未題 - 巫女トノ猥談ヨリ着想 ソノ後 作:荒木田久仁緒
たとえば、朝。
まだ薄暗い部屋の中、私は下半身裸で、その準備をしていた。
畳んで重ねた手ぬぐいを、アソコを包むように股間に当てる。
その手ぬぐいと、お尻に入れたアレが外れないように、上からサラシを巻いていく。
「んっ……」
きゅっとサラシを絞ると、アソコと、そしてお腹の奥に食いこむ感触が、下腹部を中心に熱い波を起こし、背筋をぞくぞく震わせる。
ずれないようにしっかりサラシを止め、念のためのドロワーズと、スカートを穿いて、準備は終わり。
閉めきっていた障子戸へと一歩、足を踏み出す。
「あっ……ん」
足とお尻の動きに押されたアレが、私の中をぐにょりと掻き混ぜた。
すでに熱く湿っているアソコに、つい手が伸びそうになるけど、我慢。小股で少しずつ歩を進め、障子を開く。
朝日に照らされた境内が、目に入る。
足元には、敷居。
ここから一歩踏み出せば……そこはもう、外。
そう、私は今から、こんなものをお尻に入れたまま……外へ出ようとしているのだ。
せいぜい縁側まで……だけど。
気持ちのいい晴れた朝。
縁側にひとり腰掛けて、ただボケーッとしている巫女……そうとしか、見えないはず。
少しだけ、腰を動かす。
何重にも重ねた布ごしに、縁側に当たっているアレが、私のお尻をえぐる。
「はぁ……」
ぞくぞく、と背中に走る震えが落ち着くのを待って、もう一度。
「んっ……」
また、お尻の穴から熱い痺れが広がる。
前へ、後ろへ。
右へ、左へ。
腰を動かすたびに、アレが私のお尻を拡げ、引っ張り、お腹の中であっちこっちへ動く。
スカートの上から、股間へ手を当ててみる。
ぐちゅりと粘り気のある感触の中で、ヒダやお豆が揉まれて震える。
手で押すたびに、じーんとそこ全体が熱くなってきて、お尻の熱と混ざり合い、溶け合って、ますますぐちゅぐちゅになっていく。
当てた手ぬぐいとサラシのおかげで、外まで染みてくることはない……はずだけど。
ああ……こんなさっぱりした青空の下で、私は……なんていやらしいことを、してるんだろう────
「ん……ふぅ……」
熱く煮える下半身から手を離し、少し呼吸を落ち着ける。
もうそろそろ、来るはずだから。
そう、私が今日こんなことをしているのは、偶然じゃなかった。
「おはようございます!」
いつもの元気のいい挨拶と共に、空から影が降りてくる。
「おはよう早苗。相変わらずマメだよね」
「そりゃまあ、仕事ですから」
うちの境内に置いてある、守矢神社の分社。
その手入れのために早苗は、こうして定期的にやってくる。今日がちょうどその日だったのだ。
「っていうか、霊夢さんも仕事しなくていいんですか? 神様に出て行かれても知りませんよ。見たことないですけど」
「うるさいなぁ。ちゃんと掃除はしてるってば。商売敵の心配してないで、あんたの仕事をしなさいよ」
顔にはあくまで涼しい表情を作り、軽く追い払うように手を振ってやると、ええもちろん、と笑った早苗はくるりと背中を向けて、分社のほうへと歩いていく。そのまま、いつもの調子で掃除を始めた。
その背中を眺めながら、また私は、そっとスカートの中央に手を当てた。
そこまで遠くはない。でも、はっきりした普通の声で呼ばないと、届かない距離。
目を向けられても、凝視されなければ……何をしているかは、わからないはず。
ぐちゅ、ぐちゅ。
ぐにゅ、ぐにゅ。
手を、腰を動かすたびに、アソコの中の水音が、アレの動きが大きくなる。
気持ちいい。
外で、人が近くにいる場所で、こんなことをしているのに……こんなにも、気持ちいい。
ううん……こんなことをしているから、気持ちいいんだ。
私は、こんなことをして気持ちよくなってしまう女の子なんだ……。
それを一体、何と呼ぶのか────それくらいのことは、知っていた。
「……ヘンタイ」
小さな小さな声。
決して早苗には聞こえない声。
「ヘンタイ……スケベ……インランっ……」
何度も、それを口に出す。
口に出すたびに、額の奥が熱くなって、背中にぞわぞわが広がって、腰と手の動きが大きくなる。
────ヘンタイだね、霊夢は。
……頭の中に広がった妄想の中で、
────すぐそこに早苗くんがいるのに。僕のを、こんなに深く咥えこんで、こんなに濡らしているなんて。
そう……今、私はあの人の膝の上に座って……そして、こっそりとアレでお尻を貫かれて、さらにアソコを手でいじられている……そんな妄想。
「いやぁ……違うもん……私、そんなんじゃ……」
小声で大嘘をつぶやきながら悶える私の腰が、あの人の手でますます大きく揺らされる。
早苗が、分社の向こう側に回った。
当然ながらその顔が、私の方を向く。
「っ……!」
慌ててスカートから手を離し、なるべくさりげなく横へと下ろす。
早苗は、何も不自然なところはなく、分社の掃除を続けている。
顔はこっちを向いているけど、その目は私を見ていない。
見ていない、はずだ。
お尻を動かす。前後に、少しだけ。
アレが動いて、お尻の孔が引きずられる。ひくひくお尻と太股が震えて、その震えがアソコに伝わって、気持ちいい……気持ちいい、けど。
やっぱりもう、それだけじゃ物足りなくて。
足を組む。
重ねた布の厚みが、両足の隙間で挟まれ、押しつぶされて、割れ目に食いこむ。
「あっ……!」
思わず声が出る。でも、足は解かない。解かずにさらに力を込め、アソコ全体を圧迫する。
「ふーっ……う、ふぅっ……。ん、んんっ……」
早苗は、まだ掃除をしている。でもそれも、もうすぐ終わるはず。
終わったら……帰る前の挨拶をしに、また私の近くまでやってくるはず……。
だから、こんなことをしていられるのも、あと少し。
もう少し……。
あとちょっと、だけ……。
ぎゅっ、ぎゅっ、と何度も、太股に力が入る。
ぞくぞく震えた腕から力が抜けて、少しバランスを崩した弾みで、お尻が傾く。体重がかかり、さらに深くめりこんだアレの先端が、私の中で揺れて、とん、と何処かを叩いた。
「っあ……」
叩かれた場所から、甘い痺れの波が起きる。
それはすぐに下腹部に、お尻に、そしてやがて全身の肌へと、ぞわりぞわりと広がって────
あ……。
だめ、このまま、じゃ。
足、解かないと……早、くっ……。
そう思っても、組んだままの足は、外れない。
どころか、ますます強く、太股が締めつけられて。
アソコが、じーんと熱くなってきて。
お尻が、お尻の穴が、ぴくぴく震えはじめて────
ダメ……すぐそこに、早苗がいるのに……こっちを向いてて、ちょっと顔を上げたら、目が合うところに……。
ああ、でも、今はまだ、掃除に夢中だし、それに……結構、離れてるしっ……。
もし、もし見られてもっ……この距離なら、そんなことシてるなんてっ、わからない、はずっ……。
だからっ……ちょっとだけっ、一回だけっ、イッ……!
あっ……~~~~っ……!!
……
……あぁ……
イッ、ちゃっ、た……
こんな近くに、人がいる、のに……
……あー……きもち、いい……
「じゃ、今日はこれで帰りますねー。……霊夢さん?」
「……え、なに?」
「なんか、顔赤くないですか? 熱でもあります?」
「そう? 気のせいだと、思う、けど」
「……?」
◆ ◆ ◆
たとえば、昼。
参道を箒で掃きながら、さりげなく首を動かし、周囲を見回す。
境内に、人影はない。
近くの茂みにも、鳥居の向こうにも、そして空の上にも……今は、何の気配もない。
それでも、今すぐにも、誰かが来るかもしれない。それを警戒しながら、私は静かに箒を足の間に挟んだ。
そのままスカート越しに、股間を強く柄に押し付ける。
「あ……」
サラシ越し、手ぬぐい越しでも、ぐいぐい食いこむ硬い刺激。
引っ張られたサラシが、お尻のアレも食いこませ、お腹の奥を、私の身体全体を、ぐらぐら揺らす。
「あっ……んっ、あ、ああ……ん」
ああ、拝殿の真正面で……神様の通り道の真ん中で、こんなことしてる、なんて……罰当たり。
でも、誰も見ていない。見られていない、から、大丈夫……。
いや……その神様には、見られてしまっているかも……。
うちの神様……見たことない、けどっ……。
大丈夫っ……姿も見せない、存在感のない神様……きっと、年がら年じゅう寝てる神様だからっ……。
自分の神社の巫女が、こんなことしてるなんて、知るはず、ないからっ……!
箒を握る手に力がこもる。
その柄を小さく、だんだん激しく、前後に動かして……。
……ううん、違う。
動いてるの、私の腰のほうだ。
「あ、ああ……だめ、だめ……」
こんな場所で、立ったまま箒にまたがって……カクカク前後に腰を振って、アソコをこすりつけて感じているなんてっ……!
「はーっ、あっ、だめっ、こんなっ……ああっ……!」
手が、腰が止まらない。
足がガクガクして、余計に箒に体重がかかって、ますます食いこんでっ……。
お尻のアレにも、箒が当たって、ゴツゴツお腹の中、叩かれてっ……!
あっ……来る、来ちゃう……こんなとこで、こんなことしてっ、私っ……!
「あっ、あっ……は、あ、ぃいっ────!!」
あ……ああ……。ふらふら、する……。
身体が、崩れて、倒れそう……でもふわふわして、気持ちいい……。
「はーっ……はぁーっ……」
イッちゃった……真昼間、参道の真ん真ん中で……立ったまま、イッちゃった……。
箒で体を支えながら、改めて周囲の様子に、意識を向ける。
相変わらず、誰の気配も、ない。
晴れた空を見上げても、魔法使いや天狗の影も……ない。
誰も、いない……。
まだしばらく、誰も来ない、よね……?
だったら、もう一回……もう一回、だけ……。
また私は、箒を強く握りしめる。
掃除は、さっぱり進みそうにない────
◆ ◆ ◆
たとえば、満月の夜。
寝巻き姿で、静かに縁側から庭へ降りる。
サンダルをつっかけ、その真ん中へ、ゆっくりと歩み出す。
ふと夜中に目を覚まして、ちょっとした散歩。そう見えるだろう。
でも……。
あたりに何の気配もないことを、念入りに確認してから、私はそっと寝巻きの前を開く。
寝巻きの下には、何もつけていない。
裸の胸と、お腹、そして股間までが……月光の下に、晒される。
そよ風が、かすかに肌を撫でた。
「……っ!」
慌てて前を閉じる。
両腕で抱えた胸の奥が、どっきんどっきん鳴っている。
それ以外に、物音はない。
しばらく呼吸を整え、そしてもう一度、寝巻きをはだける。
いや……今度は肩からも落とし、肘まで滑らせて。
私は裸の上半身を、月夜の中に投げ出していた。
下半身も、前は丸見え……かろうじて、お尻が隠れているに過ぎない。
もしかしたら、誰かに見られているかもしれない────
そこの茂みから。近くの木の梢から。
あるいはひょっとすると……あの月から。
乾いた喉を荒い息で鳴らし、それでも私は、再び寝巻きを着ようともせず、遠い真円を見上げながら、そこから降り注ぐ光を全身に浴びていた。
冷たいはずの夜風が、その光が、なぜかとても熱く感じた。
ざわ、と梢が鳴った。
「ひっ……!!」
慌てて身をひるがえし、胸元を覆いながら、縁側へ駆け戻る。
蹴り飛ばすようにサンダルを脱ぎ捨て、逃げこんだ部屋の中から、恐る恐る外の様子を伺い、それがただの風であることを確かめて、ほっと胸をなでおろす。
そうしてから、おもむろに指でなぞった私の割れ目は────やっぱり、じっとり湿っていた。
胸の鼓動は、鳴り止まない。
開いた障子戸を通って、部屋に月光が差しこんでいる。
部屋の畳の半分が、その光に照らされていて、もう半分は薄闇の中にある。その境界線の内側、薄闇のふちに私は立ち、そこで寝巻きを脱ぎ捨てた。
用意しておいたタオルを畳の上に敷き、そこにお尻を下ろし、大きく足を開いて座りこむ。
足先を月光の中に出しながら、それでも一番恥ずかしいその部分は、ギリギリ影の中に入っていることを確認してから、私は背中を畳に横たえた。
愛撫を待ちわびている秘部に、また指を這わせる。割れ目の中を上下に何度も、突起をコリコリと引っかけながら。
湿り気はあっという間にぬめりに変わり、とろりとお尻のほうへ流れていく。それを追うように私の指もそこへ伸び、一本、二本、そして三本、ずっぷりと差しこみ、ほぐし、拡げて出し入れを繰り返す。
大丈夫……。
暗くなってて、外からは見えないはずだから……。
開け放した障子に向かって大きく股を開きながら、頭の中でそんな言い訳をし、くちゅくちゅと水音が響くほどお尻をかき回してから、私はアレを手に取った。
そのまま一気に、その穴へ押しこむ。
「っあ、あぁ……」
もうすっかりソレを入れるための場所になってしまったようなそこは、ほとんど抵抗もなく拡がって、太い棒を受け入れる。ずるずるとあっさり奥まで、そしてまたぬるりと引き出して。先端の段差まで来たら、また奥へ。滑らかに何度も出し入れを繰りかえし、ときどきその先端も引き抜いて、中身が空になる切なさにひくつく穴へ、またすぐその質量をねじこんで。
繰りかえし、繰りかえし、ソレを身体から引き抜くたびに、にゅぽん、くぽん、とエッチな音が……いや、もうそんな言い方はふさわしくない。粘りつき、泡立つような、とてもとてもいやらしい音が、私の淫らな穴から響き、その響きがますます私をヘンタイにしていく。
そうやって自分のお尻を犯しながら、もう片方の手で突起をくりくり嬲っていたさなか。
「……あ……?」
そのお尻の穴のまわりを、何かが包んでいることに気付く。
ほんのりとした温かさ。
かすかな、日の光より遥かに弱い、だけど確かな光の感触。
「っ……!!」
その意味を理解し、思わず手が止まる。
そう、時間と共に夜空を動いた月が、その照らす範囲をわずかに変えた結果。
さっきまで影の中にあった、私のお尻が、月光の下に晒されていた。
お尻、下げなきゃ。
一瞬、そう思った。
……そう、一瞬だけだ。一瞬だけ思って結局、私はそれに従うことはなく────お尻の位置をそのままに、少しのあいだ止まっていた手を再び動かし始めていた。
「んっ……んんっ……。あ、う……ふぅうっ……」
結んだ口から、声が漏れる。
ぷちゅぷちゅ、じゅぶじゅぷ、粘つく音がする。
多分縁側まで……ううん、きっと庭まで響いてる────
「あっ、う、んっ……あぁ、はぁっ……やぁあ……」
手が、指が止まらない。
今、誰かが庭に来たら、見られちゃうのに。
月の光に照らされて、はっきりと……思いっきり足を広げて、いやらしい遊びに夢中になってる、私の恥ずかしい場所を、全部。
……本当は、もう見られているかもしれない。
寝かせている頭を持ち上げて、広げた足の間から庭を見たら……そこに、誰かが立っているかもしれない────
そう思ったとたん、きゅうぅとお尻が強く締まって、アレをぎちぎちと
「だめ……そんなのだめ……見ないで……」
……せめて、頭を上げているべきなのに。
ほんとに誰かいたら、もう手遅れだけど……今から、もしも誰か来たときには、すぐに気付いて隠れられるのに……。
それでも、私は頭を仰向けに転がしたまま────目すら閉じて、股間をいじり続けていた。
異常なことをしているって、わかってる。
本当は決して誰にも見られないように、暗いところでこっそりするものなのに。
それを、誰かに見られるかもしれない明るい場所で、隠しもせずにやってしまうなんて。
ひょっとしたら心の底では、本当に見られてしまいたいとまで思っているのかも、なんて……。
いけないことなのに。こんな恥ずかしい行為で興奮している子なんて、きっとどこにもいないのに。
それなのに……。
「きもち、いい……」
こんなの、絶対おかしいのに。
おかしいって、わかってるのに……なのに、こんなに気持ちいい……。
手の動きが、どんどん速くなる。
お豆が大きく膨れ上がって、お尻が熱くめくれ上がっている。
また、ざわわ、と夜風に梢が揺れた。
「あっ……あっ、あ、いく、イくっ……ぅ……!」
月光に照らされた夜の片隅で、その月のように真ん丸く拡げられたお尻の穴を、天に向かって突き出しながら、私は何度も絶頂に震えていた。
◆ ◆ ◆
たとえば、月の無い夜。
丁度あうんもいない夜。
私は闇の中、拝殿の前に立つ。
全裸だ。
お尻にはアレが深々と挿さっていて、私は後ろに回した両手で、それを押さえている……いや、押さえさせられている。
お風呂あがりに裸でソレで遊んでいたら、呪いをかけられてしまったのだ。
────このまま石段まで行かないと、ソレから手を離すことができない────
そんな恥ずかしい呪いを、悪い妖怪にかけられた。
誰に、はどうでもいい。とにかく、かけられたのだ。……そういう設定。
だから、呪いを解くために、私はやむを得ず……参道の石畳へ、一歩を踏み出す。
もちろん靴だけは履いているけど。
それ以外には何も隠すもののない体を、何からも隠せない場所へ、投げ出してゆく。
「……っ!」
全身を撫でる夜風。寒くもないのに、鳥肌が立つ。
震えながら、足を進める。一歩、一歩、ゆっくりと。
────走ったり、飛んだりしてはいけない────
呪いには、そんな条件もついているから。
たっぷり時間をかけて、そこへ行かなくてはいけない。
「はぁ……あっ……」
歩くたびに、アレがぐりぐり動いて、私のお尻を、お腹の中を刺激する。
刺激は全身にどんどん広がって……やがてアソコに集まり、熱く湿りはじめる。
「ふっ……うん……」
最初は内股だった足は、いつのまにか左右に開き気味に動いていた。
星明りだけの闇夜。誰にも見通せないはずの、濃厚な黒の中。
その向こうにいる誰かに、アソコを見せつけるかのように。
アソコに、その周りに、ひやりと空気を感じた。
もうそこは、トロトロに濡れている。溢れたお汁がヒダからこぼれ、太股にまで滴っている。
ああ……やっぱり私、ヘンタイだ。
いくら闇夜だからって……自由に明かりを灯せるやつなんか、いくらでもいるのに。そんな誰かが今やってきたら、何もかも全部、見られちゃうのに……なのに、こんなに興奮してる……。
やがて、ようやく私の身体は鳥居をくぐり、石段の上に立つ。
かすかな星明りにうっすらと、眼前に浮かび上がって見える森と山。
足元から広がる広大な空間。
そのどこかから、誰かが────いや、そこらじゅうから、たくさんの妖怪たちが、私をじっと見物している……そんな想像に、またぶるると全身を震わせながら、私はその場にしゃがみこんだ。
石段の上まで来たから、呪いが解けて、アレから手を離すことはできる。だけど……。
私は片手だけをソレから離し、後ろの石畳にその手をついて身体を支えながら、両膝を左右に大きく開く。
そうして、闇に沈む森に向かって腰を、アソコを突き出して……それから、お尻に刺さっている棒を片手で出し入れしはじめる。
鳥居にかけられていたもう一つの呪いが、発動していたからだ。
────その場で一度イかないと、鳥居の下から離れることができない────
「あっ……あん、っはぁっ……ああぁ……」
小さく声を漏らしながら、じゅぽじゅぽ音を立ててアレを動かす。
毎日のようにソレをしている私のお尻は、すっかりアレに馴染んで拡がり、敏感になって、もしかしたら割れ目よりも感じる場所へと変貌してしまっていた。
アソコから、そしてお尻からも漏れ出したお汁が混ざって、ぐっちょりと濡れている孔とアレは、ヌルヌル滑ってよく動く。掴んだ手を何度も前後させ、時にぐりぐりひねったりしているうちに、アソコにも、お腹の奥にもその刺激が伝わって、下半身が燃えるように熱くなってくる。
すぐに我慢できなくなり、必死でバランスを取りながらもう片方の手でお豆をつまんでいじれば、あっというまにそれは来た。
「あ、ひっ、いっ……────!!!!」
アソコとお尻とお腹とがビクビク震えて、こんな広々とした場所で大きく股を広げたまま、あっさり絶頂してしまう。
そして、その波が落ち着いて、脱力する胸から長い吐息を吐き出したとき。
「あっ……やぁ……」
ぱしゃぱしゃ、と激しい水音が、足の間から響いていた。
ああ……こんな場所で、裸で、おしっこしちゃってる……。
恥ずかしい……でも、きもち、いい……。
もしもこれが、闇夜ではなく、真昼間の明るい参道だったなら……ふとそんな光景を想像し、また背中をぞくぞくさせながら、私は石段に向かって長々と放尿し続けていた。
ようやくそれが収まっても、私はまだ少しの間その場に座りこんで、どうしよう、と考えていた。
せめて、口にハンカチでもくわえてくればよかった……ちょっとそんな後悔をし、仕方がないので私はそこを自分の手でぬぐった。何度か手を振りながら指先で汁を掬い取り、ひとまず滴ってこない程度まで水気を落としてから、ゆっくりと立ち上がる。
それから、お尻のアレも抜こうか、と考え……だけど結局そのまま、片手で押さえてゆっくり拝殿へと歩き出した。
そう……走ったりしてはいけない呪いは、まだ解けてない……そういうことに、しているから。
ときどき片手でアソコをいじりながら、少しだけアレを動かして悶えながら、またたっぷりと時間をかけて参道を歩き、拝殿へと引き返す。
途中の手水舎で手とアソコを洗い、それからもう少し歩いてようやく拝殿まで辿りついた、その時。
がさり、と音を立てて、何かが木の梢を揺らした。
「────っ!!!!」
足をもつれさせ、つんのめるように、私は拝殿へ駆け上がり、賽銭箱の後ろへ飛びこんだ。
精一杯に身を縮め、床板の上に縮こまる。
全身が、ガタガタ震えていた。
今のは、絶対、風じゃない。
何かが……誰かが、そこにいる。
見られた?
私の、こんな姿を、誰かに?
誰か……木の上に、舞い降りるようなやつに。
そんなやつ……まさか、そう、まさかあの天狗が、今そこに────!
ホウ、と鈍く響く鳴き声が、耳に届いた。
……フクロウ、かぁ……。
うずくまったまま、長く長く息を吐く。
ばくばく鳴ってる心臓の音を、できるだけ耳に入れないように、改めて周囲の音を聴き、気配を探る。
それ以上の物音は辺りにはなく、妖気のたぐいも感じられなかった。
もう一度、深呼吸をするようにゆっくり息をついて……それからおずおずと、指をアソコに伸ばす。
そこは、ぐちょぐちょに濡れていた。
ぬめり気のある、熱い液体。
間違いなく、おしっこじゃない。
「ああ……」
こんな、限界ギリギリの恐怖の中でも、感じているなんて……。
ホントに私、ヘンタイなんだなぁ……。
そんな自分が、とても恥ずかしくて。
だけど同時に、とても身体が熱くて。
「んっ……くぅ、ふぅう……」
そのまま私はくちゅくちゅとアソコを指で引っかき、お尻にアレを出し入れし始める。
背中が反りかえり、だんだんお尻が高く上がっていく。
こんな場所で、拝殿の上で、こんなことをしているなんて。
罰当たりにもほどがある。完全に巫女失格だ。
でも……やめられない。
手が、止まらない。
「ああっ……やだ……許してぇ……」
それどころか、自分に呪いをかけたその妖怪に今、後ろから組み敷かれ、犯されている……そんな妄想までして、高ぶっているなんて。
そしてまた、そう間もなく絶頂が来る。
「あ、あ……いやっ……も、だめ、イッ……!!」
高々と突き上げたお尻を、ひとしきりがくがく揺らしてから、私はぺたりと潰れるように床板に沈んだ。
手が離れ、お尻から押し出されたアレが、ちょっと勢いよく飛び出して床に落ちる。
それが少しばかり転がっていく音を聞きながら、まだしばらく夢見心地で震えていた私は、ややあってゆっくり身を起こし、お風呂場へと向かおうとした……のだけれど。
「あ……石段……」
おしっこで汚したまま、戻ってきてしまった。
朝になって、誰かが来たら……臭いで、気づかれてしまう。
「綺麗に、しなきゃ……」
そう、綺麗に水で洗い流さないと。
だから。
だから……また私は、自分に呪いをかける。
────汚した石段を綺麗にするまで、服を着ることができない────
もちろん……走ってはいけない呪いも、イくまで鳥居の下から動けない呪いも、継続中……。
「早く……しないと……」
そうしてよろよろと立ち上がった私が、小さな桶と
◆ ◆ ◆
神社の中だけ、一人の時だけだった遊びが、やがてその枠をはみ出していくまで、そう時間はかからなかった。
時に、人里の茶店で。
時に、鰻屋の屋台で。
更には、神社の宴会でまでも。
流石に衆人環視の中で、最後までイッてしまう勇気はなかったけど。それでも人目を盗んでは腰をくねらせて快楽をむさぼり、いよいよ我慢できなくなれば部屋に飛び戻って、あるいは手近なトイレに逃げこんで、濡れた股間を激しく慰めた。
歯止めの利かなくなった体は、なおも刺激を求めて、あちこちへと
紅魔館のお茶会。守矢神社での会合。命蓮寺、無縁塚、賽の河原……。
そして、ついに私は……決してバレてはいけないその場所で、それを実行しようとしていた────