※この作品はR-18です。

アースガルズの次期当主   作:ボルメテウスさん

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家庭教師が来る

「家庭教師?」

 

その話題は、もうすぐ春休みに入る前の出来事だった。

 

「はい、アースガルズの次期当主として、まだ知識が不足しているので」

 

「まぁ、確かに」

 

俺自身、北欧神話に関しては、鎧武に触れた程度しか知らない。

 

そう考えれば、ロスヴァイセさんの言葉も分かる。

 

「何より、その、私達のメンバーで、そういうのを教えるのに適している人物は残念ながら」

 

「あぁ」

 

一応学校の教師である織斑先生達だが、それは体育と保健室。

 

知識の方面では、モルガンさん達が頼りになるが、教師に適しているかと、言われると疑問だ。

 

「とにかく、今日、確か来るはずですので。

 

私、迎えに行きますね」

 

そう言って、ロスヴァイセさんは出掛けていった。

 

「それにしても、家庭教師か」

 

これまでにない人物という事で、俺も少し疑問に思う

 

そんな疑問と共に俺はまた出掛ける事にした。

 

最近はロキからの刺客もそうだが、北欧神話以外の存在が出てくる可能性がある。

 

散歩しながら、感じる気配。

 

「どこから」

 

そう、周りを見渡すが、どこにも敵がいない。

 

「最近、刺客に怯えすぎか?」

 

俺がそう言った。

 

だが、その気配は周囲ではなく、地面からだった。

 

その殺気から逃れるように避け、その姿を見る。

 

全身を鋭い骨で覆われたハイエナの獣人と言うべき姿を持ち、両腕にも骨の意匠のパンチグローブを身に着けている怪人。

 

「グールか。

 

いきなり、地面から、本当にゾンビみたいな奴だな!」

 

その言葉と共に、グールはこちらに目を向けると共に、そのパンチグローブで襲い掛かる。

 

俺はすぐに戦国ドライバーに、オレンジロックシードを装填し、その攻撃を避ける。

 

「変身っ!」

 

【ソイヤッ!オレンジアームズ!花道・オンステージ!】

 

音声が鳴り響くと共に、俺の頭上からオレンジ色の鎧が出現して被さり、そして展開して鎧となる。

 

それと同時に右手には無双セイバーが現れる。

 

俺はすぐさま剣を構え、グールに向かっていくと、グールはこちらの動きに合わせて拳を振るう。

 

それを無双セイバーで防ぎながら、大橙丸で攻撃を仕掛けるが

 

「硬っ!」

 

その装甲は硬く、刃が通らない。

 

それと共にグールは俺に向かって、その拳を振り上げる。

 

俺はなんとかその攻撃を避けるが、風圧だけでも、その拳の威力が如何に強いのが、よく分かる。

 

なんとか攻撃を避ける中で

 

「紘汰さん!」

 

「甘露寺さんと、また誰!?」

 

そこには、赤い髪の女性であり、雰囲気はどこかロスヴァイセさんに似ている気がするが

 

「あなたが、噂の紘汰さんですか。

 

それよりも、紘汰さん。

 

そこにいるクローンの弱点はおそらくは、腹部です」

 

「腹部だって?」

 

その言葉に疑問に思いながらも、目の前にいる赤い髪の女性はなぜか信じられるような気がする。

 

「だったら、試すしかないか」

 

「私も、力を貸します」

 

その言葉と共に、俺はこの状況を打開する可能性のあるチェリーエナジーロックシードを起動させる。

 

同時に甘露寺さんもまた俺に手を伸ばす。

 

【ミックス!オレンジアームズ!花道・オンステージ!ジンバーチェリー!ハハーッ!】

 

音声が鳴り響くと同時に、俺はジンバーチェリーへと変身する。

 

それと共に甘露寺さんもまたロックシードへと変わり、そのまま無双セイバーに装填する。

 

無双セイバーは甘露寺さんの力を感じ取るように、刀身の長いムチの様な刀となり、軽く振るだけでも新体操のリボンのように変幻自在に形が変わる。

 

「これならば、行くぜ!」

 

それと共にジンバーチェリーの能力である高速移動で、そのままグールに斬りかかる。

 

だが、その攻撃に対してグールは素早い動きで回避する。

 

だしかし、変幻自在に変わる無双セイバーの刃はまるで意思を持っているかのように動くため、その攻撃を避けられても問題はない。

 

俺はそのまま無数とも言える程の連撃を放つ。

 

それは確実にグールを捉えていた。

 

厚い骨の身体で守っていた。

 

だけど、徐々にその守りが崩れ始める。

 

一撃、二撃と受け続けるうちに、骨の鎧に亀裂が生じ始めたのだ。

 

そうしている間に、俺の攻撃により少しずつではあるが、グールの肉体を削り取っていく。

 

そうしていく内にグールの動きは徐々に鈍くなり始めていく。

 

【イチ・ジュウ・ヒャク!甘露寺チャージ!】

 

「壱ノ型 初恋のわななき」

 

大きな踏み込みからしなる刃の一太刀で、すれ違いざまに目にもとまらない程の速さの斬撃を繰り出す。

 

全身を防御しており、その一撃はグールの腹部を貫く。

 

弱点である、腹部は見事に切り裂かれており、そこから緑色の血が吹き出す。

 

それにより、グールは倒れ込む。

 

それを見た俺はゆっくりと構えを解き、変身を解く。

 

「えっと、そっちの方は?」

 

そう、俺はロックシードを解除すると共に甘露寺さんに確認する。

 

「えっと、こちらの方はロスヴァイセさんの学友で」

 

「はい、私、ヨルズ様に仕えるワルキューレのアティです。

 

それと、今日から、紘汰さんの家庭教師に雇われました」

 

その言葉に、思わず疑問に首を傾げる。

 

「家庭教師って?」

 

「紘汰さんは、まだアースガルズの知識が不足すぎます。

 

なので、私が教えることになりまして……」

 

「ああ、うん」

 

まさか、この人が、例の家庭教師だとは、予想していなかった。

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