一誠が自身の主であるリアス・グレモリーから聞いた鎧武という存在は、あまりにも謎に満ちた存在である。
特撮番組の一つである『仮面ライダー鎧武』がまるでテレビから現実に現れたような存在であり、これまで幾度となく、様々な勢力でその戦いは目撃された。
だが、その正体は未だに誰にも知られていない。
そして、鎧武が戦っている謎の存在。
各勢力に確かに存在する伝説の生き物と酷似している存在と戦っており、勝利していた。
特に最近の話題で言えば、ティアマトと呼ばれるドラゴンと酷似した怪物と戦い、勝利した事。
自身の宿す『龍の手』と同じドラゴン。
その中でも現在存在する中でも最強と呼ばれたティアマトによく似た存在を倒したのは、各勢力では大きな話題を呼んでいた。
だからこそ、様々な勢力が、彼の正体を探っていた。
それは、脅威の排除か。自身の勢力に取り込むのか。
あらゆる野望が渦巻きながら、今の世界は鎧武を中心に回っていた。
そして、その鎧武は今
「・・・」
一誠の目の前にいた。
悪魔の仕事を行う中で、依頼人の家で行われた残虐な行為。
そして、先日、友達になったアーシアが自分を助けようとしてくれた事。
それらが、一瞬で駆け巡りながら
【オレンジアームズ!花道・オンステージ!】
鳴り響いた音と共に、天井を壊しながら、現れた。
「あれが、鎧武」
「これは一体」
それは、一誠を助けに入ったリアス達も驚きを隠せず、一誠を襲っていたフリードもまた首を傾げた。
「おやおや、なんですかぁ。
こんな所で何で有名人のあんたがいるのか、気になる所ですが、そのまま死んでくださいよぉ!!」
その言葉と共に、フリードは手に持った拳銃をそのまま鎧武に向けて放った。
しかし、腰にある無双セイバーを手に取り、そのまま全ての光の銃弾を切り払い、そのまま蹴り上げる。
一瞬で行われたその勝負にその場にいた全員が見えなかった。
そうしている中で、鎧武が次に目を向けたのはアーシアだった。
アーシアに、鎧武はその足をゆっくりと進める。
「まさか」
「兵藤くん!」
同時に一誠はすぐにアーシアの前に立つ。
それは先程の残虐な行為を行っていたフリードと同じ教会の人間であるアーシアが仲間と勘違いされていたのではないか。
実際に仲間かもしれないが、アーシアはその事を知らず、止めようとした。
だが、それよりも早く、一誠の足下に光の弾丸が掠める。
「っ」
それに驚き、後ろに下がっている間にも、鎧武はアーシアを担ぐ。
同時に鎧武の前に現れたのは、見たことのない人物だった。
鎧武と同じ戦国ドライバーを使っている事は分かるが、それ以外はまるで分からない。
ある程度分かるとしたら、それのモチーフが桃である程度。
「悪いが、こいつはこっちで預からせて貰うぜ。
その方がてめぇらには都合が良いだろ」
そう、桃のライダーが話す。
声は詳しく聞き取る事ができないが、女性である事しか分からない。
「それはどういう事かしら?」
「別に。
ただ、そこにいる悪魔がこっちのシスターを助けたいという顔をしていたからな。
だったら、こっちが預かるって言っているんだ」
その言葉と共に一誠は迷いを見せる。
「分かったわ。
一誠、行くわよ。
すぐに、堕天使が来るわ」
「っ、はい」
一瞬、迷いが出る。
それでも、今の力がない自分よりも鎧武ならば守ってくれる。
なんとか、それを信じながら。