女の子が少ない世界にTS転生した 作:アリス
風紀委員の挨拶運動のために他の生徒たちより早めに来た私は同じ風紀委員の宇賀神君に話しかけました。
「宇賀神君おはようございます」
「あ、内藤さんおはよう」
「今日も風紀委員として一緒に頑張りましょう」
「そうだね、よろしくお願いします」
風紀委員の腕章を腕に通すと二人で校門前へ向かいました。校舎から出ると春の風が気持ちいいです。大勢の前で大きな声を出すことに少しだけ緊張してきます。
校門の前で並び登校してくる生徒たちにおはようございますと声をかけて行きます。すると一人の男子生徒が私に挨拶を返してきました。
彼は私の胸に露骨な視線を送っています。でも私はそれを気にしないフリをして笑顔を振りまきます。そして彼の後ろに並ぶ生徒たちにも挨拶を続けていきます。
私は男性の性欲の対象になるのが好きです。特に性的な意味で興味を持たれることが好きです。ですが学校ではわざとスカートを短くしたり胸を大きく見せようとしたりはしません。高校生活において周りに抱かれる印象はビッチより清楚でありたいからです。
校門を潜る男子生徒達からは女子生徒が風紀委員やっているのが珍しいのか胸や太ももをチラチラと見られています。中には私の顔を見て頬を赤らめる人までいます。そんな視線を感じながら私は挨拶の声をかけ続けます。
朝早くから来ていた宇賀神君も隣で挨拶の声をかけています。同じクラスメイトの男子が宇賀神君に話しかけていました。
「かわいい内藤さんと朝から一緒になんて羨ましいぞ」
そう言って宇賀神君は笑われていました。それに対して宇賀神君は苦笑いを浮かべて返しています。
「……ありがとうございます」
私がお礼を言うと宇賀神君の顔が赤くなっていました。そんな風に照れている姿を見ると可愛いと思ってしまいます。朝の挨拶運動が終わると私たちは教室に向かいました。
授業中もずっと男子生徒や教師からの熱い視線を感じます。やっぱり女性がそんなに珍しいのでしょうか?あんまりたくさんの視線を浴びると体が熱くなってしまうかもしれません。先生に指名されて教科書を読み上げるだけで男子生徒からはため息が聞こえてきます。男子生徒の中には顔を真っ赤にしてノートをとるふりをしながら私を見つめてくる人もいました。
チャイムが鳴ると同時に男子生徒達は席を離れて私の周りに集まってきました。みんな私に話しかけようと必死になってきます。私は笑顔を作って一人ずつ丁寧に対応していきました。
クラスの他の女子と違って私は優しいので。白錦さんに話しかけた男子生徒なんて完全に無視されてますし、鈴木さんは幼なじみの清水くんと話してて他の男子生徒が目に入ってませんし。雅ちゃんは雄は近寄るなオーラが強く近づけば確実な死が待っているでしょう。柴垣さんは……まぁいいですね。
そんな感じで男子生徒達に清楚に愛想を振りまいているといつの間にか昼休みの時間になりました。私は机の上に弁当箱を広げて食事を始めます。今日は自分で作った手作りのおかずが中心です。
昨日のうちに仕込んでおいた肉じゃがに卵焼き。アスパラガスのベーコン巻きなど定番メニューに加えて、鶏ささみの梅和えやほうれん草の胡麻味噌和えなどの副菜も作りました。ちゃんと美味しいです。
でもちょっと作りすぎしまいましたね。私の周りにやってきた男子生徒達に少し食べますか?と聞いたらじゃんけんのトーナメントが始まってしまいました。
見事優勝した関沢くんには私の箸であーんして食べさせてあげました。真っ赤になって喜んでますがたぶん味はわかってなさそうです。
「内藤さんの美味しそうなお弁当だね。自分で作ったの?」
トーナメントには参加しなかった田沼君が話しかけてきました。
「はい、自分で作ってますよ。風紀委員ですから」
「……?すごいね!僕も自分で作れるようにならないとなぁ」
すこし首をかしげた田沼君の家は父子家庭でお母さんがいないらしいです。といってもこの世界は大抵父子家庭ですが。お父さんに家事を手伝ってもらっていると言っていましたが、やはり大変なんでしょうね。
ゆっくりとごはんを食べていると周りの男子生徒たちは食べ終えてじーと私のことを見ていましたが、時間になると自分の席に戻っていきました。
昼食を終えると午後の授業が始まりました。私は黒板に書かれた文字をノートに書き写して行きました。ARデバイスでスキャンじゃダメなのでしょうか。ダメなんですね。
「それではこの問題を……宇賀神解いてみろ」
数学の教師が宇賀神君を指名しました。宇賀神君は席を立って問題を解き始めました。
「……これでいいですか?」
「正解。さすが風紀委員だな」
「いえ……」
宇賀神君は謙遜しながら着席しました。
授業が終わると放課後となりました。風紀委員の仕事があるので宇賀神君と風紀委員会室に向かいます。私が室の扉を開けるとすでに先輩たちが揃っていました。
挨拶をして軽い説明を受けると私も仕事に取り掛かります。私の今日の仕事は校内の見回りと違反者の取り締まりでした。
校門で服装チェックをしたり、校舎内を巡回したりします。違反者を見つければ声をかけて注意をしなければならないので、女子一人だと大変かもしれません。
「風紀委員です。ネクタイはちゃんとしめましょうね」
「うわ、風紀委員かよ。胸がでかすぎて腕章が見えなかったわ」
「……」
男子生徒が私の胸元を見ながらわりと失礼なことを言いました。確かに私は胸が大きいので制服を着ていても目立ちます。でもそんな言い方をされたらむっとしてしまいますね。私は笑顔を崩さずにその生徒に近づきます。
「胸の大きさがそんなに気になるんですか?私の胸を見て興奮しているようですけど、そういうことは心の中で思ってくださいね。口に出すなんて恥ずかしくないんですか?」
どうせ胸を押し当てたらすぐにあそこがムクムクと大きくなって、舐めてあげたらどぴゅどぴゅと白いお漏らしを私の口のなかでしてしまうんでしょう?と考えながら真面目な顔をして私が言うと男子生徒の顔は真っ赤になってしまいました。
「す、すみませんでした!」
「生徒手帳を出してください」
私は男子生徒から生徒手帳を受け取るとセクハラのところに判子を押しました。
「これからは人として正しい言動をしてくださいね」
「はい……本当にすいません」
そう言って男子生徒は逃げていきました。まぁ私が人として正しい言動をしているかと言われたら全然違いますけど前世社会人の俺として表面上を取り繕うことは大事とわかっています。
廊下を歩いているとスクールバッグを隠しコソコソと何やら怪しい動きをしている男子生徒を見つけました。しきりに周りを気にしている様子は少し怪しく思えてしまいます。これは風紀委員案件ですね。
不審な行動をとっている男子生徒はコソコソと教室の中に入っていきました。教室の中を見ると男子生徒が自分の席に何かを隠そうとしています。
私は教室に入るとすぐに話しかけます。
「何をされているんですか?」
「い、いや……なんでもありません。もう帰りますから……」
男子生徒は慌ててカバンを持って立ち上がりました。そして帰ろうとした瞬間、私は男子生徒の腕を掴みます。
「待ってください。あなたが今隠したものを見せてください」
「こ、これはなんでもありませ……」
男子生徒は言い訳をしようとしていましたが、私は無視して男子生徒の机の中を見ました。するとそこには紙の箱があり中にはぷにぷにとしたやわらかい筒がありました。私はそれを引っ張り出してみます。
男子生徒が焦った表情になりました。私は手に持っている物をじっくりと見ます。見た目的には普通の男性用のオナホです。
「これはなんなのでしょうか?」
「そ、そんなの教えるわけないじゃないですか」
男子生徒は明らかに動揺していて、顔が赤くなっています。どうしたのでしょう?私にそれは男性のおちんちんがムラムラしたときに使うオナホールですと説明できないのでしょうか。まだ未開封だったそれは未使用のオナホールのようでした。
私は呆れてため息が出そうになるのを押さえました。前世の世界と比べて男性の性欲が強くなっているのは知っていますが、学校にオナホを持ってきてどこで使うんでしょうか。トイレですか?汚いですね。そもそも学校でこういうことする生徒がいるから風紀委員がいるんですよ。
「没収です」
「あぁ……」
男子生徒が絶望したような顔をしました。まぁ高校生にオナホはそこそこの値段がするので高い出費なのかもしれません。
「この学校では不要な私物の持ち込みは禁止されています。だから先生に報告して処分してもらわないといけません」
「はい……わかってます」
男子生徒は落ち込んだように俯きました。というか女子にオナホを先生に突き出されることについて心配とかないのでしょうか。
「反省してください。それでは一緒に職員室に行きましょうか」
「はい……」
男子生徒はとぼとぼと私についてきました。一緒に教員室に行くと教師は不在でした。
「どうしましょう」
「あの……俺が勝手に持って来たんで、持って帰ります」
おずおずと男子生徒は言いました。私はその言葉を聞いて首を横に振ります。
「いえ、今日は私が預かります。もし返して欲しいなら後日私のところに来てください」
私は手に持っているオナホのケースに書かれた文字をちらっと読みました。『職人の手作りによる同じ型が一切存在しない極上生搾り 超リアルタイプ』と書かれていて、端っこに小さく女性生体データ未使用品と印刷されていました。
「わかりました。じゃあ失礼します……」
私のクラスの場所を聞いた男子生徒はそう言って帰って行きました。
「ふぅ……」
思わずため息が出てしまってしまいました。学校では男性に直接的なイタズラがしにくくてモヤモヤしてしまいます。間接的なイタズラも未だ早いですし。でも清楚で真面目で優等生な私のイメージを作り上げるまでは我慢しないといけませんね。
さっきの男子生徒も注意だけで済ましましたが、本当は教室で煽りながらオナホコキとかしてあげたかったです。
VirtuaIidol略してVIでもはじめましょうか。前世にあった3Dや2Dのモデルを使った配信者と似たようなことをしている職業です。違いは視聴者も同じVR空間に接続できてしまうので視聴者からの視線の圧力とかがえげつなく、VR空間で歌を歌ったりするのも視聴者数によっては普通にコンサート開いているようなプレッシャーがあるみたいです。
一応配信者側が空間の設定をできるので視聴者のアバターに詰め寄られるなんてことは無いそうですが、過去には設定を忘れた女性VIさんが寄ってきた男性視聴者に猥褻なことをされて引退したなんて事件もあったそうです。
配信業はファンの熱意が恐ろしいお仕事です。前世ではSNSが大炎上しているのを何度か見かけました。私も大手VI配信者になって大量の狂信者を獲得した後にうっかり設定を忘れて生配信の視聴者によるレイプショーとか放送したら大炎上するんでしょうか。
なんて破滅願望じみたことを考えながら風紀委員の活動をしていました。女子生徒にスカート丈や化粧をチェックしたり、廊下を走る男子生徒に注意したりしました。初日から大活躍です。
「あ、あの……」
「はい?なんですか?」
男子生徒が何か言いづらそうな表情をして話しかけてきました。私は首を傾げると男子生徒は目を逸らしながら言いました。
「きょ、今日の下着は何色ですか?」
「…………」
私は黙って男子生徒の頭を軽くチョップしました。体術の心得を利用して痛みに特化した一撃です。
すると男子生徒は涙目になりました。
「痛いです……」
「それはあなたが校則を破っているからです。あとそういうことは女子生徒には聞かない方がいいですよ」
「すみません。どうしても気になってしまったんです」
男子生徒はしゅんとした様子で謝りました。可愛くはないです。別に私は怒っているわけではないのですが、普通に判子と記録はとりましたし内申は下がると思います。
「もういいです。次からは気をつけてください」
「はい。ありがとうございました」
男子生徒は頭を下げてから去っていきました。まぁ初対面でいきなり下着の色を聞くのはアウトですが、ちゃんと反省してくれれば問題ありません。さて、次の場所に行きましょうか。
しばらく校内を見回りましたが特に問題はありませんでした。
「これで見回りは終わりです。お疲れ様でした」
「はい。内藤さんもお疲れさまでした」
偶然あった宇賀神くんと一緒に校舎を出て、下駄箱に向かいます。
「では僕はここで」
「はい。また明日」
そう言って私たちは別れました。
帰り道にコンビニによった私は生体3Dプリンターのところに来ました。先ほど男子生徒から没収したオナホのレビューを見ていたのですが酷評まみれでかわいそうだったので隼人お兄さんからもらったアリアオナホシリーズのデータを使ってあげようかなとか思ったのでした。
没収したオナホを放り込みお兄さんが勝手に私の膣内データを使用して作り上げたアリアオナホシリーズのデータで上書きしていきます。
生体モードで印刷してしまうと体温を持ち愛液を垂らす生命を宿す不気味なオナホ(三日で死ぬし腐る)になってしますので大人しく元のオナホと同じ素材で作ってあげました。
これで明日男子生徒に返却してあげれば彼も家で無事スッキリで風紀委員的にばっちりでしょう。良いことをして足が軽くなった私は軽やかに帰るのでした。