※この作品はR-18です。

プリキュアじゃない彼女たちと世界を征服する話   作:a-su

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 この世界には、かつてプリキュアという女の子たちがいました。
 伝説の戦士と呼ばれた彼女たちは数多くの悪を打ち破り、当たり前の笑顔や幸せを守っていたのです。
 
 だけれど、もうプリキュアはいません。 
 これは遠い未来、地球の人々が「プリキュア」という言葉の意味さえ忘れた頃のお話。

 これから世界を征服する一人の少年と、プリキュアじ(・)ゃ(・)な(・)い(・)六人の少女たちが繰り広げる、とてもエッチでちょっと勇ましい愛と勇気の物語。



第1話 こいのはじまり
1/4 (エロ無し)


 

「ねぇ、ユージ。お前って…………」

 

 不意に声をかけられて、ユージは顔を上げる。

 話しかけてきたのは、イースだった。少し背の低い彼女は、隣からこちらを見上げている。

 

 1万2千年ほど前に存在した古代王国、シャンティア。

 ユージとイースは、今まさに、その遺跡地下にある迷宮への侵入に成功を果たしたところだ。

 

「はい、イース様。なんでしょうか?」

 

 そう答えた少年の声には、犬のような従順さがあった。

 

 イースは、世界征服を企む管理国家、〈ラビリンス〉の幹部であり、ユージの主だ。

 怜悧(れいり)な美貌の持ち主であり、14歳という年齢の割に起伏のある体をボンテージのような軍服で包んでいる。

 

 部下であるユージは、彼女の生真面目な性格や、過剰な自信からくる尊大な態度、ふと見せる優しさなどを含めて彼女に惹かれている。

 もちろん、外見だけ見てもイース以上に美しい女性はこの世に存在しないと思っている。

 

 だから、イースと共にこの遺跡に派遣されたことを喜んでいた。イースと二人きりになれる貴重な機会を逃さずに済んで、内心小おどりしていた。

 

 だからだろう。

 

「お前って、私が好きでしょう?」

 

 

 

 

 

 

 

♡プリキュア♧じゃない彼女たち

と

◆世界を征服する話◆

 

第1話 こいのはじまり

 

 

 

 

 

 

 

 

 イースから突然そんな言葉をかけられたとき、思わず息を呑んでしまった。

 そして反射的に答えることもできなかった。

 若々しい褐色(かっしょく)の肌に、つう、と汗が垂れる。

 

「えっと……あの、それは」

 

「ふうん♪ 本当にそうなのね。サウラーやウエスターが噂していた通りなんだ」

 

 イースは目を細めて笑いながら、セミロングのくすんだ銀髪を掻き上げる。

 

「あの、その…………」

 

「それじゃ、お願いがあるんだけど……いいかしら?」

 

「はい。なんなりとお申し付けください」

 

 ユージは深々と頭を下げた。アメジストのようにうっすら透けた紫の髪。純粋な人間にはありえない色だ。

 

「私に恋するのは止めなさい。迷惑よ」

「は……」

 

 イースの言葉を聞いて、一瞬頭が真っ白になる。しかしすぐに気を取り直して言う。

 

「はい。わかりました」

 

「あっさり引き下がるのね。ふん、本当は好きじゃなかったのかしら」

 

「いいえ。そうではありません。ただ……」

 

 そこで一呼吸置く。

 

「私は合成人間(ごうせいにんげん)。

 国民番号GOP-9362061、識別名称ユージです。

 ES-4039781であるイース様とは、身分が違いすぎます。

 合成人間の私が、人間のイース様に恋をするなんて、社(・)会(・)か(・)ら(・)は(・)許されない感情です」

 

「ふん、分かってはいるのね。我らが〈ラビリンス〉の社会正義について」

 

「はい。もちろん理解しております」

「でも、私のことは好きなのよね?」

「……はい」

 

 イースに見つめられると、胸の奥で心臓が激しく鼓動する。頬が熱くなり、うまく喋れなくなる。

 

「ふうん……♪」

 

 歌うような、鼻にかかった美しい声。

 イースは迷宮の奥に向かって歩き出した。

 

「着いてきなさい、ユージ。我らが〈ラビリンス〉の偉大なる総統、メビウス様のご命令を果たすのよ」

 

「はい。ありがとうございます」

 

 イースは振り向きもせず、ずんずん歩いて行く。慌ててその後を追った。

 

 ◆◆◆

 

 二人は、迷宮を地下へ進んでいく。途中、巨大な扉に出くわした。

 

「ユージ」

「はい、お任せ下さい」

 

 ユージは手をかざして念じる。すると、目の前で空間が歪み、青い光で作られた鍵が現れた。

 その鍵を挿入すると、扉がゆっくりと開いていく。

 

「さすが、GOP型合成人間ね」

 

「もちろんです。私はユージ。

 ラビリンスの美しき幹部、イース様のしもべ。

 どのような鍵でも開いてご覧にいれます。

 イース様のために」

 

 本心だったが、イースにはお(・)べ(・)っ(・)か(・)に聞こえたのか、ふん、と鼻を鳴らされた。

 

「間違えないで。お前の能力は、我らが偉大なる総統メビウス様のためにある。私に気に入られようなどと考える必要はないわ」

 

「…………………………………………はい」

 

 絞り出すように言ったユージに、イースは、ふう……とため息をついた。

 

「……お前は、いつも私の役に立っているわ。さあ、この先へ入りましょう」

 

「はい、イース様!」

 

 ◆◆◆

 

 二人が入り込んだ場所は、地下深い迷宮の中心部だ。

 天井は高く、床には複雑な文様の描かれたタイル。壁には何かの壁画が描かれていた。

 

(……すごい)

 

 壁画の中心には、青い星。これは恐らくユージたちが生きる星、地球だろう。

 大半を占めるのは、今まさに地球を覆いつくさんとする、巨大な金色の星。

 

「妖星ギードラと、それに立ち向かう戦士……でしょうか。すごい壁画ですね。古代の技術とは素晴らしいものです」

 

「そうね……とても美しい……」

 

 イースも壁画を見上げて感心していたが、すぐに視線をそらし、奥の方を見た。

 

「宝物庫を探しましょう。妖星ギードラの欠片を持ち帰るのよ」

 

「はい! そうすれば、我らが〈ラビリンス〉の世界征服は達成されたも同然です」

 

 

 ◆◆◆

 

 世界征服。それこそ、ユージ達がこの遺跡を訪れた理由だ。

 

 この世界、この地球に、主要な国家は3つある。

 その一つが管理国家ラビリンスだ。

 偉大なる総統メビウスに統治され、世界をメビウスの元に統一せんとする、科学と社(・)会(・)正(・)義(・)の国。

 

 ユージたちはラビリンス軍に所属し、他国で解放作戦(スパイやテロ)を実施するエリート工作員。

 この遺跡を訪れたのは、世界征服のために伝説の秘宝を求めてのことだ。かつて、古代シャンティア王国を滅ぼした妖星ギードラの破片である。

 

 ◆◆◆

 

「これでイース様の評価はさらに高まりますね」

 

「当然よ。我が名はイース。偉大なる総統メビウス様のしもべなのだから」

 

 イースの顔に会心の笑みが広がる。その美しい横顔を見て、ユージの心に幸せが沸き起こる。

 

(イース様、あなたが幸せなら……俺も……)

 

 この時のユージは、そんな殊勝な事を考えていたのだ。

 身分違いの恋だった。

 しかし……。

 

(ダメだよ……幸せ、ゲットしなきゃ……)

 

「えっ?」

 

 ユージは耳を疑った。どこからか、聞いたことのない声が聞こえてきたのだ。

 

(二人で……幸せに……)

 

「誰だ? 誰かいるのか?」

「どしたの? 急に立ち止まって」

「いえ……なんでもありません」

「なら、早く行くわよ。宝物庫はすぐそこだわ」

「はい」

 

 イースの後を追うように歩き出す。そのときだった。

 

「うお!?」

 

 大きな音とともに、ユージの前にあった床が抜けた。そしてそのまま落下する。前にいたイースも一緒にだ。

 

「きゃああぁ!!」

「イース様ァーッ!!!」

 

 悲鳴をあげるイースに、ユージが必死に手を伸ばす。だが、二人の手が繋がることはなかった。

 

 ◆◆◆

 

 

 

 

 

 

わたしにすがりつくのはよしなさい。

──死から復活したある人の言葉

 

 

 

 

 

 

 

 ◆◆◆

 

「う……頭が痛い……!」

 

 目覚めたイースは、ベッドの上で頭に手を当てて呟(つぶや)く。意識を失う前のことが思い出せない。

  

 頭を押さえているうちに、服が変わっていることに気がつく。

 怪我をしたのか、体に包帯。ボンテージのような軍服ではなく、治療用の患者衣に着替えさせられていた。

 

「ここは確か、ラビリンス本部の治療室……。どうしてここに?」

 

 うめく内、徐々に記憶が蘇ってくる。

 

「そうだ、私は確か……」

 

 遺跡の迷宮で崩落に巻き込まれた、はずだ。

 

「……その後のことが思い出せない。うう、ユージはどうなったの……」

 

 その時、扉が開かれ医療官の女性が入ってきた。

 飾り気の一切ない、ラビリンスの国民服だ。

 

「お目覚めですね、イースさん。お疲れでしょうが、総統閣下がお呼びです。ご案内します」

 

 言いたい事だけ言って、部屋から出て行く。イースは慌ててその後を追った。

 

「待って、状況を説明しなさい! 一緒に落ちた合成人間はどうなったの?!」

 

 歩き出した女性の背中に向かって叫ぶ。すると女は振り返もせずに告げた。

 

「私は国民番号KH-4134542です。あなたの質問に答える義務はありません。全ては総統閣下のために」

 

 そう言い残すと、そのまま廊下の奥へと消えていく。

 残されたイースは、なぜか呆然と立ち尽くしいた。

 

「すべてはメビウス様のために……」

 

 頭がはっきりしない。

 イースは言われた通り総統室へと向かった。

 

 ◆◆◆

 

 扉の前に立つと、中から話し声が聞こえる。

 

「失礼致します。イースさんをお連れしました」

「入りなさい」

 

 女の声が響く。イースは疑問を覚えながら、部屋に足を踏み入れた。そして、目を見張る。

 

「ユージ……なぜ、お前がこの部屋に……!」

 

 目前の光景を信じられなかった。

 イースが見たものは、総統の椅子に座るユージと、傍らに立つ少女の姿であった。

 

「イース様! 目を覚まされたんですね」

 

 ユージが嬉しそうに近寄ってくるが、イースはその手を払い除けた。

 

「どういうことなの?! なぜ、お前がメビウス様の部屋で、メビウス様の服を身に着け、メビウス様の椅子に座っているの!?」

 

「イース様……あの、これは……」

 

 ユージは狼狽しているようだ。服はブカブカで、完全に着られている。

 

「この、おバカ! 答えられないなら質問を変えるわ。何があったの? メビウス様はどこ? ご無事なの?」

 

 イースにとって、メビウスは絶対の存在だ。

 生まれた時から機械で教育(せんのう)され、メビウスのことを「総統」と敬ってきた。

 神の存在さえ知らない彼女にとって、メビウスの言葉は神託に等しい。

 

「イース様……落ち着いて聞いてください。メビウス様は……」

 

「メビウス様は?!」

「……破壊されました」

「…………は?」

 

 イースの思考が停止する。今、こいつはなんて言ったのだろう。

 

「破壊……? え、だって、メビウス様は……ご高齢で……ご高齢でお体が……え……死……破壊……?? ……意味が……?」

 

「ユージさん、わたくしから話しましょう」

 

 今まで黙っていた少女が言った。

 音楽のようにすべすべとした、可憐な声だった。

 

「シャロン……すまない」

 

「誰……?」

 

 その少女は、ユージの隣に寄り添った。

 

「このような挨拶で失礼します、イースさん。わたくしはシャンティア王国の王女、シャロンと申します」

 

 美しい。

 驚くほどに。何もかもが整っている。

 まるで雪で作られた彫刻のようだ。 

 

「メビウスはわたくしとユージさんが破壊しました」

 

「……え、なにを……言っているの……?」

 

 イースの口から疑問符だけが漏れ出る。

 シャロンは紅を塗った唇で続ける。

 

「総統を僭称(せんしょう)していた管理AIメビウスと、その端末である人造人間"M-000076"は確かに強敵でした」

 

 宝石のような赤い瞳がきらめく。

 

「しかし、あなた達ラビリンスが探し求めていた妖星ギードラの欠片。その魔力の前には、蟻が象を狙うも同じ」

 

 雪のように白い髪は上の方で二つにまとめ、装飾品で飾られている。それで毛先は足元まで伸びているのだから、ほどけば背丈よりも長いのだろう。

 

「ギードラの力は、メビウスの想像を遥かに超えていたのです。ふふふ……♪」

 

 何より、金色を多用した豪奢(ごうしゃ)なドレスにふさわしい、優雅で余裕たっぷりの微笑み。

 

「だから、何を言ってるのよ! メビウス様を、お前が殺めたと言うの!?」

 

「いいえ、イースさん。メビウスはただの狂った機械。ただの電子頭脳です。今頃は再生資源として、リサイクルされていることでしょう。ね♪」

 

 シャロンが、甘えるようにユージの腕を取る。ドレスの上からでも分かる二つのふくらみが形を変えた。

 イースのまぶたがピクリと痙攣する。

 

「ネジとか、バネとか、歯車とか……あとは……ユージさん、なんでしたっけ?」

 

「シリコンが多かったから、ガラスかな」

 

「ふざけないで! お前達は……お前たちは……ッ!」

 

 怒りで言葉がうまく出てこない。唇を強く噛み締める。血が出るほど強くだ。

 

「スイッチ・オーバー!!」

 

 叫ぶと、イースの服が一瞬で軍服に変わる。胸の結晶体から赤いオーラが立ち昇り、全身を包み込んで身体能力を強化する。

 

「イース様!」

 

 ユージが声を上げるが、イースは完全に逆上していた。視界が真っ赤だった。

 

「ユージィイ!! この裏切り者ォオ!!!」

 

 イースは拳を振り上げ、ユージに飛びかかった。

 

「無駄です」

 

 シャロンの右手が黄金に光る。イースの体は、空中でび(・)た(・)り(・)と静止した。

 

「離せェ!」

 

「イース様、落ち着いて! 話を聞いてください!」

 

「黙れ! この裏切り者ォ! 殺してやる! 私を裏切った報いを受けさせてやる!」

 

 イースが泣き出しそうな声で叫んだ。シャロンは哀れに思ったのか、優しく語りかける。

 

「イースさん、いえ、イース。

 悲しむ事はないのですよ。

 この国はユージさんを新総統として再編します。

 『シャンティア連合共和国』へと。

 そして、改めて世界征服に乗り出すのです。

 イースにも、大幹部の席を用意しています。

 一緒に頑張りましょうね」

 

「なにがシャンティアだ! 勝手なことばかり……! 私がいつ、お前達に忠誠を誓ったと言うんだ!」

 

「ふふ、そうですか……。では、先に頭の中をキレイにしてあげましょう」

 

 そういうと、シャロンは左手をかざした。すると、イースの頭に激痛が走る。

 

「うあああぁあっ……!? あああぁあっ……!」

 

「シャロン?! イース様に何をする気だ!」

 

 ユージが叫ぶ。しかし、シャロンは無視して作業を続けた。

 

「何もしません。

 ただ、メビウスが施した洗脳を解くだけです。

 安心して、イースの記憶は消えませんから。

 これからも、ユージさんの側にいます。

 よかったですね、イース。

 新しい国のために尽くすことができますよ」

 

「うぅ……ぐぁ……あぁああ……!」

 

 イースは頭を押さえてうずくまる。

 

「メ……メビウスはただの機械……ずっとラビリンスの国民をだまし、支配し、搾取してきた……!」

 

 正(・)し(・)い(・)歴(・)史(・)が、イースの脳内に刻み込まれていく。

 

「私の……使命は、人生は、全部ウソ……あぁあっ! うあぁあっ!」

 

「そうです、イース。ぜ〜んぶ、ウソ♪」

「シャロン!」

 

 イースは涙を流していた。なぜ泣いているのだろうか。自分でも理解できない。

 ユージが、苦しむイースをそっと抱きしめる。

 

「イース様……。

 俺は、あなたをずっと見てきました。

 だから分かります。

 本当のあなたは、ちょっと不器用だけど生真面目で、何事も精一杯頑張る一生懸命な女の子だ。

 それはウソじゃなかった。

 ウソじゃないんです、イース様」

 

 ユージの優しい口調が、イースの体に染み込んでいく。天井を見上げて涙を流すイースは、ユージの顔を見ることができなかった。

 

「さあ、イース。

 今日からあなたは彼の側近です。

 ユージさんとともに世界を征服するのです。

 共に新たなシャンティアを、平和で……

 平和で笑顔溢れる、幸せな国にするのです!」

 

 シャロンは陶酔したように叫び、イースに手を差し伸べる。

 

「笑顔だと……虫唾が走るわ……!」

 

 だがイースはユージを突き飛ばし、シャロンの手も振り払った。

 

「……あら? イース、あなたはもう自由の身です。自分の意思で行動を決めることができるのですよ? それとも……まだメビウスに支配されているのですか? 」

 

「黙れ、悪魔め……! 新たなシャンティアだと?! 貴様がユージを誑(たぶら)かしたのか! 私のように頭の中身を書き替えたのかッ! この卑怯者ォ!」

 

 イースは涙ながらに叫ぶ。シャロンは口に手を当ててクスクスと笑った。

 

「あら、まあ♪ 喜んで下さい、ユージさん。貴方達、けっこう脈があったみたいですよ?」

 

「なにを馬鹿なことを……イース様が俺を心配するわけがない」

 

「ふふ、そうでしょうか? イース、あなたはどう思いますか?」

 

「お前なんかに話すことはない!」

 

 イースは叫ぶと、再び拳を振り上げた。しかし、またもや体が動かせなくなる。

 

「イース、あなたは勘違いをしているようですね。

 わたくしは、ユージさんに命令などできません。

 彼とわたくしは、契約の上で結ばれたのです。

 対等なのですよ」

 

 体が浮き上がる。そのまま、総統室の巨大な机に叩きつけられた。

 

「きゃっ……!?」

 

 悲鳴が漏れる。机の上に倒れ込んだ体を起こそうとするが、金色の光で押さえつけられる。シャロンの念動力だ。

 

「さあ、ユージさん。あなたは契約を果たしてくれました。今度はあなたが、願いを叶える番です」

 

「分かってる……ありがとう、シャロン」

 

 シャロンは、何故かユージに口づけた。まるで軟体動物のように舌を絡めあう。

 

「……え?」

「ん……ちゅ♡ ……ぷはぁ……」

「シャ……ロ……ン……」

 

 二人はしばらく見つめ合っていたが、やがて離れていった。ユージは照れた様子で頭を掻いている。

 シャロンはユージから唇を離すと、今度は呆然とするイースの額に素早くキスした。

 

「なにを……しているの? ユージ?!」

 

 イースが狼のように吠える。

 

「これは……「祝福」なのです。とても、気持ちがいいのですよ」

 

 シャロンは微笑んだ。その笑みに、イースは蛇を連想した。

 

(続く)

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