俺の学校では美人がかなりいる。
それは元々女子校だった事もあるが、その教師のレベルの容姿もかなり高い。
その事は認めるが
「イッセー、なんというか、幾ら何でも無謀過ぎるだろ」
そこには、何も喋れなくなった屍になったイッセー達がいた。
もう既に覗きをする事を止めるのも馬鹿馬鹿しくなったが、今回はターゲットがヤバ過ぎた。
「紘汰だったか。
すまないが、そこのバカ共を連れて行ってくれ」
「了解しましたぁ」
そのターゲットこそ、目の前にいる教師、織斑千冬先生である。
教師であり、長身でスーツの似合う美人だ。
だが、それ以上にその身体能力がはっきり言うとやばい。
理由は分からないが、長い事、鎧武として戦っていたからこそ、剣の扱いは慣れたつもりだった。
だが、直感だったのか、織斑先生からは、見たことないが、剣の腕がやばい。
それだけが、伝わっていた。
「さってと、イッセー達の事だから胡蝶先生に任せておけば大丈夫だけど」
そう俺はそのまま家に帰ろうとした。
「んっ」
それと共に、俺に突き刺さる視線。
それは車からであり、歩道を歩く俺に向かって、真っ直ぐと走っていた。
「おいっ、マジかよ?!」
その車はそのまま俺に向かって、走ってくる。
これまで、何度も命を狙われたが、こんな事は初めてだった。
俺はすぐに人気が少ない駐車場へと逃げ込み、壁走りをしながら、取り出した戦国ドライバーとオレンジロックシードをそのまま装填する。
「変身っ!」
【オレンジアームズ!花道・オンステージ!】
その音声と共に、俺は鎧武へと変身すると共に、その手に持った大橙丸を振り下ろす。
車から襲い掛かる視線を探る為に振り下ろしたその一撃は車の屋根を切り落とし、中にいる存在を目にする事ができた。
だが、そこにいたのは人間ではなく人外だった。
「おいおい」
それはまさにゴーレムだった。
ゴーレムは、そのまま振り下ろした大橙丸を、その腕と一体化しているバールを思わせる武器で、斬撃を受け止める。
岩石というよりも、鉄だと思わせるその腕は、大橙丸を軽く受け止める事ができ、すぐに俺を吹き飛ばす。
鋼鉄の身体を持つゴーレムは、その身体から出る怪力は想像よりも強い事は、先程の大橙丸での攻撃でよく分かる。
「さて、どうするか」
未だに目の前にいるゴーレムがどのような能力を持つか、油断はできない。
俺は未だに様子見という事も兼ねて、腰にある無双セイバーと共に二刀流で構え、動き出す。
その頑丈な身体の代償なのか、先程と同様に大橙丸と無双セイバーを受け止める。
しかし、避ける事ができないのか、その動きは簡単に見切る事ができる。
「避ける事はできるけど、この頑丈な身体は厄介だな。
だったら」
俺はすぐにレモンエナジーを手に持つ。
しかし、それを狙ったようにゴーレムは俺の方に鍵を思わせる武器を向ける。
「なに?」
同時にレモンエナジーを開く事ができなかった。
疑問に思う俺を余所にゴーレムは次々と周りにある車に向けて、鍵を向ける。
すると、先程までエンジンが掛かっていないはずの車が動き出していた。
「これって、一体っ!?」
驚いている俺を余所にゴーレムの身体から出てきた鎖はそれらの車に巻き付け、俺に向けて襲わせる。
急いで、俺はその車からの攻撃を避けるように後ろへ飛ぶ事で回避する。
だが、それが狙いだったかのように、ゴーレムはその腕を振り下ろしてきた。
それをなんとか、大橙丸で防ぐも衝撃までは殺せず、吹き飛ばされる。
「ロックシードが起動しない?
いや、開かない?っ!」
それと共に、俺は戦国ドライバーを見ると、先程までしっかりと挟まっているオレンジロックシードが地面に転がっている。
未だに変身が解けていない事も考えても、オレンジロックシード自体の力が消えていない。
それはつまり
「あれは、対象の鍵の開閉を自在に行えるという訳か」
厄介な能力だと自覚し、そのまま無双セイバーと大橙丸を構える。
先程の斬撃でも分かったが、このまま、この二つの武器では、おそらくゴーレムを倒す事はできない。
しかし、武装を変えようにも、ロックシードは使えない。
「だとすれば、一瞬だけでも奴の気を逸らす必要がある」
ロックシードは例え開いていても、ベルトにセットすれば良い。
ならば、僅かでも、ゴーレムの気を逸らせば良い。
問題はどうやってやるべきか、そう考えている時だった。
「なら、その刀、少し借りるぞ」
突然、聞こえたその言葉。
同時に俺の手に持っていた無双セイバーは誰かに取られた。
「えっ、織斑先生!?」
そこには、体育教師であるはずの織斑先生がいた。
何が起きたか分からず、無双セイバーを軽々と持った先生はそのままゴーレムの身体を切り裂く。
その一撃は、俺よりも深く傷つけ、ゴーレムはそのまま織斑先生の方へと目を向ける。
「貴虎かよ。まぁ良い!」
俺はそのまま、新たなロックシードを取り出す。
【ドリアンエナジー!】
それは、レモンエナジーやメロンエナジーと同様に、既存のロックシードをエナジーにした物。
その一つであるドリアンエナジーだった。
硬い装甲を持つゴーレムに対抗するならば、こちらの方が良いと判断し、俺はそのままドリアンエナジーをそのままベルトに装填する。
【ミックス!オレンジアームズ!花道・オンステージ!ジンバードリアン!ハハァ!】
その音声と共に、ジンバーで共通の陣羽織にドリアンの輪切りが描かれた姿に変わる。
そして、すぐに俺はジンバーアームズに共通の武器であるソニックアローを取り出し、矢を放つ。
放たれた矢はゴーレムの強固な肉体を貫くも、ダメージを与えた様子はない。
「いや、待てよ」
それと共に、俺はある疑問と共にソニックアローを構え、そのまま走り出す。
先程と同様に車はこちらに迫ってくるが、俺はそれらの車の上に乗り越え、手に持つソニックアローの刃をゴーレムに向けて、振り下ろす。
すると、ソニックアローの刃はまるでチェンソーを思わせる音と共に、鋼鉄のゴーレムの装甲を切り裂く。
「やっぱり」
ジンバーアームズの特性は、本人だけではなく、武装にも影響する。
それもあってか、ソニックアローの刃の部分はドリアンの棘を思わせる刃が出ており、それがチェンソーのように回転している。それにより、通常の斬撃以上の攻撃力を生み出しているのだ。
しかし、それでもまだ足りないのか、ゴーレムの身体には大きな傷がついただけで致命打には至っていない。
だが
「十分だな」
先程の攻撃で、ゴーレムの武器である鍵が切り裂いていた。
俺はそれと共にドリアンエナジーロックシードをソニックアローに装填し、戦国ドライバーを操作する。
【オレンジスカッシュ!】
それと共にソニックアローの矢はドリノコ型のエネルギー矢に代わり、その狙いは真っ直ぐとゴーレムに向いている。
それを見たゴーレムは慌てて、逃げようとするが、それよりも早く俺の攻撃の方が早い。
そして、俺の攻撃はゴーレムの身体を貫き、爆発を起こした。
「はぁ、なんとか倒せたか」
「あの程度で、慌てるか」
その言葉と共に話しかけたのは織斑先生だった。
先程のスピードを考えても、明らかに人間離れしているが
「もしかして、悪魔ですか?」
「いいや、一応ヴァルキリーだな。
それは、お前も知っているだろ」
まさかの関係者だった。
「なんだか、あの学校で、関係者が多すぎません」
「運営しているのが、悪魔だからな」
その言葉に、どのように返事をして良いのか、思わず困惑してしまう。
テュールのヴァルキリーとして織斑千冬を選んだ理由としてですが、単純に戦闘という面で活躍しそうなのが、彼女という単純な理由です。