キスショットの下腹部に刻まれた淫紋? とでも言うのだろうか、脈打つ様に淫紋らしき物は薄く光を放っている。
「これは、何だ? なんで急に浮かんで来たんだ?」
所謂、ショッキングピンクと言われる派手な色と子宮にハートを掛け合わせた下品で淫らとも言えるデザインのそれを指でなぞる。
「はい。この紋様は私、
膝を着き恭しく頭を垂れながら自分の下腹部に自ら肌に刻んだ印の説明をする。キスショット曰く、この紋には刻まれた者の身体及び精神の支配権を刻んだ者に譲渡する術式が組み込まれているのだとか。
「この術式を身体に自ら刻み支配権を先程、御主人様にお渡し致しました」
ああ、さっき彼女が俺の陰茎に口づけした時にか。実はあの時に少しだけ、なんと表現すれば良いか分からないが、なんと言うかこう、彼女から喜び、快感、安堵と感情らしき物を感じた。
「もっともこの様な術を使わなくても私は御主人に尽くしますので」
私に出来ない事の方が少ないので、と得意気に語る。いや、頭を下げているので表情は分からないけど、ドヤッとした気持ちが伝わる。
「御主人、なにか御命令を頂きたく存じます。どのような物でも構いません。この術の効果を実証して見せますゆえ」
命令かとくに何かして欲しいことをはないのだが。
「取り敢えず立ってよ。身体をよく見せて」
立てと命令すると彼女はすくっと立ち上がる。彼女の身体をじっくりと観察する。血が通っていないと思える程の白い肌、触り心地がとても良い。思わず彼女の背中に手を回し抱きつくと彼女も俺を優しく抱き締める。彼女の身長は俺よりも高い。白人女性の平均身長の事は分からないが、俺の身長が同年齢の平均値よりも低い事も相まって頭が彼女の美しく形の整った胸の谷間に埋る。
心臓のドクドク脈打つ鼓動の音が聞こえる。
柔らかい。顔を左右にぐりぐりと動かし、体温が低く少し冷えた乳が顔が動く度に形を変える。
「表皮は冷たいけどずっと触れてるとじんわりと温かくなってくる」
名残惜しいが谷間から顔を離すとやや濃いめの色をした乳首が目に入る。肌の色素が薄いせいなのか、二つの突起がよく目立つ。
「なあ。母乳って出せるか?」
ふと思い付いたことで特に意味は無い。だが、かの物語シリーズに置いて最強の存在である吸血鬼の母乳。気にならないだろうか。俺は気になる。
「少しお待ち下さい」
一言だけ言うと目を瞑り出す。
彼女の勃起している乳首に注目すると先端部からじわりと白い液体が少しずつ滲み出し、重力に従い床へと垂れていく。
……本当にでたよ。
うん。彼女なら妊娠していなくいても彼女の意思次第で出せると思っていたが、やはり目の前の異常な光景には馴れない。
「さあ、御主人様どうぞお飲み下さいませ」
母乳が滴る乳を両手で掴み飲みやすい様に乳首を口元に近付ける。
匂いを嗅ぐと微かに甘い香りがする。乳首に指を当て母乳を掬いとり口に含む。
甘い。
「ちゃんと甘いな。なんか母乳って薄味って聞いてたけど、イケるね」
ぱくりと乳首の吸い付いて、口の中を母乳で満たす。
「ん……あん。……はふ」
含んだ乳首を舌でチロチロと舐めて甘味を味わう。すると。
何か固いものが舌の上に転がる。何だこれは? コロリと転がるソレを口からぺっと掌に吐き出す。
これって……奥歯だよな。
口の中から感じた固い物、それは虫歯によって溝が黒くなった歯、であった。
慌てて口内の奥を指で探るけども何処にも歯の欠けた感触が無い。
変だ。おかしい。歯は全部綺麗に揃っている。
唖然と掌の上にある謎の歯。菌に犯され所々、黒くなってる歯が消えた。まるで蝋燭から伸びる煙の様に、空中に溶ける様に消えた。
なにも乗ってない手を見つめ、なにが起こったのか理解しようと指をまた口の中に入れ前歯に指が触れた瞬間、ポロっと歯が抜ける。
前歯が抜けたのを皮切りに何本かの歯が何の痛みも無く床に音を立てて落ちて行く。
床に落ちた歯は先の奥歯と同じ様に消えてゆくのだが、消えずに残った物が有る、それは歯の一部、正確には歯に似せた偽物、コンポジットレジンと言われる素材で出来た詰め物が消えずに残った。
ああ、そうか。今抜けた歯は全部、虫歯になっていたんだ。
人工物だけを残して消えたを見て、俺は思い出した。原作に置いて吸血鬼の血もとい体液には何故か分からないが、謎の回復効果がありその効果は絶大で、例えば、馬鹿でかい十字で脇腹を抉られ腸がこぼれ落ちる程の重症の女の子に血を垂らせば即座に傷を癒す。
またある時は、殴られ赤く腫らした少女の頬に唾液を塗り込み腫れを癒した。
血や唾液でこの様な事が起こせるなら、母乳で虫歯を癒す事も不思議では無いのだろう。癒すと言うより新しく生えて来たのだが。吸血鬼の体液になんで、回復効果があるかは知らないが兎に角、彼女の母乳を口に含んだ事により知らず知らずの内に進行していた虫歯を綺麗さっぱりと俺や彼女が思いがけずに、全くもって思慮せずに治してしまった。
突発的なアクシデント? により歯医者への通院と言う苦行から解放されたのは喜ばしい限りである。
人が生きる上で欠かせない行為、食事。その行為において重大な役割を果たす第一の行動。食べ物を噛みきり細かく磨り潰し、喉に詰まらない様に飲み込む為に必要な器官。それが歯である。
虫歯なり事故なりで傷ついたり削れた歯は二度と元に戻らない、修復しない。そんな常識に真っ向から歯向かい、日頃から患者の口内を憂い、真剣に向き合う歯科医の方々を嘲笑う様に燦然んと白く、隙間なく並ぶ。もうこれからは歯と精神を削る、ギュイーンと甲高く鳴く、あの歯を削る道具に怯える事なく安心して甘味を味わえる。
棚から牡丹餅。
と言うべき思いもよらない幸運により現実に置いて前人未到ともなる奇跡に近い正に神の、いや違う。実際に奇跡を起こしたのは創作物のキャラクターであり、キリスト教で異端とされる吸血鬼なのだが。
しかもその方法が興味本位と性欲により行われた授乳によるもので、キリスト教信者に対して真っ向から喧嘩……いやいや、この場合は戦争と言っても良い。アンデルセン神父に殺される。まあ、アプリで喚ばない限り来ないだろう。……来ないよね?
某神父云々は置いといて。もしも、この事が世間に知られたらどうなるか? 少なくともオタクを自称して憚らない友からは首を絞められるであろう。多分、本気の力で。マスコミも家に押し掛けちゃうかな?
「おい! スゲーじゃねえか! 見ろよ虫歯が全部、治ったじゃんか……よ」
少しだけ気味悪さも感じはしたが、概ね喜ばしい結果に声を弾ませて彼女の方を見ると、彼女は微動だにせず俺を見つめ手だけを一心不乱に動かしオナニーをしている。
ただ我武者羅にぐちゃぐちゃと離れていても音が聞こえる位に激しい自慰。ひたすらにこちらを食い入る程に見つめ、呼吸を忘れだらしなく開いた口の端から唾液が垂れ続ける。
「………………」
足の力も抜けたのか、足元がふらつき後ろによろける。その拍子にベットの縁に足が当たり、どさっと尻餅をつく。ベットに腰を掛ける形になっても、それでもオナニーを止めない。
明らかに正気じゃない。
「お……おい。どうした?」
彼女に一歩だけ足を進ませ、近づく。すると彼女の片手でしていたオナニーを両手で激しく始めた。部屋にクチャクチャとマンコを掻き回す音だけが部屋に響く。
壊れた機械の様に同じ動作しかしない彼女の目を覚まさせる為に手で彼女を押す。すると彼女は抵抗すること無く受け身を取る事なくベットに倒れる。
「押してもダメか、一体どうすれば」
ベットに押し倒しても依然と顔だけを向けてオナニーを止めない。ならばと腕を掴み上げ、オナニーを出来ない様にする。
う~ん。これでも駄目か。
変わらない。
オナニーが出来なくなった彼女はヘコヘコと無様に腰を性交する時と同じ様に動かす。もっと何か刺激を与えないと元に戻らなそうだ? どうしたもんかと、相変わらず目線だけを此方に向けて挿入されていないのに、まるで本当に陰茎が挿入されているかの様に無様に腰を動かし愛液を飛び散らせる。
「………………」
試しに、彼女のびちゃびちゃなマンコに、ちょんっと指の先を伸ばし、今も愛液を次々に溢れさせる割れ目に触れる。にちゃり、とした、粘り気を感じさせる感覚が指から伝わる。
そのまま指を上下に動かして、クリトリスを刺激する。
強い刺激を受けたマンコは痙攣するかの如く小刻みに膣口を、まるで酸欠になった金魚の口の様にパクパクと開いたり閉まったりを繰り返す。
んん~。反応はするけど、まだ自我呆然って感じなんだよな。
どうしようもない。駄目だ。
もう、此のままでも良いかなと、匙を投げ掛ける。
「どうしましょうかねー?」
どうしようも無くなった俺は、腰を動かない様に押さえつけ、陰茎を愛液でテラつくマンコに挿入する。
「…………っあ」
ぬるりと一切の抵抗も無く陰茎が飲み込まれて行く。効果が有るのか、一言も声を漏らす事なくひたすらにオナニーをしていた彼女から声が漏れた。
これならいけるか。ベットに横たわらせていた彼女を向かい合わせに、顔を見合わせる形に、所謂、対面座位の形をとる。
「うあ、止めなさい。くすぐったいだろ」
丁度、彼女の顔が俺の顔の真横にに来る様に抱えた為に、ぬろりと彼女の生暖かい舌が耳を舐める。
たまらず、距離を取る。それでも彼女は甘えて来る犬みたいに俺の顔を舐め回す。
それはもう、ベロベロと顔が唾液まみれになる。
「くそ、埒が明かねぇ」
縦横無尽に動く舌をパクリとキスをするように彼女の口ごと咥え込む。咥え込んだば良いものの彼女の勢いは止まらす俺の口内でも暴れる。
仕方がない無いのでそのまま腰を揺らし、ベットからバネの軋む音が聞こえる。
「あっう。あっあっ、ふむぅ」
先程よりも反応がかなり強くなり、声も出るし腰の動きも速くなる。それでも、やはり静かな反応しかしない。これではラブドールを抱いてるみたいだ。ちゃんとマンコの締まりはしっかりしてるんだけど。
「んふー、ふー、ふー」
互いの肉体がぶつかる音と、愛を確かめる為の行為を通り越し、最早、貪りと言った方が正しい位に激しい濡れた音が混ざり合う。
これはこれで気持ちいいけどせっかく飛びっきりの美女を抱くんだ、やっぱり人間的な反応が欲しい。
寂しさも感じつつも、じょじょに、彼女の激しいピストン運動によって感じる快感により射精を我慢出来なくなってくる。
彼女の腰を振るタイミングに合わせて此方も腰を打ち付ける。
そして。彼女の中、膣に奥深く陰茎を押し付け、亀頭を子宮口に合わせて精子を解き放つ。
身体が一瞬、震え、開いた口から声が漏れた。……多分だが
挿入していた陰茎を抜き様子を見る。ああ、だけども。彼女は元に戻らず。惚けきった表情に成りながらも自由になった手を股の方に持って行き再度オナニーを始める。
「なっなんだぁ。一体、何を見せられてんだ?」
勘弁してよ。いやさぁ、普通なら射精したら元に戻ると思うじゃん? 話の流れ的に? なのにコレだよ。
じっと此方を見つめる彼女。身体を右に動かせば、釣られる様に彼女も顔だけを右に動かす。左に行けば顔を左に。鼻先に陰茎を近付ければ目を寄せて見る。
これでは埒が明かない。ふつふつと怒りが湧いて来る。
「……いい加減にしろ……「正気に戻れ!」」
彼女の髪を掴み、顔を持ち上げて彼女の頬に力を込めビンタを一発お見舞いする。部屋にパシンと大きく響く位に力の籠った一発は、彼女が正気になる様に願いを込めている。
ビンタをした瞬間、彼女の下腹部に有る淫紋が光ると。
「あっあれ……私は……いったい」
呆然と間抜け表情をした彼女が赤くなった頬をさすりながら、正気に戻る。
「やっと元に戻ったか。どうなるかと思ったぜ」
なぜ、急に彼女が沈黙したまま、狂った様にオナニーをするようになったのか話を聞くと、どうやら彼女の分泌した母乳を摂取したことで俺の身体が変化したことが原因らしい。
「つまり、俺がお前の母乳を飲んだ事で、俺の「雄」としての悪い所が全部、改善されて、劣っている所が無くなり、「雄」として完璧な存在に成ったって事か?」
完璧? になった俺を見た途端に魅了されて頭の中が卑猥な妄想で埋め尽くされて何も考えられなくなった、らしい。
「ご主人様を煩わせて、申し訳ございません」
ジャパニーズ土下座をして謝る彼女を尻目に鏡の前に立ち、改めて自分の身体を観察する。全体的に、やや痩せ気味だった身体は肉付きが良くなっており腹筋が六つに割れているのが目に入る。
いや、腹筋だけでは無い、試しに腕に力を入れると、上腕二頭筋に、パワーと壮健さをを象徴する力こぶが浮かぶ。下半身もガッシリとしており、立派になった上半身に釣り合う様に逞しくなっている。
「何だか、顔のパーツのバランスも整ってる気がする」
何時も細く、眠たそうに半開きに開いている目が、元気ハツラツと言った具合にパッチリと開かれている。髪の毛もさらりと艶やかで、とても清潔な印象に見える。
鼻の位置も目と口の絶妙な間にあり筋もスッキリとしている。
「これ、骨格から変わってねぇか?」
だって野暮ったい顔の輪郭が何かこう、シュッとしているって言うか、綺麗に纏まってるって感じがする。
「骨格が変わったとするより、本来の骨格に戻ったのだと思います」
あっそうなの?
「元の、姿。こうなる前の姿には戻れるのか?」
俺は高校生だ。いきなり、それも一日で見た目が変われば、どんなに影が薄い奴でも目立ってしまうだろう。
「今の状態がご主人様の最善な状態でありますので、無理に戻らなくても良いのでは?」
世間知らずの吸血鬼め。
「目立つだろ。一日でこうも姿が変化すればよ」
身体だけなら此のままでいたいが、流石に顔が変わってるのは不味いだろう。
「分かりましたでは」
腕を俺の顔へと伸ばしてくる彼女は残念そうな表情を浮かべている。俺だって、本当はこの顔のままで有りたいけど、仕方がない。
「始めます」
白磁の様に錯覚してしまいそうな程に白い指が眉間にトンと触れる。
少し怖いが多分、大丈夫だろう。変わる時も痛みを感じはしなかったし。
あっ、なんか痒い。顎の辺りに一瞬だけ痒みを感じたぞ。
「終わました」
う~ん。描いた絵の気に入らない箇所を消ゴムで消して書き換える位の気軽さで人の容姿をいとも簡単にコロコロと……。頭おかしくなりますよ。
鏡を見ると。まぁ、何と言う事でしょう。先程まで爽やかな好青年だったのが、陰険な青年にクラスチェンジしているではありませんか。
クラスチェンジじゃなくて、元に戻っただけなんだけどね。
「うむ。中々の仕上がり。褒めて使わす」
肌が綺麗なままだが、これくらいならセーフだろ。
「勿体なき御言葉」
臣下の礼を取り、身体を前に倒す。タプンとおっぱいが揺れる。その拍子に乳首から母乳が、まるで氷柱から水の雫が垂れるみたいにポタポタと落ちる。
迂闊に触ると、何か起きそうだ。……なんで母乳を警戒しないといけないのだ? 不思議な不思議な生命を育む母の白き血が床を甘く染めるのを阻止する為に命令を投げる。
「それ。もう止めようね」
指が濡れるのが怖いので乳首でなくその乳房をつつく。指をドリルに見立てプリン並みに柔らかい脂肪の塊をグリグリと掘る。
命令して直ぐに、水道の蛇口を閉めた様にピタリと母乳が止まる。止まると、同時に床にポツポツと白い雫が、あっ、と言う間に消えて無くななる。
恐る恐るつねる様に乳首を弄り再確認をする。
「ん……あ」
……うん。止まってる。
なんだろうか、この心の中に有る安心感は?
「嗚呼、思いつきで試すもんじゃねぇな」
まさか、おっぱいからミルク出せって言っただけでこんな目に……疲れたな。
朝から何回も射精してたら、そら疲れるよな。休憩しよ。
「お疲れ。用があったら呼ぶからさ、俺の影のなかで待機しててよ」
今はもう昼になってるから太陽が弱点の彼女には安全に過ごす方法がそれしかない。
「畏まりました。ご主人様」
此方を微笑みながら優雅な仕草でお辞儀をして一瞬で音を立てる事なく静かに影に沈んで行く。
窓に貼ってる段ボールを剥がしカーテンを開け日光を入れる。空には雲一つなく、燦々と輝くお日様が有る。とても良い天気だ。
「昼飯を食ったら、何しようか? ひたぎを連れて買い物にでも洒落込もうか?」
荷物を家に取りに一時、帰宅した彼女と午後をどう過ごそうかと考えてると、家の呼び鈴が鳴った。
帰ってきたか。
家の玄関の扉を開けると、そこには黒を基調とした服を着たひたぎが正座をして待っていた。
「変態女、戦場ヶ原ひたぎ。ただいま戻りました。お待たせ、ダーリ……あら。体格がなんだか、変わってる気が?」
………………駄目か。体格だけなら行けると思ったのに。
「そんなの、気にしなくていいから、さっさと服脱いで家に入れよ」
ひたぎは言われるがままに、平然とした表情で服を脱ぐ。
はぁ。明日の学校、どうしようか。