その日、俺は鎧武としての力をより理解する為に模擬戦を行っていた。
相手は、俺と最も戦い方が似ているセレナと行っていた。
「どうでしょうか?」
「う~ん」
戦いが似ている事もあり、より強くなる方法を見つける事ができるかと思ったが、やはりそう上手くはいかない。
「北欧魔術を学ぶとしても、あまりにも時間が足りない以上、今の鎧武としての戦い方を伸ばすしかないですが」
「それでも、やはり限界があるな」
原作以上のアームズチェンジが行える利点があるとはいえ、戦う相手が神な以上、それだけでは足りない。
ならば、俺自身が鍛える必要があるのだが、現状、セレナ以上に戦い方が似ている人物はない。
「この状況ならば、あの子が適任かもしれませんが」
「他のワルキューレのメンバーか?」
「えぇ、まだ来ていない3人の内の1人です。
戦い方としては、紘汰さんに近いのですが」
「まぁ、幸い、冬休みまでまだまだ時間はあるからな」
その言葉と共に、俺は立ち上がる。
「それに、こういう時には実践がぴったりだからな」
「っ」
その言葉と共に俺はオレンジロックシードを取り出す。
既に何度も襲撃があった為、その気配。
「セレナ、悪いけど、他に被害があるかもしれないから、頼めるか?」
「えぇ、ですが」
「まぁ、なんとかな」
【オレンジ】
その言葉と共に、俺はすぐに戦国ドライバーにオレンジロックシードを装填する。
「変身!」
【ソイヤッ!オレンジアームズ!花道・オンステージ!】
鎧武へと変身した俺がまず行った事は無双セイバーで切り上げる事だった。
その手に持つ鎌を思わせる武器に激突した無双セイバーは火花を散らしながら、攻撃を受け流す事ができた俺はそのまま滑り込むように離れる。
それと共に睨み付けた先にいたのは、蛇と女性が合わさった怪物だった。
それはいわゆるナーガだと思われる存在であり、その手には鎌を持っていた。
同時に無双セイバーをガンモードに切り替え、ナーガに向けて、引き金を放つ。
無双セイバーから放たれた光の弾丸はナーガに向かって、迫るが、変幻自在の動きで攻撃を避ける。
既に弾丸を再装填する暇のない俺はもう片方の手にある大橙丸を同時に構え、迎え撃つ。
俺よりも遙かに巨大なナーガはその手に持つ斧を振り下ろしてくる。
攻撃範囲もそうだが、俺よりも遙かに大きな巨体という事もあり、その攻撃力は俺よりも高い。
「だけどっ」
先程の斧の受け流しでコツを掴む事ができ、無双セイバーでその攻撃を再度受け流す。
同時に大橙丸を使い、ナーガへと斬りかかる。
しかし、ナーガは攻撃に使っていた鎌を構えて、その攻撃を受け止めた。
俺の身体よりも長い鎌の持ち手部分に刃がある事でその攻撃を防ぐ事ができる。
そしてそのまま鎌を振るって来た。
その攻撃を何とかかわし、再び距離を取る。
くそっ、やっぱりあの大きな鎌が厄介だな。
あんなリーチの長い武器だと接近戦を仕掛けても懐に飛び込む前に斬られてしまう可能性が高い。
「流れるように、攻撃を行う」
それは一種の賭けかもしれない。
俺はその言葉と共に、懐から別のロックシードを取り出す。
【キウイ】
その音声と共に、俺はそのまま戦国ドライバーにキウイロックシードを装填する。
【ソイヤッ!キウイアームズ!撃・輪・セイヤァー!!】
それと同時に頭上から降ってくるキウイ型のアーマー。
それと共にキウイアームズの武器であるキウイ撃輪を両手に装備すると、一気に走り出す。
それに対してナーガもまた、鎌を構えたままこちらへ突っ込んでくる。
俺とナーガの距離が急速に縮まり、そして次の瞬間にはお互いの武器をぶつけ合う。
だが、俺の攻撃はナーガの鎌によって受け止められてしまう。
だが、キウイ撃輪は湾曲した鋭利な刃となっており、そのままくるりと俺は自身の身体を軸に回転させ、そのままもう一つのキウイ撃輪を投げ飛ばす。
投げ飛ばされたキウイ撃輪はそのまま弧を描きながら飛んでいく。
そしてそれがナーガの顔のすぐ横を通り過ぎた直後、そのまま俺は手に持ったキウイ撃輪ナーガの胴体を切り落とす。
「っ!」
ナーガはそのダメージを受けて、驚きを隠せないが、そのまま俺はさらに距離を詰める。
今の一撃で決めるつもりはない。
この場では、俺が圧倒的に不利だ。
だからこそ、今のうちに少しでもダメージを与える必要があるのだ。
そう思いながら俺が再び攻撃を仕掛けようとした時だった。
投げ飛ばしたキウイ撃輪が、ナーガを切り落とす。
「っ!」
見ると、そこにいたのは青髪の少女だった。
その手にはキウイ撃輪を持っている事もあり、彼女がナーガに攻撃を仕掛けた事が分かる。
「今は、目の前の敵に」
少女の言葉を聞き、頷くと同時にキウイ撃輪を再び構える。だが、それよりも早くナーガの方に変化があった。
なんと、彼女の持っていた鎌が徐々に大きくなり始めたのだ。
まるで、その鎌そのものが巨大化しているかのように。
そんな変化を見せられた事に驚くが、それ以上に驚いた事がある。
その巨大になった鎌を手に持つナーガが振り下ろす。
だが、その攻撃に対して、キウイ撃輪でその攻撃の軌道を変える。
その隙を狙うように少女が攻撃を仕掛ける。
そのダメージは大きく、鎌を振るう事もできなくなったのか、一旦ナーガは下がる。
しかし……。
「それは外れだよ」
【ソイヤッ!キウイオーレ!】
その音声が鳴り響くと共に、俺と少女のキウイ撃輪に緑色のエネルギーを纏う。
それを確認してから、俺は一気に駆け出した。
今までよりも速く動き、ナーガとの間合いを一瞬にして縮める。
それは背後から少女が投げたキウイ撃輪が後ろから迫る。
そして、俺は正面。
そのまま二つのキウイ撃輪を前後から挟み込むようにして切り裂く。
それによってナーガの動きは完全に止まる。
同時にナーガは大きな爆発を起こす。
戦いは終わり、俺達は変身を解く。
「君は」
「あなたが、黄金の果実の所有者」
そう、俺に確認するように聞いてくる。
「そうだな。
君は」
「ヴァルキリーの1人、野中柚希。
遅れてしまい、申し訳ないです」
彼女は頭を下げると共に謝罪する。
「そんな事ないよ。
それよりも「紘汰さん、無事でしたか!」セレナか」
そこで、セレナが合流してきた。
「セレナ先輩」
「あっ柚希ちゃん!良かった、間に合ったのね」
「どういう事?」
俺はそのまま首を傾げる。
「柚希さんは、ヴァルキリーの中でも武具に関しては器用で、そのレパートリーは豊富です。
だから」
「ある意味、鎧武の力を使いこなす為の修業相手には丁度良いのか」
その言葉にセレナは頷く。
「悪い、いきなりだけど」
「問題ありません。
遅れた分、取り返す為でしたら」
俺の言葉に、そのまま同意するように頷く。
どうやら、少しは希望が見えた。
「それにしても、真面目な柚希さんが遅れるのは、珍しいですね」
「うっ」
「?」
そう、セレナの一言に少し戸惑う彼女。
「色々と、手伝わされていた。
主に紫穂に」
「あぁ、なるほど」
誰かの名前だろうか?
以前にも聞いた事があるようだが。
「残りのメンバーが来た時、どうなるんでしょうか」
そう、苦笑いするセレナの表情に、俺は心配になってしまった。