※この作品はR-18です。

アースガルズの次期当主   作:ボルメテウスさん

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試されるその視線

「んっ?」

 

イッセー達が未だにフェニックス家の騒動があり、まだ帰ってきてない時だった。すると、突然背後から気配を感じた。振り向くとそこには誰もいない。

 

「気のせいか?」

 

そう思いつつも歩き出す。

 

だがまたもや視線を感じる。

 

そして振り返るとやはり誰もいなかった。

 

「一体なんなんだ? 」

 

これまでも、様々なクローンに襲われた事もあって、警戒心は強くなっている。

 

「あぁ、こういうの面倒だな」

 

以前の英雄派が襲撃してきた一件もあって、どうにも落ち着かない。

 

そこで紘汰は人気のない場所へと向かう。

 

こういう、監視がある時は、その人物を直接出すのが一番だと理解していたからだ。

 

そうして、俺は校舎裏へとやってきた。

 

案の定、そこには俺を見張る影があった。

 

だが、それは殺気と共に、隠れていたと思われる場所から飛び出してきたのだ。

 

「っ」

 

その姿はまさにワニだった。

 

まるでワニが二足歩行をするような感じで現れた。

 

全身には分厚い鎧のような皮膚で覆われている。

 

「確か、こいつの特徴はタラスクス。

 

という事はタラスクス・クローンか」

 

そう言うと共に、こちらを睨み付けるようにタラスクス・クローンが襲いかかってくる。

 

「けど、監視している視線とは違うな」

 

まずはその攻撃を避ける。

 

「ガァッ!?︎」

 

驚いた様子を見せる。

 

この反応を見る限り、監視している存在ではないようだ。

 

ならばこいつは一体何者なのかという疑問が生まれる。

 

とりあえず、このままでは危険だろうと思い、近くの木を足場に飛び、そのまま戦国ドライバーとオレンジロックシードを取り出す。

 

「変身!」

 

【ソイヤッ!オレンジアームズ!花道オンステージ!!︎】

 

頭上から降ってきたオレンジアームズが展開し装着されると同時に落下してくる。

 

そしてそれをキャッチした瞬間、目の前にいたタラスクスが飛びかかってきた。

 

「よっと」

 

軽くジャンプして避けると、タラスクス・クローンに向けて、鎧武へと変身した俺は、両手に無双セイバーと大橙丸を構える。

 

目の前にいるのは、まるでワニを思わせる怪人、タラスクス・クローンに向けて、駆け出した。

 

だが、タラスクスは俺に向かって尻尾を振り回してくる。その動きは非常に素早く、俺の動きよりも速い。

 

「見た目よりも早いか」

 

俺はその言葉と共に、両手の武器で瞬時にその攻撃を受け止め、

 

そのまま弾き返す。そして、怯んだ隙を狙い、再び接近し斬りかかった。

 

しかし、タラスクスはその攻撃を防御し、反撃を仕掛けてくる。それを俺は紙一重で回避すると、すかさず攻撃に転じる。だが、それでもタラスクスは対応してきた。

 

「さすがだな。でも!」

 

俺はそう言いながら左手の大橙丸を投擲。そして、右手の無双セイバーを構えて走り出す。

 

投げられた大橙丸は回転しながら宙を走り、タラスクスの顔へ直撃。

 

それによりタラスクスは一瞬だけ怯む。そこに、俺が放った一撃が炸裂した。

 

俺の持つ無双セイバーによる斬撃。それは見事にタラスクスに命中した。

 

『ガァアアアッ!?』

 

悲鳴を上げながらよろめくタラスクス。どうやら効いているようだ。

 

やはり、こいつにも有効なのか? いや、今は考えている暇はない!

 

「一気に決めるぞ!」

 

俺はそう言うと同時に、もう一度無双セイバーを振るう。

 

今度は大橙丸ではなく、無双セイバーの方だ。二振りの剣により放たれた連続の攻撃がタラスクスを襲う。

 

だが、タラスクスは倒れない。

 

そのまま、その尻尾を振り回し、俺に向けて叩きつけてきた。

 

「ぐっ!?」

 

何とか防いだものの、衝撃までは殺しきれず吹き飛ばされる。

 

地面を転がった後、どうにか立ち上がるもダメージが大きい。

 

「くそっ! やっぱり強いな」

 

今まで戦ったどの敵より手ごわい相手だった。

 

「にしても」

 

先程の一撃で、大きなダメージがあるのは、俺自身の身体がよく分かる。体力的にも限界に近いだろう。このまま戦い続ければ負けるのは間違いない。

 

そう思っていると

 

「少し油断しすぎ」

 

その言葉と共に、聞こえる歌。

 

その歌が俺の身体にあった痛みが消えて行った。

 

「今の、歌は」

 

そう、俺は振り返る。

 

そこには栗色の髪の少女がいた。彼女はこちらを見ていた。

 

「早くしないと、やられるわよ」

 

「あぁ」

 

俺はその言葉と共に、チェリーエナジーを取り出す。

 

【ミックス!ジンバーチェリー!ハハーッ!】

 

その音声と共に、俺はジンバーチェリーへと変身し、その手にソニックアローを握り締めた。

 

「行くぜ!」

 

叫び声をあげながら駆け出し、タラスクス・クローンへと接近する。

 

それに対してタラスクス・クローンは俺に対して爪を振り下ろしてきたが、俺はその攻撃を回避してカウンターを叩き込む。

 

俺の攻撃を受けたタラスクス・クローンは大きく怯み、その間に俺は弓を引く。

 

狙いはタラスクスの目。あの目を攻撃しなければ勝機がないと判断したからだ。

 

「悪いけど、これで終わりだ」

 

【オレンジスカッシュ・ジンバーチェリースカッシュ】

 

その音声と共に、俺はソニックアローと無双セイバーを同時に構える。

 

高速移動でタラスクス・クローンに接近し、ソニックアローと無双セイバーの二刀流で連斬を浴びせる。

 

「セイヤァアアアア!!」

 

X字に切り裂かれたタラスクスは断末魔の悲鳴を上げると、そのまま爆散した。

 

「ふぅ」

 

俺は息を吐きながら、変身を解く。

 

「大丈夫?」

 

「あぁ、助かった」

 

そう、先程助けてくれた人物を見る。

 

「君のおかげでなんとか倒せたよ」

 

「気にしないで。まぁ、噂通りの人物のようね」

 

それと共に、俺は納得するように頷く。

 

「という事はヴァルキリーの」

 

「ブラギ様に仕えるヴァルキリー、ティアよ」

 

「ティアか。俺は紘汰、よろしくな」

 

「えぇ」

 

ティアと名乗った少女はそのまま頷く。

 

「それで、聞きたい事があるけど」

 

「何かしら」

 

「さっきから感じた視線の正体、ティアか」

 

「ふぅん、根拠は」

 

「タイミングが良すぎた程度かな。

 

助けるのも。」

 

そう俺は首を傾げながら言う。

 

それに対してティアはため息を吐く。

 

「正解ね。

 

まぁ、ここまで分かりやすかったら、それで分からないとアースガルズの次期当主としては失格だけどね」

 

そう、呟きながら言う。

 

どうやら、彼女は彼女で曲者の予感がする。

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