──日野森宅にて
秋も通りすぎいつしか北風とビル風が厳しくなってくるこの頃。志歩はどこかにお出掛けすることもなく、七緒を家に招いてのおうちデートに勤しんでいた。といっても特別なことはなにもなく、向かい合って炬燵で温もりながらただ会話を交わしたりテレビを流し見したりと、その様子はさながら同性の友人のようだった。
志歩は元より家でゆったりと過ごすことを目的としているようで、その意思は今身に纏っている服にも現れていた。彼女の体格より一回り大きいダボついたパーカー。ズボンも裏地がフリースになっている緩い屋内用の長ズボン。
随分とだらしなく見えるが、夏場の肌面積が多くなる格好に比べれば何十倍もマシであり、見せる相手も七緒か家族くらいしかいないため神経質になる必要もない。むしろそんな無防備な姿を七緒に見せる、というのが絶対的な信頼の証なのだ。
「なんていうか、静かですね」
「お姉ちゃん、桃井先輩のところに行ってるからね」
普段なら何かと声をかけてきたりお菓子を提供してくれる雫は不在。その為か来客──志歩の彼氏を招いているとはいえ日野森家はとても静かだった。無論父親は仕事、残っているのは母親くらいといったところだ。
「志歩ちゃん、悪いけどちょっと買い物行ってくるわね」
「あ、うん。いってらっしゃい」
「七緒君も、志歩ちゃんをよろしくね?」
「はい、いってらっしゃいです」
最後の一人となった母親も顔を覗かせたと思いきや買い物へと家を後にする。ひとつ屋根の下、彼氏と彼女の二人きり、何も起きないわけもなく……というのは漫画やアニメでの展開に過ぎず、変わらずそのまま時間が過ぎていくだけだった。しかしこれが二人の関係であり、この何もない静かな時間こそが志歩の望んだ瞬間でもある。
しかし、ここでちょっとした問題が発生する。炬燵に添えられていたみかんが残り一個となっていたのだ。今までであれば雫が別の菓子を運んできた為困ることもない。しかしそれも無いため、口が寂しいこともあったり気分転換に摘まむのにはそれしかなかった。元々数個しかなかったそれも瞬く間に数を減らし、七緒が最後の一個に手を伸ばそうとして。
「あっ」
「早い者勝ち、でしょ?」
その動きに気付いた志歩が颯爽と拐っていく。彼女もまた同じことを考えていたのだろう。勝者の特権と言わんばかりにミカンを頬張る。しかし諦める訳にもいかず、抗議を口にした。
「じゃあ、何か別の物でも」
「嫌。寒いから出たくない。それになくても別に大丈夫でしょ?」
「それは、そうですけど……」
そう言って志歩はうつ伏せになって足を伸ばす。スマホを手にして動物の育成ゲームに励むつもりだ。しかしその態度は端から取りに行く気がないからこそ、最後の一つを取ったとも考えられた。志歩としては、少しでも七緒のそばにいたいという気持ちと、食べる動作で話題が途切れる事を嫌っての行動ではあったのだが、七緒にはそれが伝わらない。
そこまで大きい炬燵では無いため、お互いの足が触れ合うも志歩は気にする様子はなかった。緩いズボンの為か体勢を変える際に少しだけ裾が捲り上がり、肌が見え隠れしている。そこで七緒は、ミカンのお返しにと行動に出た。
「んっ……!」
靴下を脱ぎ、素足で丁寧に志歩の足を撫でる。指を器用に使って志歩の靴下も脱がせた。炬燵のお陰で温まり血行がよくなった肌にしっとりと撫でる指と爪。緩急のある刺激は触覚を「当たっている」のものから「触られている」という情報に置き換える。
最初は驚いて声が漏れてしまったものの、一時的な物だろうという想いから止めることはなかった。あるいは心のどこかで許し──期待していたのかもしれない。そんな彼女に止められる事もない七緒は行為を続ける。
足の裏や内側といった触られることに慣れていない場所が、自分の意思とは関係なく刺激される。くすぐったさによって志歩は思わず身をよじらせる。そんな反応に気を良くした七緒は足で志歩のズボンを捲り上げ、内腿までの範囲を刺激していた。
「んっ……ふぅ……!」
対する志歩は逃げても執拗に追い回される。やがてその刺激をくすぐったい、というものから気持ちいい、と感じ始める頃にはパンツの一部にシミができていた。
内側から溢れようとする感覚を抑えようとするも、七緒はそんなことを露知らずと刺激を与えてくる。流石にこれ以上は不味い。そう想った時には足が動いていた。制止と抵抗の意味を込めた志歩の軽い蹴り。しかしそれは七緒の足を導線にして滑っていき、ある場所へと届いた。
「うっ……!」
七緒が思わず呻き声が上げた。そこまで強い物ではなかったがそれほどまでに敏感なところだったのだろう。素足を通じて柔らかい感触が伝わってくる。足の付け根であり終着点。志歩はこの感覚を知っていた。
忘れられないあの夏の日。カラオケの防音室に連れ込んで押し倒したあの時。彼のパンツ越しに感じたソレと同じもの。今回は冬用のズボンであるため感触は幾分にも抑えられている、が志歩が間違えるわけがなかった。
一度だけでは到底足りない。何度も執拗にその一点を攻め立てる。その行為が先ほどの七緒の物より執拗で、何より気持ちよさに特化した物であることに、志歩はまだ気付いていない。ただ無意識が、本能がソレを求めた為に起こった事だった。
唐突な事に戸惑いを覚える七緒であったが、それも志歩の指使いによって瞬く間に気持ちよさへと変わっていく。女性のソレとは違ってとても分かりやすい変化が現れ始めた。刺激を受ける度に固くなり反り立ち、ズボンが盛り上がっていく。
「や……ちょっと……志歩さっ……!」
「何?」
「そこは、ダメ……」
「そういう割には正直だよね、ココ」
そう言いつつ器用に足の指でチャックを下ろせば、拘束を解かれた獣の様に飛び出すソレ。パンツ越しとはいえその熱を足で感じると同時に、その先端から漏れる湿り気に気付いた。グリグリと先端を擦れば広がるシミは女性のソレと似ているが、男性特有のもの。興奮の証であり反り立つソレと合わせて期待しているのが丸わかりであった。
いくら身をよじらせても足の付け根である以上大きく逸れる事はなく、最小限の動きで捉えられ続ける。熱と感触は志歩にも十分伝わっており、それが更なる興奮の着火材となって股下が濡れぼそっていた。思わず手を差し込めばクチュリクチュリと下着越しにも音が響き、アソコから糸を引く。七緒のペニスも同じように下着から指を離せば我慢汁が糸を引いていた。
お互いの興奮は高まり、下着はもはや意味をなさない。反り立つペニスと濡れたアソコ。理性という壁は既にない。
志歩は炬燵の中へと潜り込み、そのまま七緒の隣へと這い出した。触れ合うほどに近いものの、パンツという壁がお互いを阻んでいた。そんな中最初に動いたのは七緒。自分のパンツを下ろし、ペニスをおもむろに見せつける。グロテスクなまでに太く逞しい姿に思わず見とれる志歩。その隙を突いて、志歩のパンツに手をかけた。
「あっ……」
驚くほど抵抗はなく、むしろ腰を上げて脱げやすくした彼女に心で感謝しつつもズボンとパンツを取り払う。炬燵の中に隠れているとはいえ、濡れぼそったアソコがそこにはあった。向き合ったまま、炬燵の中でお互いの敏感な部分を擦り合わせた。
淫らな水音が反響して、炬燵布団の隙間から漏れだしている。いくら濡れていようがいきなり挿入、という事はしない。手をタボついたパーカーの中へと滑らせ、背中にあるホックを外す。支えを失ったブラは肩紐だけでは形を保てず滑り落ち、慎ましやかな胸を晒した。
その中央のピンと主張する可愛らしいピンクの乳首を避けながらも、撫でるように時にくすぐるようにまさぐる。さながらその手つきは赤子を愛でる母親のように優しかった。
七緒の意識が胸へと集中している間、志歩は無防備な唇を奪い去る。彼が気付いた時には舌を入れており、その熱量が行為となって現れている。溢れる唾液が混じり合い、先程口にしていたミカンの果汁も混じって甘酸っぱい味がした。
初恋の味は甘酸っぱいと言うが、志歩にとっては味などどうでもよかった。好きな人と触れ合って、確かめ合って、求めてくれればそれでいい。濃厚なキスも、執拗なペッティングも、苛烈なセックスも、その現れだった。
粘ついた水音が響き渡り、お互いの興奮が最高潮へと至る。ひとしきりのキスと素股を終えて口を離せば橋が掛かり、いかに求め合っていたかが見てとれた。
そんな中、志歩のスマホに一通の連絡が入る。志歩の母親からのようだ。なんでもいつも使っている調味料が売り切れていたらしく、別の店を回るから遅くなる、というものだった。
「だってさ。どうする?」
「そんなの、決まってるじゃないですか」
ペニスの先端をアソコに触れさせる七緒。軽く擦ればお互いの汁がクチュクチュと音を立てる。それを合図と取ったのか、志歩はおもむろに片足を上げて挿入しやすいようにアソコを広げた。
「ぁ……ん……七緒のが……入って……くぅ……」
腰を近づけながらゆっくりと挿入していく。前戯に時間をかけたお陰か、それとも慣れている為か、すんなりと受け入れられる。もちろんゴムなんてものはない。七緒自身もそれを期待していた訳もなく、持ち込んですらいない。
お互いの足を絡め、お互いの腕は相手の首へと回して離れないようにし、ゆっくりと腰を前後させる。動きは少なく奥までは届かないものの膣壁を擦り、精神的な高揚によってカバーする。志歩は一度止めていたキスを再開し、七緒は空いた片手で志歩の胸を刺激する。今度は容赦なく乳首を攻め立てており、その強烈な感覚に思わず口を離すところであった。
それでも負けず嫌いな志歩は体を抱き寄せて逃げられないようにする。お返しにと膣内に力を込めてキュウ、と狭くする。乱暴ではないものの、さらに擦れ合うペニスに快楽を覚える。ムクムクと膨れ上がるペニスの感覚が直に感じられ、射精感を煽るのと同時に志歩の中の我慢も限界だった。
前戯の時点でお預け状態だった為、今や自分で腰を動かすまでになっている。早くほしい、と口に出すよりも先に体が勝手に動いていた。普段は優位にある志歩だがその実七緒という存在に溺れているのかもしれない。
「ごめ……志歩さん……僕、もう……!」
溢れ出る我慢汁と愛液。挿入された部分から漏れ出すどちらかわからない汁は中のカーペットを濡らしシミを作っている。円滑さを増した七緒のペニスは今やどちらに出すのも容易かった。引き抜こうと腰を引くものの、追従するように志歩が腰を擦り付ける。
「外……出したらぁ……汚れ、るでしょ……!」
「で、でも……」
「今日……あんぜ、ん……だからぁ……! 中、頂戴……!」
「っ!」
「んぐぅ……♡」
志歩のおねだりを聞き届け、引いていた腰を押し込んだ。深い所を突き抜かれ、思わず喘ぎ声が漏れてしまうも気にしにない。求めるように膣内を狭めてその快感を貪った。
程なくして七緒のペニスからせり上がる感覚を感じ取る。尿道を走る熱。子作りの為になくてはならないもの。その放出を促すように、思いっきり腰を落とす。擦り上げられる膣内に激しい痙攣が伴い、志歩の中にあった何かが弾けた。
「あっ、イック……!!」
「うっ……!!」
解き放たれた精液を中で感じながら、お互いが同時に絶頂に至った。さながら母乳を求める赤子のように、脈打つ膣内が熱の籠った精液を搾り取っていく。男の絶頂の快楽は一瞬だが、女性は余韻のように残り続けるもの。まだ欲しい、物足りない、といった様子で体が七緒のペニスを咥えていた。
志歩がもう一回、と言いかけたその時、突然向かいの襖が開かれた。
「しぃちゃんただいま~! 七緒君もいらっしゃ~い!」
「お、お姉ちゃん!? なんで!?」
「雫さん!?」
「用事が早く終わってね。それで帰ってきたら七緒君の靴も置いてあったからもしかして、思って」
──しかし、そううまくはいかないようで。防寒着を着込んだ雫が意気揚々と帰ってきた。二人にとってはある意味絶好のタイミングであり、最悪のタイミングだ。ひとしきり営みに精を出し終えたものの、炬燵布団の中では繋がったままであり今にも膣内から漏れだしそうな状態である。
「あら、しぃちゃんったら七緒君に甘えちゃって……もしかして寝るところだった?」
「い、いえ! なんていうかその、傍にいる方が温まれるかな……って」
「ぁっ……」
どうやら雫は気付いていないらしく、ただ単に寄り添っているだけに見えるようだ。七緒は誤魔化しながらもペニスを引き抜きズボンの中へとしまう。しかしそれが刺激となって志歩は甘い声を漏らした。
「? しぃちゃん?」
「な、なんでもない。足が当たって、くすぐったかっただけ」
「そうなの? あら、お菓子がなくなってるわね。ちょっと待ってて、すぐに持ってくるから」
パタパタと足早に去っていく雫を見送り、二人は胸を撫で下ろす。志歩も隠すようにコタツの中に脱ぎ捨てられたズボンを足で手繰り寄せ履き直した。
しかしそこで違和感。柔らかいフリースの生地がお尻を直に撫で、隙間から漏れる風が股下を通り抜けてく。ズボンは履けどもパンツを忘れていた。一緒にではなくバラバラに脱がされたそれらは、足を絡めている最中、腰を動かしている最中に炬燵の中で散ってしまっていた。雫が戻るよりも先に見つけなければ不味い。
「ねえ、私のアレ、どこにやったの?」
「アレ、って?」
「……パンツ」
「……え、ええっと……たぶん、炬燵の中に……」
「……だと思った」
赤面しつつも消え入りそうな声でその名前を口にすれば、七緒も顔を真っ赤にしてしまう。セックスに夢中になっていた為かその行く宛を知るはずもなく、ただそれらしい場所を指した。志歩は仕方なく炬燵の中へと頭を突っ込んで探索を始める。熱源の光があるとはいえ心もとなく、足や体で追いやられた為かすぐには見当たらない。
「ありました?」
「……ううん、もう少し探してみる」
そんな彼女の体勢は、炬燵の中からお尻を突き出した形になっている。右へ左へと探りを入れればお尻も左右に揺れ、手前を探ろうと体を戻そうとすればさらに突き出される。その上、重みのある炬燵布団によって緩いパーカーが捲られて腰回りの柔肌が見え隠れしていた。
そんな様子を眺めていた七緒の脳裏に、みだりがましい思考が舞い降りる。
「(今の志歩さんってノーパン、なんだよね……)」
その素肌は隠されているが、今の彼女は布一枚を隔てるだけ。そんなことを気にしていないのか、誘うようにその丸いお尻が前後左右に動いている。もちろん今の志歩にそんな気など全くない。しかし七緒はそう思えない程までその動きに魅了されていた。
一度精を吐き出し小さくなっていたペニスに再び血が走る。みるみる固さを取り戻し窮屈なズボンを押し上げた。パンツの捜索に必死になっている志歩はそれに気付くことができない。炬燵から抜け出し、志歩の背後に立ってからおもむろに手をかける。
「あっ! ちょっと何して……!」
屋内用ということもあり簡単にずらすことが出来たその中には想像以上に淫らな光景が広がっていた。色白ながらもほんのりと赤く染まった小さくも可愛いお尻。肌はその若さからハリとツヤがあり、撫でれば程よい感触を返してくれる。
「ん、んん……!」
そして何より、先程のセックスによって注がれた精液がテラテラと光を反射しながらもアソコから流れている。一部はズボンの股の部分にまで糸を引いていた。じっくりと眺めれば物欲しそうに──実際は溢れないようにヒクヒクと動いている。
「志歩さんのお尻も、おまんこも、すっごくエッチです……」
「触っちゃ……ダメ……! お姉ちゃ、んぁあ……!」
片手でお尻を、もう片手でアソコをもてあそぶ。クチュクチュと卑猥な音を立てながら舌も這わせて興奮が覚めることはない。皮の中から物欲しそうに覗きこむ肉の芽にも同じように舌で包み込み、全てをざらついた味蕾で擦っていく。制止のために体を戻そうとしても、既に敏感になった部分をじっくりと攻め立てられていうことをきかない。
「はんっ! ……すぅぅ……んくぅ……!」
それに加えて炬燵の中では、先程の行為で溢れた愛液と我慢汁が炬燵の熱で蒸されエッチな臭いが充満している。元よりセックスの興奮と快感が覚めていないのは志歩の方。その臭いは強力な媚薬となって性欲を加速させた。
「ん……ンンッ!(ヤダ……私の方が七緒の、欲しがってる……)」
この先の展開を期待して志歩のお尻とアソコが甘イキした。クパクパと中を見え隠れさせながら、精液に混じって愛液が溢れ出してくる。お尻も誘惑するように自分から動かしていた。強情な為に決して口にはしないが、体の方は正直。それを合図と取り、先程よりも固くなったペニスを中へと突き立てた。
「んぐぅっ! おっ……ほぉ……♡」
獣のような唸りと愉悦の喘ぎ。先程の体位よりも奥まで届くお陰か、より深く感じてしまった。そしてそのままピストンへと移る。突き入れる度に志歩の視界に火花が散る。ビクンッ、と痙攣を起こして全身の力が抜けていく。今まで感じたことのない初めての快感が脳内を駆け巡っていた。
「(志歩さんが……あんな声出して……それも僕が)っ!」
「んふぅ! あぁ……はぁん♡」
七緒が志歩に対して初めてマウントを取る。そんな事実に興奮し激しく腰を打ち付けられた。膣内をゴリゴリとペニスが擦り上げ、お尻も両手によって思うがままに愛撫される。余韻の海に浸っていながらも強烈な刺激が中と外から絶え間なく襲ってくる快楽の波。
だらしない姿を晒したくないと最後まで残していた理性も呆気なく押し流され、本能的に腰を動かそうとして──
「おまたせしぃちゃん、七緒君。ってあら?」
「「っ!!」」
向かいの襖が開き、和菓子を手に持った雫が戻ってくる。防寒着もない事から着替えてきたのだろう。そしてなにか違和感を感じたのか首をかしげた。この状況を言い訳する手段などない。誤魔化し切れないことを悟り、次の言葉を待った。
「七緒君、しぃちゃんどこに行ったか知らない?」
「えっ……?」
「だって、さっきまで一緒に横になっていたでしょう? もしかして入れ違いになっちゃったのかしら……」
向かいの襖から見れば、ただ七緒が炬燵を覆っているだけにしか見えないようで。ズボンを脱がずチャックだけ下ろしていたことや、志歩が死角になっていることから気づいていない様子だった。辺りを見渡す雫にチャンスとばかりに言葉を返す。
「あ、ああ……そうなんです! 実はさっきトイレに行くっていってて」
「あらそうなの? じゃあ、しぃちゃんが戻ってくるまで私もおこたで待ってるわね」
「あっ……!」
お菓子をテーブルの上に置き、雫はおもむろに炬燵の中へ入ろうとする。このまま彼女が足を入れれば中に居る志歩の存在に気づくだろう。なんなら蒸し返された様々な臭いが鼻につくかもしれない。しかし制止の声より先に流れるような仕草で足を入れた。
「っ……」
その直前、対する七緒は対角線になるように移動を強いられる。それもそのはず、繋がっている志歩が雫の足を避けるように横へと移動したからだ。膣内で擦れて思わず声を上げそうになるも圧し殺して事なきを得る。お陰で雫は何かに気付いた様子もなく、そのまま腰を下ろした。
雫の視点が低くなったこともあり、七緒もそれに合わせて体勢を戻しつつ、志歩のお尻を死角に押し込んだ。合わせて七緒のペニスもズップリと最奥まで到達し、先端が子宮口まで到達しグリグリと攻め立てた。
「……♡」
「(これ、ヤバ……!)」
動けない状況でも志歩がキュウキュウと膣内を動かすことで絶え間なく気持ちよさを与えてくる。しかも鈴口へは子宮口がねっとりとディープキスのようになぶっていた。せっかく雫が来たことで取り戻せた理性も、志歩の淫らな行為によって削がれていく。
「ねぇ七緒君。最近しぃちゃんとはどう?」
「えっ、どう……って仲良くしてますよ。喧嘩もありませんし」
「なら良かった。しぃちゃんは甘えるのが苦手だから」
そんなことなどいざ知らず、雫は七緒に話題を振ってくる。内容は特別変わったものではない。ただ志歩に関するものというあたり、姉として心配しているのだろう。そんな相手を前にして繋がっているという事実に興奮してしまう。
「(あっ……♡ んん!)」
こっそりと、バレないように腰を動かす。志歩も声が漏れないように両手で口を押さえていた。先程よりも優しいものだが、突く度に子宮口がキスされて視界に火花が散る。頭の中では意識が時おり飛ぶような感覚に支配されていた。
炬燵で火照った体に、湿った性の臭い。加えて先のピストンで捲れてしまった上着のせいで、ピンと張った乳首がカーペットに擦られる。お尻の愛撫と膣内を突かれる感覚。それら全てを我慢する。ここで声のひとつでも上げてしまえばおしまい。この夢のような時間は終わってしまう。
不器用な自分をそれでも恋してくれた唯一の存在によって与えられる快楽。まだ足りない。もっと欲しい。大切な姉が傍に居ようが関係ない。その意思は腰の動きと膣内の締まりによって現れる。
「(もっと……もっと……♡)」
「うっ……!」
いつしか七緒の動きを越えて志歩の方が激しく腰を振っていた。そんな快楽に思わず七緒はうずくまる。
「七緒君? 具合でも悪いの?」
「い、いえ……大丈夫です……」
「そう? 汗もそんなにかいて……?」
雫の手が七緒の頬へと伸び汗を軽く拭き取る。そこでふと動きを止めて、おもむろに立ち上がった。
「雫さん……っ?」
「ねえ七緒君、炬燵に入ってばっかりで喉乾いてない?」
「えっ、っとはい、そう、ですね……!」
「ふふっ、わかったわ。じゃあ、いつものお味噌汁、入れてきて上げるわね」
静かに優しく微笑んで部屋を後にしようとした時、ふと思い出したように口を開いた。
「ちょっと時間がかかっちゃうけれど、いいかしら?」
「はい、大丈夫、です……!」
「ありがとう。じゃあ、しぃちゃんとゆっくりしてね」
襖が閉じられたと同時に、志歩が炬燵から顔を出す。その顔は汗にまみれながらも快楽に溺れていた。
「あれ、絶対気付いてる、でしょ……!」
「かも、ですねっ! でも、いいじゃないです、かっ!」
「あんっ! んくぅ……! 激し、イイ……♡」
指摘こそされなかったものの、急な態度の変化は中にいた志歩ですら分かる。しかしこれを逆に姉公認と捉えた七緒のピストンはより強烈なものへと変わっていった。
突く度に溢れ出す愛液がグチュグチュと音を立てながら周囲のカーペットに飛び散り、シミを増やす。肌を打ち付ける音の変わりに志歩のお尻はガッチリとホールドされて逃げ場を失っていた。
「あっ! おっ……♡ んっ♡ んっあっ♡」
卑猥な音に合わせて志歩も喘ぎ声を上げ部屋の中に木霊する。この部屋には自分達以外誰もいない。我慢する必要なんてどこにもなかった。
再び走る射精感。ビクビクと膣内で震える感覚に気付いた志歩は膣内で暴れるチンポを逃さないようにキュウキュウと締め付ける。対する七緒も外に出すという気は更々なく、それに応えるようにより早くより深くピストンを続けた。そして。
「ぁっぁっあっあっ、イクッ、イックうううう!!!」
「イク……でりゅううううう!!」
盛大な喘ぎ声と共に精液が音を立てて注がれる。その量は先程の比ではないが、隙間を埋めるように咥え込んだ志歩のおまんこと子宮がしっかりと受け止める。多少は漏れ出してしまうも、ふやけきったアソコにはしっかりと精液が残っていた。
ティッシュを手にした七緒が、突き出された志歩のお尻の股下を撫でる。漏れ出した精液や周囲にこびりついた愛液の処理である。周囲は拭き取り終わるものの、志歩のおまんこは相変わらずクチュクチュと音を立てて、拭けども拭けども愛液で溢れていた。
「志歩さんはエッチですね」
「……どの口がいうの」
こんなプレイをしたのは間違いなく七緒の方であり、雫の前で始めたのも彼である。ある意味お互い様と言えるだろう。こうしてティッシュ一箱を使いきってようやく処理を終えた二人は、雫が戻ってくるのを待つ。
「お待たせ七緒君。あら、しぃちゃん戻ってきてたのね」
「うん。ところでそのお味噌汁、どうしたの?」
「外は寒いけど、暖房で汗をかいちゃったら喉が乾くでしょう? もちろんしぃちゃんの分もあるわよ!」
「うん、まぁ、ありがと」
「それにしても……ふふっ」
お味噌汁を持ってきた雫が目にしたのは、七緒に寄り添う志歩の姿。激しいピストンのせいで足腰が立たなくなり、結局傍を離れられなかったのは、ここだけの話。
・
・
それから何事もなく過ごした七緒と志歩は、雫を含めた三人で何気ない会話を交わしている。そうしていつか日は落ちていい時間になっていた。
「あ、僕はそろそろ失礼しますね。今日はありがとうございました」
「あれ、今日はご飯食べていかないの?」
「はい。久々の外食にしようって親が誘ってくれてるので」
「あら残念。でもそれなら仕方ないわね」
本来なら夕飯もごちそうになる七緒ではあったが、今日ばかりは別件により断っていた。それを聞き届けたあと、雫がなにかを思ったのか志歩にある提案をした。
「ねぇ志歩ちゃん、七緒君と二人でお話したいことがあるからお母さんに伝えて来てくれないかしら」
「えっ……あ、うん……わかった」
見送る予定だったのか、少し寂しそうな顔をする。そんな彼女に対して七緒は優しく頭を撫でた。
「またお邪魔しますね。その時はもう少しゆっくりしましょう」
「……そうだね。じゃ、気を付けて」
そそくさと部屋を後にする志歩を見送り、七緒と雫は廊下を歩く。しかし二人で話したいこと、とはなんだろうか。皆目検討のつかないまま、玄関までたどり着く。
「今日もありがとう。しぃちゃん、七緒君のことが大好きだから、もっと甘えたいのね。そういうところがかわいいのだけど」
「そう、ですね」
甘える、という単語に思わず今日の出来事を思い出し、視線を外す。そんな彼に雫がそっと近づいて──
「──でも、可愛いからってあんまり"意地悪"しちゃダメよ?」
「──~~~~!!!」
その意味深な言葉に、これまでにないほど赤面する七緒であった。