俺達が黄金の果実の事を探る為に次に訪れたのはフランスだった。
そのフランスにおいて、黄金の果実と関連するような、果実に関する伝説についてだが、あまりそういう情報はない。
「それでも、何か手掛かりがあるかと思ったけど、ジャンヌ。
ここが集合場所で良いのか?」
「はい、間違いないと思いますが」
俺達はフランスでの情報収集の為に、この地で先に行っていたという少女と待ち合わせの為に来ていた。
だが、その待ち合わせをしている人物があまり見かけず、ジャンヌと共々、首を傾げる。
「待ち合わせをしている、そのいろはという子はどういう子なんだ?」
「とっても優しい子ですよ。
ただ、少し問題がありまして」
「問題?」
ジャンヌの言葉に俺は思わず聞き返す。
すると彼女はどこか困ったような表情を浮かべた。
「実は、彼女。
スマホの操作が苦手で、道案内アプリをあまり使いこなせないのです」
「それって、つまり」
「迷子になっていると思います」
そう困ったような笑みを浮かべるジャンヌに対して、俺はため息をつく。
この広いフランスの中だ。
もしかしたら既に合流地点から離れている可能性もあるだろう。
とはいえ、このままここで待っていても仕方がない。
俺達はすぐにでも移動しようとする。
しかし、それよりも早く感じた殺気。
同時に俺はオレンジロックシードと戦国ドライバーを取り出し、即座に変身を行う。
【オレンジ!】
「変身!」
【ソイヤッ! オレンジアームズ! 花道・オンステージ!!】
同時に見つめた先にいたのは、鵺を思わせる怪人だった。
様々な動物が合わさったその生命体は、右腕には回転ノコギリがあり、そのまま俺達に向けて投げる。
瞬時に俺はその攻撃を大橙丸で受け流し、見つめる。
「こいつ、鵺のクローンだけど」
「えぇ、改造されています」
ヌエ・クローンの右腕には、これまでにない武器が直接装着されている形となっており、敵意を見せるヌエ・クローンは俺達に襲いかかってくる。
それを迎撃しようと、俺もまた駆け出す。
ヌエ・クローンは瞬時にその手を電動ドリルに変えると共に、大橙丸と激突した。
高速回転するドリルを前にして、刃をぶつける事はできないと判断した俺はすぐさまその場を離れる。
すると先ほどまで俺がいた場所へ電動ドリルによる一撃が振り下ろされた。
その威力は凄まじく、地面を大きく穿つ。
そして地面には大きな穴が出来上がっており、もしも直撃していたらと思うとゾッとする。
「結構厄介な相手だな」
そう言いながらも、大橙丸と無双セイバーを二刀流のように構えて接近する。
まずは様子見も兼ねて攻撃を行っていく。
だが、やはりと言うべきか、奴の攻撃は脅威的な物であった。
電動ドリルによって繰り出される突きや薙ぎ払いは強力であり、こちらの大橙丸は何度も削られていく。
しかし、電動ドリルの形がペンチアームへと変わる。
同時に大橙丸をペンチアームで掴むと共に、ヌエ・クローンはそのまま勢い良く折った。
「折れたぁ!?」
俺は思わず声を出しながら、驚いている間にもヌエ・クローンは更に追撃を仕掛けてくる。
慌てて飛び退いた俺だったが、さらに無双セイバーまで折られてしまう。
「紘汰さんっ」
「来るなっ」
武器を失ってしまったが、ジャンヌがこのまま一緒に戦ってもおそらくは状況は変わらない。
彼女はいざという時に巻き込まれる人を助けて貰う必要がある為、ここで離れて貰った方が良いのだ。
そう判断しながら、俺は目の前にいるヌエ・クローンを見据える。
すぐにアームズチェンジを行いたいが、その隙はない。どうするかと考えようとした瞬間、ヌエ・クローンの動きが変わった。
それはまるで獲物を狙う獣のような動きで、一気に俺に近づき攻撃を仕掛けてきた。
咄嵯に反応できたものの、それでも対応が遅れてしまい、左腕に傷を負ってしまう。
痛みに顔をしかめてしまうが、それでも油断を許さない。
その最中、俺の前でヌエ・クローンに攻撃するピンク色の矢が通る。
一瞬で、ヌエ・クローンはそのまま後ろに下がる。
「あの矢、もしかして」
「ごめんなさい、遅れてしまって」
見ると、そこには清廉な修道女を思わせるケープを被り、編み上げサイハイブーツやへそが透けて見える黒インナーを纏った露出度の高い衣装。
その左腕にはクロスボウがあり、おそらくあれから矢を放っただろう。
「いろはさん、良かった」
「はい、けど、今ので精一杯だったのですが」
「十分だ」
既にアームズチェンジをする隙ができる。
俺はすぐに別のロックシードを取り出す。
【ライム】
俺はライムロックシードをそのまま戦国ドライバーに装填し、そのまま変わる。
【ライムアームズ! 恐・竜・復・活】
同時に降ってきたライムアームズを身に纏う事で緑の迷彩色の肉食恐竜を思わせるアーマーを身に纏った姿。
このアームズは肉食恐竜を彷彿とさせるパワー、スタミナ、スピードを兼ね備えているが特徴で、戦い方も敵を仕留めるなら容赦なしの凶猛な肉食恐竜を彷彿とさせる。
「さてっと」
同時に、俺は手に専用武器であるライムエッジを構える。
その刀身は短く、大橙丸や無双セイバーより短いが、その分パワーがあり確実に相手を仕留めるのに適しているが特徴だ。
俺はゆっくりと逆手で持ち、ヌエ・クローンに向かって、走り出す。それに対して、ヌエ・クローンはペンチアームを振り上げる。
「させないよ」
俺はそう呟きながら、素早く剣を振る。
それと同時に放たれた一閃により、ペンチアームは切断された。
それで叫び声を上げずに、なんと瞬時に別の武器となって、俺に襲い掛かる。
だが、素早く地面を蹴り上げ、その攻撃をかわす。
そのまま高く飛んだ俺は、上空からヌエ・クローンを見下ろす。
一方で、俺の一撃を受けてペンチアームは使い物にならず、電動ノコギリで対抗しようとする。
だが
【ソイヤッ! ライムスカッシュ!】
ライムエッジにエネルギーを纏うと共に、その刃を一太刀振るう。
それだけで電動ノコギリはバラバラになり、ヌエ・クローンはそのまま倒れ込み、爆散する。
「なんとかなったか」
日本から離れたので、こういう奴らと戦う事はないと思っていたが、どうやら油断はできない状態だ。
「紘汰さん、無事ですか」
「あぁ、どうにかな」
「あの、怪我をしたんですよね?」
いろはは心配そうに俺の方を見る。
彼女は俺の腕に目を向けると、俺の手を取る。
「まぁ、なんとかな」
「今すぐ、治療します」
「えっ?」
いろはの言葉に疑問が覚えると共に、彼女はピンク色の光と共に、俺の身体を包む。
「ジャンヌ、これは」
「えぇ、彼女は回復魔法ができるただ1人のヴァルキリーです」
その言葉を聞いて、驚きを隠せなかった。