」
「別に。知ってたから」
「知ってたって、気持ち悪いのにスルーしてたってことですか?」
「気持ち悪くはないよ。生理現象にとやかく言う必要はないし」
「気持ち悪くない……?」
「うん。だから気にしない」
七緒だって男であり劣情を抱くのは普通だと思う。それを気持ち悪いとは思えなかった。マリオネットを見た時みたいな苦しさとか、そういうのは全然ない。その理由までは私にもわからなかった。
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わからないまま日々が過ぎたけど、焼き付いた光景が離れない。私のショーツに包まれた七緒のペニスが吐き出した精液が、ずっと彼との思い出を白く汚している。
「(わからない。どうして忘れらないの?)」
あれから七緒の自慰を見ることはなかった。調子が優れないところを見るにあれから1回もやってないんだろう。その理由を探るために、私は。
「もう1回見せて」
「えっ!?」
このモヤモヤした気持ちを理解するには同じ光景をもう1回見ないといけない。そうしたら、わかるかもしれない。
「ダメですよ! あれば事故で……」
「ならずっとわからないままにしていいの?」
「だって勘違いかもしれないし」
「だから確かめるんでしょ?」
「でも……うう……」
それを最後に七緒は反論できなくなった。相手の願いを叶え続けることに呪われた彼は、私の願いに弱い。諦めたように座り込み、自慰を始めた。しかしその光景は前と同じはずなのに、頭に焼き付くほどの衝撃が来ない。
「(七緒が自慰してるのに、何も感じない。何が違うの?)」
そもそも1人で気持ちよくなるのが自慰。想いの向かう先はないし、自分の事しか考えない。それをわかっている筈なのに、どうしてもう1回見たら分かるなんて思ったんだろう。思い出すのは、汚れていくショーツ。今の光景に足りないものはそれだけだ。
「(あの時のは、洗濯前だったから)」
今はそんなものを持っていない。あの時を再現するには限りなく近いものが必要だった。
──シュル、スルン
「はい、これ」
「これ、って!?」
黒のショーツを脱いでそのまま握らせる。スカートの中がスースーするけど、この後お風呂に行けば無駄はない。これで状況は同じになった。
「まふゆさんの、パンツ……!」
「んっ」
七緒の手の動きが早くなる。それとは別に私の名前を呼ばれた時熱い何かが胸の奥を叩いた。目の前に広がる光景は思い出と同じで、同じ何かが頭の中から訴えてくる。この気持ちは、何?
「まふゆさん、まふゆさん、まふゆさん!」
「っ! くっ……」
名前を呼ばれる度に胸の鼓動が早くなって、息が乱れる。気付けば彼の熱い視線がショーツではなくスカートの付け根くらいに向けられていた。
「(ロングスカートだから中は絶対に見えない。けど……)」
食い入る様な必死さと吐息も合わさって、どうしてか熱を感じ始めていた。さっきまでスースーしてたのに、今じゃムワッとした感じになって、蒸れる。少し体が、熱い。
「イきます、まふゆさん!」
「っ!」
──ビュルルルル!
私のショーツをシミで黒く、精液で白く染めていく。思い出とは違う鮮明な光景に、思わず見とれていた。
「どうでしたか、まふゆさん……何か、感じましたか?」
「胸の奥が……苦しいのに、嫌じゃない」
「……それって、どういう」
「わからない。とりあえず、お風呂に行ってくる」
七緒を見てると早くなるこの鼓動を落ち着けるためにも、お風呂に逃げる。ショーツはそのままだったけど、勝手に洗ってくれるだろう。服を脱いでシャワーを浴びれば、きっと落ち着いてくれると思った。
──クチッ
「んあっ……?」
そんな私の股下に触れた時、陰毛に隠れたお汁が音を立てて体がピクリと跳ねた。
「何、これ」
これがなんなのかは分かる。どういう時に出てくるものなのかも知っている。興奮したり気持ちよくなった時に分泌される、愛液と呼ばれるもの。それでもその知識と繋げられるほど、私は私を知らなかった。
そもそもこれが興奮しているのかすらわからないのに、体が反応している。やっぱりこれは、七緒が原因?
初めて彼の自慰を見た時も、頭でその景色を見返しても気持ち悪いとは思わなかった。さっきだって、始めの方を見た時は何も感じなかったのにショーツを渡した後はずっと胸が苦しかった。いや、正確には私の名前を呼んだ、その時から。
「七緒が、私に興奮してる?」
ドクン、と心臓が跳ねる。それが答えだって教えてくれるみたいに高鳴る鼓動で体が熱を帯びていく。熱くて、熱くて、止まらない。七緒が私で興奮してるから、何? 今までずっと一緒にいて興奮されてたなんてわかっても、気持ち悪いって思わない。
この気持ちの元がわからない。わからないのにどんどん熱ばっかりが体を満たして、頭まで上ってくる。のぼせるような感覚に、私は危険を覚えてコックをひねった。勢いよく吹き出した水が火照った体を冷やしてくれる。でも体だけで頭まで上った熱は収まってくれない。
『まふゆさんの、パンツ……!』
「んっ」
『まふゆさん、まふゆさん、まふゆさん!』
「っ! くっ……」
また思い出した。七緒の言葉がジンジン響いてくる。私も七緒みたいにすれば、何かがわかる?
──クチ、クチ
「んっ、ふっ」
──クチュ、クチュ
「くっ、ふぅ……」
──チュプ、クチャ!
「ん、んんん、ンッ!」
陰毛を掻き分けて、秘部に指を走らせれば既に濡れたお汁が音を立てて止まらない。ゾクゾクと何かが込み上げてきて、知らない感覚が私の頭を小突いた。それを合図に指を離せば、トロリと透明な糸を引いていた。
「この気持ちも、わからない……知りたい」
落ち着きを取り戻す頭に浮かぶのは七緒の姿。私の知らない私を見つけるために、もっと彼の協力が必要そうだった。
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その日から、七緒に対して私はお風呂の前に必ずショーツを手渡していた。黒、青、紫。全部お母さんが買ってくれたものだから執着もないし、どうせ洗うのなら七緒の自慰を観察するためにも渡した方がよかった。
痛いくらいに固くなったペニスをショーツで扱きながら、私のスカートをずっと見つめてくる。名前を呼ばれて、また胸の奥を叩いてくる。火照った体はシャワーで流しつつ、流せない分は私も自慰で発散……してるつもりだった。
「(今日は、長いな)」
何回も繰り返していると七緒の射精までにかける時間が延びていく。一番見たいところをずっとお預けされてるみたいで、段々とドロドロした気持ちが貯まっていった。
「早くして」
「早くって言っても、慣れちゃって……」
──イラッ
私は七緒の自慰でずっと感じてるのに、ショーツまで渡してる私でイけないなんて。貯まってた熱はそのまま不快感に変わって、目の前で剥き出しになっている彼の弱点を踏みつけた。
「んぐっ!? まふゆ、さっ……!」
「どうしてイけないの? 今まで散々私で自慰してきたのに、今さらなんて」
「やめ、あっ、激し!」
踏みつけて痛い筈なのに、ペニスは固さを増して熱いのが伝わってくる。肉の固さと熱は足からだというのにひどく鮮明に頭へ響いてきた。そっか、今まで見るだけで触るのはこれが初めてだ。
「熱くて、固い。踏んでるのに足の裏、グイグイ押し上げてくる」
「まふゆさんの足、床と擦れて……あっ、イく!」
──ビュルルルル!
瞬間、足の裏に射精をかまされる。気持ち悪いくらいにネバネバした精液が絡み付いて、ずっと熱いのが私に流れ込んできた。それは名前を呼ばれた時より鮮明で直接的なもので、ついでに臭いも漂ってくる。
より鮮明になったイメージが胸の奥を叩き、熱はそのままトロトロと股下に集まってくる。早くお風呂に行かないと、と急かしてくきた。
「じゃあ、お風呂に行って、あっ」
急ぐ足で踏み込めば纏わりつく精液が床を滑らせ、尻餅を着く。スカートは舞い上がり、綺麗なM字開脚で七緒に何も履いていないアソコを見せつけた。今度こそ熱い視線が注がれて、思わずキュッと力が入るも勢い余ったお汁がトロリと漏れだした。
「まふゆさんのオマンコ、濡れて……」
「だから何? 七緒には関係ない──んっ!」
立ち上がるよりも先に七緒の細い指がアソコに触れる。その瞬間、自分で感じたことのない強い感覚が全身を駆け抜けた。
「何、これ」
「今まで気持ちよくさせてもらったお礼です」
陰毛で守られたアソコもお構いなしに触って、んっ……考えてる頭にジンジン響く。わざとらしくクチュクチュ音を立て……あっ、ちょっと、腰が跳ねるからやめて。気持ちよくなって頭が熱いのでおかしくなりそう。
「はっ、はっ、はっ、んん……!」
「まふゆさんのオマンコ、すっごく濡れて気持ち良さそうですね」
「気持ちいい……でも、どうして気持ちいいのかわからない、から、あっ」
気持ちいいという感覚はわかるけど、その理由がわからない。お汁が溢れるのだって、腰が跳ね、んっ……のだって、気持ちいい時の生理現象、あっ……だから、だから、知ってる、筈なのに。自分でするより、七緒が触った方が気持ちいいなんて。
「(七緒が、触ってるから気持ちいいの?)」
奏の曲だから救われたみたいに、七緒がしてくれてるから気持ちいい。これは別の感情だけど、どこか似てる気がして心で感じていたモヤモヤが晴れていく。
あの時のお風呂場と同じ強い何かが胸を叩く。体の熱を感じてしまう。あの時は我慢できずに私のアソコを触って慰めたけど、今は? 今は、七緒がもう弄ってて……!
「あっ、七緒、ちょっと、待っ、んっ! 何か、来るの」
「イキそうなんですね。なら、少し強めに行きますよ」
「違う、そうじゃ、あっ、あっ、あっ、あっ!」
クリトリスを擦られて、声が途切れながらも感じたことのない大きい何かが迫ってくる。思考が追い付くより前に体と心で感じてた気持ちいいのが合わさって、我慢の限界を簡単に飛び越えた。
「ん、んんんんんん!!」
──プッシャアアアアアア!
頭の中と目の前が真っ白になって、お潮を吹き出す。フローリングをそのまま濡らしても、気持ちいいせいで何も考えられない。私のアソコは七緒の指で散々弄られて、イった。
「まふゆさん、気持ちよかったですか?」
「……うん。とっても」
その時の私の顔はどんな表情だったかわからない。でも悪いものじゃなかった、と思う。