『ユージさん、わたくしが欲しいのは、あなたの魂。イースを愛するあなたが、イースのために、わたくしのような凍死体に精液を注ぐのです。イースを愛する心さえも、わたくしに捧げて下さい。イース以外の全てを、わたくしに捧げて欲しいのです。できますか? それとも、できませんか?』
「……やる」
ユージは呟くと、シャロンの冷たい唇に、自分の唇を重ねた。
『ん……♪』
肉体からの感覚は、脳に伝わっているらしい。シャロンは少し嬉しそうな声を上げた。
『もっと強く、激しく……』
シャロンに言われ、ユージは唇を強く押しつけ、シャロンの口を吸った。シャロンの口から、濁った胃液が出てくる。
「うぐ……!」
ユージは嫌悪感で吐きそうになったが、何とか堪えた。
『……気持ち悪いですよね。死体ですもの。無理なら、出口の場所を教えますから、帰っても構いません』
「無理じゃない……俺は、イース様のためなら何でもできる」
ユージはそう言うと、再び唇を押し当てた。今度は、舌を入れてみる。シャロンの歯茎は冷たかった。ユージは必死でシャロンの胃液を飲み込み、シャロンの肺から漏れる空気を吸い込む。
「う、う……!」
『ふふ♪ 素敵……♡』
シャロンの声は笑ったようだった。
『……ところで、電源を入れない限り何度やっても意味がありませんよ』
「早く言えよ! スイッチはどこだ!」
『枕元のボタンです』
「これか……?」
押し込むと、装置が再起動したのか上蓋が閉じていく。冷たい外気から遮断されると、ユージはほっと息をついた。
「これで、イース様を蘇らせることができるのか?」
『ええ』
「本当に、本当に、本当なんだな?」
『しつこいですね。わたくしを信じてください』
「信じるよ。信じるしかない……」
ユージは、シャロンの体を抱きしめた。冷たくて、筋肉は硬直しているが、乳房のような脂肪だけは柔らかい。
「イース様……」
ユージの目には涙が浮かんでいた。
『ユージさん。そろそろ始めましょうか』
「ああ……」
ユージは自分の服を脱いだ。シャロンの体は硬直しているので、どう扱ったらいいのか分からない。それ以前に、自分から異性の体に触れるのも初めてだった。
『脱ぎましたか』
「ああ。うっ」
ユージは呻く。シャロンの体に、股間のものが当たってしまった。恥ずかしくて顔を赤らめる。
『では、わたくしの腰の下に何か……その枕で構いませんから挟んで下さい』
「分かった」
ユージはシャロンの下半身を持ち上げ、枕の上に載せた。重力に引かれて開いた太腿の間に自分の体を挟み込ませる。
『それでいいでしょう。では、あなたのものを、わたくしのお腹に当てて……』
「う……」
ユージは躊躇したが、意を決してシャロンの冷たい肌にペニスを当てがった。そのまま、ゆっくりと体重をかける。
「うっ、うっ……!」
『……もう少し力を抜いて下さい』
「ううっ!」
『ふふ……♪ 可愛い♡』
シャロンは笑ったが、ユージは緊張と嫌悪感のせいで、笑う余裕などない。
『大丈夫です。ゆっくり深呼吸して……』
ユージは言われた通りにした。シャロンのすえた臭いが鼻腔を刺してくる。
『そうです。上手ですよ……♪』
「うう……」
ユージは、シャロンの腹部にペニスを擦り付けた。シャロンの体が動くことはない。例えて言うなら、タオルで包んだ氷にペニスを押し付けているような感覚だろうか。
勃起できるわけがない。
『もっと速く動かせば、勃起できませんか』
「でも……イース様に申し訳が立たない」
『…………何を言っているのですか。イースにとってあなたはただの道具。死んだのがあなたの方だったら、イースはとっくにラビリンスに戻っていたでしょう。そんな相手に、どうして罪悪感を抱く必要があるのですか』
「ち、違う、イース様は、イース様は!」
『イースがあなたに抱いている感情は、役に立つ道具。良くてその程度のものでしょう』
「う…………」
『イースの愛を独り占めしたいのですか?
イースに嫌われたくないのですか?
イースを愛したいのですか?
イースを蘇らせたいのですか?
イースを幸せにしたかったのですか?
イースを喜ばせたかったのですか?
イースを楽しませたかったのですか?
イースに尽くしたかったのですか?
イースの役に立ちたかったのですか?
イースに認めてもらいたかったのですか?
イースに必要とされたかったのですか? 』
「そうだよ! 全部そうだ! イース様を愛してる! 俺なんかどうなってもいい! だから頼む! イース様を蘇らせてくれ!」
ユージは叫ぶと、シャロンの膣に自分の陰茎を挿入した。
「ぐう……! うおおっ!!」
濡れてもいない。勃起してもいない。苦痛は、想像以上だった。しかしユージは、陰嚢が密着するほど最後まで貫いた。
『ううっ! ……ふふ、痛みなんて、何千年も忘れていました! ああ、これが破瓜の痛みというものでしょうか!』
「シャ、シャロン、大丈夫なのか。君は……」
『ふふふ……痛いです。 苦しいです。 でも、嬉しい……わたくしのような女を案じて下さるなんて♪』
「それは、だって、君が……!」
『わたくしが、なんですか?』
「いや、なんでもない……」
『ふふ……♪』
ユージは言葉を濁すと、抽送を開始した。結合部から血が流れ出る。シャロンの血なのか、自分のものなのかは分からなかった。
『ああ……♪ 血で、血が……ああ、ユージさん、わたくしの心は、悦びを叫んでいます……♪』
「シャロン……! お、俺は痛くて、冷たくて、辛い……!」
ユージは初めて弱音を吐いた。苦痛を共有したことで、シャロンと心が近づいたように感じられたのだ。
『あら、わたくしは気持ちいいです。こんなに興奮したのは生まれて初めて! ありがとう、ユージさん……♡』
「そうか……!」
ユージは少しだけ嬉しくなった。生い立ちからくる承認欲求の飢えが、ほんの少し満たされた気がした。
『ユージさん、もしかして、褒められるの好きですか……? 好き? ありがとうは、好き?』
「うおっ、おっ、おおっ……!?」
ユージのペニスが、一気に硬度と大きさを増した。体温もない、動きもない、死にかけの女に、「好き?」と囁かれただけで、ユージは勃起していた。
『あは、やっぱり、褒められたり、好きって言われると、反応するんですね……♪ ほら、ユージさんのペニス、ビクビクしてますよ♪』
「ああっ! だ、だって、そんな事今まで誰にも言われなかったし……!」
『じゃあ、わたくしが言ってあげます。ユージさんのこと大好きです。ユージさんは凄いです。ユージさんは格好良いです。ユージさんは優しいです。ユージさんは素敵です。ユージさんは可愛いです』
「うおぉ……!」
『あはは♪ また大きくなった……♪』
「ううっ……!」
声だけだった。声だけで、シャロンはユージとセックスしていた。
『ユージさんは素敵です。ユージさんは凄いです。ユージさんは格好良いです。ユージさんは優しいです。ユージさんは素敵です。
「うう……!」
『ユージさん、ユージさん、好き、好き、好き……♡』
「うっ……! シャロン、シャロン!」
『ユージさんも、わたくしのことを想ってくれていますか……?』
「そ、それは、俺はイース様を……!」
シャロンは、声に悲しみの色を混ぜてきた。
『嘘でも構わないのです。イースのためでいいから、好きって、言ってみて? ユージさん、好き、好き、好き……♡』
「す、好きだよ……シャロン……」
『わたくしも好きです……ユージさん……、好き、好き、好き♡ 好ーき♪ 好き好き、好ーき♪ 大好き♡ 愛してます♡』
息継ぎの必要ないシャロンは、マシンガンのように愛の言葉をまくし立てる。
「ううっ……!」
『ふふ♪ 出して、素敵なユージさんのかっこいい射精をわたくしに感じさせて……♪』
ユージは、シャロンの声を聞きながら射精した。彼にとっては、精通であった。
「ああ……気持ちいい……! シャロン……シャロン……! す、好きだ、好きだ、好きだぁっ! うわあぁぁっ!」
シャロンの体は、まるで精液を浴びて喜んでいるかのように痙攣した。それが嬉しくて、ユージは冷たい身体にすがり付く。
『わたくしも好き! 大好きで凄くて格好良くて優しくて素敵で可愛くて凄くて格好良くて優しくて素敵でイースなんかには勿体無いユージさんが大好き!』
シャロンの声は、どこまでも優しく、甘く、そして情熱的であった。
ユージは、シャロンの中に再度射精した。
とてつもない達成感があった。
「ああ……ああ……!」
ユージは、脱力してシャロンの体に覆い被さった。シャロンの体は、まだ少し震えていた。
『ユージさん……』
シャロンの腕が、そっとユージを撫でた。
「あ、シャロン、君の心臓が……」
ドクドクと脈打っている。凍りついていた身体に、血液が循環しているのだ。
『うーん……ユージさん、びっくりしないで下さいね』
「え? ……うわっ!」
驚かないでと言われても、無理な話だった。組み敷いていた少女の身体が、ぴしぴしと音を立ててひび割れ始めたのだから。
『この身体、もう使い物にならないようなので。作り直しますね。むむむ……えいっ!』
可愛らしい掛け声とともに、シャロンの全身が砕け散り、キラキラした破片が宙を舞った。
「シャロン?!」
『大丈夫です』
ユージの頭の中で、シャロンが答える。
『ユージさんに心配してもらえて嬉しいです♪ さあ、新しいわたくしをご覧になって?』
「分かった……」
ユージはシャロンの破片を拾おうとしたが、その前には破片が光り輝き、やがて一点に集中して人型を形成した。光が収まる。そこには、全裸の美少女が女の子座りしていた。
「シャロン……」
「あー、ああ、あー……あめんぼあかいなあいうえお……こほん。如何ですか? わたくしの新しい身体は」
生命維持装置の中は、立てるほどの高さはない。だから、彼女はユージの前でくるりと転がって見せた。長い髪が、毛布のように広がる。
シャロンは、雪のように白い髪をした、気品のある美しい少女だった。血色の良い白い肌に、輝く赤の瞳。背丈は高くないが、造形美と言うのか、完璧に計算された、美しく整った肉体をしていた。
ユージは、シャロンに見惚れていた。イース以外の異性に、ここまで心を奪われたことはない。
ユージが何も言わないので、シャロンは心配そうな顔になる。
「あの……ユージさん?」
「綺麗だ……」
「まあ!」
シャロンは顔を赤く染めると、両手で胸を隠した。
「ああ、違うんだ! そういう意味じゃなくて!」
慌てて弁解するユージだったが、その目は、完全にシャロンの裸体に釘付けになっていた。
「本当に綺麗だ……!」
「…………えっち♪」
シャロンは悪戯っぽく微笑んだ。
「ああ、ごめん!」
「ふふ♪ 謝らないでください。むしろ、もっと見てください。わたくしの全てを……♪」
ユージは、ごくり、と唾を飲み込んだ。
「ユージさん……」
「シャ、シャロ……」
二人は膝立ちになると、互いの腰に手を回して抱き合った。ユージのペニスが、シャロンのお腹に触れる。シャロンはユージの首筋に唇を寄せた。ユージはシャロンの長い髪の毛に指を通した。
「ああ……ユージさん……」
「シャロン……」
トクトクという心臓の鼓動が、次第にドックドックと激しいものに変わっていく。ユージはたまらなくなって、シャロンを押し倒した。
「きゃっ♡」
シャロンは小さく悲鳴を上げたが、すぐに笑顔になった。そして、ユージを抱きしめる腕に力を込める。ユージはシャロンの胸に顔を埋めて、乳房の間で匂いを嗅いだ。
「はぁ……♡ ユージさん、くすぐったいです♡」
「クン、クン、シャロンの体、すごく良い香りがする。なんだか甘いような……」
「そうですか? 自分だと分からないですけど……。ふふ♡ お母さんみたいですか?」
「……分からない。俺は合成だから、親はいないし、必要なかったから」
「そうですか……では、わたくしがユージさんのママになりますね♡ はい、よしよ〜し♪」
「うう、恥ずかしいよ、シャロン」
「あら、可愛い……♡」
シャロンは、ユージの頭を撫でた。ユージは生まれて初めて与えられた母性に、夢中になってしまった。
イースのことを、忘れるほどに。
「うう、シャロン……」
「どうしました?」
「シャロン、シャロン……!」
ユージは、甘えるようにシャロンに頬ずりした。シャロンはくすっと笑うと、子守唄のようにユージの耳元に囁いた。
「いい子ですね♡ 可愛い可愛いユージさん……♪ お母さんのおっぱいを吸ってみますか♡」
「うん……!」
ユージは返事をするなり、シャロンの乳首を口に含んで吸い付いた。赤ん坊の頃の記憶はないが、本能的にこうすれば良いのだろうと理解していた。
「あんっ♪ ユージさん、赤ちゃんみたいなんですね♪ うふふ……♡」
「うう、シャロン……!」
「そんなに一生懸命おっぱいしなくても、まだまだいっぱいありますよ……♡ ほぉら、おいで♡」
シャロンは、自分の胸に吸い付くユージの頭を抱きかかえた。
「シャロン……!」
ユージはシャロンの乳房にしゃぶりつき、ちゅうちゅうと音を立ててミルクを飲んだ。
「うふ♡ ユージさん、美味しいですか? ユージさんのために、母乳が出るように調整したんですよ♡ ユージさん専用の搾りたてお乳ですよ……♡ さあ、もっともぉっと飲んで♡ 遠慮しないで、好きなだけ味わってください♡ ユージさんのためなら、いくらでも出せますよ……♡」
シャロンは、慈愛に満ちた表情で言った。だが母親というよりも、男を支配したがる女の顔であった。
「うう……シャロン!」
ユージは、シャロンの言葉に反応するように、さらに強くシャロンの乳房に吸いついた。
「ああ、いい子♪ いい子……♪ ユージさんの口の中、あったかい……♡ うふ♡」
ユージの意識は、もうシャロンで一杯だった。イースのことは完全に頭の中から消え去り、シャロンの柔らかな肉体に夢中になっている。
(ああ……気持ち良い!)
シャロンの乳房は柔らかくて、とても温かかった。舌先で触れると、ぷにゅりとした感触がある。ユージは、シャロンの胸の谷間に顔を埋めるようにして、ひたすらに乳首を舐め続けた。
──ユージにとって、愛情とは自分の内から湧き出るもので、ひたすらにイースへと捧げるものだった。だから、こうして誰かから与えられる愛情を受け止めるのは、初めての経験だった。
ユージは、シャロンの母性に包まれながら、今まで感じたことのない幸福を感じていた。
「ユージさん……ユージさん♡」
「あむぅ、ちゅぱっ、シャロ……ン! お、俺のこと、好き……?」
「はい……大好き♪」
「ああっ、嬉しい! 俺も、好きだ……大好きだ!!」
ユージは、幸せの絶頂にいた。生まれて初めて、想いが通じ合う幸福を噛み締めていた。この時間が永遠に続けば良いと思った。
「ユージさん……わたくしの身体は、いかがでしょうか?」
「最高だよ……!」
「ありがとうございます♪ ユージさんに喜んでもらえて、嬉しく思います……♡」
シャロンはユージの背中に手を回すと、ぎゅっと抱きしめた。ユージは、シャロンの胸の柔らかさを堪能しながら、シャロンの身体を貪るように抱き返した。
「ユージさん……わたくしが大切ですか? 失いたくないですか?」
「うん……! もちろん、君がいなくなるなんて考えられない!」
「ふふ……良かった♪」
シャロンは満足げに微笑んだ。そして、ユージの耳にそっと口を寄せると、甘い声で囁いた。
「──わたくしのシャンティア復興を、手伝ってくれますか?」
「ああ……! なんでも手伝うよ!」
「嬉しい♪ ──じゃあ、ラビリンスをわたくしの物にしてもいいですか?」
「もちろん! シャロンが望むことは全て叶えるよ!」
「ふふ……ありがとうございます♪」
ユージは、シャロンの言うことを全て肯定した。今のユージは、シャロンの忠実なしもべだった。
「────じゃあ、イースも要りませんね」
「えっ?」
ユージは硬直した。
「だって、イースはあなたを必要としていません。わたくしはあなたが大切です。あなたもわたくしが大切と言ってくれましたよね。あなたはわたくしに魂を捧げてくれました。わたくしも全てを捧げます。ユージさんの種でシャンティアの血を引く子供を産んで、一生大切にします」
シャロンは胸に抱いていたユージの顔を捕らえ、瞳を覗き込んだ。その瞳には、黄金の星が輝いている。
──―妖星ギードラの輝きだ。
さあ、言ってください。たった一言でいいのです。
イースなんか要らない、と。
そうすれば、あなたは全てを手に入れる。ギードラの力で、世界の支配者になりましょう。
そして、平和で笑顔溢れる、新たなシャンティアを、わたくしと共に──
シャロンの声が、ユージの脳に染み込んでいく。ユージは、その声に抗えなかった。
言いたい。全てを手に入れたい。平和な国で、笑顔の中で、幸せになりたい。
さあ、言おう。たった一言でいいんだから。
たった一言、イ……、…………、…………
「…………」
だが、ユージの口は動かなかった。どこからか声が聞こえる。
(負けちゃダメ──絶対に諦めないで──みんなで、ハッピーエンドを迎えて──幸せを、ゲットして──)
それは、ユージの中から聞こえていた。
ユージは目を見開いた。目の前のシャロンを見つめる。
「……? どうしました? ユージさん?」
「俺……」
「はい?」
「俺……」
「何ですか?」
「俺、イース様が……」
「イースが?」
「イース様が……」
「イースが?」
「イース様が……!」
「イースが?」
「イース様が好きなんだ!」
ユージは叫んだ。
「イース様が欲しい! シャロンも欲しい! 二人とも俺のものにしたい! 愛されたいんだ! 生まれて初めて感じる気持ちなんだよ!」
ユージは泣き出しそうな顔で言うと、シャロンにすがり付いた。
「シャロン、俺、君と幸せになりたい……!」
シャロンは、そんなユージを見て笑った。そして一言だけ、優しい声で言った。
「素敵……♪」
「ああ……! シャロン!」
シャロンは熱烈なキスをユージに捧げた。鼻に、頬に、瞼に、額に、顎に、首筋に、喉に、鎖骨に。
「ちゅっ、ユージさん♡ 素敵……♡ ちゅっ、ちゅっ、とってもカッコイイ♡ あなたに出会えて、本当によかった……♡ ちゅーっ♡」
シャロンはユージの顔中にキスを浴びせた。まるで自分の所有物にマーキングするかのように。
「ああ、シャロン! 俺も君に出会えて良かった!」
ユージは声を震わせて言った。
生まれつき孤独だった自分は、1万2千年一人ぼっちだった少女にようやく認められたのだ。本当に、心の底から感動していた。
シャロンの体臭を吸い込むように、深く息を吸う。彼女の香りは甘く、優しく、心地よい。シャロンの体温を感じるだけで、心が安らぐ。シャロンは、ユージにとって最高の癒やしであった。
「うふ♡ 嬉しい……♡」
シャロンは、うっとりとした表情で呟いた。
「ユージさん……わたくし、もう我慢できません。今度こそ、一つに繋がりたい。死体じゃなくて、あなたの子供が産める体で、愛して欲しいんです」
「ああ……俺も、シャロンと本当のセックスがしたい!」
「ふふ……嬉しい♪」
シャロンはユージに覆い被さると、耳元で囁いた。
「ねえ、ユージさん。わたくしのこと、好きって言ってくれますか……? わたくしを愛している、と」
「愛しているよ……!」
「もっとちゃんと……♪ 心の底から、お願いします♡」
「愛してる。俺を認めてくれた君を、俺を包んでくれた君の優しさを、俺は心から──―愛しています」
ユージの言葉を聞いて、シャロンは陶酔するように震える吐息を漏らした。
「ああ……♡ ユージさん、わたくしも、ユージさんのことが大好きです。だから……」
そこでシャロンは言葉を切った。そして、ゆっくりと顔を近づける。ユージもそれに合わせて目を閉じた。
二人の唇の距離は徐々に縮まり──触れ合った瞬間、二人は同時に口を開いた。ユージの口内に、シャロンの舌が入り込み、歯茎の裏を舐め回す。口内で暴れ回るシャロンの舌を、ユージは自らの舌を使って絡め取った。互いの唾液をむさぼり合いながら、舌を絡ませ合う。
キスのやり方など、二人とも知らない。テクニックも何もない。
ただ本能のままに舌を動かし続けるだけの、不器用な口づけ。しかし、そこには相手を自分のものにしたいという確固たる気持ちがあった。
「はぁっ♡ はっ♡」
「うっ、ぐぅ……」
クチュクチュと、粘性の高い水音がそれぞれの股間から響いている。シャロンの指先が、ユージのペニスの先端を撫で回す。ユージの中指が、シャロンの入り口をクチュクチュとかき混ぜる。シャロンの膣内は狭く、ユージの太い中指は、第二関節あたりまでしか入らなかった。それでも、シャロンは嬉しそうに腰をくねらせていた。
「ふぅん♡ ああっ、ユージさん、ユージさん……♡」
シャロンは切な気に眉をひそめ、ユージの肩に頭をあずけてペニスを上下に擦り続ける。ユージは、シャロンの膣壁の感触を確かめるように、ゆっくり動かしていた。シャロンがユージの首に手を回し、強く抱きつく。すると、シャロンの胸がむぎゅっと押しつけられて形を変えた。
「なっ、なあ、シャロン。痛くないか? 俺、まだ慣れてなくて……」
「ふふ、大丈夫ですよ。ユージさんが優しくしてくれてますもの……♡」
実際、ユージの指使いはぎこちなく、シャロンの秘所を傷つけないように慎重に動いていた。シャロンはユージの頭を抱き寄せて、その耳たぶを甘噛みしながら答えた。
「でも、優しい指遣いも、とっても素敵……♪ ユージさんのおちんちんも、ぴく、ぷく、ぴくってして、とっても可愛いくて……」
「うっ……シャロンの指も、優しくて、でも意地悪で、素敵だよ。そ、その、おまんこも、きゅっ、きゅっ、て締め付けてきて……」
見つめ合いながら、お互いのことを褒めあう二人。シャロンはユージの胸に顔を埋めながら、ユージはシャロンの髪を弄びながら、言葉を交わす。
「シャロンの髪、サラサラで、いい匂いがする……綺麗で、ずっとこうして嗅いでいられるよ……」
「ユージさんも、素敵な筋肉……。わたくしの身体を抱きしめてくれていて、とても温かいです……」
生まれつきの孤独を癒やしてくれた女に、1万2千年の寂しさを埋めてくれた男に、二人は夢中になっていた。今、誰かがこの二人を引き離そうとしたら、たちまち殺されてしまうだろう。それほどまでに、彼らの絆は深まっていた。
「シャロン、好きだ! 愛している……!」
「わたくしもです! ユージさん、わたくしの運命の人……!」
ユージの指が、だんだん大胆になり、秘穴を細かくかき混ぜる。シャロンの子宮はキュンと疼いて精液を欲しがっていた。
「ああ……ユージさん、ユージさん……♡ あなたとの赤ちゃんが欲しい……♡ わたくしの卵子に、あなたの精子を注いでください……♡」
「うん! 俺、今日が初めてだけど、精一杯頑張るから……!」
「うふ……♡」
ユージはシャロンの乳首を摘み上げながら言った。シャロンは嬉しそうに身を震わせると、ユージの手を取り、ゆっくり引き寄せる。誰が見ても「ああ……」と分かる、完璧な子作り正常位セックスの姿勢だ。
「ああ、ユージさん、わたくしの王子さま……♡」
「ああ、シャロン、俺の王女さま……♡」
シャロンは、外見通りのロマンチックな一面を、腹黒い仮面の下に隠し持っていた。それに引っ張られるように、ユージもロマンチックな気分になっている。
神を知らないユージは、この出会いをもたらした運命にひたすら感謝していた。
「シャロン……! 君に出会えてよかった……!」
「ええ……! ユージさん……! わたくしも、ユージさんと出会えてよかった……!」
二人の声は興奮で震えていた。いよいよ、本当に本物のセックスが始まるのだ。
「ユージさん……、早く、早く……!」
「分かってる……!」
ユージは勃起したペニスを掴み、濡れた潤みに亀頭を押し付けると、そのまま一気に突き入れた。
「うぐ……!」
「きゃあん……!」
ユージは、想像以上の快感に顔を歪めた。まるで、全身を電流が流れたような感覚だった。シャロンも、あまりの衝撃に悲鳴を上げている。
肉棒は奥まで咥えこまれ、可憐な陰唇は限界いっぱいに押し広げられていた。なのにシャロンは痛みを感じていないようで、顎を上げて薄く唇を開き、感じた顔を晒していた。
「ああ……♡ これが、本当のセックス……!」
「ううっ……!」
「ユージさん、動いてぇ!」
「ああ……ああ!」
ユージは、シャロンの脚を掴むと激しくピストン運動を始めた。
「あひっ♡ ひぃっ♡」
「ううっ、うううっ……!! シャロン、シャロンの声、すごいよ……! こんなエッチな声出せるんだな……!!」
「あはぁん♡ やあっ♡ 言わないでぇ♡」
シャロンは顔を真っ赤にして恥ずかしがった。だが、ユージは構わず腰を打ち付ける。
「んっ♡ んぅっ♡ んぁーっ♡」
「はあっ! はあっ! はあっ!」
「あふぅ♡ あふぅ♡ あふぅ♡」
シャロンの口から漏れる甘い吐息。結合部から響く淫らな水音。そして、パンッ! パァンッ! と肌と肌が激しくぶつかり合う乾いた破裂音が、狭い空間に響き渡っている。
ユージはまだ細かいテクニックを身につけていなかったが、それを補って余りある体力と性欲を持っていた。シャロンも、そんなユージの激しいセックスに翻弄されている。
シャロンの肉体は適度に引き締まり、それでいて女性特有の柔らかさも兼ね備えているため、抱き心地が抜群に良かった。ユージのために最適化された膣内も素晴らしい名器で、ユージの巨根を根元まで飲み込んでもなお余裕をもってうねり、収縮する。しかも、ひだの一つひとつまでが丁寧に絡みついてくる。
ユージは、シャロンと一つになることができた幸せを噛みしめていた。
(ああ……なんて気持ち良いんだ……!)
そして、シャロンも。
「ああっ♡ ユージさん♡ ユージさん♡ 好き♡ 運命の人と結ばれるの、とっても幸せ! 女の子に生まれて良かった! 1万2千年、たった一人で死に続けて、良かったぁ! 大好き、大好きですぅぅ♡♡」
「俺も、愛してるよ! もう限界だから、もう駄目だから、出すぞ……!!」
「はい……出して、中にたくさん……♡」
シャロンが涙目で射精を懇願している。
獣のような声が出る。ユージは、自分の身体が制御不能になったことを悟った。
「うおおおっ!!!」
「んぁっ♡ あっ♡ イクっ♡ イッちゃいますぅっ♡」
シャロンの嬌声とともに、ぶび、ぶぴゅっ、と精液が吐き出される。しかし、ユージの勢いは止まらない。シャロンの子宮口をこじ開けるように、何度もペニスを叩きつける。
「うっ、うううっ……!!」
「ああ……ユージさん……♡ ユージさんの熱い、これ、あ、あ、あ、あ、あ、あ……♡」
身体をこわばらせるシャロンを抱きしめて、ユージは最後の一滴まで注ぎ込んだ。
惚れた女に、種を注ぐ。
幸福すぎる時間が終わると、ユージはようやく我に返ることができた。
「はあ……はあ……はあ……」
「あ……あ……あ……」
荒い呼吸を繰り返しながら、二人は見つめ合った。
ユージの王女様は涎を垂らしながら、放心状態でユージを見つめている。ユージは、彼女の頭を撫でながら尋ねた。
「大丈夫か? シャロン……」
「はい……大丈夫です……」
シャロンは弱々しく微笑むと、ユージの胸板に頬を寄せた。ユージの心臓の鼓動を聞きながら、目を閉じて余韻に浸る。
「ユージさんのおちんちん……とっても立派でした……。ああ……ユージさんのおちんちん、とっても素敵でした……♡」
ねっとりした声で男の象徴を賛美され、ユージは気恥ずかしくなった。
「うっ……そ、そうかな?」
「ええ……わたくしのおまんこ、ユージさんのために作り直したのに……それを尚、あんな風にしてくださって……♡」
シャロンはうっとりと呟くと、まだ繋がったままの下半身を軽く揺すって見せた。すると、二人の股間から精液と愛液が混ざったものが溢れ出し、シャロンの太ももを伝っていく。
「うん……シャロンも凄く綺麗だったよ……吸い付いてきて、締め付けてきて……」
「まあ……嬉しいです……♡」
シャロンが身じろぎすると、ずるりと肉棒が抜け落ちた。栓を失った秘裂からは、白濁液がどぷっと流れ出る。シャロンは満足げな表情を浮かべると、その場に仰向けになった。
「ユージさん、わたくし、疲れてしまいました……。少し休ませてくださいね」
「ああ………………………………いや、やっぱり我慢できない」
「えっ? きゃっ!?」
ユージは起き上がると、シャロンをひっくり返しうつ伏せにした。お尻を高く突き出させると、そのまま後ろから挿入する。
「ああんっ! いきなりなんて……! ああ……っ!」
「ごめん……でも、全然足りないんだ……! もっとしたい……!」
「お、おわりでいいんです……わたくしは……んーっ♡!」
「嘘つけ! こんなに濡らしといて!」
「う、うそじゃ…………あ──────っ♡♡」
ユージは、シャロンの背中に覆い被さると、背後からのしかかって犯し始めた。シャロンは、先程までとはまた違った角度での責めに悶絶している。
「うぐっ……うぐっ……!」
「あぐっ♡ あぐっ♡ うぐっ♡」
真っ白な背中の上に、筋肉質な肉体が乗っている。まるで美しい彫刻のようだが、その動きは人間離れしており、獣のように激しい。
「だめぇ、だめなのぉ♡ これ以上されたら、壊れちゃう♡ あぐっ♡ あぐうっ♡」
「ううっ……! シャロン……!」
「あぐっ♡ あがっ♡ あがっ♡」
シャロンは、口では拒絶しながらも、自ら腰を振り始めた。ユージも負けじとピストン運動を繰り返す。猛然と襲いくる快感に、ユージは意識が飛びそうになる。だが、気合を入れて耐える。
(ここで負けたら男が廃る……!)
ユージのような合成人間にも、そういう感情はあるのだ。ユージは涎を垂らしながら、シャロンの背中に密着した。そして、耳元に囁きかける。
「ううっ……! シャロン……! 愛してる……!」
「ユージさん……♡ ユージさん……♡ 愛してるぅ……」
ユージは、嬉しさのあまり涙を流していた。この世には、自分を愛してくれる人がちゃんといる。そして、自分も愛することができるのだ。
「クン、クン、ああ、シャロン、シャロン!」
「あぁぁっぁあぁ~~♡」
汗の匂いが甘すぎる。脳が溶けそうだ。ユージは、再び限界に達しようとしていた。
「ああ、シャロンの汗の匂い、興奮する! シャロン、好きだ! 愛してる! ううっ……!! 出すぞ!」
「こわいっ! だされたら、また死んじゃうかもぉ! だして! ころしてぇ! ユージさん、いっしょに死んでぇ──っ♡」
シャロンも限界が近いらしく、むちゃくちゃなことを言っている。泣き叫びながらも、激しく絶頂していた。
ユージは、大量の精子を子宮口に叩きつけた。シャロンは、それに応えるように、膣内を思い切り収縮させる。
「ああっ! ああっ! ああっ!!」
「あ、ぐ……わらくし、もう、げんかい……♡」
シャロンは、ガクンガクンと身体を痙攣させながら失神してしまった。
ユージは、最後の一滴まで搾り取るようなシャロンの名器に抗えず、しばらくの間硬直していたが、やがて脱力してシャロンの隣に倒れこんだ。
「ぜー、はー、はあ……」
荒い息を吐いていると、ふと違和感を覚えた。
(あれ……?)
ユージは、自分のペニスがまだ勃起していることに気付いた。射精してもなお、シャロンを求めてやまないのか。あるいは、これが若さというものなのか。
そう言えば、さっき自分はシャロンにこう言ったのだった。
(イース様が欲しい! シャロンも欲しい! 二人とも俺のものにしたい!)
ユージは、イースとシャロンが自分の勃起に
◆◆◆
イースの亡骸が、ぼんやりとした金色の光に包まれていく。
「なあ、シャロン。イース様が蘇生したら、次はどうするんだ? やっぱり、ラビリンスに攻め込むのかい」
金糸を多用した豪奢なドレスを着た王女様は、なんでもないことのように答えた。
「え? もちろん攻め込みますよ。ユージさんの手引で侵入さえできれば、わたくしたちの勝ちですもの」
大した自信家だと、ユージは思った。だが、ギードラの欠片は一つだけでも凄まじい威力を発揮するという。その全てを宿したシャロンならば、確かにメビウスを倒せるかもしれない。
「でも、もし失敗すれば……」
「ええ。わたくしたちは、死ぬでしょうね。ユージさんは溶解液で溶かされて、新しい合成人間の材料に。わたくしは解剖されて、臓器を抜かれて標本にされるかもしれません」
シャロンは、事も無げに言う。ユージは、自分の顔が引きつるのを感じた。
「そんな……」
「大丈夫ですよ。わたくしは無敵です。特に、ユージさんの
シャロンは、ユージの手を握ると、可憐に微笑んでみせた。
「わたくしが、ユージさんをラビリンスから自由に致します。それが、わたくしの今一番大事なことですから」
(わたくしは無敵。それは間違いない。──相手が伝説の戦士プリキュアでもない限り、敗北はあり得ない)
◆◆◆
結論から言うと、ユージとシャロンは勝利した。
ギードラの化身であるシャロンは、稲妻のような光線でラビリンスの
ラビリンスは二人の前に降伏し、洗脳を解かれた人々はユージの新総統就任を受け入れた。
ただ一匹、植物の遺伝子から作られた上級合成人間が逃亡したようだったが、軽微な事として捨て置かれた。
そして、今日はユージの就任式だった。
「新総統に栄光あれ!」
そのような掛け声とともに、ラビリンスの国民たちが、栄光あれ、と唱和する。
赤いマント姿のユージは、隣に立つシャロンと指輪を交換した。二人の指に輝くリングは、相手の幸せを願って贈るという、シャンティア王国の伝統ある品だ。
二人は、見つめ合いながら微笑むと、キスをした。
「新総統とシャロン
誰かが叫ぶと、乾いた破裂音が響き渡る。
ユージとシャロンは、もう一度軽く唇を合わせると、腕を組んで歩き出した。
「これで、ラビリンスとシャンティア王国は一つになる。シャンティア連合共和国の誕生だ」
「はい。旦那様、これからもよろしくお願いします」
「こちらこそ、俺の花嫁」
笑みを交わし合い、愛を伝え合う。二人の幸福な未来は、始まったばかりだ。
◆◆◆
幸せそうな二人を見て、ギリィ、と歯ぎしりする影があった。ボンテージのような軍服を着て、年齢に似合わない起伏のある身体と、怜悧な美貌を兼ね備えている。だが、嫉妬に歪んだその表情は、彼女がまだ少女であることを如実に物語っていた。
「許さない……絶対に……!」
イースは、憎しみに満ちた目で、窓の外を睨んだ。
「シャロン……! あいつだけは……!!」
(続く)