「さて、どうするか」
その言葉と共に、俺はこの前の出来事についてを、頭を悩ませる。
コカビエルの事件に友奈を巻き込んでしまった。
彼女自身は一般人という事で、あの事を謝りたかった。
その事もあって、ここ最近は忙しく、友奈に会おうとしていたが、これがなかなかに難しい。
「いざ、被害者に会うと、こんなに心、迷うのか」
こちらが悪い事は分かりきっている。
それを謝りたいと思っている。
だが、それと同時に彼女にさらなるトラウマを与えてしまうのではないのか。
そんな恐怖が俺の中には
「いや、違うか。
友奈に嫌われるのが、嫌なのか」
友奈は俺の可愛い後輩だ。
そんな友奈に嫌われてしまうと、正直辛いものがある。それに、もし彼女が傷ついてしまったらと思うと、やはり気が気でないのだ。
「はぁ、どうするもんか。
うどんでも食うか」
その言葉と共に、俺はそのままうどんを食うために近くにあるうどん屋に入る。
「んっ」
「あっ」
店に入ると共に、そこにいたのは、うどんを食べていた友奈だった。
「せっ先輩」
「友奈」
まさか、うどん屋で再会するとは思わなかった。
「えっと、そのですね。私もお腹が減ったので食べようかなーって思ってたんですけど」
友奈はそう言って少し困ったような表情をする。
おそらくだが、自分が先にここに入ってしまったから、出て行けなくなってしまったんだろう。
「その、悪いけど、話をしないか。
この前の事で、話したいから」
「えっ、はっ、はい」
こうして俺たちは店の隅の方へと移動する。そしてお互いに向き合う形で座る。
とりあえず注文をして、料理が来るまで待つことにした。
「それで、あの戦いの事だけど。
ごめんなさい! 巻き込んじゃって」
「いえいえ、気にしてませんよ。
だって、あの時は先輩は私を助けようとしてくれたじゃないですが。
そんな先輩を責める事なんて、できないですよ」
友奈の言葉にほっとすると同時に、罪悪感が生まれる。彼女に対して申し訳ない気持ちがあるからだ。しかし彼女は優しい子だ。きっとそんな風に言ったとしても自分の責任だと自分を責め続けるだろう。だからこそ言わなければいけない事がある。
それは今回の出来事に対する謝罪だ。
それを伝えるべく、口を開く。
だがその時だった。
店内に轟音が鳴り響く。
何か大きな物が落ちたかのような音だ。
聞こえる音と共に見えたのは、まるで地獄の炎を身に纏ったと思われる鳥人がいた。
「えっあれは」
「っ変身!!」
鳥人がこちらに向かって襲い掛かろうとした時、その口から地獄の炎が迫っていた。
【ソイヤッ!オレンジアームズ!花道・オンステージ!】
俺はすぐに鎧武へと変身し、後ろに迫った炎をオレンジアームズで防ぐ。
「悪い、友奈。
すぐに後ろの人と一緒に逃げろ!!」
「はっはい!!」
その言葉を終える前に、俺は無双セイバーで鳥人に向けて、弾丸を放ち、牽制する。
それと共に動きを封じている間に、鳥人をその場から、人が少ない場所へと無理矢理に移動させる。
それからしばらくして鳥人は落ち着きを取り戻し、俺の前に降り立つ。
その姿を見た瞬間、俺の全身には冷や汗が流れる。
その見た目はまるでフェニックスを思わせる姿をしていた。
ただ違うのはその体が燃えるように赤く染まっている事だ。
俺はこの姿を見てある存在を思い出す。
「確か、シズだったか。
そのクローンか」
その正体が分かりながら、ゆっくりと構える。ただ向こうも警戒しているのか動かない。だから俺の方から仕掛けることにした。
まずは足払いを仕掛けて相手のバランスを崩す。そして転ばせてからすかさず銃モードにして連射する。
しかしその攻撃は全て弾かれてしまう。
同時に空に飛んだ相手はそのまま翼を広げ飛び上がるとそのまま急降下してくる。
俺は急いで防御態勢を取る。
そしてその一撃を受け止めるがあまりの力の強さに押しつぶされそうになる。
なんとか踏ん張るがそれでも勢いを止めることはできずに吹き飛ばされてしまった。
「先輩っ!」
「友奈っ来るな!!」
そのまま俺は彼女の前に立つ。
「ここは危険だっ、早く逃げろ」
俺はそう言うが友奈は動こうとはしなかった。
ただじっとこちらを見つめてくるだけだった。
「友奈」
「もぅ、私、後悔したくないんです。
確かに、私は何の力もないかもしれません!
けど、もう1人にさせたくない!!」
その言葉に俺は驚く。
まさか、俺の事をそこまで思ってくれていたなんて思ってなかった。だがそれと同時に嬉しかった。
だからこそ守りたいと思った。彼女を、そして目の前にいる敵を倒すと決意した。
ゆっくり俺は再び立ち上がる。今度こそ倒すと決めて。
だが次の瞬間
「あれ、これって」
「なんだ、これ?」
その言葉と共に、見れば、友奈の持つスマホに何やら表示されている。
「えっと、フレイさん?
あなたを新たなヴァルキリーに」
その言葉に疑問に思う友奈を他所に、画面からは光が放たれそれが収まるとそこには先程とは気配が異なる友奈がいた。
「今のは」
「そういえば、モルガンさんが言っていた」
時々、人間の中には別の種族の血が入っていると聞く。
おそらくは、友奈は、その部類に入るのだろう。
「えっ、これは、何が」
「分からないが、だけど」
こうなった以上、おそらくは友奈を止められない。
ならば
「友奈、力を貸してくれるか」
「っはい!勿論です!」
俺はその言葉と共に創造する。
「これって、確か先輩が使っている戦国ドライバーと、これは?」
「チェリーロックシード。
桜の実と、どっかで聞いた事があるからな」
「さくら」
「行けるか、友奈」
そう言いながら、俺は隣にいる友奈に話しかける。
「はいっ、勿論です!」
友奈は言葉を聞くと同時に腰に戦国ドライバーを巻く。
【チェリーエナジー!】【チェリー】
鳴り響く音声と共に、そのまま戦国ドライバーに各々のロックシードを装填する。
「「変身!!」」
【ミックス!ジンバーチェリー!ハハーッ!】
その音声が鳴り響くと共に、俺はジンバーチェリーへと変身する。
それに合わせるように、友奈もまた姿を変えていた。
【ソイヤッ!チェリーアームズ!勇者へゴー フォラ イット!】
戦国ドライバーから鳴り響く音と共に、友奈の身体にチェリーアームが装着すると共に、その姿を変える。
鎧武のような仮面を身に纏っていない代わりに、髪の毛も赤茶色からピンク色のロングポニーテールに、髪を纏めるリボンは花の花弁状に変化する。
それと共に、その手にはさくらんぼをモチーフにしたプロテクターを手の甲を覆っていた。
そう、ゆっくりとこちらを睨んでいるシズ・クローンが魔剣を構えていた。
「さぁ、ここからは」
「私達のステージです!!」
その言葉と共に、俺はソニックアローを構えて、シズ・クローンに向けて矢を放つ。
光の矢に対して、シズ・クローンは口から灼熱の炎が、矢を破壊した。
だが、その矢が炎に当たり、爆風を舞い上がる。
「はああぁぁぁ!!!」
しかし、その爆風の中で友奈はその拳をシズ・クローンに向けて放つ。
シズ・クローンはすぐにその拳に対して、手に持った魔剣で受け止める。
「まだまだぁ!!!」
だが、一発だけで終わらせず、二発、三発と連続で拳をシズ・クローンに放っていく。
そして、シズ・クローンも同じように友奈の拳に向かっていく。
お互いに拳をぶつけ合い、お互いの攻撃を相殺しあう。
だが、俺の攻撃はまだ終わっていない。
シズ・クローンの足元を狙い撃つように矢を放ち、爆発を起こす。
それと同時にシズ・クローンは空に飛び立つ。
「逃すかっ!」
そう言って友奈も同時に飛び立ち、シズ・クローンを追いかけていく。
シズ・クローンは空中で魔剣を振るい衝撃波を放ってくる。
それに対して友奈はその拳で殴り、衝撃波を殺していく。
俺はそんな2人の戦いを見ながら、ジンバーチェリーの高速移動で助走をしていく。
【ソイヤッ!オレンジオーレ・ジンバーチェリーオーレ】
そしてそのまま一気に加速していき、シズ・クローンに向けて、エネルギーを貯めたソニックアローから桜色の斬撃をシズ・クローンに飛ばして切り裂く。
だが、その一撃を受け、シズ・クローンの翼が切り裂かれる。
「今だ!!」
「はいっ!」
俺の言葉を聞いた友奈もまた、戦国ドライバーに手を伸ばす。
【ソイヤッ!チェリースカッシュ!!】
その音声が鳴り響くと共に、桜色のエネルギーが友奈の拳に纏いながら、真っ直ぐとシズ・クローンに向けて放つ。
「勇者パンチ!!!」
その一言と同時に放たれた一撃はシズ・クローンの顔面を捉え、地面へと叩きつけた。
シズ・クローンはそのまま地面に倒れこみ、そのまま爆散する。
どうやらもう大丈夫なようだ。
「友奈、ありがとうな」
「いえっ、それより、これからどうしますか」
「そうだな、とりあえず」
この後輩がヴァルキリーになった事についてを考えないと、いけないな。