はぁ、何で私がこんな事をせにゃならんのか……。
そう溜息を吐いた私は先程の事を思い出しながらサキュバスが居るらしい場所へと歩いていた。
事の始まりはトレントと言う私の愛馬のおねだりから始まった。
屋敷に移動した事で広くなった馬小屋に寝泊まりするトレントだったが、私成分欠乏症だなんて言い分で使い魔のパスで寂しくて死にそうとひんひん嘆き始めた。
寝ようかとベッドに入った時だったので、私は聞き入れざるを得なくされ、久しぶりに馬小屋へと足を運んだのだった。
トレントは霊馬であるため食事を必要とせず、私からの魔力供給で生きていける身体になっている。
そのため、アンナの人形による自動掃除で事足りるため、私は足を運ぶ事を最近していなかった。
だからだろうか。シェアハウスの頃は窓から見えていた私の姿が此方に来て見れなくなり、呼び出す事もあんまりないので寂しさが積もりに積もったらしく、こうして来ざるを得ない時間帯を狙って事を起こしたのだった。
「……まさか、トレントが元人間で、勇者候補で元女性だったとはなぁ……」
泣き付くようにして私の胸に額を押し付けながら語られたトレントの過去を要約すると、だ。
元々は勇者候補としてこの世界に来たOLであり、グラブルのドラフ族の身体を願ってムチムチトランジスターグラマーだった。
魔王軍に寝返ったドラクエ魔法使いを追い詰めた際にモシャスを掛けられたらしい。
死に際の呪いとして解呪不可に変貌したそれによりユニコーン♂にされたらしい。ドラフ特有の角は反映されたらしく、本来なら額に生える角がこめかみから生えているとの事だった。
それからは野生の馬として隠れ生きる予定だったのだが、割りかし長い間野生生活を過ごした後に、人恋しさに村に近付いたところ先代の貸し馬主に捕獲され、身なりの良い貴族や女子供にだけ背中を貸す生活を謳歌していたようだ。
歳を聞いたらそっぽ向かれたので相当な年齢らしい。
で、私に買われて自由を得たのは良いが、暇過ぎて前世の事を思い出すにつれて性癖も思い出したらしく、そろそろ発情期だから一発ヤらせて欲しいと宣ったのだった。
彼女の性癖は獣姦であり、特に少女が犯されているのが好きらしい。生前同人誌も出していた程の業深き者だったようで、一生のお願いと称して私にひんひんと嘆願したのであった。
まぁ、その性癖は否定しないが今すぐは物理的に無理なので、丁度良いしサキュバスの店に依頼する事にしたのだ。
一度は行っておきたかったので良い機会だったし。
因みに彼女はトレントと呼ばれているが、本名は蓮堂との事だった。自分の名前を伝えようとしたが、失敗したそうだ。
地面に書いたものの蹄では書き辛く、縦書きと横書きを拾われてしまい、濁点とウが蹄のせいで分からずトレントと認識されたらしかった。
「……はぁ。一応外套を羽織っておくか。見つかったらアレだしな」
まぁ、冒険者御用達と言うだけで普通に市民も来ているらしいので、背の低い私が混ざっても分かりはしないだろう。
顔を隠し、ニヤニヤ顔で路地裏に入っていく冒険者たちを見つけてその後を追うと、男性が出入りする奇妙な小さな飲食店があった。
店の看板はネオン通りにありそうなキャバクラめいたデザインであり、サキュバスの尻尾みたいなのがビールジョッキに巻き付いているものだった。
……本当に隠す気あるのかこれ。サキュバスの特徴である角と逆ハート尻尾の片方が書いてあるんだが。
だが、よくよく観察してみると表通りから此方の路地裏を見る女性はいたものの、特段気にした様子はなく素通りしていく。
多分、何かしらの対策でもされてるんだろうな。
女性限定の人払い的なのが。だが、こうして私は認識できている事から、店の存在を知っている事を条件付けたものかもな。
前の男性の後ろに並ぶようにしてサキュバス店へと入ると、何処か甘ったるいお香のような匂いを感じて、酒に酔ったかのような心地になっていく。
その匂いに溺れてか、はたまた露出度95%な扇状的な格好をするたゆんたゆんでムチムチなサキュバス嬢に先導されてか、前に居る男性たちの顔が発情期の猿めいた恍惚顔を晒しているのが見えてしまった。
前の男性が席に向かって行った事で受付をしていたサキュバス嬢が此方を向き、背の低さから子供と判断したのか柔らかな笑みを見せた。
「あら、坊やにはまだ早いんじゃないかしら」
「いいや、問題無いさ」
「…………へ?」
受付嬢に近寄り、顔を近付けてフードを少し外す。
此方の事を知っているようで、先程の笑みは何処に行ったのか青褪めていた。
そのまま耳元に囁くように個室を要求すれば、こくこくと頷いて他のサキュバスにアイコンタクトを取り、手を握られ個室へと連れていかれた。
個室、と言うよりは従業員の休憩場のようで気を抜いていたサキュバス嬢がぐうたらしている光景を目の当たりにしてしまった。
「あれ、どうしたのその子……って、今を時めくおんおんちゃんじゃない!? どうして此処に!?」
「アイエーッ!? おんおんちゃん、おんおんちゃんなんで!?」
「うわぁ、きめ細やかでツルツルお肌に、幼児体型に似合わぬ色気が凄い……!」
「あー、うん、ノゥランさん呼んでくれる? 此処には来ないだろうって思ってたのは分かるから、一応一大事よ分かってる?」
私の噂はサキュバスにも伝わっているようで、街中で有名人に出会ったかのようにきゃーきゃーと黄色い声で出迎えられてしまった。
そして、奥の方から騒がしさに気付いたのか豊満な肢体を惜し気もなく晒す痴女が現れた。
マイクロビキニかなってレベルのボンテージに身を包んだそのサキュバスが、受付嬢の探していたノゥランさんらしく、此方を見てきょとんとした後にくすりと笑みを浮かべた。
「あら、初めましてね。わたくしはノゥラン、中級淫魔で此処の店長をしているわ」
「ご丁寧にどうも、冒険者のおんおんだ。此度は客として来ているので安心してくれ」
「そう? 流石に魔王軍幹部の一人を倒す子となるとわたくしじゃ勝てないから有難いわね」
客として来た、と聞いてから周りのサキュバス嬢たちがあからさまに安堵の息を吐いていた。
ノゥランさんと対面し、周りを興味津々と言った様子で野次馬するサキュバス嬢に見られながら会話が再開した。
「一つ尋ねたいのだが、人並みの知識と自我を持つ雄のユニコーンに淫夢を見せる事は可能だろうか?」
「問題無いわよ。もしかして発情期に入っちゃったのかしら」
「本人曰くは、な。求めて来た内容が内容だから此方で引き受けて貰えないかと代理で来た訳だ」
「へぇ……、何というか業が深いわね」
「全くだ……。飼い主に欲情して一発ヤらせてくれだなんて頼まれるだなんて思わなかったさ」
「あらら、それはまた……アレね」
ノゥランさんは此方の事情を知って苦笑を浮かべた。
彼女から手渡された淫夢のための設定を書く紙を渡され、羽根ペンでカリカリと書き込んでいく。
あの駄馬の事だし、しっかり満足したら今後は淫夢で欲を満たしてくれるだろう。
馬小屋で、私がトレント改めレンドウに性奉仕する感じで良いか。……自分で書くのもアレだが、同人エロゲーの設定を書いてる気分だ。
可愛い女の子が酷い目に遭って堕落していくタイプの中盤にありそうな展開だなぁ。
……どうせだし、私の性癖でも足しておくか。客観的に見て私は美少女だし、現実に反映されない訳だし、自分の分身をエロいめに遭わせると考えると少し興奮してきた。
隣で書いている内容を覗いてきたノゥランさんの表情が妖しく微笑んでいる。
……ふぅ、少し設定盛り過ぎたか? まぁ、被害は私に来ないし良いか。
設定マシマシの羊皮紙をノゥランさんに手渡すと、良い笑顔で受託された。
「ペットって飼い主に似るのね。正直貴女を舐めてたわ。此処まで濃い内容を書く人今まで居なかったから、少し興味出てきた。これ、私が担当してあげる」
「そうなのか? まぁ、頼むよ。あ、場所は屋敷の横にある廃エリス教会で頼む。其方には結界は無いから侵入は容易い筈だ」
「屋敷に住んでるとは聞いてたけど……、結界があるとなるときつかったから助かるわ。にしても、廃教会で淫夢を見せるだなんて……背徳的で良いわね」
「良いセンスだ。因みにそこでエリス教徒の恋人と蜜月を過ごしてるよ」
「貴女良い趣味してるわね……! へぇ、イケメンなの彼氏さんって」
「女の子だよ。私、勇者候補で生まれ変わる前は男だから」
「……最高じゃない。貴女も淫夢見てみる? その過去の姿に戻って今の貴女を犯すとか良いんじゃない?」
「面白そうだがまた今度だな。元の姿で思い出したが、男性器を生やす方法無いか? 恋人を孕ませたいんだが」
テンションが上がってきたらしいノゥランさんは、荒い息を吐きながら私の質問に満面の笑みを浮かべて頷いた。
「かつて淫魔の一人が同性の娘を好きになっちゃって、エッチのレパートリーを増やすために開発した魔法があるわ。淫魔って今は夢から精気を吸ってたんだけど、昔は直接交わってた頃があったのよ。淫夢の方が効率的だからって理由で交わいは廃れちゃった訳。丁度良いし継承してあげるわ、もう使わないだろうしね」
そう言ってノゥランさんが私の顎を指で上げ、端正な顔を近付けて唇を奪った。突然な事に驚いたものの、唾液に混じった濃い魔力が喉へと流れ、情報を溶かしたインクを脳内の羊皮紙に書き込まれているかのような心地に陥る。
……てかキス上手いなノゥランさん。ちょっと気持ち良くて腰砕けになりそうなんだが。
とろりとした唾液を流し込まれ、甘い味わいの余韻を残して唇が離れて銀糸が伸びた。
冒険者カードを取り出して見れば『エレクチオン』と言う魔法が増えていた。
キスの余韻にくらくらしながら所得を確認すると、派生ツリーが展開されえげつない強化項目に目を見開いた。
継承って派生ごと引き継がれるのか、とんでもないな。
「ふふふ、その様子だとちゃんと継承できたみたいね。……私の青春を貴女に託すわ。幸せになってね」
「……はい。お相手の方は、その、寿命で?」
「いいえ、デストロイヤーに巻き込まれて跡形も無く死んじゃったわ」
「……そうでしたか。ご冥福をお祈りします」
「あ、魂は確保してたから魔界に居るわよ」
「……ええと?」
「魂をこねこねして下級魔族として転生させたの。そのための精気が結構馬鹿にならなくて、こうして稼いでる訳。その時に立派なの付けちゃったもんだからこの魔法の事、今の今まで忘れてたのよね」
「そ、そうですかー……、お幸せで何よりです」
「うふふ、ありがとうね。貴女も幸せになってね」
「はい、ララと一緒に幸せになります」
ノゥランさんから魔法の詳細を聞き、オプションを切り替える事で避妊もできるマジカルチンポである事を知って私は静かにガッツポーズをして喜びを感じていた。
よーし、極太馬並肉棒でララの顔がぐちゃぐちゃになるくらいに嬲り犯すぞー。
ニコニコ顔の私を見てノゥランさんが若いって良いわねと笑みを浮かべた。
「丁度良いし手解きしてあげるわ。この『エレクチオン』は魔力を圧縮して擬似おちんぽを生成する魔法よ。魔力を束ねているだけだから解除も可能よ。使用者の遺伝子を参照して擬似ザーメンを作り出せるから孕ませもできるわ。量とか濃さもオプションで変更可能よ」
「聞けば聞く程マジカルチンポだな……。よく作れましたね」
「ふふふっ、愛の力ってやつよ」
「説得力凄いなぁ」
本来色欲に身を流すサキュバスの愛。それはもう重くてどろどろぬぷぬぷな代物に違いない。
目の前のノゥランさんはそれを成し遂げた人なのだから尚更である。
マジカルチンポもとい『エレクチオン』の譲渡代金は、このお店の存在を吹聴しない、で決まった。
恋人であるララには場所は教えず、存在だけは教えて良いらしい。実に温情的である、助かるなぁ。
流石に気合いと根性と欲望で新しい魔法を作っただなんて言えやしないしな、ノゥランさんに失礼だし。
いやー……、ララがどんな顔するか楽しみだなぁ。
そんな事を考えながら店を出て帰路についたのだった。
流石にトレントの名前のまま致せないって(血反吐)
エルデンリングガチ勢の人に夜道にバクスタされちゃうから仕方が無いんだ。
と、言う事で後付け設定なので、深く考えない様に。
ぶっちゃけ、今作の女性主人公に元男性をあてがうのは作者が嫌なので元女性です。
……因みにドラフ特有のでかっぱいは馬並み(意味深)の方に変換された模様。
レ
ン
→ トレント(˝ウ)
(ウ)
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サブタイトルに内容の概要乗せ……
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る。(キャラ+番号+内容)
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ない。(キャラと番号のみ)