※この作品はR-18です。

アースガルズの次期当主   作:ボルメテウスさん

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黄金の果実の力

オーディンと名乗る謎の爺さんから、アースガルズの後継者として選ばれてから1週間。

 

俺は未だにその状況について来られないが、ロキと名乗る神からの襲撃に備える為に、自身が身に宿っている神器『黄金の果実』についてを知る為に行動していた。

 

爺さんに置いて行かれてしまったロスヴァイセさんと共に、黄金の果実についてを調べているが、未だにその謎は多すぎる。

 

神器に関しても、ロスヴァイセさんからは、人間の身に宿る、規格外の力。

 

聖書の神が人間に与えたもので歴史上の偉人の多くが神器所有者としか教えられていない。

 

しかも、『黄金の果実』に関しては、これまで所有者がいなかった事もあり、基本的な使い方すら、未だに不明。

 

ようやく行えたのは、身体から『黄金の果実』を実体化させる事だけであり、それ以上は何もできなかった。

 

「これは、本当に困りました。

 

あまりにも資料が少なすぎる」

 

「なんだか、本当に申し訳ない」

 

そうして、『黄金の果実』を実体化させながら、俺はロスヴァイセさんに見て貰っているが、未だに謎が多い。

 

「気にしないでください、紘汰さん。

 

私の役目はあなたを守る事ですから。

 

それに、例えアースガルズの次期当主にならなくても、こちらに巻き込んだ責任は最後まで持ちますから」

 

そうして、俺を気遣ってくれるロスヴァイセさんには本当に悪いと思ってしまう。

 

本来ならば、アースガルズに帰る予定の彼女をこうして、俺の事に付き合って貰う。

 

そして護衛という事で、色々と世話をしてくれる彼女には本当に頭が上がらない。

 

「しかし、本当に未知な部分が多いです。

 

黄金の果実に関しても、私達も人間界で出ている程度の情報しか分からず、知恵の実とも言われています。

 

それがどのような事ができるのかも」

 

そう言いながら、ロスヴァイセさんは未だに解く事ができない『黄金の果実』の事に頭を悩ませる。

 

そんな中で、俺は『黄金の果実』を見つめる。

 

「似ているけどな」

 

それは、俺が昔から見ている作品によく似ている。

 

確かに、その作品でも、黄金の果実が物語の中心であり、この『黄金の果実』を元ネタにしていると考えても良い。

 

もしも、あの作品と同じならば、話は簡単だけど。

 

そう悩んでいる時だった。

 

「っ、紘汰さん!」

 

聞こえた声、同時にロスヴァイセさんの格好が変わった。

 

これまでスーツを身に纏っていた彼女はワルキューレの鎧に一瞬で着替えると共に、俺の前に魔方陣の盾を展開させる。

 

同時に魔方陣の盾に衝撃が走り、俺は見つめる。

 

「既にロキ様の刺客がここにっ」

 

そう言いながら、ロスヴァイセさんは魔方陣の盾の先に見える敵を見る。

 

その姿を見た瞬間、俺は驚く。

 

そこにいたのは狼だった。

 

「あいつは一体」

 

「ガルム。

 

ニブルヘイムと現世の境界を守っている猟犬のはずですが、おそらくロキ様が作り出したクローンでしょう」

 

そう言うと同時にロスヴァイセさんは構える。

 

その魔方陣からガルムに向けて、魔力弾を放つが、ガルムはそれを回避し、そのまま俺達に襲い掛かってきた。

 

襲いかかってくるガルムに対して、俺は身構えると、ロスヴァイセさんが前に出る。

 

ガルムが噛み付こうとした牙を掴み、動きを止めると、ロスヴァイセさんはガルムを投げ飛ばした。

 

投げ飛ばされたガルムはそのまま地面に激突するが、すぐに起き上がる。

 

「ロスヴァイセさん、大丈夫です」

 

「えぇ、なんとか」

 

そう言いながらも、その手は先程のガルムの牙で傷ついたのか、血が出ていた。

 

目の前にいる彼女に守られている。

 

これまで、戦いなど行った事のない俺のせいで傷つけてしまった。

 

その事を痛感すると共に、『黄金の果実』を握り締める。

 

これが、どんなのか分からない。

 

だけど、もしも、あの作品の、あの主人公のように戦えたら。

 

そう俺が強く握り締めると共に、『黄金の果実』の光は強くなる。

 

「これはっ」

 

その輝きに、ロスヴァイセさんも、ガルムも驚きを隠せなかった。

 

しかし、俺はその光を浴びながら、脳裏に叩き込まれる記憶。

 

それは、俺が何度も見ていたあの作品。

 

そして、その視点はテレビではなく、まるでその人物になったように、流れ込む。

 

「っ」

 

同時に『黄金の果実』にも変化が起きる。

 

それまでは、辛うじて果実という形としか分からなかったそれはまるで錠前のように形が変わる。

 

錠前にはオレンジがあり、腰にはあの番組で何度も出てきたベルト、戦極ドライバーだった。

 

「まさか、黄金の果実の能力はっ」

 

「それは一体」

 

その変化に驚く俺とロスヴァイセさん。

 

しかし、その驚きの種類はきっと違うだろう。

 

すぐに俺は、『黄金の果実』が変化した『オレンジロックシード』を起動させる。

 

【オレンジ!】

 

鳴り響く音。

 

それは確かに俺がイメージした通りの音であり、同時に俺はそのまま『オレンジロックシード』を戦国ドライバーに装填する。

 

装填した事に合わせるように鳴り響く法螺貝の音。空間にはジッパーが現れ、その中からはオレンジの鎧が現れる。

 

「まさか、これが黄金の果実の力」

 

驚きを隠せないロスヴァイセを余所に、俺はそのまま構える。

 

「変身!」

 

その言葉と共に戦国ドライバーの中心にロックシードをカッティングブレードを倒すことで、ロックシードを開く。

 

【オレンジアームズ!花道・オンステージ!】

 

俺が姿を変えた瞬間、周囲に響き渡る音楽。

 

そして、俺の頭上から現れる、巨大なオレンジ色の果実。

 

オレンジが俺の身体を包み込むと共に、俺は仮面を被る。

 

それは、まさに鎧武者の姿。

 

身体はオレンジの鎧に覆われ、手に持っているのは大橙丸。

 

頭部には、顔を隠すような兜が装着されている。

 

そうして現れた姿に、ロスヴァイセさんは驚いた表情を浮かべる。

 

「それは」

 

「仮面ライダー鎧武。

 

それが、今の姿だ」

 

この変身によって、俺はようやく『黄金の果実』の能力が分かった。

 

『黄金の果実』の能力。

 

それは「あらゆる道具の生成」を行う事ができる創造系における魔獣創造と対になる存在。

 

アダムが黄金の果実を食べる事で得た知識、つまりは人間が生み出す事ができる可能性のある全ての道具を作れる可能性を持ち、作り出した道具を通して、その知識を得る事ができる。

 

そういう意味では、この能力は強力だ。

 

それが、この『オレンジロックシード』と『戦国ドライバー』を作り出した瞬間に、脳裏に流れ込んだ映像と共に理解した。

 

「けど、やはり、こういう能力はデメリットが大きいな」

 

オレンジロックシードと戦国ドライバーを作り出した瞬間から響き渡る頭痛。

 

これは今の俺では作れない道具を、『黄金の果実』の力で作り出したせいだ。

 

自身の力以上の物を作った事で、脳がオーバーヒートしている。

 

今すぐにでも倒れたい所だけど

 

「それでも、今は、この人を守る為に」

 

そう、俺は手に持った大橙丸を構えながら、目の前にいるガルムに目を向ける。

 

「ここからは、俺のステージだ!」

 

そう叫ぶと同時に、俺は地面を強く蹴り、走り出した。駆ける。

 

それは今まで俺が想像していたよりも速く、まるで風になったかのように感じる。

 

その勢いのまま、俺はガルムに向けて斬りかかるが、ガルムは素早く回避する。

 

しかし、ガルムの動きを先読みするように、俺は次々と斬撃を放つ。

 

だが、腰にある無双セイバーを抜いて、それを振るうと、俺の攻撃とガルムの攻撃を相殺する。

 

そうしながら、俺は再び大橙丸を振り上げると、そのままガルムの顔面に向かって振り下ろす。

 

しかし、それをガルムは横に跳ぶ事で避けた。

 

その動きを見た瞬間、流れるような動きで俺は後ろ回し蹴りを放ち、その足をガルムの首元に放つ。

 

「がっ」

 

足から伝わる確かな感触と共に、ガルムは吹き飛ばされる。

 

しかし、空中で態勢を整えて、ガルムはそのまま着地すると、こちらを睨んできた。

 

だが、それが一瞬の隙が、必殺技を放つには十分だった。

 

俺は無双セイバーと大橙丸を1つに合わせ、無双セイバー ナギナタモードにする。

 

同時に戦国ドライバーに装填されているオレンジロックシードをそのまま無双セイバーにセットする。

 

【ロックオン!イチ・ジュウ・ヒャク・セン・マン】

 

鳴り響く法螺貝の音。

 

それに合わせるように、俺はグリップを握る。

 

「はぁああああっ!!」

 

叫び声と共に、俺はそのままトリガーを引く。

 

放たれたエネルギーの刃は、そのまま一直線にガルムに向かう。

 

「ぐっ」

 

咄嵯にガルムも防ごうとするが、それも虚しく、エネルギーの刃はガルムに当たる。

 

同時にガルムはその身体をオレンジ型のエネルギーに閉じ込められ、身動きが取れない。

 

俺はそれと共に無双セイバーを構え、ゆっくりと歩きだす。

 

「はあああああっ」

 

そのまま、俺は大橙丸を上に持ち上げると、そのままエネルギーに包まれているガルムに振り下ろした。

 

その一撃は見事に直撃し、そのままオレンジ型のエネルギーごとガルムを叩き割った。

 

「……」

 

鎧を解除し、倒れそうになる俺。

 

そんな俺の身体を誰かが支えてくれる。

 

それは、ロスヴァイセさんだった。

 

彼女は俺の事を心配そうな表情で見つめる。

 

その瞳には涙が浮かんでいた。

 

「紘汰さん。大丈夫ですか?」

 

「えぇ、何とか」

 

彼女の言葉に答えながらも、俺は動けなかった。

 

「いやぁ、少し無茶をしてしまった」

 

「本当ですよ」

 

苦笑する俺に、ロスヴァイセは怒った様子を見せる。

 

「黄金の果実の力を使って、ここまでボロボロにされるなんて、予想外です」

 

「いやまぁ、それは俺が未熟だったという訳で」

 

そう言いながら、俺は身体を起こす。

 

そうして、改めて自分の身体を見てみると、確かに凄まじく痛かった。

 

黄金の果実の力をフルに使った反動は相当なものだ。

 

だけど、分かった事も大きい。

 

「いやぁ、これは、たぶん、これ以外は無理かも」

 

黄金の果実は、他の創造系とは違い、本物と一切変わらない物を作り出す事ができる。

 

だが、作り出す際には、それに対する知識量が多くなければ、作り出す事はできない。

 

たぶん、俺が伝説の聖剣などを見て、作り出した瞬間、俺は死んでしまうだろう。

 

だからこそ、俺が作り出せるのは、仮面ライダーの中でも最も好きな鎧武。

 

それに関するアイテムだけ。

 

しかも、オレンジロックシードを作り出すだけでもこの疲労だ。

 

おそらく、エナジーロックシードを作り出す事はできない。

 

「それでも、一歩前進だ」

 

何も分からなかった状況に比べれば、かなり大きな進歩だ。

 

まぁ、それでも黄金の果実に関してはまだまだ分からない事が多いけどな。

 

「とりあえず、今日はもう帰りましょう」

 

「そうですね」

 

そう言うと、俺はふらつきながら立ち上がりながら、俺達は家に帰った。

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