「別に。ただユージの顔が見たいだけ……あっ」
つい本音を漏らしてしまった。ジェントルーはニヤリと笑うと、立ち上がって電話を取り出した。
「なんだ水くさい。今から呼んでやるから待っていろ」
「ちょ、ちょっと!」
「心配はいらない。私もちょうどユージの声を聞きたいと思っていたところだ」
止める間もなく、ジェントルーは電話をかけてしまった。イースはため息をつくと、椅子に身を投げ出す。
もう、どうにでもなれ。
しばらくして、インターホンが鳴る。ジェントルーが立ち上がって、いそいそとユージを出迎えた。
「ただいま、ジェントルー、ドリーム。イース様も、いらっしゃい」
「ユージ、上着をもらおう。ハンガーにかけておくから」
「ありがとう、ジェントルー。……おっ、香味油のハンバーグだ。俺の好み覚えてくれてるんだな」
「ふふん、当然だ」
ユージの上着を預かったジェントルーは、誇らしげに笑う。鼻歌を歌いながらキッチンに向かった。ユージの分を用意するのだろう。
「イース様? どうかしたんですか」
ユージは脱力したイースを見とがめたようだ。イースは慌てて立ち上がる。
「あ、その、総統閣下におかれては、その……」
言葉が上手く出てこない。ユージの執務室以外では敬語で通していたから、プライベートエリアで会うとどう話していいか分からなくなっていた。
ユージが不満そうに顔をしかめる。
「イース様? ここは俺の家だし、他の目もありませんから。ユージとイース様でいて下さい。なあ、ドリーム?」
「もちろんよ! 『大好き』同士なんだし、もっと砕けた口調で話しましょ。ね、イース」
ドリームが笑顔で言う。イースは大きく深呼吸すると、「そうね」と返事をした。
「……お帰り、ユージ。なんだか久しぶりね。最近忙しかった?」
「ええ、まぁ。ホープキングダムで色々あったみたいで……。それよりイース様、顔色がいいですね。何かありました?」
ユージは優しい声で問いかける。イースは自分の頬に手を当ててみた。シャロンのくれた薬が効いたのだろうか。このところ彼女を悩ませていた頭痛が治まっている。
「ううん、ちょっと……飲んでる薬を変えただけ。それだけよ」
ユージは不思議そうな表情をしていたが、それ以上聞いてくることはなかった。
代わりに、イースの腰を抱いて胸元にすっぽり収めてしまう。
(あ、あれ……?)
イースは抵抗できなかった。それどころか、吸い込まれるようにユージの胸に顔を埋めている。
彼の匂いがする。安心感と心地良さを感じている。ユージはいつものように、優しく頭を撫でてくれた。
「ドリーム、コーヒーを頼む」
「はーい」
ドリームは慣れた様子で準備を始める。ユージに抱き締められたまま、イースはその様子を見つめていた。
そう言えば、想いを告げてから抱きしめられるのは初めてだ。ユージの体臭を吸い込む。少し汗臭い男の臭い。でも不快じゃない。むしろ、興奮する。
「あ、あの……ユージ?? 私ちょっとアレだから……離して……」
「嫌です。イース様を感じたいから」
耳元で囁かれると、ゾクッとした。背筋が震え、子宮が疼き出す。
イースが体を強張らせたのを察してか、ユージはますます強く抱きしめてきた。彼の手が背中を這う。指先が肌に触れるたび、ビクンと体が跳ねる。
シャロンの言葉を思い出す。自分は真の女になりつつあるのだと。男の精で、子供を産める女に。
「あ…………♡」
強烈な快美感が昇ってくる。もちろん子宮から、脳にだ。愛しい男の子供を産むという快楽への期待に、思考が塗り潰されていく…………
「はい、お待たせ〜♪ 熱いから気をつけて」
ドリームの声に我に帰る。テーブルには4人分のマグカップが置かれていた。
ドリームは、ニコニコしながら二人の様子を見守っている。その隣ではジェントルーがジト目でこちらを見ていた。両手で持った皿の上で、ハンバーグが湯気を立てている。
「あー、ユージ? 君の家で君が何をしようと勝手だが。それは確かだが、まずは私の手料理を味わってはくれないだろうか。せっかく作ったのに冷めてしまっては悲しいぞ」
「あ、ああ悪い。そうだな、いただきます」
ユージはようやくイースを解放した。イースは名残惜しかったが、節度も大事だ。
「……そう恨めしい顔をするな、イース。今夜はベッドを空けてやるから、思う存分ユージに甘えるといい」
呆れ顔のジェントルーが言う。イースは恥ずかしげにうつむいた。
下着が濡れていることは、バレていないはずだ。きっと。
◆◆◆
「ユージ、舌、出してぇ……」
ベッドの上で、イースは甘い声音でささやいた。ユージは言われるままに口を開いて、舌を長く出してくれる。
「ユージの舌、可愛い……んっ……」
イースはうっとりとして、ユージの舌に自分の舌を絡めた。ユージの唾液の味がする。それを舐め取るだけで、全身が痺れるような感覚を覚えた。
「んちゅ……♡ んんっ……♡ おいひぃ……♡」
声がハートマークまみれになるのを止められない。ユージの舌をしゃぶって、歯茎をなぞって、何度も何度も舌キスを繰り返す。
唾液まみれになった舌先をチロチロ舐めると、ユージの口から吐息混じりのうめき声が上がる。ユージの瞳はとろんと蕩けていて、気持ち良くなってくれるのが嬉しくて、イースは夢中でユージを求めた。
「ぷは、は、もっと、もぉっと欲しいの♡ ユージの、ぜんぶっ!」
「ちょ、ちょっと待ってください、イース様」
ユージは慌てたようにイースのお尻をタップした。引き締まっているのに柔らかい、若い尻肉がプルンと揺れる。イースは構わずユージに覆い被さった。
「ユージ、ユージっ! 好きっ、好きなのっ!」
「イース様、落ち着いて……!?」
ユージは力づくでイースを引き剥がしてしまった。その唇はイースのヨダレでベトベトになっている。
「え……どして? 私じゃダメ? 私のこと嫌いになったの?」
イースは泣き出しそうになる。ユージは困った顔をしていた。
「まさか……でも、今日のイース様はちょっと変ですよ。一体どうしたんですか」
「そ、それは……」
言えない。言えるわけがない。薬を止めて生理がくるようになったから、妊娠したくて、男が欲しくてたまらないなんて。
イースが震えていると、不意にコンコンとノックの音がした。
「お邪魔しま~す」
ドアを開けて部屋に入ってきたのは、ドリームだった。可愛らしいピンクのパジャマ姿だ。手に枕を抱えている。
イースは、さっとシーツで前を隠す。だがユージは堂々としたものだ。
「……ユージ、お前はどうしてそんなに余裕なの。まさか、もうドリームとも……?」
ユージは慌てて否定してきた。
「違いますよ! ドリームは、俺の裸くらい見慣れてると思って……ほら、クリスタルの中で!」
そういえば、ユージはドリームに裸に剥かれていたのだった。だがその時の精神的衝撃を思い出すと、今でもイースの心は激しく乱れる。
「うう、あの時の話はしないで欲しいわ……それよりイース、これ使って? シャロンから預かってきたの」
「シャロンから? いつの間に仲良くなったんだ」
ユージの質問に、ドリームは誇らしげに「今日から!」と答えた。
「へえ……何だろう」
ユージは興味深そうに小箱を受け取った。イースはムッとする。
「ちょっと、私よりそんな物が大事なの?」
「あ、いえ、そういう訳じゃないんですけど」
ユージは苦笑して、イースの髪を撫でながら小箱を開けた。中には、丁寧に包装された木片が入っている。
「何、これ。木にしか見えないけど、何かしら」
「俺も初めて見ます」
「お香だって。気分を落ち着けて、夜の生活を円満にしてくれるんだって」
ドリームは包装を解くと、同梱されていた白い容器に乗せてスイッチを入れた。電熱式なのか、すぐに独特な香りが立ち上ってくる。
「……良い匂いね。リラックスできそう」
「そうですね。でも……ちょっと、甘すぎませんか?」
ユージの言葉通り、確かに匂いは甘い。だが、嗅いでいると高ぶっていた気分が徐々に落ち着いてくる。
「私は結構好きだよ。なんだか、いい気持ちになってくるもの」
ドリームは微笑んで言った。あどけない顔に朱がさして、大人っぽい雰囲気がある。
ぷるんとした唇を開いて、彼女は言った。
「イース、あの……抱っこして? 私、なんだか体が熱くて……」
「え? ……きゃっ」
イースは目を丸くして驚いた。ドリームが急に胸に飛び込んできたからだ。
ピンクの髪の毛からはシャンプーの匂いがする。胸元に押しつけられた顔は火照っていて、呼吸は荒い。
「お願い……ギュッてして……♡」
「あ、あの……ドリーム? アンタ、いったい何を……あっ?!」
ドリームの手がイースの太股を撫でる。それだけでゾクゾクするような快感があった。
「あぁん♡ やっぱりイース、すごいエッチなおっぱい♡」
ドリームよりかなり大きい乳房を揉まれると、「あんっ」という喘ぎ声が漏れてしまう。イースは戸惑いながらユージに助けを求めた。
「ゆ、ユージ、助けて……ドリームが急に……!」
ユージは固唾を飲んで見守っていた。そして、ゆっくりと近づいてきた。
「イース様、俺も正直……変な気分になってきたっていうか……その……」
「お前まで! もう、なんなの、このお香!」
イースは涙目で抗議したが、ユージとドリームはおかまいなしだ。イースの張りがある乳房に、左右からそれぞれ吸い付いてくる。
「あぅう♡ だめぇ♡」
二人の舌が乳首を転がすと、電流のような快感が走った。全身から力が抜けていく。
そこでイースは気づいた。自分の性欲は、全く落ち着いていない事に。ただ上下動が抑えられているだけで、平均値はそのままなのだ。
(まさかこのお香……気分を高めて、高いところでそのまま止めてしまう効果があるんじゃ……)
そうとしか思えない。でなければ、こんなに体が疼いているのに冷静でいられる訳がない。
「あの……クソ女……! ドリーム……やめなさいっ……んんっ♡」
「やだぁ、イースのおっぱい美味しいもんっ」
ドリームは聞く耳を持たず、にへらと笑う。彼女がイースの胸にむしゃぶりつくと、乳肉は弾力を発揮してぶるりと舌を押し返した。
ユージは反対側をペロペロと舐め回している。余計な力を加えず、感覚だけが伝わるように。
「あ、あふ……んんんんん〜!!」
イースは必死に声を抑えたが、どうしても吐息が溢れ出してしまう。それどころか、体の芯がお湯に浸かったように暖かくなってくる。
「ああ、イース様……綺麗です……」
「やだ、ユージ、恥ずかしいっ」
ユージは、イースの脚を左右に割り開いて、その奥をじっと見つめていた。イースは恥ずかしさに身悶える。
「やめて、そんなに見ないでぇ……」
「ごめんなさい、でも、すごく可愛いんですよ。イース様のここ……」
ユージは指先で濡れた割れ目の部分をなぞった。イースは腰を浮かせてしまう。いつもならくすぐったさと恥ずかしさから始まるのだが、今日は違う。
「やっ、やっ、やっ、やっ、やっ♡」
イースは切なげに体を震わせた。まだ触れただけなのに、軽くイッてしまったのだ。
「イース様、今イキましたよね?」
ここに鏡があったら、とろけて崩れた自分の顔が見れたに違いない。そう確信できるほどの快楽で脳を貫かれていた。
「そ、そんな事、聞かないでよぉ……!」
「あはは、ごめんなさい。じゃあ、続けますね」
ユージは楽しそうに笑うと、今度はクリトリスに狙いを定めた。舌先を伸ばして、チロチロと優しく舐め始める。
「ひゃう、うそ、そこぉ♡」
「イース様、どうですか?」
「気持ち良すぎて、変になっちゃいそぉ……!」
イースが答えると、ユージは嬉しそうに笑って、優しいままの愛撫を続ける。じわ~、じわ~と気持ちよさが溜まっていく。
「ユージぃ……もっとぉ……もっと舐めてぇ……」
「はい、喜んで」
ユージは言われるままに、イースの敏感な突起を口に含んだ。ちゅううっと強く吸われる。ずん、と何かが股間から脳天まで突き抜けた。目の前がチカチカして何も考えられなくなる。
(あ…… すごい……)
「~~~~~っ!」
声にならない悲鳴を上げて、イースは絶頂した。ぐいっと腰を突き上げて、つま先をピンと伸ばし、背中を思い切り反らせる。
「ぐっ、あ、あ~~~~~~♡」
暴れそうになる両脚はユージにしっかり押さえ込まれていて、逃げることもできない。それに加えてドリームが、天井に乳首を向けて震える乳房を鷲掴みにして、思いっきり揉んできた。
快楽の波にさらわれて溺れそうになりながらも、イースは自分の体に何が起きたのかを冷静に数え上げた。
(またイカされちゃった……。ユージにおまんこクンニされて……それに、ドリームにおっぱい揉まれて……あぁん、ダメ、おっぱい揉まないで……きもちいい……! それから、ユージにクリちゅぱって吸われて……! ああ……! だめ、イク……!)
ユージの口の中に潮を吹きながら、イースは再び達してしまった。
たっぷり数分は経っただろうか。ようやくユージが口を離す。イースの秘所から糸を引いて垂れ落ちる唾液と淫液が、シーツに染みを作っていく。
ユージは満足げに微笑んで、言った。
「イース様、気持ちよくイケましたか?」
「うん……すごかったぁ……」
ユージの問いかけに、イースは呆けた声で答えた。口の端からヨダレが垂れている。
「あはっ、イース、エッチなお顔ね」
ドリームがクスッと笑ったが、イースは気にならなかった。それよりも言わなければならない事がある。
「ど、りーむ……いくら気持ちよくしたって、大好きになるわけじゃ……」
「分かってるよ? でも、イースはもう私の事を好きになってくれてるもの。友達になってくれてるもの。私も、イースの事が好きになったんだよ?」
「……え?」
イースはぼんやりとしたまま、疑問を返した。ドリームは笑った。屈託のない、子供らしい笑顔だった。
彼女はベッドに横たわるイースの横に寝転がると、腕を絡めてきた。パジャマ越しに心地よい温もりが伝わってくる。絶頂後で人肌恋しかったイースはとろんとした気分になる。
「だって、イースはとっても優しかったんだもの。私が赤ちゃんみたいだって分かってくれて、でも人間として扱ってくれて……だから私も、イースのことを大事にしたいって思ったんだ」
「ドリーム……でも、私はアンタのこと、全然信用してなくて……」
イースは戸惑いつつも、彼女の頭を撫でた。ピンクの髪の毛はさらさらしていて、手触りがとても良い。
「知ってる。でも、今は信じてくれてる。それが嬉しいの。だから一緒に気持ちよくなりたいの」
ドリームはイースに覆いかぶさり、そして唇を奪った。唇を重ねるだけの、親愛のキスだ。
「んっ……ぷはっ」
(ドリーム……こんな顔するのね)
普段の無邪気で可愛らしくて明るい表情とは違う。目を細めて、獲物を品定めする蛇のような、サディスティックな目つきだ。
しかし、不思議と違和感はない。これが彼女本来の顔なのかもしれない。普段は、子供としての顔が隠しているだけで。
「ドリーム、そこまでだ。イース様を独り占めするんじゃない」
ユージがドリームの肩に手をかけて引き剥がした。ドリームは大人しく離れると、今度はユージに抱きついて、その頬に軽くキスをした。
「やだぁ、ユージったら嫉妬? 可愛い」
「当たり前じゃないか。俺はまだイース様の唇にキスさせてもらえないのに、お前一人……!」
「ふふふ、大丈夫だよ。ユージにも間接キスさせてあげる」
ドリームはユージの顎に手を添え、顔を近づけた。ユージは反射的に目を閉じる。ドリームはユージの唇に優しく口づけをして、すぐに離れた。
「どうだった? 私のファーストキス。私の味がした? それとも、イースの味がした?」
「……ドリームの味かな。美味しいけど、ちょっと違う」
イースはもう嫉妬心も沸かなかった。頭の芯まで快楽に浸されたあとは、理屈でものを考えるのは辛い。ただ、ユージがとても大きく見えて、ドリームがとてもうらやましく感じるだけだ。
「ユージぃ……私にも何かしてぇ……」
イースは甘えた声でおねだりした。ユージは「はい」と答えると、仰向けに横たわったままのイースの上に馬乗りになった。ドリームがユージの背中に密着すると、ユージはイースの両膝を抱えて持ち上げた。
「あぅっ」
イースは小さな声を上げた。ユージの分身が、ちょうど自分の割れ目に乗り上げている。期待感がぐぐっと胸にこみ上げる。
「ユージ、もしかしてイースを犯しちゃうの? だめだよ、イースは生理が終わったばっかりなんだから」
「え? イース様、そうなんですか? それなら、そうと言ってくれれば……」
ユージは戸惑った様子だったが、シャロンと結婚しているだけに生理に関する知識はあったらしい。イースの上から離れようとする。
イースの胸に泣きたくなるほどの寂しさと悲しみが広がる。ユージは自分とセックスしてくれるつもりだったのだ。
「う、ご、ごめんなさい……私の準備がまだできてないせいで……あの……ごめんなさい……」
情けなさで涙が溢れそうになる。
「泣かないでください。……ドリーム、シャロンからコンドームを預かってないか? ここにあるって聞いたんだけど」
「うん、あるよ。ちょっと待ってて」
ドリームが部屋を出ていくと、イースはますます恥ずかしくなった。自分の性行為も自分で管理できないなんて。こっちが赤ちゃんのようだ。
「ねえジェントルー、コンドームってどこに閉まったっけ? 確か引き出しの中だと思うんだけど……」
「名前を呼ぶな! イースたちに聞こえるだろう。そこの……右から二番目だ」
「あ、ホントだ。ありがと、ジェントルー」
「わざとやっているのか!?」
出歯亀していたらしいジェントルーの声がして、間もなくドリームが戻ってきた。
「はい、ユージ。これ使ってね」
「ああ、ありがとう」
ユージはドリームの手から受け取った箱を開けると、中身を取り出した。
ドリームがベッドに飛び乗ってくる。
「わあ、コンドームってそんな形してるんだね。初めて見た」
「俺も初めてだよ。まあ、こんなもんかな」
コンドームをかぶせたユージのモノは、既に臨戦態勢に入っていた。かなり薄いゴムでできているらしく、血管がくっきりと浮き出ているのが見える。
ドリームは興味津々といった様子で、それを眺めていた。
「ねえ、どうしてコンドームを使うの? 中に入らないなら無くてもいいんじゃない?」
「そうだけど、万が一があるから。ほら、こうやって……」
ユージは、自分の男根をイースの秘部に近づけた。イースは思わずツバを飲みこむ。
(す、すごい存在感……)
ペッティングで触る時とは、まるで違う。性器と性器の接近は、本能に訴えかけるものがある。熱くて硬くて脈打っていているモノが、様子を伺うように、ゆっくりと陰唇に擦りつけられる。
「あ、んっ……」
敏感な粘膜を刺激され、イースは小さく喘いだ。
「痛かったですか? すみません」
「ち、違……びっくりしただけ……。もっと強くても平気……」
「分かりました。じゃあ、少し力を入れますね」
「ん……ああっ……」
ユージの腰の動きに合わせて、イースの腰も揺れてしまう。
「ふーん、こういう感じなのかぁ……なんか変なの」
「素股だよ。中を傷つけずに、男も女も楽しめる。どうですか、イース様」
ユージは尋ねながら、イースのクリトリスに亀頭を押し当て、腰をゆっくりと前後に動かし始めた。
「あ……やだ……やだ……これ……ダメ……」
何しろついさっきは、ソコを優しく舐められるだけで絶頂したのだ。熱くて硬いペニスで擦られたら、ひとたまりもなかった。
「あ! い、い、い、いくっ……! …………あ、あひっ、はぁ……ああぁ……」
ユージは動きを止めてくれたが、イースの絶頂感はなかなか収まらなかった。小刻みに痙攣しながら余韻を楽しむ。
「どうでしたか、イース様?」
「きもちいい……すごくよかった……おまんこ気持ちよくなるし……クリも気持ちよくなれるかも……」
イースは無意識のうちに太ももの力を緩めてしまっていたが、そのことに気付くことはなかった。だらしなく両足を広げて、いつでもコスってくださいと言わんばかりの体勢になっていた。
ユージは自分の先端で、イースの愛液をすくい取ると、そのまま彼女の割れ目に塗り込んだ。ぬちゅりという粘っこい水音が響く。
「あ゛っ♡ ユージぃ……♡ また気持ちよくなりたいよぉ……」
ユージは答えず、イースの太ももを抱えると、自分の肉棒が強く圧迫されるようにしっかり抱きしめた。そして先ほどと同じように前後に揺すり始める。今度はより激しく、イースのクリトリスが押し潰されてしまうような勢いで。
「あひいっ♡ あ、あうっ、すごっ……これ、ああん、イクっ、イっちゃう……!」
イースの気分を盛り上げているのは、スリルだ。もちろん、今のイースに恐怖はない。嫌悪感もない。ほんの少しユージが角度を変えてイースの膣内に侵入したとしても、なんの問題もない。ほんの少しの苦痛と引き換えに、今までで最高の幸福が訪れるだろう。
(でも、駄目。私の処女は、今じゃないどこかであげたい。その方がユージは喜んでくれるもの。だから今は我慢するの……ユージのため……!)
しかし、そんなことを思えば思うほど、身体は燃え上がった。小さなようで大きなハードル。越えてはならないと思うほどに、気持ちよくなってしまう。
「はぁ……はぁ……ユージ……好き……大好き……!」
「俺もです、イース様」
「んふっ……嬉しい……あ゛んんんっ……! ……ひぃいいーっ……♡ もうだめぇえっ……!」
「まだですよ」
ユージは腰を動かしたまま、右手を伸ばしてイースの勃起した乳首を摘んだ。
「ふぎゅっ!?」
痛みが走り、全身に痺れが走る。しかしそれもスパイスだ。絶頂直前の身体はどこを触られても気持ちよく感じるようになっている。
ユージは両手でイースの胸を掴んだ。
「やっ……ユージ待っ……」
イースは焦って彼の手首を掴むが、力が入らない。
「待ちません」
「あ゛っ!!」
ユージがイースのおっぱいを握りつぶした瞬間に、脳裏に電流が走ったかのような衝撃があった。
視界が白くなり、一瞬何も見えなくなる。ぱくぱくと口が動くが、声にならない。息が詰まる。ホワイトアウトだ。しかし、それは一瞬のことだった。
次の瞬間には、どーんと地の底まで落ち込むような墜落感と共に意識が覚醒する。強烈な快感が突き抜けて、意識せずとも勝手に膣が収縮してしまう。
「はぐぅうううっ!! ……い、い、い、い、い……い……い……い……」
「イース様? 大丈夫ですか?」
「は……は……だいじょぶ……あ゛っ! あ゚っ! あ゛っ!」
こういう時だけ、ユージは狡猾で残忍だった。イースがオーガズムの淵にいると察知すると、すぐに動きを速める。クリが押し潰されて苦しいくらいなのに、快感はさらに増していく。
イースは泣き叫んだ。
「ゆーじっ、待っへっ、これだめぇえっ、だめぇええええーっ!!!」
ユージが腰を振れば振るほど、乳房を握れば握るほど、イースの悲鳴は大きくなっていった。そして、ついにその時が訪れた。
「あああぁぁぁぁぁーっ!!! いくっ……いくぅううううーっ!!!」
イースは背筋を仰け反らせて絶叫した。秘裂から潮を吹き出し、ユージのペニスを挟み込んでいる太ももが強張る。
「ううっ……」
(ゆーじ もいっ たかな……すごく あつい もうだ め お やすみゆーじ)
イースは意識を手放した。
◆◆◆
「ん……う……あ……」
意識が戻り、まず目に入ったのはユージの目だった。イースの愛しい男は、舌でペロペロとイースの唇を舐めていた。
(……キスしたい)
朦朧とした頭で、半ば本能的に唇を突き出す。だが、ユージは寸前で逃げてしまった。
「あぁ……なんでぇ……」
キスできなかったことへの悲しみよりも、キスさせてもらえなかったことへの怒りの方が強い。
「ユージぃ……キスさせて……」
「駄目です。俺たちの関係にちゃんと名前が付くまで、キスは禁止。そう言ったのはイース様ですからね」
そんな事言ってない。嘘をつこうとしたが、舌がもつれて言葉が出なかった。
「うわぁ〜、ユージって鬼みたい。意地悪。イースがかわいそ〜♪」
ドリームが囃し立てる。手をたたきながら、楽しげに笑い転げている。
「ドリーム、うるさいぞ。そんな口は、こうやって黙らせてやる」
「むぐっ!? ……んん……んぅ〜」
ユージは、自分の唇でドリームの口を塞いでしまった。ドリームは驚いてユージの背中を叩いたが、すぐに大人しくなってされるがままになる。
「んみゅう……れろ、ちゅっ……れりゅう……じゅるっ……!」
ドリームは積極的にユージを求めた。自分からも舌を出して絡ませ合うと、ユージの唾液を吸い取るように音を立てて飲み干す。
「ぷはぁ……あはっ……なんかこれ、すっごくドキドキするね……」
「そうだな。ドリームのキス、凄く気持ちよかったよ」
「ホント? じゃあまたしてあげるね」
二人は唇を重ねると、お互いに舌を絡め合った。ディープなキスだ。まるで愛し合っているかのように激しい。
「んんっ……ちゅ、ん、ちゅ……ちゅ、んんっ……はぁ……んっ……」
ドリームの喘ぎは艶を帯びて切なげだ。瞳を潤ませた表情からは、彼女が興奮していることが見て取れる。一方、ユージは涼しい顔で微笑んでいた。余裕がある。男は慣れた様子で、少女の反応を楽しんでいた。
「ふあっ……んっ……ユージ、そこダメ……ベロがビリビリしちゃう……!」
「ふふっ、かわいいよドリーム」
「か、かわいくなんてないし! ユージのばか! 変態!」
「はいはい、ごめんごめん。じゃあ、次はどこを可愛がってあげようかな……」
「あ……んっ……」
ユージはそっとドリームを押し倒した。イースの横だ。本棚に本を閉まって、その背表紙を見比べるように、ぴったりと。
そこまでやっておいて、ユージは再び、イースの顔を見た。
「どうですか、イース様? こんな風に、俺とドリームはキスを楽しんでます。どう思いますか?」
そんなの決まってる。イースは、悔しくて仕方がなかった。自分もあんな風に甘えたいし、もっと激しく求められたい。
ユージはドリームのパジャマをずりあげ、彼女のかわいい乳房を露出させた。
ドリームは嫌がったが、ユージは構わずに彼女の胸の先端を口に含むと、優しい動きで舐めた。
「はぁ……あ、あ、ん……♡ きもちいいよぉ……♡」
ドリームは身をよじる。気持ちいいと言うのをやめられない、そう思わせる甘い声で鳴いている。そんな彼女を眺めていると、イースは身体が疼いてたまらないことに気がついた。
「ちゅ……イース様、間違いだったと言ってください。あの時、俺とキスしなかったのは間違いだったって。今からでも遅くありません。そうしたら……」
ユージが耳元で囁いた。
イースは必死になって首を横に振った。絶対に言いたくない。だってユージは間違ったことをしたのだ。イースも間違ったが、ユージも同じくらい間違った。だからキスしなくて正解だったのだ。あのときは。
「言わ……ない。絶対言わない!」
「ふふっ、強情ですね。強情なイース様は、好きです。心の底から」
ユージはドリームの乳首を指先で摘んでコリコリと刺激した。
「ひゃうんっ!? ……ユージ……そこは……気持ちよすぎ……!」
「そうなんだ。じゃあ、もっといじめてあげないとな」
「ち、違うっ……気持ち良すぎるだけでっ……」
ユージはさらに強くつねると、今度は口に含んでしゃぶり始めた。ドリームが一際大きな声を上げる。
「ふぁああん♡♡ あ♡」
「ドリームのおっぱい、小さくて可愛いね」
「あ、あ、あ♡ う、うれしい……♡」
ユージが褒めたからか、ドリームの頬が紅潮した。彼女は照れ隠しに、少しだけ乱暴にユージの髪をつかんだ。ユージがくすっと笑う。その笑顔がセクシーだと思った瞬間に、イースの胸がきゅんと締め付けられた。
ドリームはユージをどう思っているのだろう。ユージはドリームをどう思っているのだろう。二人がお互いのことをどのように考えているのか知りたくて堪らない。
だけどイースは何もできない。ただ見ていることしかできない。やがて、ドリームは身を震わせ始めた。
「んんっ、ん、んっ、んんんっ、んーっ…………♡」
ぴくぴくと小刻みに痙攣する。きっと胸からの快感が子宮にまで届いて感じてしまっているのだろう。ドリームは絶頂を迎えたのだ。
少女はしばらく息を整えてから呟く。
「はぁ……はぁ……はぁ……ううっ……私……イっちゃった……あ……ん」
再びユージがキスで唇を塞ぐ。しばらくの間、くちゅくちゅという水音が響き渡っていた。
「んんっ……ぷはぁ……あ……イース……? …………んっ」
気が付くと、イースもドリームとキスしていた。唾液を交換するような深いキスだ。
イースは、夢中でドリームの唇を貪った。
(あぁ……ユージの味がする。ユージで味付けされた、可愛いドリーム。食べちゃいたいくらい好き)
イースはキスしながら、ドリームのお尻を撫で回した。ドリームが驚いたようにビクッとする。だが、抵抗しない。むしろ自分からイースの手にお尻を押しつけてきた。
(ああ……ドリームも興奮してる。私の手の中でピクピクしてるもの)
それからしばらく、イースはドリームを味わいつくした。唇を通してユージを、秘部を刺激してドリーム自身を、そして脚を絡めて自分自身の官能を思うさま貪りつくす。
いつの間にか、イースとドリームはキスしながら意識を失っていた。
(続く)