※この作品はR-18です。

遊戯王のスケベ文   作:鮪の中落ち

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R-18日刊1位やら赤評価やらお気に入り3桁やらハジメテ尽くしで嬉しさ万倍でした
続きましたので御覧ください


02.怪奇との契約――ピンクは淫乱だって言ったやつ誰だよ! 出てこいよ!

 翌日。

 風呂場でそれなりにハッスルしていたら気絶してしまったアトラに服――例のボロ布ではなく、緒形のものである白無地のシャツを着せてやり、長い髪を梳いて整え、ソファに寝かせてバスタオルを掛け布団代わりに乗せ、そういえば寝ていなかったなと仮眠を取り、仮眠明けでも未だアトラが伸びていることを確認してから、緒形は持ち場であるビルの夜間警護任務へと赴き、何の問題もなくその日の仕事を終えていた。

 右手に24時間営業のスーパーのポリ袋を下げ、編上靴を鳴らして緒形は帰り道を行く。梅雨が明け、そろそろ本格的に暑くなってくる時節ではあるが、早朝に限って言えば、緒形にとっては過ごしやすい、涼しい空気感だ。

 自宅に近付くにつれて香ってくる土の匂いを感じながら、緒形はちらりと己の胴を見る。そこは、昨日アトラに思い切り締められた場所だった。シャツを捲ってみれば、ぐるりと胴体を囲うように青黒い痕が出来ている。風呂場で見たときよりも色が恐ろしいことになっていた。

 後で薬だな、と苦笑しながら、緒形はねぐらがある丘の麓の部分に足を踏み入れた。自然溢れる見慣れた世界ではあるが、緒形はそこに違和感を覚える。

(……? あんなところに"木"なんてあったか?)

 白みがかった樹皮と太い幹が特徴的な広葉樹――タブノキが生えている。随分と立派だが、緒形の記憶の中にこんな木は存在しない。何せ、ここは緒形がねぐらのある土地に入るための入り口なのだから。利便性、景観――緒形はそんなものは気にしないが、どちらをとっても、こんな場所に樹木を残す理由は無い。そもそも、緒形が昨晩外出した際には、こんなものは存在しなかったのだ。

 張り出した根を跨いで土地に入った緒形が思わず硬直する。辺り一帯を、蔦植物や新芽が埋め尽くしていたからだ。足の踏み場が無いというのはこういうことを言うのだろう。流石に外出が出来ないレベルでは面倒だと感じた緒形が春に刈り取った――警備の仕事が無くなったため少しの間無職だったのだ――草が一晩のうちに再生するという悪夢を目の当たりにしながらも、緒形は怯まず草の絨毯の上を進んでいく。青臭い香りが広がっていった。

「……あー」

 緒形の視線の先には、緒形が寝泊まりする平屋建てがある。元々庭や玄関前は荒れっぱなしであり、緒形が入れるスペース以外は好き放題に伸ばしっぱなしにしてある草木が昨日よりも明らかに成長している。

 そう。

 伸びた木の枝が、平屋の屋根を抉り取るくらいにだ。

 瓦葺きの屋根を突き破った枝の先端に、ひび割れた瓦が引っかかっているのが緒形にも見えた。

「……後で屋根の材料でも買ってくるか」

 半ば現実逃避気味に急浮上してきた新規案件の内容を吐き捨てて、緒形は玄関の鍵を開き、ドアノブを捻って開け――

 

「や、やめ……くひぃいいいん!?」

 

 昨日何度も聞いた嬌声と似た声が、緒形の耳孔を穿った。一瞬思考を止めながらも、緒形は編上靴を履いたまま、勝手知ったるねぐらに飛び込む。甘ったるい香りがするが、構わず進む。

「す、吸っても何も出な――ひん!? にゃめるのだめ、だめ……!」

 どんどんと、声のボリュームが大きくなっていく。場所の当たりは付いている。緒形は自身の無策を悔いた。この平屋には窓が壊れた場所がある。入ろうと思えば、たとえ玄関を施錠していたとしても人間が入り込むことは可能なのだ。いつもの緒形ならば、特に取られるものも無く、荒らされたところで新たなねぐらを探すだけであるため問題は無いのだが、今日ばかりは勝手が違う。いくらアトラがモンスターであるとはいえ、その姿はひ弱な少女であり――緒形でも抑え込めるくらいに弱っているのだから。

「――おい! アトラから離れろってんだ、この犯罪者!」

 ダイニングと廊下を繋ぐ建付けの悪いドアを蹴破るように開けながら、緒形は臨戦態勢のままダイニングに飛び込み、

 

「もう、相変わらずよ・わ・よ・わ、何だからさ~♪」

「ん――あぁッ!!」

 

 裸に剥かれたアトラが、桃色髪の少女に秘所を舌で穿られながら絶頂し、潮を吹く光景を目撃することになった。

「……あ?」

「……あれ? 家主さ――」

「ぜっ、ぜぇ……あ、ま、待って! これは違くって……!」

 振り向いて、てらてらと輝く唇を舐めながらも緒形を見る――とろんとした、気を抜けば吸い込まれそうな水晶色の瞳だ――桃色髪の少女と、息を切らせながらもいやいやと首を振るアトラ。敷地前の大木から始まり、情報量の飽和攻撃を立て続けに叩き込まれた緒形は、無言のままふたりの少女を交互に見遣ってから、思考停止したように、一言。

「えーっと、後はごゆっくり?」

「邪魔じゃないから! 助けて!」

 今にも泣き出しそうになりながら、アトラが絶叫した。桃色髪の少女は、呆然としたような様子のまま、緒形を見つめていた。

 

 

 

 ぶるぶると震えながら腰に引っ付いたアトラを慰めながら朝食を用意した――少女に食事するか問うたが、「有り難いけれど……」と断られている――緒形は、アトラを連れてダイニングまで戻ってくる。綿とスプリングがしっかりある方のソファに座る少女は、艶めかしい雰囲気を醸しながら辺りを観察しているようだった。緒形が向かい側のソファに座ると、アトラもそれに習った。ぎしり、と軋む音が響く。緒形が机に置いた茶碗の中に視線を遣り、少女はおお、と面白そうな声を出す。

「美味しそうだね」

 緊張したような声色でフレシアは問うた。

「食うなら言え」

「……今は良いかなー?」

 そうかい、と返して、緒形は茶碗の中身を掻き込む。トマトの香り漂うミネストローネだった。

「じゃ、自己紹介しておくね、おにーさん」聞いてるだけでいいから、と少女は前置きして、「私はフレシア。……アトラの友達だよ♪」

「誰が友達よ!」

 緒形が隣りにいるからか、アトラが気炎激しく否定する。

「……え?」フレシアはショックを受けたような表情を浮かべた。「……違うの?」

 捨てられた子犬のような目だった。眠たげな瞳に、悲しみの色が刻み込まれる。その表情に、アトラが思わず呻いた。

「え……う、あ……?」

「……違うんだ。私だけなんだね、友達だーって喜んでたの」

「ぐぅうううっ!?」

 アトラの断末魔が響く。緒形はミネストローネを完食して流しに置きに行くために立ち上がったところだった。泣くような素振りを見せていたフレシアは、渋面を作るアトラを指の隙間から見て、耐えきれない、とでも言いたげに破顔すると、

「ふふ、アトラは可愛いなあ。食べちゃいたいくらい」

 くすくすと。誂うように笑う。アトラの顔が、怒りと羞恥の入り混じった赤に染まった。わなわなと口の端を震わせている。

「な、な――」

「仲良いんだな、君ら」

 噴火寸前、茶碗を流しに放り込んできた緒形が戻ってきた。アトラは仲良くない! と叫び、フレシアは笑みの深さを強める。ぎし、とソファを軋ませてから、緒形はフレシアを見た。

 正面から見たフレシアは、有り体に言って痴女じみた恰好をしていた。白い羽衣のような布ややはり透ける素材のアームカバー、腰の後ろ側を覆う薄桃色のパレオこそあるが、単純化してしまえば、フレシアの恰好は細い紐で結わえただけの水着姿である。下着同然の透けた布地の黒い布は隠さねばならない場所を辛うじて保護しているだけだ。手足に巻き付いた蔦植物が、絡みつく先を探してうねうねと蠢いていた。

「やん、そんな目で見ちゃ駄目だよー」

 くすくすと。幼い顔立ちの少女は蠱惑的に笑ってみせる。甘ったるい声音で紡がれる、見た目に似合わない言葉は、宛ら異性に対する挑発行為だ。

「……フレシア、で良いか?」いいよー、と間延びした返事がある。「君は、何者だ? ……外の惨状は見たし、どうやら君はアトラの知り合いらしい。……少なくとも人間では無いようだが」

 後半のためらいがちな台詞は、フレシアの足元から木の枝がにょきにょきと伸びてくるのを見たことで出たものだ。床板から、木の芽が伸びだしている。少なくとも緒形の常識の中では、こんな真似が出来る存在を人間とは称さない。疑問を咀嚼したフレシアは、あっけらかんと言ってのけた。

「うん。私ね、"蟲惑魔"なんだ。アトラとおんなじ」

 にこりと。思わず見惚れそうになるほどの笑顔。フレシアの足元から伸びてきた木の芽の先に、丸くて白い蕾が出来た。

「……モンスター、か」緒形はアトラをちらりと見てから、「目的は何だ? 観光、ってわけでも無さそうだが」

 軽装だし、と緒形は口の中で噛み潰す。緒形の横で新たなに桃色の花が開く。甘ったるい香りがした。

 どう言えば良いのかなー、と少しの間唸っていたフレシアは、あ、と何かに気づいたような呆けた声をだすと、頬を少し赤くしながら、頭についた分厚い花弁を持った花飾りに触れて、こんなことを言った。

 

「婚活?」

 

 変化は迅速に訪れた。突如、緒形が前屈みになったのだ。苦しそうな呻き声を漏らす緒形に気付いたアトラがフレシアを見る。変わらない――少しだけ照れくさそうなフレシアの笑顔がそこにはある。だが、アトラはそこに違和感を覚えた。アトラには分かる。アトラ自身は認めたくはないことだが、フレシアとの長い付き合いは伊達では無い。彼女は、フレシアの今の状態を朧気だが察していた。

(……フレシアは、いや、フレシア"も"限界なんだ!)

 考えてみれば当たり前の話である。アトラは棲家を追い出される直前まで、他の蟲惑魔であるフレシアたちと共に居たのだ。アトラは本体である土蜘蛛が何処かに消え、エネルギー不足で緒形の家の前に転がっていたのだ。当然、フレシアもアトラに似た状態であることは疑う必要もないだろう。それは、即ち――

「ぐ……!?」

 ぐらり、と。アトラの身体がふらついた。酩酊状態にも似た、不可思議な高揚感。この感覚にアトラは覚えがあった。下半身、形だけ作られた生殖器が鼓動する。昨日、散々に愛されたことで幸せを覚えた身体が、どくどくとアトラに無いはずの心臓が跳ねる感触がある。アトラは、緒形のそばに伸びた桃色の花を見る。アトラには分かる。この可愛らしい花こそが、フレシアの持つ能力であることを。

(発情、フェロモン……!)

 雄の、否、その場に存在する雌の理性をも飛ばすためだけに作り出された、フレシアの媚毒。アトラのそれと違い、獲物に筋硬直を与えたりはしない、純粋な媚薬である。

 アトラは土蜘蛛、昆虫の仲間だが、フレシアは植物なのだ。食虫植物が持つ人間の雄を誘い消化吸収するための疑似餌というわけでもなく、純粋に、男性の精液を肥料として生育していく、そんな生態の植物である。

 先程のアトラへのペッティング。あれも、アトラが昨日腟内に出された精液を啜ろうとしたのだろう。

 ならば。アトラのするべきことは。

(……助けるんだ。……あんな変態でも、私にとっては……!)

 息を荒くし、蜜壺からびちゃびちゃと愛液を溢しながらも、アトラはフレシアを助けるために動き出す。アトラの視線の先、フレシアは動かない。否、動けない。ちらり、とアトラは緒形を見た。緒形もアトラを見ていた。ぞくり、とアトラの背中に冷たい恐怖と快感が走る。タガが外れるまであとひと押し。そんなところだろう。ならば――

「……ね、名前、教えて?」アトラは問う。「昨日、結局聞けなかったわ。……私だけ名前呼ばせてるの、ずるっこい気がするの」

「緒形靖夫」

「ヤスオ、か……。ね、ヤスオ?」

 アトラは懇願する。べとべとになったシャツを脱ぎ、頬を赤く染め、食い入るように見つめる緒形に対し、上目遣いをしながら、甘えるように、媚びるように――挑発するように。

 

「私達を、食べて?」

 

 緒形がフレシアを見た。フレシアは動かない。否、動けない。いつの間にか、少女は瞼を下ろしている。ただ、緒形の腕に絡みついた桃色の花が、肯定するように首を擡げた。

 次いで、アトラを見た。アトラはフレシアの隣に腰を下ろすと、緒形を招くように両手を広げ、いいよ、と震える声で許可してみせた。

 甘ったるい媚薬とアトラの挑発によって理性を失った緒形が獣のようにふたりに襲いかかる、ほんの五秒前のことだった。

 

 

 

 緒形が最初に食いついたのは、目を閉じたままのフレシアだった。瑞々しい頬を撫ぜ、髪を指で梳く。フレシアは擽ったそうな様子を見せた。

 少女の身体から、男を引き寄せる甘ったるい香りが放出される。それを敢えて吸い込んだ緒形は、自身の心臓の鼓動が誘うままに、フレシアを貪らんと手を閃かせた。

 下着じみた薄布越しに、フレシアの乳房を掬い上げるように揉む。フレシアの口からは楽器のように声が漏れる。二度、三度と繰り返すたびに、フレシアの顔が赤く染まっていく。摩るように丘の頂点に円を描いてやると、フレシアの身体が明確に跳ねた。

「ん……っ♪」

 片手を少女の腹に遣る。白く滑らかな肌だった。下腹部――人間で言うなら子宮が存在する場所に触れてやると、フレシアの身体がもう一段強く跳ねる。押し込むように、これから刺激してやる場所を予告するように、緒形はフレシアの腹を撫でた。少女の整った顔が、淫らな色に染め上げられていく、否、色を取り戻していく。

「は……ぁっ」

 指で刺激していた胸を覆う、紐の付いた布を捲りあげてやる。体格の割に実った、形の良い乳房がぷるんと揺れた。愛撫されていた片方の乳頭だけが、少しだけ色濃く隆起していた。つまみを持つように指先で挟むと、フレシアははじめて嬌声を響かせた。

「んんっ♪ ん……や、ぁん!」

 緒形の頭に手が伸びる。フレシアの手だ。少し動くようになったらしい腕が緒形の後頭部を捉えると、フレシアは緒形の顔を胸に抱き込んだ。緒形の目の前で、汗とフェロモンがスパークして散る。フレシアから香る甘い香りが、緒形の脳髄を更に犯していった。

「ふふ……♪ 触れ合ってるだけで、力が湧いてくるわ……」

「なーっ! それ禁止! ストップバストの暴力!」

 置いてきぼりにされていたアトラが、緒形の頭を引っ張った。上気した様子の緒形を見て、アトラは「私、怒ってます」と書かれた表情を見せる。

「こっちも……触って!」

 今度はアトラが緒形の頭を抱き込んだ。ボリュームは些かフレシアのそれに劣るが、今の緒形にとっては些細な差でしかない。腕が蠢き、アトラの胸を堪能し始める。身体が動く程度には補給が出来たらしいフレシアは、ふたりの絡みを見ながら、アトラが知る普段通りの笑みを溢していた。

「ひ、ん!? こっ、こりこりしないれ……ぁあ!?」

 鍵盤でも弾くような精緻さで、緒形の指が流麗にアトラの胸を這い回る。既にトキトキな乳頭を指先で押し潰しながら、緒形は赤子のようにアトラの乳房に口をつけた。口内の温度と蠢く舌べらの感触を敏感な場所に叩きつけられ、アトラの背中にぞくぞくとした快感が走る。明らかに未成熟な少女に乳をねだるという犯罪的な絵面に、フレシアはわあ、と吐息を漏らした。

「随分おっきな赤ちゃんねー、アトラ♪」

「……あげないわ、よ、んっ!」

「……えー」フレシアはいたずらっぽい笑みを浮かべて、「じゃあ、私にもおっぱいちょーだい?」

 アトラの口から間抜けな声が漏れた。瞬間、フレシアが緒形の隣に飛び込み、緒形が咥えこんでいない方の乳房に吸い付いた。甲高い嬌声を響かせたアトラの視界に星が散った。

「ちょ、ま――ぁあーッ!!」

「……あれ、ホントに甘い。おかーさんの才能あるよ、アトラ」

「そ、そんなの要らな……んんーっ!!」

 再び乳房を吸い上げられたアトラが身体を揺らす。ぴぃん、と白い脚が水平に伸び切っていた。それを好機と本能的に見たのか、緒形は完全に勃起した乳頭から口を離すと、そのまま身体を沈め、アトラの股ぐらに潜り込む。そこでは、既にぐちゃぐちゃに濡れきったアトラの秘裂が、主人を迎えるようにぱくぱくと呼吸していた。後ろに向けて首を投げているアトラには、緒形が口を離したことしか分からない。故に、覚悟出来ないまま、新たな快楽を味わうことになった。

「あ――ぉほぉ!?」

「わ、不意打ちだぁ」

 アトラが金魚のように口を開閉する。最早、彼女は思考をすることが出来ない。アトラの蜜壺に、緒形の太い指が挿し込まれていた。人指し指をぱっくりと呑み込んだ女陰は、湿潤液をどくどくと分泌しながら、物欲しげに緒形の指を膣奥へと誘っている。緒形はそれに逆らわず、アトラの中で指を折り曲げながら、その中を探る。指が動くたびに、アトラの身体は操り人形のようにがくがくと震える。まさしく、アトラという少女は緒形の指に支配されていた。

「あっ、んぁっ、ひんっ、むぐっ、ひあ、にゃっ、あんっ、んにっ、ぁあ――」

 緒形の指を締め上げ、だらりと舌を伸ばしながら、アトラは絶頂した。緒形の身体に潮を噴きつけると、そのままがくりとソファに身を沈める。ぴくぴくとカエルのように脚を震わせるさまは、美少女であっても下品さが勝るようにフレシアには思えた。

 緒形は止まらない。今も変わらず、フレシアが身体から醸すフェロモンに理性を削ぎ取られているからだ。今度はフレシアの水着じみたショーツをひったくるように脱がせ、その具合――濡れ方だろうか――を確かめると、男は待ってましたとばかりにズボンの中から秘密兵器を取り出した。ずるり、と鞘から抜かれた大業物を視界に入れたフレシアは、一瞬でその肉幹から目を離せなくなってしまった。それは、フレシアの身体には到底収まりそうにない、人間が持ち、一般的な生活を送る前提に於いて、許されるギリギリのサイズであった。

「――あ♪」

 突き出されたそれに、フレシアは躊躇うこと無く口付けた。膨らむように滲み出すカウパーの苦味と、濃密な雄の香りが少女の口中を支配する。それだけで、フレシアは軽く絶頂していた。

「いーよ♪」

 少女は、それが収まるべき場所を男の前に曝け出してしまう。脱がされ、露出させられた、産毛の一本も存在しない恥丘。くすみひとつない、芸術作品じみた女性器を、フレシアは緒形のペニスにくっつけるように向き合わせる。無防備に己を差し出しながら、少女は言う。

 

「おにーさん、フレシアを食べて?」

 

 殺し文句に、緒形は真っ直ぐに答えた。体重をかけながら、緒形はフレシアの女陰にその巨根を捩じ込んだ。一瞬で最奥まで貫いた緒形の感触に多幸感を覚えながら、フレシアは声にならない甘い音を喉から吐き出す。ぶるり、とフレシアの身体が揺れる。ふるふると揺れるフレシアの胸を緒形が包むように握る。緒形の掌から僅かにはみ出るサイズなお椀型のそれは、やはりフレシアの体格から考えれば十二分な量感を持っている。柔らかさと硬さ、滑らかさと弾力、相反する感触を内包した最高の至宝に、緒形は指先で応えた。当然、男根のほうも忘れてはいない。ぐりぐりと奥を刺激し、時折壁をひっかくようにカリを押し付け、穿るように突き進む。

 フレシアの中は、アトラのそれとは趣が異なっていた。言うなれば、フレシアのそこは布団だ。分厚く、柔らかく、暖かく。一度入り込んだが最後、二度と出ていくことは出来そうにない、優しさが支配するマットレス。緒形の規格外のペニスすら、フレシアの膣はなんとか抱きとめようとしていた。そこを蹂躙するように、緒形は肉槍を振り回す。

「――んっ、ぃん、あっ、あっ……」

 フレシアは、緒形を抱きしめようとはしなかった。ただ、男の顔に手を添え、己の顔とくっつけたがった。緒形は逆らわない。フレシアの視界に、緒形がいっぱいに映った。決して、人間的な感性で語るならば整った容姿とはいえない、どちらかといえば無骨という形容詞が似合う男の顔。それが、フレシアにはたまらなく愛しかった。

 簡単な話だった。

「――ね。お願い。キスして?」フレシアは涙を零しながら、「私に、おにーさんを刻みつけて?」

 フレシアという雌が、緒形靖夫という雄に首ったけだという、それだけの話だった。

 ひときわ勢いよく、緒形はフレシアに突き込んだ。ぐりぐりと、フレシアの小柄な身体を踏み潰すような、荒々しいセックス。それが、フレシアの望みであると、緒形には分かっていた。

「……フレシア、出すぞ!」

「うん! ちょーだい! 私に、おにーさんを――あなたをちょーだい!」

 荒っぽく、緒形がフレシアの唇にキスを落とした。フレシアは感無量、といった表情を浮かべ、夢見心地のまま、緒形の攻勢を受け入れる。どちらからともなく舌が伸ばされ、ふたりを繋いだ。全身が絡みつく、ナメクジのようなセックス。まさしく、"蟲惑魔"のセックスイメージそのものであろう。

「ちゅぷ、れろ、ちゅりりゅ、んふっ……んむふぅぅ……。ちゅく、ちゅぷぷ……んむふぅぅぅッ!」

 びちゃぴちゃぐちゅどちゅぱんぱんぱんっ。

 水音と肉を打つ音が連続する。ふたりはまさしく獣だった。僅かに残されていた理性すら引きちぎって、ふたりは同時に快楽の果てを目指し――

「あ……っ、ふあぁっ!? はぁんっ、んっく、はぅぅぅ……!?」

「――ぐぅッ!!」

 同時に果てる。思わず口を離したフレシアの唇から、銀糸の橋が伸び、背ごと仰け反ると同時にちぎれた。緒形のペニスから射出された精液は、一瞬でフレシアの腟内を白に染めると、そのまま出口を求め圧力を高め、緒形の男根をフレシアの女陰から引き抜かせた。未だにどくどくと、心臓の鼓動に合わせて垂れ流される白濁は見ず、緒形はフレシアを見た。フレシアは気絶していた。気絶といっても、そんな壮絶なものではない。泣き笑いの――涙を浮かべた満面の笑みのまま、穏やかに意識を落としたらしく、緒形はほう、と溜め息をついた。

「……フレシア、君を、何処かで――」

 その穏やかな表情に、緒形の記憶が刺激される。そうだ。以前、自分は何処かで、彼女と――

 

「……ヤスオ?」

 

 記憶の澱を掘り起こす作業は、フレシアとは違う少女の声によって中断される。緒形は声のした方向――立った状態の己の真下に視線を投げた。

 アトラがいた。

 緒形が精液を垂れ流したまま放置していたペニスにしゃぶりついていた。アトラは、緒形のペニスをストローに見立てたように、一気に吸い込んでしまう。緒形の腰が一瞬浮くほどの衝撃と快感だった。尿道に残されていた最後の一滴まで口に含んだアトラは、口の中を咀嚼し嚥下してから、あーん、とその口を開ける。アトラの口の中に、白濁が存在した証拠は存在していない。真っ赤な粘膜の色に、思わず緒形はどきりとした。

「まだ、イケるでしょ?」

 足を広げ、女性器に手をやり、女陰を広げながら、アトラはそんな挑発をしてみせる。あの、精液を搾り取るためだけに作られたような少女の膣が、くぱくぱと手招きしているように――実際にしているのだろう――緒形には見えた。ごくり、と喉を鳴らしながら、緒形は大業物をアトラの女陰に宛てがい――

 

 

 

「……ごめん、ヤりすぎた」

 夜。結局、アトラとフレシアが気絶するまでバーサク状態だった緒形は、どうにかいきり立つ相棒を収め、少女たちの身体を清めていた。ふたりを風呂場まで運び、身体を洗ってやり、髪を整え、男物ではあるが服を着せ、少女たちを布団――万年床のものではなく、年季の入ったものではあるがしっかりと綿が入った高級品――に寝かせる。ふたりの美少女は、ハメ潰されたとは思えないような、穏やかな寝顔を緒形に見せている。

「じゃあ、行ってきます」

 部屋の電気を消し、緒形は夜の町へと繰り出していく。当然遊びに行くわけではない。仕事だ。二日続けての大乱闘の疲れを感じさせない軽やかな足取りで、緒形は町へと向かっていった。

 ダイニングに残されたのは、アトラとフレシア、ふたりの蟲惑魔が眠る布団。そのまま、夜は更けていく。

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