夏休みで、様々な黄金の果実に関する調査を終えた俺は普段通りの生活を行っていた。
その中で、俺は未だに極アームズに変身する事はできない事に悩んでいた。
そうしている中で、オーディンの爺さんから連絡が来ていた。
「どうやら、そちらにロキがとうとう本気になったぞ」
「っ」
その言葉と共に、聞いたのはロキが来る事に、俺はついに来てしまったと覚悟をした。
俺はオーディンの爺さんから言われた場所に向かった。
「えっ、紘汰っ」
「んっ、一誠達も来ていたのか?」
「あぁ、今回はロキの野郎がこっちに来ていると聞いたけどな。
しかし、まさかなぁ」
「んっ?」
その言葉と共に俺はその言葉を見つめる。
そこには確かにロキはいた。
だが、あの時に見たロキの姿とは大きく違った。
それは、武神鎧武が、ロキの胸を大橙丸で突き刺していた。
「貴様っどういうつもりだ」
「なに、貴様が油断している時はこれぐらいしかなかったからな」
「違うっ、なぜ俺を」
「ふっ、そんな事、決まっている。
貴様がアースガルズの次期当主になるつもりだからな。
ならば、我にとっては邪魔なだけだ。
せめて、我の力になれよ、父よ」
「貴様ぁっ!!」
その言葉と共にロキは武神鎧武の中へと吸い込まれていった。
「まさか、ロキとの決着をせずに終わるとはな」
「どうでも良いだろ。
これで、我と貴様のどちらが天下に相応しいか。
それだけだ」
「あぁ」
既にこれ以上は時間の無駄だろう。
俺はすぐにカチドキロックシードを取り出す。
「悪いが、ここからは奴との一騎打ちだ。
邪魔はしないでくれ」
その言葉に対して、反対するような声は聞こえるが、俺は無視し、そのままカチドキロックシードを起動させる。
【カチドキアームズ! いざ出陣! エイエイオー!】
その音声が鳴り響くと共に、俺はカチドキアームズへと変わると同時に目の前にいる武神鎧武を見つめる。
そこにいる奴は、以前の奴とは比べものにならない気迫を確かに持っていた。
「短かった。
この私が生まれた時から、既に王となる運命は決まっていた。
だからこそ、この力を手にするには十分過ぎた!」
その言葉と共に、武神鎧武の身体は徐々に変化していく。
内側から亀裂が入り、徐々にだが、その姿は変わっていく。
完全に剥がされたその姿はまるで蛇を思わせる怪物だった。
黄金の果実を食べさせるようにアダムとイブに唆した蛇を連想させるその怪人の姿へと変わった武神鎧武は、その手に巨大な剣を手にする。
「さぁ、決着をつけるぞ、鎧武!」
武神鎧武が叫びと共に剣を振り上げる。
それに対抗するように、俺もまた無双セイバーを構え、受け止める。
その蛇の力はカチドキアームズを持ってしても、持ちこたえるのがやっとであり、弾き飛ばされた俺に対して武神鎧武は更に攻撃を仕掛けてくる。
それに対して、俺は何とか受け止めて耐えるが、そのまま吹き飛ばされる。
武神鎧武の攻撃は止まらない。
地面に向かって叩きつけられるような攻撃によって地面にめり込んだ俺に対し、追撃を仕掛けるように、剣を突き立てる。
俺は瞬時に火縄大橙DJ銃を武神鎧武に放つが、それを難なく防ぐと、逆に剣を俺に突き立てた。
胸元を貫く痛みに耐えながら、なんとか立ち上がろうとする。
「紘汰さんっ」
聞こえてくる悲鳴に対して、俺は答える暇はなかった。
すぐに火縄大橙DJ銃の威力を上げ、すぐに武神鎧武に向けて放つ。
だが、やはりそれも防がれてしまい、再び、俺は地面に叩きつけられてしまう。
武神鎧武は笑みを浮かべると、剣を構える。
俺の目の前で、ゆっくりと近づく姿には余裕があった。
もはや、抵抗すらできないのかと思っている様子だ。
事実、今のままでは勝ち目はないかもしれない。
そう、薄れゆく意識の中で、聞こえた声。
「君は、変わる事ができたか」
「えっ」
それは、アダムさんとは違う声だ。
どこかで、確かに聞いた事のある声だ。
未だに意識がはっきりしない中で、俺はゆっくりと見つめる。
周りに広がっているのは、まるで楽園のような景色であり、見つめた先には1人の男が立っていた。
「変わる事か。
それは、分からない。
ロキのやっている事を許せず、ここまで踏ん張ってきたけど、それで変われたかどうかは」
「けど、あの頃では、おそらくは止めていた足も、今は立派に歩けるようになった。
ならば、あとは真っ直ぐと諦めない事だ」
その言葉を告げると共に、俺の中にある黄金の果実が形が変わっていく。
それが、何なのか、自然と分かっていた
同時に俺は目の前にいる人物が、誰か分かった気がする。
「頑張れよ、鎧武」
その言葉と共に、始まりの男がゆっくりと告げた。
「負けられるかよ」
「なに?」
同時に俺は溢れ出る思いと共に、手に力を込める。
それに合わせるように、身体から溢れ出る光は武神鎧武を吹き飛ばした。
「まさかっ、あれはっ」
その言葉と共に、俺が手にしたのは黄金の果実だ。
しかし、その形は徐々に変わっていき、極ロックシードへと変わる。
「あぁ、どうやら至ったようだぜ。
この世界で初めての、黄金の果実の禁手が」
【フルーツバスケット! ロックオープン!】
聞こえてくる音と共に、俺の周りには無数のアームズが舞い上がり、そのまま回り始める。
そのアームズを見ながら、俺はゆっくりと手にした最後の鍵、極ロックシードをそのままカチドキロックシードと繋げる。
【極アームズ! 大・大・大・大・大将軍!】
戦国ドライバーから流れる音声と共に、周りにあるアームズはそのまま俺に吸い込まれ、その姿が現れる。
大鎧をモチーフとしたカチドキアームズから一変し、織田信長が着ていたとされる西洋鎧を思わせる細身な白銀色の姿。
兜飾りは鎧武のシンボルマークの形になっており、複眼は虹色。
胸部にはオレンジ、バナナ、ブドウ、メロン、イチゴ、スイカが描かれている。
その姿はまさに「破邪の聖銀」と呼ばれる最強の姿、極アームズだった。
「極アームズを手にしたか。
だが、それも既に情報は入っている!!」
その言葉と共に武神鎧武は魔方陣を作り出す。
ロキを吸収した事によって、得た魔法の力を使い、作り出した魔法を発動させようとする。
その攻撃に対して、俺は
「悪いが、既にそれは見た」
【火縄大橙DJ銃】【赤龍帝の籠手】【白龍皇の光翼】
その音声が鳴り響くと同時に背中にあるマントは白龍皇の光翼へと代わり、赤龍帝の籠手で手に持った火縄大橙DJ銃で引き金を引く。
魔方陣から放たれた無数の魔力弾は、白龍皇の光翼の能力で半減すると共に、赤龍帝の籠手によって倍化した火縄大橙DJ銃の弾によって、全てを吹き飛ばされる。
「どういう事だよ、あれって」
「おいおい、まさかとは思ったけど、ここまでとんでもない奴なのかよ」
それを見て驚愕する二人の声を聞いていく。
「どういう事だ。
なぜ、黄金の果実で、他の神器を」
「そんなの決まっているだろ。
極アームズは全アーマードライダーの武器をパワーアップさせて使用することができる。
そして、あらゆる武器を使いこなす事ができる」
「そういう事かよ、これはとんでもない奴が持ったな」
そう言いながら、アザゼルは納得すると共に、思わず笑みを浮かべる。
「どういう事なんですか?」
「あいつは黄金の果実の力を、自身の思い込みで創造した鎧武で力を発揮した。
これまでは鎧武という形が決まった武器しか使う事ができなかった。
だけど、極アームズは、さっきの奴の言った通り、全てのライダーの武器を使う事ができる。
つまり」
「ほとんどの神器を創造する事ができる」
「しかも、オリジナルと変わらないのをなっ」
そうしている間にも、俺は次々と武器を作り出し、武神鎧武に向けて放っていく。それに対して、武神鎧武も魔方陣を展開し、対抗するが、数ではこちらの方が上だ。
次第に防ぎきれなくなり、武神鎧武の身体にはいくつもの傷が出来ていく。
さらに俺は無双セイバーと火縄大橙DJ銃を手にして走り出す。
まずは無双セイバーで攻撃を行い、それに反応するように剣で受け止める武神鎧武に対して火縄大橙DJ銃を放つ。
だが、武神鎧武はその攻撃に対しても反応すると、剣でそれを受け止めた。
その行動に俺は一瞬驚くが、即座に接近し、剣を振り下ろす。
だが、武神鎧武は素早く後ろへ下がり、俺の攻撃を回避する。
その間に俺は右手に握った無双セイバーに、左手に握った火縄大橙DJ銃を合体させる。
その光景を見た武神鎧武は驚きの声を上げるが、俺は気にせず、そのまま駆け出した。
その動作に対して、武神鎧武はすぐさま剣を構えて迎撃しようとするが、俺はその攻撃を火縄大橙DJ銃から伸びた刀身で受け流す。
「ここまでとんでもないとはなっ!
これが、黄金の果実! これが、貴様の力かっ紘汰ぁ!!」
声を上げながらも攻撃を続けるが、その全てを俺が捌いていき、その度に俺は火縄大橙DJ銃から伸びる刀身の先にあるグリップで腹に一撃を加え、さらにそこから無双セイバーによる横なぎの斬撃を繰り出す。
吹き飛ばされる武神鎧武を見ながら、俺は再び極ロックシードに手を伸ばす。
だが、俺がそれに触れる前に武神鎧武は俺の腕を掴む。
「極アームズは確かに脅威!
その力は確かに強大だ!
だが、貴様のその考えがある故に、その極ロックシードを回さなければ、力は使えない!」
その言葉に、俺は何も言えなかった。
完全に手を押さえられ、動かす事はできない。
同時に武神鎧武の口は大きく開き、その輝きは真っ直ぐと俺に狙いをつける。
「貴様はっここで終わりだぁ!!」
「あぁ、終わりだ。
この勝負がな」
それよりも早く、俺は足で戦国ドライバーの操作を行った。
【ソイヤッ! 極スカッシュ!】
流れる音声、同時に足には虹色の輝きに包まれる。
その足は真っ直ぐと武神鎧武へと向け、蹴り上げる。
「なっ」
「確かに鎧武は武器が一番の特徴だ。
だけどな、仮面ライダーの必殺技は、ライダーキックなんだよ!!」
俺の叫びと共に放った渾身の一撃は武神鎧武の腹部を貫き、そのまま空中へと吹き飛ばす。
地面に落ちた武神鎧武は起き上がると、大きく息を吐く。
それと同時に俺も変身を解除した。
「様々な武具を手に入れ、万能の力を手に入れた貴様が最後に放ったのが、まさか蹴りだとはな」
「悪いか」
「いや」
武神鎧武は崩れながら、その笑みは満足そうだった。
それと共に、俺の長い戦いの日々は終わりを告げた。