pixivFANBOXで有料公開しているヒロピン小説『闘拳聖女ストライクハート』(https://www.fanbox.cc/@beastheart0327/posts/3746861)の一話部分の途中までを試し読み版として投稿させていただきます。


悪の組織『ダークデザイア』から世界を守る正義のヒロイン、聖女戦姫となった異世界の少女アヤカがダークデザイアの幹部である吸血鬼のジャークに痛めつけられてしまう話となっております。完全版はFANBOXの方で見ることができますのでよろしければよろしくお願い致します。



※一応少々出血描写がありますのでR18Gとしましたが、切り傷や軽い出血程度の描写のみで欠損等のハードな描写はありません。

この作品はpixiv様にも投稿しております。(https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=17479652)

また、pixivリクエストやskebなどの依頼も募集しております。

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はじめまして、びーすとはーとと申します。普段ノクターンノベルズやpixivで活動しております。今回はFANBOXの方で連載しているヒロピン小説の試し読み版を投稿させていただきます。


【試し読み版】闘拳聖女ストライクハート 第一話「迫り来る吸血鬼ジャークの毒牙、闘拳聖女惨敗」

「はぁあああっ!」

「グオオオオオ!」

 

 気合いと共に少女が怪物を蹴り飛ばした。少女の数倍もの大きさを誇るその化け物はあっけなく吹っ飛び、地面に叩きつけられた。

 

「う、うわあああ、し、しっかりしてくれよクズナンダー!」

「ぐ、グオ……」

 

 怪物を使役していた戦闘員達は慌てふためいていた。赤い髪をポニーテールでまとめた少女は彼らが動揺した隙を逃さず、脚に炎を纏って突撃する。

 

「烈火炎龍脚! せやぁあああっ!」

 

「く、クズジャナイーンダ……」

 

 大爆発が起こると、怪物は安らかに浄化され、消滅していった。

 

「ち、ちくしょう、ここは退くぞ!」

「く、お、覚えていろよ、レジスタンス共め~~! ジャーク様に言いつけてやるからな!」

 

 切り札を失ったダークデザイアの戦闘員達は捨て台詞を吐き、撤退していく。大勢を決し、勝利したレジスタンス達は歓喜に湧き、怪物を倒したポニーテールの少女に歓声を送る。

 

「うっしゃ~~、これでこの地区も解放だ!」

「さすが闘拳聖女! 君は俺達の勝利の女神だ!」

「これで十連勝か! 向かうところ敵無しだな、すげえよアヤカちゃん! いや、ストライクハート!」

 

 ストライクハートと呼ばれたその少女は赤面しながらも彼らに手を振り返す。長い赤髪のポニーテールと、胴衣を押し上げる若々しいGカップの美巨乳が特徴的なこの美少女こそ、この世界を救う救世主とまで言われている聖女戦姫、闘拳聖女ストライクハートその人だった。

 

 

 

 

 

 

 

・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

「ふっ! はあっ! せいっ!」

 

 風を斬る音が次々と聞こえる。正確無比な突きと鋭い蹴り。黒髪のポニーテールを靡かせながらアヤカは一人、厳しい鍛錬に撃ちこんでいた。

 

「はぁっ、はぁっ、はぁっ……!」

 

 豊満ながらよく鍛えられた肢体から汗を滴らせ、息を整える。アヤカは昔から厳しい鍛錬を積み重ねていたが、ある一件以降、鍛錬の量を更に増やしていた。今も厳しい鍛錬による疲れでアヤカは息をするのも苦しくなっている。

 

(まだまだ……もっと、もっと強くならないと!)

 

「やぁっ! せやぁぁぁっ!」

 

 彼女の求める領域までは未だに程遠い。一刻も早くそこまでたどり着くためにアヤカは鬼気迫る表情で拳と脚を振るう。

 

「アヤカ、戦ったばかりなんだし少し休んだらどうだ?」

「ハァッ、ハァッ……ケイスケ。いいえ、戦いが終わった今だからやるのよ。少しでも修行して、父さんのように強くならないと……!」

 

 幼馴染みのケイスケが心配そうに声をかけてきたが、戦闘直後であるとはいえ日課を怠るわけにはいかない。一秒でも早く強くなり、この世界に平和を取り戻す。それが戦死した父に誓った悲願だった。

 

「でも、たまには休憩してもいいと思うぞ。聖女戦姫になる前も今もアヤカは充分すぎるくらい頑張ってるって」

 

「そ、そんなこと……! 父さんの仇を討つためにはまだまだ……! あぁ……っ」

「危ない!」

 

 強い口調で反論したアヤカだったが、疲れによるめまいでよろめいてしまう。地面に倒れる直前でケイスケが抱きとめた。

 

「ほら、無理しないでくれよ。アヤカが倒れたら俺達レジスタンスはお終いなんだからさ」

「……そうね、ごめんなさい。熱くなりすぎていたわ」

 

 ケイスケに諫められ、なんとか落ち着きを取り戻すアヤカ。彼女の父親は武術の達人だったが、ダークデザイアが侵攻してきた時に首魁のカルディナと戦い、戦死している。それ以降のアヤカは激情を抑えきれず、ひたすらに己の武を研ぎ澄まし復讐の機会を待っていた。

 

「いいって。俺達だってダークデザイアをぶっ飛ばしてやりたいのは同じなんだからさ。一緒に戦わせてくれよ」

「うん……ありがとうね、ケイスケ」

 

 そんなアヤカを支えてくれたのがレジスタンスの仲間と、恋人のケイスケだった。幼馴染みであるケイスケにアヤカはずっと片思いしていたのだが、最近になってようやくケイスケに気持ちを伝え、付き合うことができていた。レジスタンスのメンバーでもあるケイスケと共に何度か戦いを乗り越えたことで、お互いの絆はますます深まっていた。

 

(この世界を解放するためにも、もっと強くならないと。それにまず『アイツ』を倒さないといけないわね……)

 

 

 

 

 

 

 

・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

「これは……」

 

アヤカが自分の部屋に戻ると、手紙が置かれていた。手紙の主はダークデザイアの幹部でこの世界の支配者でもあるジャークからだった。

 

『ごきげんよう、ストライクハート。実は貴女に決闘を申し込みたいのです。明日、町外れの館に一人で来てください。私も一人で参りますので。もちろん死にたくないというのなら、来なくても結構ですので行くかどうかはご自由にどうぞ』

 

 礼儀正しい文章だが、言葉の節々に自分がアヤカに負けるはずが無いという自信と侮りが感じられた。

 

(これは罠……?)

 

 一人で館に向かったアヤカをダークデザイア総出で討つ。その可能性も充分に考えられたが、ジャークを倒す絶好の機会でもある。それに、居場所が割れている以上、誘いに乗らなくても危険なことに変わりは無い。罠であることを承知でアヤカはジャークの誘いに乗ることにした。どのみちジャーク一人討てないようではカルディナを倒すことなど不可能。この程度の罠を打ち砕けないようでは、何のための鍛錬だったのかわからない。

 

「それにジャークも父さんの仇の一人……見過ごすわけにはいかないわ」

 

 強い決意を秘めたアヤカはジャークとの決戦に望むことにした。

 

 

 

 

 

 

・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

「不意打ちされる危険は充分にあるわね……よし、ジャスティスハート・メイクオーバー・ブレイジング!」

 

 真紅に輝く神聖宝玉、ルビーを取り出し天に掲げたアヤカは呪文を唱えた。輝きと共に身に纏っていた衣服が破れ、光の粒子に変わる。女性らしい柔らかさとよく鍛えられた筋肉を兼ね備えた、均整の取れた健康的な肢体が露わになる。

 

 豊かに実りながらも上向いた形を崩さない張りのあるGカップのバスト、わずかに腹筋が浮き出て、綺麗にくびれたウエストに、十分なボリュームながらプリッとした形のいいヒップ。筋肉と脂肪が合わさりむっちりとした太もも。極上の女体が周囲に晒された

 

「はぁっ……あっ、あぁっ、ぁんっ……!」

 

 胸元にルビーの宝石が付けられると、アヤカは切なげな声を漏らし白い頬を赤く染めた。身体が人一倍敏感なアヤカは戦姫の変身時に発生する感触に爪先を少しバタつかせて悶えた。

 

「あっ、あぁ……んっ、はぁ……っ」

 

 宝石を中心にリボンが展開し、アヤカの長髪が更に長く伸びると共にその髪色が黒髪からやや赤みがかったピンク色へと変化した。変身時に一度解かれたポニーテールが再度結び直されると、大きな赤色のリボンがストレートな髪を包む。

 

 更に顔にはアヤカによく似合った自然なメイクが施され、彼女の美少女ぶりがいっそう強調された。長い睫毛に、大きく、かつ強く気高い意志を感じられる瞳。整った鼻に、薄いピンク色のルージュが塗られた瑞々しい唇。健康的な肉体とは裏腹に儚げな白い肌。ヒロインと呼ぶにふさわしい美少女がそこにはいた。

 

「んっ、んん……っ! あぁ……っ」 

 

 宝石の周りからチョーカーが伸び、アヤカの細い首に付けられると、無防備に晒されていた彼女の秘部を真紅のパンツが覆い、パンツの部分だけ透明になっている黒いタイツがその上を覆った。彼女のボディラインを強調する真紅のパンツと漆黒のタイツ。更に彼女の腰には踊り子が着るような布が前後に垂らされ、極めて不完全ながらも彼女の下半身を覆った。

 

「はぁ、んんっ……!」

 

 続いて上半身にフィットする形でチャイナドレスをロリータ風にさせたような上衣が彼女の身体を締め付けるように覆った。九十センチを優に超える美巨乳が見事な弾力で押し返し、プルンと若々しく揺れる。そしていよいよ拳にはフィンガーオフグローブが付けられ、脚にも金属製のすね当てと一体化した靴が付けられ、武装が完了した。

 

 アヤカはシルバーと赤に彩られた靴を高々と蹴り上げ、脚に真紅の炎を纏わせたその威容を見せつける。並々ならぬ力を秘めた武闘派ヒロインは気高い瞳に闘志を宿し、戦闘態勢を整えた。

 

「無辜の民を守る研ぎ澄まされし力! 闘拳聖女ストライクハート!」

 

 燃えさかる意志を胸に秘めた聖女戦姫はそのまま館へと向かう。そんな彼女の姿を見た者が一人いた。

 

「ん、アヤカ……? どこに行く気なんだ?」

 

 

 

 

 

 

 

・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

「おやおや、よく来ましたねぇアヤカさん、いや、闘拳聖女さん。お会いできて光栄ですよ」

 

「ジャーク……!」

 

 館に入ると正装姿にマントを羽織り、細長いレイピアを帯刀した紳士風の青年が紳士的な態度で出迎えた。耳と歯が尖っていることとかなりの色白なことを除けば普通に美男子に見える男だが、アヤカはこの男の本性を嫌になるほどよく知っていた。

 

「逃げずに来るとは、お父上に似て勇敢ですね。ですが親子揃って愚かですねぇ、我らダークデザイアに刃向かうなど」

 

 ダークデザイアの幹部であり、この世界の支配者でもある吸血鬼ジャーク。彼の父を侮辱するような発言にアヤカは眉をつり上げた。

 

「な、何……!?」

 

「お父上がどんな末路を迎えたか、貴女も知っているでしょう? カルディナ様に敵わず、苦しみながら死んでいきましたよねぇ。あの死に様は何度思い出しても傑作でしたよ! 民を守るなどと大層なことを言いながら、結局惨めに死んでしまい、挙げ句の果てにはこの世界さえ支配されてしまったのですから。フフフ……」

 

「ふ、ふざけないで! 父さんに負けてカルディナに泣きついたくせに、よくもそんな偉そうなことが言えるわね」

 

「おやぁ、そうでしたっけ? しかし何はともあれ、その立派なお父上は死んでしまいましたからねぇ。カルディナ様から貴女を守るために」

 

「くっ……!」

 

 アヤカの父であるナオミチはカルディナに襲われたアヤカを逃がすためにカルディナと戦い、激戦の末に戦死している。自分の無力さを指摘されたあやかは歯を食いしばり、恥辱に耐えようとする。

 

「本当に愚かですよお父上は。こんな小娘一人助けるために絶対的強者たるカルディナ様に勝負を挑むとは。何の意味も無いのにまったく馬鹿ですねぇ」

 

「こ、このぉおおおおおおおっ!!」

「おっと」

 怒りを抑えきれず、ジャークに突進するアヤカ。渾身の蹴りを放つが、ジャークはそれを難なくかわした。

 

「フフフ、野蛮ですねぇ。そんなじゃじゃ馬では結婚できませんよ?」

「黙りなさい! そんなこと、貴方達を倒すまではどうでもいいわ! はぁああああっ!!」

 

 気合いと共に力強い突きを繰り出すアヤカ。だが、ジャークはそれを冷静にかわし、アヤカを嘲笑う。

 

「くぅっ! やぁっ! せやぁあああっ!」

 

「フフ、どうしました? お父上と比べると美しくありませんねぇ。そんなことではカルディナ様はおろか、私を倒すこともできませんよ?」

 

「う、うるさい! やぁああ――はっ、あ……っ!?」

 

 怒りを力に変え、速度の増した正拳突きを撃ち込もうとするアヤカ。だが、彼女の首筋にレイピアが突きつけられ、闘拳聖女の動きが止まった。

 

「くっ、くぅっ……!」

 

「おや、この程度の不意打ちに気づけないとはやはり親子そろって愚かですねぇ」

 

 後退を余儀なくされ、悔しそうに美顔を歪めるアヤカ。屈辱に震えるアヤカを見たジャークは端正な顔をニヤけさせた。

 

「あ、甘く見ないで! まだこれからよ! てやぁあああっ!!」

(こんな奴に負けるわけにはいかない! 絶対にここで倒して見せるわ!)

 

「ほっ、はっ。ふふ、どうしました。やはりその立派なおっぱいのせいで動きにくいんですかね?」

「このぉっ! くっ! やぁっ! はぁっ! てやぁああああっ!!」

 

 逸る気持ちを抑えきれず、単調な攻撃を繰り返してしまうアヤカ。突きや蹴りを何度もかわされ、彼女の額に汗が流れた。

 

「はぁっ、はぁっ、はぁっ!」

(ダメ、怒りに飲まれては……落ち着いて攻撃しないとあいつの思う壷だわ!)

 

 ジャークに手玉に取られている事に気づき、なんとか気持ちを落ち着かせようとするアヤカ。一旦距離を取り、息を整えようとする。しかし、ジャークはそんな彼女を見て口元を歪めた。

 

「ふふふ。もう疲れたのですか? それではこちらから行かせてもらいますかね」

 

「なっ……!? くっ、うぅっ!」

 

 ジャークがレイピアを構え、アヤカに向かって刺突を繰り返す。戦姫の中でもずば抜けている反射神経でなんとか攻撃をかわすが、リーチが長い上に変則的なジャークの刺突攻撃に防戦一方となってしまう。

 

「ヒャハハハハ! どうしました? 反撃してみなさい!」

 

「くぅ……っ、は、はぁっ!」

 

 苦し紛れの前蹴り。だが、ジャークは跳躍してかわすとアヤカの視界から消えた。

 

「ど、どこに……っ!?」

 

「ここですよ」

 

 背後から声が聞こえ、咄嗟に振り返ろうとしたが、遅かった。

 

「なっ、くぁあああああっ!? くぅぅ……っ!」

 

 振り向く前にアヤカの背中にレイピアが刺さっていた。刺突の痛みに歯を食いしばるが、激痛に耐えきれず声を漏らしてしまう。

 

「ん~~、いい声で鳴きますねえ。もっと鳴いていただきたいものです」

 

「い、嫌っ! はぁっ、はぁっ……!」

 

 何とか振り向き、拳を撃ち込むがジャークは既に離脱していた。再び距離を取り、アヤカの間合いから外れる。レイピアが引き抜かれると、あやかの鮮やかな赤い血が白い肌から流れた。

 

「フフフ、いい色の血をしてますねぇ。後でたっぷりと味わってあげないと……」

 

 レイピアに付いたアヤカの鮮血を愛おしく見つめるジャーク。彼は若く美しい女性の血を特に好む変態的な吸血鬼で、既に何人もの乙女が犠牲になっていた。

 

「そんなことさせない! やぁあああっ!!」

「甘いですね!」

 跳躍し、蹴りを放つアヤカ。ジャークは彼女の長い脚を身をよじってかわすと、そのままカウンターの突きを放つ。

 

「きゃああああっ!? あ……くぅ……!」

 

 右の肩口を切り裂かれ、衣装がわずかに裂けた。

 

「そらそら、この程度も見切れないのですか!?」

 

 変則的な剣さばき。見たこともない不規則な攻撃を捌けないアヤカは一方的に攻撃を受けてしまう。

 

「あっ、くぅっ、うぅっ、あっ、あぁん!」

(だ、ダメっ、軌道が読めない……こ、このままじゃまずいわ……!」

 

 身を縮こまらせてなんとか防御するものの、防ぎきれなかった攻撃によりわずかに服が破れ、細かい傷口が増えていく。聖女戦姫に変身しているため出血は普段ほど致命的にはならないが、ジャークにとっては吸血がしやすくなる。このままでは不利なのは明らかだった。

 

「ヒャハハハハ! 少しずついたぶってあげますよ!」

「あっ、あぁっ、あんっ! くっ、くぁあっ、あはぁっ!? あんっ、あっ、きゃあっ! うぅっ……!」

 

 滅多刺しにされ、腕やタイツなどが切り裂かれるが、アヤカは致命傷だけはなんとか避け、粘り強く機を待つ。数発の連撃の後、ジャークは一瞬剣を引き、体勢を整えようとした。

 

(今よ!)

「せやぁっ!」

 

 一瞬の隙を狙っての正拳突き。ジャークの顔面へと迫り、逆転の一打となる――はずだった。

 

「なっ……!?」

「待ってましたよ、この時を」

 

 次の瞬間、レイピアを捨てたジャークがアヤカの腕に組み付いた。そのまま口を開け、牙を剥くと刺突により出血していた彼女の細腕に噛みついた。

 

「あはぁあああんっ!? 痛っ、し、しまっ……はぁっ、あぁぁぁぁっ……!?」

 

 傷口に牙を突き立てられ、そのままエナジーと血を吸われてしまう。ドクドクと血がエナジーと共に流れていく感覚にさすがの闘拳聖女も嬌声のような悲鳴を上げた。

 

「あぁっ、あんっ、は、離しなさ、あぁああんっ!? あはっ、あぁぁ……っ!」

(な、何これ、ち、力が抜けて……だ、ダメ!)

 

 倒れそうになる身体をなんとか奮い立たせ、ジャークの脚を蹴る。ジャークは深追いはせず、レイピアを手に取り距離を取った。

 

「ふふふ、極上の味ですねぇ、貴女の血は! じっくりと味わってあげなくては……!」

 

「はぁっ、はぁっ、甘く見ないで! あたしは絶対に負けるわけにはいかないの!」

 

 キッ、と睨み付けるアヤカ。ジャークはそんな彼女を見て、更に気を昂ぶらせるのだった。

 

「ヒャハハハ! そんなに言うのなら勝ってごらんなさい!」

 

「舐めるなぁッ! はぁあああっ!」

 

 蹴りを乱発し、すね当てや靴がジャークのレイピアに当たり火花を散らした。蹴りの重さにジャークの剣さばきが乱れる。

 

「チィッ、さすがにやりますねぇ、ですが……」

「あぐぅっ!?」

 

 距離を取り、遠間からの一刺しでアヤカの腹部を刺した。傷は浅いが、わずかに傷ができた。

 

「攻撃範囲ではこちらに分がありますからねぇ。フフ、よほど自分の武術にこだわりがあるようですが、武器を与えられなかった戦姫は大変ですねぇ」

 

「だ、黙れ! せいっ!」

 

 一気に懐に入り、左ジャブを撃ちこむ。なんとか接近戦に持ち込めればまだ分がある。そう思ってのことだった。

 

「愚かですね!」

「くあぁっ!?」

 

 ジャークは手首のスナップを利かせ、レイピアでアヤカの顔面を横殴りで殴った。衝撃によりアヤカの身体が傾いた隙をジャークは見逃さなかった。

 

「ハァァッ!」

 

「あぁっ! くぅっ! くぁあっ!? あぁんっ! きゃあっ!? あぁっ! はぁ、あんっ、あっ、あぁっ……!」

(だ、ダメっ、な、なんとか避けないと……で、でも、身体が痛くて動けない……)

 

「少しずつ少しずつ少しずつ! その卑猥な衣装を脱がせてあげましょう!」

 

 連続で刺突され、ジャークの言葉通りアヤカの衣装が少しずつ切り裂かれ、白い肌から鮮血が流れた。出血と裂傷はほんのわずかとはいえ、柔肌を裂かれる痛みに少女は耐えきれず声を上げてしまう。

 

「あんっ! あっ! あっ、あぁっ! はぁ……あぁっ、あん……っ! きゃあああっ!」

 

「ヒャーッハハハハハ! なんですかそのエロい声は! 随分感じてるようですねぇ、もっと気持ち良くさせてあげますよ!」

 

(く……悔しい! こんなゲスなんかに……!)

 

 悔しさに打ちのめされ、全身から怒りが湧くが、焦りによりアヤカの磨き抜かれたはずの体術は更に精彩を欠いてしまい、ジャークにされるがまま、艶のある悲鳴を上げながら無様なダンスを踊ることしかできない。

 

「デヤァッ!」

「いやああああっ!?」

 

 溜めを作り、エナジーを乗せた強力な突きを撃ち込むジャーク。腹部を覆う衣が破れ、アヤカの臍が露わになった。

 

「くっ」

「フフフフ、いい格好になりましたねぇ。やはり貴女は非常に魅力的な身体をお持ちなようだ。次はその豊かに実った胸を見せてもらいましょうかねぇ」

 

「い、嫌……っ!」

 

 ジャークの視線と言葉にアヤカは無意識に胸を両腕で庇ってしまう。元々大きかったが、戦姫に選ばれた辺りから急速に大きくなり出した美巨乳はアヤカにとってコンプレックスになっていた。

 

「なんてね。隙あり!」

 

「なっ……き、きゃあああっ!?」

 

 アヤカの構えが崩れた隙を見逃さず、ジャークのレイピアがアヤカの脚を狙った。胸への攻撃に意識が集中していたアヤカは回避が間にあわず、タイツと共に太ももの肉を抉られてしまう。流血し、痛みに美顔を歪めてしまう闘拳聖女。

 

(あ、足を止めてはダメ、距離を取らないと……!)

「うっ、うぅっ、ぐぁぁっ……!?」

「ヒャッハー! 動きが鈍すぎですよ!」

 

 痛みで思うように動けないアヤカの太ももに向けてレイピアが放たれた。

 

 ズブゥゥゥ!

 

「うぁああああんっ!? うっ、くっ、あぁあああああ~~っ!」

(そ、そんな、脚が……っ! こ、これじゃ蹴りが打てない……ど、どうすれば……)

 

 ムチムチした肉付きの良い太ももに細剣が貫通し、悲痛な声を上げる武闘家ヒロイン。痛みに敏感に反応し、崩れ落ちてしまいそうになる華奢な少女を見たジャークはニヤリとその端正な顔を歪めた。

 

「フハハハハ! 良いですねぇ、可愛らしく、弱々しい声だ。あぁ、耳が癒されますよぉ……もっと聞かせて

もらえますか?」

 

「あっ、ぐぅっ、あっ、あんっ! はぁっ、くっ、や、やめっ、うあぁあああっ……!」

 

 グリグリと傷口を抉られ、ジャークにされるがままに喘がされるアヤカ。仇敵を悦ばせているという屈辱と自らの軟弱さのせいでアヤカは死にたくなるほどの屈辱に苛まれた。

 

(だめ、こんな情けない声を上げるなんて……と、父さんの味わった苦しみに比べたらこのくらい……!)

「このっ、放しなさい!」

 

 身体に活を入れ、拳を放つアヤカ。反撃を予想していなかったジャークの顔面に直撃した。

 

「ぐぅっ!? ふ、ふざけんじゃねえぞ、このブスアマがぁ!」

「あはぁあああああっ!? あ……ぐ……うぅ……あぁ……っ!」

 

 悪態をついたジャークはアヤカの太ももに刺さっていたレイピアを力任せに抜いた。激痛にアヤカは耐えきれず、嬌声のような艶のある悲鳴を響かせた後、膝をついて動けなくなってしまう。

 

「おっと、私としたことが下品な言葉を。ですが、私の顔に傷をつけた罰はキッチリと償ってもらいますよ!」

 

「あ……は……あぁ……う、動けな……ま、待って、やめ――」

 

 またあの痛みが来ると予見してしまったアヤカは恐怖からほとんど反射的にジャークに慈悲を乞うてしまうが、冷酷なジャークは一切の容赦なく刺突をアヤカの脚に撃ちこんだ。

 

「そらそらそら!」

「きゃあっ! あぁっ! いやぁっ! くぁっ、あぁっ……!」

 

 下半身を集中的に攻撃され、前垂れやタイツが次々と裂かれていく。脚のダメージが残っているアヤカは思うように動けず大きな胸を揺らしながら喘ぐことしかできない。

 

「ハハハ! 無様ですねぇ」

「はぁっ、はぁっ……」

 

 息を切らし、肩を震わせるアヤカ。前垂れが破れ、タイツも無惨な状態となり、むっちりした太ももや鍛えられたふくらはぎから痛々しい出血も見られた。

 

「やはり美しいですねぇ、戦姫の血は。めったに聖女戦姫は出血してくれませんから、珍しく見ることができるとうっとりしてしまいますよ……これもわが愛剣と貴女のおかげです。ぜひ『お礼』させていただきたいものです」

 

「き、気持ち悪いこと言わないで、あたしは、まだ負けたわけじゃ、はぁっ、無い、わ……」

 

 前垂れの残っていた部分を破き、出血が酷い太ももの止血を行う。このくらいの負傷で諦めるわけにはいかないと気合いを入れ直し、構えた。

 

(父さんはもっと辛い痛みに耐えながら戦っていた……こんな程度で諦めてたまるもんですか!)

 

 傷つきながらも闘拳聖女の瞳には未だ正義に燃える気高い意志が燃えたぎっていた。

 


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