「俺の家、なんだか、色々ととんでもない事になっている」
そう言いながら、家から出る前の事を思い出す。
ロスヴァイセさんとレンと共に朝食を食べていた時には気づかなかったが、何時の間にか俺が住んでいるマンションの住人のほとんどが引っ越しているという驚きの出来事が起きていた。
突然の事で驚きを隠せなかったのもあるが、それはロスヴァイセさんも同じだった。
未だに状況が掴めない中でも、俺はそのまま学校へと向かっていた。
しかし、そんな驚きを隠せない俺だが、違和感を感じた。
「なんだ?」
それは空の色が違っていた。
普段の青空ではない、何か別の場所に閉じ込められているような。
そんな違和感と共に、これまで何度も感じただろう殺気に俺は身体が動いた。
「いきなり、何をするんだ!」
そう言いながら、俺は目の前に襲い掛かってくる敵を見る。
これまで襲撃してきたロキの刺客とは違い、全身をフードで身を包み、小柄な体格に見合わない巨大な槍を手に持ちながら、襲い掛かる。
未だに状況が飲み込めないが、それでもこのままでは殺される。
俺はすぐに戦国ドライバーとオレンジロックシードを取り出す。
【オレンジ!】
音声が鳴ると同時に、戦国ドライバーは自動的に俺の腰元へと装着される。
続けて、オレンジロックシードをそのまま戦国ドライバーに装填し、開錠する。
【ソイヤッ!!】
頭上にクラックが出現し、そこからオレンジ色をした果実型のアーマーパーツが降りてくる。
【オレンジアームズ! 花道・オンステージ!!】
同時に俺は仮面ライダー鎧武へと変身すると共に、大橙丸と無双セイバーを構えて敵の方へ斬りかかる。
だが、相手は槍を使って攻撃を防ぐ。
そして、そのまま薙ぎ払うように攻撃を仕掛けてきたため、それを避ける。
その隙を狙ってか、敵は槍から魔方陣を作り出すと共に、それを俺の方へ向ける。
魔方陣からは魔力弾が放たれ、俺は咄嵯に無双セイバーと大橙丸を繋げる。
それによって、無双セイバーナギナタモードになると共に、それを回転さえ、目の前に迫る魔力弾を全て撃ち落とす。
だが、それらは全て囮であり、奴は瞬く間に俺の懐に潜り込むと、そのまま蹴り上げる。
「ぐっ」
小柄な体格からは考えられない程の威力の蹴りは重く、俺は数メートルほど吹き飛ばされてしまう。
その間に奴は再び魔方陣を作り出していた。
マズイと思った時には既に遅く、その瞬間には先程とは比べ物にならないほどの数の魔力弾が迫ってきていた。
「くそぉ!!」
先程と同じような防御をしても防げないと判断し、その場から避ける。
「その程度で勝てると思っているのか」
それは目の前の敵からの言葉だった。
確かに、今の一撃だけでは倒せないだろう。
だが、その言葉を聞いている暇はなく、再び襲いかかってきた敵の攻撃を避け続ける。
避けながらも反撃を試みるが、どれも決定打にはならない。
どうやら相手の武器の方がリーチが長いようで、こちらの攻撃が届く前に攻撃をされてしまう。
「ならば、勝てる方法を作り出すだけ!」
その言葉と共に俺は避けながらも、その手に新たなロックシードを作り出す。
戦闘中に行うロックシードの生成の負担は大きい。
それでも、今の手持ちのロックシードでは、目の前の敵に勝つ事ができない。
頭痛に襲われながらも、この場を逆転できるだろうロックシードを生成する。
「これが、黄金の果実の力」
やがて、そのロックシードを生成すると共に、起動させる。
【バナナ】
すると、上空にクラックが現れ、そこからバナナの形をしたアーマーパーツが落ちてくる。
それと同時に俺の元へと向かってくる。
「……変身」
その言葉とともに、バナナは俺の身体を覆う鎧へと変化していく。
【ソイヤッ!! バナーナアームズ!!Knight of Spear!!】
最後に頭部に被さったマスクが装着されると、そこには金色の鎧に身を包んだ戦士の姿があった。
バナナアームズを身に纏った鎧武へと、姿を変える。
同時に先程まで持っていた大橙丸の代わりにバナナアームズの武器であるバナスピアーを構える。
「見せて貰うわ、黄金の果実に選ばれた力を」
そう言いながら、相手は再度魔方陣を作り始める。
それに対して、俺はバナスピアーを回転させるように構える。
同時に、魔方陣から次々と魔力弾が放たれる。
それに対し、俺はバナスピアーを突き出すように放つ。
「はぁあああ!!」
気合の声と共に放った一撃によって、魔力弾は全て打ち消され、そのまま奴の元へ向かう。
しかし、相手は槍で弾き飛ばすと、そのままこちらに向かってくる。
それを正面から受け止めるようにバナスピアーを振り下ろす。
だが、それも受け止められてしまい、鍔迫り合いの状態になってしまう。
力押しでは勝ち目がないと判断したのか、相手が距離を取るために後ろへ飛ぶ。
それに合わせるようにして俺も下がる事で距離を離す。
「黄金の果実は伊達ではないようね……。
けど」
同時にその槍にはこれまでにないエネルギーが集まっていた。
「これに耐えられるかしら」
そう言い、槍を構える。
俺もまた、それに合わせるように、戦国ドライバーに手を伸ばす。
【ソイヤッ!バナナスカッシュ!!!】
「せいっ!!」
音声と同時にバナスピアーにバナナのオーラを纏わせる。そして、そのまま跳躍し、奴に向けて振り下ろした。
それに合わせるように、奴もまたその槍をバナスピアーに突き刺した。
二つの技がぶつかり合うと衝撃が起こると共に、辺り一面を吹き飛ばした。
「…………まさか、ここまでとは思わなかったよ」
そうしていると、黒いフードは吹き飛ばされ、露わになる。
そこにいるのは白いマントを身に纏っており、ピンク色の髪をツインテールにしている少女がいた。
「・・・子供?」
「失礼ね!
私は子供じゃないわよ!」
そこには先程までの雰囲気とは一変して、年相応の少女になっていた。
それを見て驚いてしまう。
「あんたが黄金の果実の力を持っている事は分かっているわ。
けど、本当に後継者として相応しいのか、そして私が仕えるべき相手なのか、試させて貰ったわ」
「それって」
俺は少し首を傾げる。
「私はマリア。
ロスヴァイセやレンのいるワルキューレのリーダーを務めているわ」
「はい?」
その言葉に、俺は思わず呆けてしまう。
神器設定
黄金の果実
系統:創造系
神滅具の一つ。
かつて、アダムとイヴが食べたとされる知恵の実を元に作られた。
所有者が望む人類が作る事ができる物を創造することができる。
それは過去、未来などは関係なく。
しかし、作成する際に対象に対する知識が必要であり、現代では不可能な物の場合、使用者に強い負荷がかかる。
それはランクが上がれば上がる程に大きくなる。
ただし、一度作成すれば瞬時に作成することができ、使用者が強くなれば、それに応じて作成できる物も増える。
主に黄金の果実と強い繋がりのある作品である【鎧武】に関連するアイテムのみしか複製する事はできない。