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「んっ?」
イッセー達が未だにフェニックス家の騒動があり、まだ帰ってきてない時だった。すると、突然背後から気配を感じた。振り向くとそこには誰もいない。
「気のせいか?」
そう思いつつも歩き出す。
だがまたもや視線を感じる。
そして振り返るとやはり誰もいなかった。
「一体なんなんだ? 」
これまでも、様々なクローンに襲われた事もあって、警戒心は強くなっている。
「あぁ、こういうの面倒だな」
以前の英雄派が襲撃してきた一件もあって、どうにも落ち着かない。
そこで紘汰は人気のない場所へと向かう。
こういう、監視がある時は、その人物を直接出すのが一番だと理解していたからだ。
そうして、俺は校舎裏へとやってきた。
案の定、そこには俺を見張る影があった。
だが、それは殺気と共に、隠れていたと思われる場所から飛び出してきたのだ。
「っ」
その姿はまさにワニだった。
まるでワニが二足歩行をするような感じで現れた。
全身には分厚い鎧のような皮膚で覆われている。
「確か、こいつの特徴はタラスクス。
という事はタラスクス・クローンか」
そう言うと共に、こちらを睨み付けるようにタラスクス・クローンが襲いかかってくる。
「けど、監視している視線とは違うな」
まずはその攻撃を避ける。
「ガァッ!?︎」
驚いた様子を見せる。
この反応を見る限り、監視している存在ではないようだ。
ならばこいつは一体何者なのかという疑問が生まれる。
とりあえず、このままでは危険だろうと思い、近くの木を足場に飛び、そのまま戦国ドライバーとオレンジロックシードを取り出す。
「変身!」
【ソイヤッ!オレンジアームズ!花道オンステージ!!︎】
頭上から降ってきたオレンジアームズが展開し装着されると同時に落下してくる。
そしてそれをキャッチした瞬間、目の前にいたタラスクスが飛びかかってきた。
「よっと」
軽くジャンプして避けると、タラスクス・クローンに向けて、鎧武へと変身した俺は、両手に無双セイバーと大橙丸を構える。
目の前にいるのは、まるでワニを思わせる怪人、タラスクス・クローンに向けて、駆け出した。
だが、タラスクスは俺に向かって尻尾を振り回してくる。その動きは非常に素早く、俺の動きよりも速い。
「見た目よりも早いか」
俺はその言葉と共に、両手の武器で瞬時にその攻撃を受け止め、
そのまま弾き返す。そして、怯んだ隙を狙い、再び接近し斬りかかった。
しかし、タラスクスはその攻撃を防御し、反撃を仕掛けてくる。それを俺は紙一重で回避すると、すかさず攻撃に転じる。だが、それでもタラスクスは対応してきた。
「さすがだな。でも!」
俺はそう言いながら左手の大橙丸を投擲。そして、右手の無双セイバーを構えて走り出す。
投げられた大橙丸は回転しながら宙を走り、タラスクスの顔へ直撃。
それによりタラスクスは一瞬だけ怯む。そこに、俺が放った一撃が炸裂した。
俺の持つ無双セイバーによる斬撃。それは見事にタラスクスに命中した。
『ガァアアアッ!?』
悲鳴を上げながらよろめくタラスクス。どうやら効いているようだ。
やはり、こいつにも有効なのか? いや、今は考えている暇はない!
「一気に決めるぞ!」
俺はそう言うと同時に、もう一度無双セイバーを振るう。
今度は大橙丸ではなく、無双セイバーの方だ。二振りの剣により放たれた連続の攻撃がタラスクスを襲う。
だが、タラスクスは倒れない。
そのまま、その尻尾を振り回し、俺に向けて叩きつけてきた。
「ぐっ!?」
何とか防いだものの、衝撃までは殺しきれず吹き飛ばされる。
地面を転がった後、どうにか立ち上がるもダメージが大きい。
「くそっ! やっぱり強いな」
今まで戦ったどの敵より手ごわい相手だった。
「にしても」
先程の一撃で、大きなダメージがあるのは、俺自身の身体がよく分かる。体力的にも限界に近いだろう。このまま戦い続ければ負けるのは間違いない。
そう思っていると
「少し油断しすぎ」
その言葉と共に、聞こえる歌。
その歌が俺の身体にあった痛みが消えて行った。
「今の、歌は」
そう、俺は振り返る。
そこには栗色の髪の少女がいた。彼女はこちらを見ていた。
「早くしないと、やられるわよ」
「あぁ」
俺はその言葉と共に、チェリーエナジーを取り出す。
【ミックス!ジンバーチェリー!ハハーッ!】
その音声と共に、俺はジンバーチェリーへと変身し、その手にソニックアローを握り締めた。
「行くぜ!」
叫び声をあげながら駆け出し、タラスクス・クローンへと接近する。
それに対してタラスクス・クローンは俺に対して爪を振り下ろしてきたが、俺はその攻撃を回避してカウンターを叩き込む。
俺の攻撃を受けたタラスクス・クローンは大きく怯み、その間に俺は弓を引く。
狙いはタラスクスの目。あの目を攻撃しなければ勝機がないと判断したからだ。
「悪いけど、これで終わりだ」
【オレンジスカッシュ・ジンバーチェリースカッシュ】
その音声と共に、俺はソニックアローと無双セイバーを同時に構える。
高速移動でタラスクス・クローンに接近し、ソニックアローと無双セイバーの二刀流で連斬を浴びせる。
「セイヤァアアアア!!」
X字に切り裂かれたタラスクスは断末魔の悲鳴を上げると、そのまま爆散した。
「ふぅ」
俺は息を吐きながら、変身を解く。
「大丈夫?」
「あぁ、助かった」
そう、先程助けてくれた人物を見る。
「君のおかげでなんとか倒せたよ」
「気にしないで。まぁ、噂通りの人物のようね」
それと共に、俺は納得するように頷く。
「という事はヴァルキリーの」
「ブラギ様に仕えるヴァルキリー、ティアよ」
「ティアか。俺は紘汰、よろしくな」
「えぇ」
ティアと名乗った少女はそのまま頷く。
「それで、聞きたい事があるけど」
「何かしら」
「さっきから感じた視線の正体、ティアか」
「ふぅん、根拠は」
「タイミングが良すぎた程度かな。
助けるのも。」
そう俺は首を傾げながら言う。
それに対してティアはため息を吐く。
「正解ね。
まぁ、ここまで分かりやすかったら、それで分からないとアースガルズの次期当主としては失格だけどね」
そう、呟きながら言う。
どうやら、彼女は彼女で曲者の予感がする。