※この作品はR-18です。

アースガルズの次期当主   作:ボルメテウスさん

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謎の少女

駒王学園の夏休みが突入する。

 

それは、春頃に黄金の果実をきっかけで俺の家に多くのヴァルキリーが住み始めた。

 

そんな生活の中で、高校生活で初めての夏休みなので、若干ワクワクしている。

 

「にしても、日本の夏って、こんなに熱いのかよ」

 

そう言いながら、雪音は不満そうに呟く。

 

少し前まで住んでいたアースガルズに比べての話だろうが、夏服になっているYシャツに若干であるが、汗が染みこんでいる。

 

「まぁ、海外から来た人間からしたら、まぁ暑いという人が多いからな」

 

そう言いながら、雪音に麦茶を差し出す。

 

この前買った氷を入れておいたグラスには、既に水滴がついている。

 

それを手に取り、一気に飲み干す。

 

カランと鳴る音が心地よい。

 

しかし、それでもまだ暑さが残っている。

 

雪音の言う通り、海外の人間が日本にくると暑すぎると思うかもしれない。

 

そう思っていると、夏の暑さによってか、僅かに視界が揺れながら、道路の向こうで人影が見える。

 

足下まで伸びているシャギー掛った水色の髪と赤い瞳、透き通るような白い肌の少女がこちらを見ていた。

 

「んっ?」

 

誰だと、一瞬思ったが

 

「おい、どうしたんだ、紘汰」

 

「いや、ちょっと」

 

雪音の言葉を聞き、少し横を向いた。

 

一瞬だけ、視界を逸らしただけで、その少女は既に姿が見えなくなった。

 

「おい、どうしたんだ?」

 

「いや、夏の暑さにやられたかも」

 

なんだったのだろうか? 一瞬だけ見ただけなのに、妙な既視感があるような気がした。

 

それに、あの赤い宝石のような目……どこかで見覚えがあるような気がするが、それがどこなのか思い出せない。

 

一体、何者なんだと思いながらも、未だに思い出せない事には意味はない。

 

そう考えていた。

 

だが、そんな俺の思考を余所に、巨大な地響きが鳴り響く。

 

「ちっ、夏休み開始直前に狙うかよ」

 

「まったくだ」

 

そう、俺の言葉に合わせるように、そいつは現れた。

 

これまで戦ってきた敵が、伝説の生物で作り出したクローンであるならば、目の前にいる奴もおそらくそうだろう。

 

見た目から分かるが、おそらくはケルベロスのクローンだという事は分かる。

 

ただ、その姿はまるで人の形に無理矢理形成させたような歪な形であり、3つの犬の頭は別々の方向を向いている。

 

しかも、それだけではない。

 

3つの頭が別々に動いているのだ。

 

そして、それぞれが口を開くと炎のブレスを放つ。

 

「変身っ!」

 

【ソイヤッ!オレンジアームズ・花道オンステージ】

 

変身し、大橙丸を構えると同時に、俺はケルベロスが吐き出す炎を防ぐように防御態勢を取る。

 

その間に雪音は、武器であるボウガンを取り出して構えていた。

 

炎を全て出し切るのを見計らうと同時に、俺は大橙丸と無双セイバーを持ちながら、真っ直ぐとケルベロスに斬りかかる。

 

ケルベロスは、3つ首を振り回し、俺の攻撃を防ぎつつ、反撃を行う。

 

ケルベロスの爪による攻撃に対して、後ろに下がりながら攻撃を回避する。

 

「雪音っ!」

 

「あぁっ!!」

 

同時に雪音も引き金を引くと、無数の矢が放たれた。

 

しかし、ケルベロスはそれを見ても怯むことなく、3つの口から炎を吐く。

 

「ちぃっ!?」

 

炎によって、雪音の放った矢が全て溶けていく。

 

「これでも駄目かよっ!!?」

 

そう言いながらも、俺はそのままケルベロスに向かって走り出す。

 

ケルベロスは迎撃する為に、前足を蹴り上げるようにして振り下ろす。

 

それを見た瞬間に、俺は横に転がりながら回避すると、その一撃により地面が大きく陥没した。

 

なんて力だと思いつつも、俺は立ち上がると共に、大橙丸を手に戻そうとするが

 

「なっ!」

 

ケルベロスの頭の一つが大橙丸を持つ俺の腕を噛み付く。

 

すぐに無双セイバーで切り裂こうとするが、その手もケルベロスの二つ目の頭に防がれる。

 

そして、最後の一つが大きく口を開き、炎を放とうとしていた。

 

「紘汰っ!」

 

聞こえる雪音の悲鳴。

 

眼前に迫り来る炎に、俺は目を閉じようとした時だった。

 

【カモンッ!リンゴアームズ!デザイア・フォビドゥン・フルーツ!!】

 

聞こえてきた音声に驚き、目を開けるとそこには赤い装甲をした戦士がいた。

 

手にしている大剣で、ケルベロスの頭を一刀両断にした。

 

切断された事により、大橙丸を持つ手が空いた。

 

俺はそのまま、もう片方の手を自由にさせる為に、噛み付いているケルベロスの頭を切り裂く。

 

すぐに俺はその場から離れると共に、先程助けた人物を見る。

 

そこに立っていたのは、俺が未だに生み出す事ができないリンゴロックシード。

 

そのリンゴロックシードに変身している、仮面ライダーイドゥンがいた。

 

「なんで」

 

俺はその存在に驚きを隠せなかった。

 

「まだ、倒せていない」

 

イドゥンからの一言に、俺はすぐにケルベロスの方を見る。

 

先程まで、俺とイドゥンによって切り裂かれた首は瞬く間に再生していた。

 

「状況は未だに分からないけど、やるしかないな」

 

その言葉と共に、俺はドリアンロックシードを取り出し、戦国ドライバーに装填する。

 

【ソイヤッ!ドリアンアームズ・ミスターデンジャラス!】

 

頭上に出現したドリアンアームズが展開すると、そこからドリアン型の鎧が出現する。

 

「雪音、援護頼むぞ」

 

「あぁ、任せておけ」

 

雪音が返事をするのと同時に、俺はケルベロスに突撃していく。

 

それに合わせるように、無言でイドゥンもまた仕掛けていく。

 

両手にはノコギリのような剣、ドリノコでケルベロスの足下を切り刻んでいく。

 

ケルベロスの巨体では、動きにくい場所を的確に攻める事で、動きを封じる。

 

それと共にケルベロスは先程と同様に俺に噛み付こうとした。

 

だが

 

「噛み付くと、痛い目に合うぞ」

 

噛み付いた部分は、ドリアンアームズのトゲであり、その痛みにケルベロスは大きく吠えた。

 

その隙を狙い、俺は大橙丸でケルベロスの首を切る。

 

「これでどうだっ!」

 

斬られた部分から、血が噴き出し、ケルベロスの動きが鈍くなる。

 

「紘汰っ!」

 

雪音の声を聞きながら、イドゥンはそのまま俺に襲い掛かろうとしたケルベロスの頭を切り裂く。

 

真っ直ぐと切り裂いた事による傷跡は深く、ケルベロスの頭は左右に割れていく。

 

それでも、ケルベロスは倒れる様子を見せない。

 

だが、隙を作るには十分だった。

 

【ソイヤッ!ドリアンスカッシュ!】

 

音声が響くと、俺はその場で飛び上がり、空中で回転すると同時にケルベロスに向かって、ドリノコを振り下ろす。

 

振り下ろしたドリノコにエネルギーが集中し、ケルベロスに直撃した瞬間に大爆発が起きる。

 

爆煙に包まれている中、俺は着地する。

 

「倒せたか」

 

見ると、既にケルベロスが倒された事によって、俺と雪音の視線は、イドゥンへと向けていた。

 

「助けて貰った事には礼を言う。

 

だが、てめぇは一体何者だ」

 

そうボウガンを構えながら、雪音は尋ねる。

 

それに対して、イドゥンはゆっくりと、リンゴロックシードを閉じ、変身を解除させる。

 

「えっ」

 

それは、先程まで俺が幻覚だと思っていた少女。

 

それが、イドゥンの変身者というのは驚きを隠せなかった。

 

だが、それ以上に驚いているのは、雪音だった。

 

「お前、綾波なのかっ!?」

 

「知っているのか?」

 

「ワルキューレの中でも、一番よく分からない奴だ。

 

けど、なんで、戦国ドライバーを持っているんだ。

 

それは、黄金の果実を持つこいつしか作れないはずだが」

 

「彼が、作れた。

だからこそ、私も作る事ができた」

 

「はぁ?」

 

綾波の言葉に、俺も雪音も困惑しかなかった。

 

だが、その言葉は確かに真実だと言う事しかは分からなかった。

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