ロキが、次に送ってくるだろう刺客に備えて、俺はその日も鎧武としての力を高める為に行動していた。
これまでの特訓で、エナジーロックシードについて、一通り学び終えた事で、俺は次の段階であるカチドキアームズになる為に特訓を始める。
しかし、このカチドキアームズへの段階がなかなかに難しい。
「やはり、こいつになるには、相当な鍛錬が必要だよな」
そう言いながら、俺はカチドキロックシードになりかけている物を見つめる。
カチドキアームズとは、仮面ライダー鎧武の中間パワーアップ形態である。
しかし、単純なパワーだけで言えば、鎧武の中でも最強形態である極アームズを越える力を持つ。
だが、その形態になる為のカチドキロックシードの生成には、未だに苦戦している。
「どうしたもんか」
そう言いながら、俺はそうしていると
「どいてどいてぇ!!」
「んっ、ふげぇ!?」
聞こえた声。
何かと思い、振り返ると共に、俺に襲い掛かってきたのはピンク色の衝撃だった。
腹部に当たる何かに俺は混乱しながら、そのまま地面に倒れ込む。
「なっなんだ」
俺はすぐに起き上がる。
見ると、俺の上にはピンク色の軍服を身に纏った小さな女の子がいた。
「誰」
「えっと、紘汰さんでしたよね!!
私、今、あなたに危機を知らせに来ました!!」
「むしろ、さっきまでの脅威はまさに君だけど」
未だに腹部に当たった衝撃で起き上がれないが、とりあえず目の前にいる子から話を聞かないと、始まらない。
「えっと、それで、君は」
「あっあぁ、申し遅れました!
私、ヘイムダムのヴァルキリーのレンです!!」
……なんというか、凄く元気な娘だな。
そんな事を思いつつ、紘汰はようやく立ち上がる。
「それで、脅威って、もしかして、ロキからの刺客?」
「刺客というよりも」
そう俺が疑問に思っていると、突然轟音が響く。
音の方に目を向けると、そこには巨大な怪物の姿があった。
その姿を見た瞬間に、俺は驚愕する。
それは、以前、見た事があるものだったからだ。
「あれ」
「はいっ、あれです!!」
また、ロキが作り出した神獣のクローン。
その特徴は見れば、一目瞭然であった。
まず目に付くのはその巨体。
頭部に黄金の林檎の意匠が見られる金の大蛇の胴体に、複数の緑色の蛇が寄り集まった四肢がくっ付いた様な外見を持つ。
「あれは、ラドンのクローン。
黄金の林檎を眠らずに守っていた存在です」
「ある意味、俺とは結構大きく関係するのか」
その言葉と共に、俺はオレンジロックシードとレモンエナジーロックシードを取り出す。
「変身!」
【ソイヤッ!ミックス!オレンジアームズ!花道 オンステージ!ジンバーレモン!ハハーッ!】
その音声と共に、鎧武へと変身する。
それと同時に俺はその手にソニックアローを握り締めると、それを構えながら駆け出す。
「はああぁ!!」
雄叫びを上げながら走る俺に対し、右手の蛇からの光弾を放ってくるラドン・クローン。
俺はそれを紙一重でかわし、一気に間合いを詰める。
そして、弓を引き絞る様にして構えると同時に矢を放った。
放たれた光の矢は一直線に飛び、見事に命中する。
だが、ラドン・クローンは全く効いた様子を見せず、こちらに向かって走って来た。
巨体に似合わずの速さを見せる敵に、紘太は驚くものの、すぐに矢を放ち続ける。
だが、それでも相手は止まらない。
紘太は慌てて横に避ける。
すると、先程まで自分が居た場所に、ラドン・クローンの尻尾による一撃が繰り出される。
地面に叩きつけられる衝撃によって、周囲に土煙が舞う中、紘太はすぐに走り出した。
しかし、その動きを止めるように、ラドン・クローンの腕の緑の蛇が飛んできた。
紘太はそれを回避しながら、大橙丸で攻撃を行う。
斬撃を受けながらも、ラドン・クローンは構わずに突っ込んで来る。
「無数の攻撃を避けられないならば、試すまで」
その言葉と共に、俺は新たなロックシードをそのまま戦国ドライバーに装填する。
【ミックス!クルミアームズ!ミスターナックルマン!ジンバーマロン!ハハーッ!】
音声が鳴り響くと同時、俺は頭上から降ってきたクルミ型の甲冑を被る。
その瞬間に、マロンボンバーを構えて、目の前にいるラドン・クローンに向けて一気に近づく。
ラドン・クローンは先程と同様に何十という攻撃が仕掛けてくるが、素早いフットワークで攻撃を避けながら、距離を縮めていく。
ある程度近づいた所で、カッティングブレードを1回倒す。
それと共に空中で回転して両手のマロンボンバーからイガグリの棘を飛ばしてラドン・クローンを怯ませる。
「棘で、攻撃を!?」
レンが驚いている間にも、グローブの中に隠されている赤いボクシンググローブを手に、ラドン・クローンに向けて、炎を宿らせ、高威力の拳でラドン・クローンに殴りかかる。
「はあぁ!!」
紘汰の攻撃にラドン・クローンは吹き飛ばされる。
さらに追い打ちをかけるように、紘汰はそのままラッシュを仕掛ける。
炎の宿った拳をそのまま目にも止まらない攻撃を叩き込む。
「はあぁ!!」
そして、最後の一撃をラドン・クローンに叩き込む。
同時にその身体は燃え上がりながら、爆散した。
「……勝った」
紘汰は息を整えながら、ゆっくりと立ち上がる。
「なんとか」
「紘汰さん!!」
ふと横を見ると、そこにはレンが立っていた。
「あぁ、レン。無事だったんだね」
「えぇ、お陰様で」
そう言いながら彼女は微笑む。
「でも、凄いですね。クローンとはいえ、神獣をあそこまで」
「まぁ、伊達に戦ってないよ」
そう言いながら、俺はゆっくりと息を吸う。
「次の戦いに備えないといけないけど、どうしたもんか」
アースガルズの次期当主で、カチドキアームズの登場も近い事もあり、これまで通りの連日投稿は不定期投稿になっていきます。