「……会いたい」
自室の窓から青空を見上げて、ふとユージはつぶやいた。
誰に会いたいのだろう。自分でもよくわからなかった。
ノーザとキメセクを楽しんでから、更にひと月が経っていた。
もう数え切れないほどセックスをした。そしてその度に、彼女がただの性玩具だという事実を思い知らされた。
「あいつ、完璧すぎてつまらないんだよな」
思わず一人ごちる。ちょうど誰も聞く者はいなかったから、つい本音が出てしまったようだ。
「俺の思い通りにならないことなんか何ひとつ無いんだからなぁ」
どれだけ手荒く扱っても、嫌がったり怒ったりすることもない。だから大切にしようとも思えない。本当にただ都合よく性欲処理できる便利な道具としてしか見られないのだ。
最近、自分はどんどん嫌な人間になっている気がする。〈世界の支配者〉と呼ばれるに相応しい、他人を思いやれない人間になってきている気がしてならないのだ。そんな自分を嫌悪しながらもどうすることもできない自分がいた。それどころか日に日に増長していくようでさえある。
無性に〈彼女たち〉に会いたかった。
会って、話をして、叱って欲しかった。
一緒にご飯を食べて、笑顔になりたかった。できることなら肌を合わせて温もりを感じたかった。
今こうして独りでいると、孤独感ばかりが増してくる。まるで砂漠で水を求める旅人のように、心の渇きだけが際限なく膨らんでいく。
「支配者様?」
後ろからかけられた声に、ハッと我に返る。振り返るとノーザが微笑んでいた。いつの間にか背後に立っていたらしい。手にはティーセットを持っている。紅茶を淹れるために来たのだろうか?
「いかがなさいました? ああ、ひょっとして寂しいのですか? うふふ……それでは、今日は街に出て他の女を抱くというのはいかがでしょうか? 私もお供いたしますわ……」
その言葉に一も二もなく
◆◆◆
ノーザは極めて有能だった。目ぼしい女がいる場所をすぐに見つけて案内してくれるし、どんな相手でも難なく籠絡してしまう手管を持っていた。
そんな彼女に連れられて、ユージは多くの女を抱いた。
ある日の朝は路地裏で見つけた浮浪者のような少女を抱き、昼は高級レストランで貴族の娘を抱いた。夕方には広場の噴水のへりに腰掛けていたシスターをその場で押し倒し、公衆の面前でセックスした。
日が暮れると魔法で他の国まで飛んで行き、見目の良い娘たちを集めたパーティーに参加した。大勢の美女たちを侍らせながら酒池肉林の快楽に溺れ、獣欲の限りを尽くす。どの国でも、下はメイドから上は女王様まで選り取りみどりだ。
特にデザート王国のデザート女王と、チョコラ王女の母娘を同時に味わった時は格別だった。
10歳だという幼い王女が、痛みに耐えながら健気にチンポを受け入れている。その姿を眺めていると、えも言われぬ征服感が湧き上がってくる。
「うっ、ぐす、支配者様、どうかチョコラの、ロ、ロリマンコにお情けをください……どうかチョコラの支配者様専用マンコをいっぱいハメハメして、おちんぽミルク恵んでくださいませぇ……」
ブルーの瞳から涙を流し、たどたどしい卑語で精液を懇願するチョコラ。
高貴な血筋を持つ王女とはいえ、初潮もまだ来ていない未熟な子供だ。桃色の髪からぴょこんと飛び出すウサギ耳も可愛らしい。
そんな子供が母親の前で種付けプレスされながら、懸命に男を
やがて精管の奥から熱いものがこみ上げてきた。その勢いのままドビュルルルッ、と勢いよく
「ううっ、熱いです…………チョコラの中にいっぱい出てますぅ……」
小さな体で精一杯受け止めようとする姿が愛おしい。しばらく繋がったままで余韻に浸っていると、今度はチョコラの母親であるデザート女王が口を開いた。
「ああ……チョコラ、よかったわね……支配者様の尊い精液をお恵みいただけて。さあ、次はわたくしの番です。早く代わってちょうだいな」
たっぷりと蓄えられたスーパーロングの髪は、チョコラと同じ桃色。ウサギ耳もやはり同じようにぴょこぴょこと忙しなく動いているのでとても愛らしい。ただ、威厳優先で濃い目に施されたメイクは、まだ30手前の未亡人を年齢不詳に見せている。相応に熟れたボディは素晴らしい肉付きで、男を誘うための白いエロ下着が窮屈そうに張りつめている。
娘のロリマンコから引き抜くと、破瓜の血と愛液まみれになったペニスはまだ硬さを失っていない。それを見たデザート女王の表情がとろけたものになる。
物欲しそうに口を半開きにして舌を突き出しながら熱い視線を向けてきたので、望み通り三十路女王の熟れた蜜壺へと挿入してやった。バックで犯してやると低い
「あっ♡ 娘を女にしたおペニス様でっ、娘を犯した後にオマンコほじほじされるの気持ち良すぎますっ…………おっ、おおっ、おおおぉぉっ♡」
などと口走りながらよがりまくるものだからたまらない。
チョコラに授乳したであろう爆乳を握りつぶし、チョコラをひり出した巨尻を叩きながらピストン運動を繰り返す。
腰のグラインドを強め、子宮口に亀頭を押し付けるようにして小刻みに揺らしてやると、彼女は背中を仰け反らせて
「おおおぉっ!! それすごひっ……!! おまんこの奥ゴリゴリってされてりゅぅ……!!」
出会ったときの威厳に満ちた姿からは、想像もできないほどの蕩けきった表情でヨガる女。そのギャップはたまらなく魅力的だ。
彼女を堕としたことに満足感を覚えつつ、さらなる快感を求めて激しく腰を振る。
すると彼女もそれに応えるように、腰をくねらせながら更なる快感を求めようと自らお尻を突き出してくる。
「うう…………ぐすっ、お母さま…………」
あまりに淫乱な母の姿にショックを覚えたのか、チョコラはさめざめと泣きじゃくっていた。
しかし、その股間には枕を挟み込んでいて、もじもじともどかしげに腰を動かしている。
「…………あっ♡ …………うんッ♡ …………お母さま……すごいぃ……♡ ……はあぁんっ♡ ……」
どうやら自分でも分からないうちにメスの本能を呼び覚まされてしまったようだ。
母の痴態に見入ってしまい、幼い秘所からトロォリと蜜を垂らして枕を湿らせている。
「チョコラっ、チョコラっ、よく見ていなさい……! わたくしと同じように、あなたも支配者様によって天国を見せていただけるの……! おうっ、おうっ、母はっ、気持ちよくてっ、しあわせでっ、おかしくなりそうだわっ……!」
背面座位に移行し、夢中になって腰を振るデザート女王。大きなストロークでチンポを受け入れるたび、柔らかい乳肉がばるん、ばるんと揺れる様はひどく淫らだ。
結合部からは泡立った本気汁が
だらしなく舌を垂らし、アヘ顔をさらしながら「イクゥウウッ」とか「イグゥゥッッ」といった野太い
「お母様……気持ちよさそう……あ、はうぅぅぅん……」
そんな母の姿を前に我慢できなくなったのだろう。チョコラがおずおずと手を伸ばし、自らのクリトリスを弄り始めた。
「あんッ、あうぅんっ、やだぁ、どうしてぇ……? お豆こりこりするの止まらないですぅ……」
初めてのオナニーなのだろう。戸惑いながらも指の動きを止めることができずにいる。
ユージはピストンを完全に女王に任せ、チョコラを手招きした。ふらふらと寄ってきた彼女を抱き寄せると、キュートな唇を奪う。
ちゅぱちゅぱと音を立てて吸い付き、口の中を
「んみゅっ…………ぺろぺろ……れるるぅ……ちゅっ、ちゅうぅぅ……しはいしゃさまぁ……れろっ、ぺちゃぁ……ちゅーっ……」
突然のことに驚きつつも、従順に従うチョコラ。まるで親鳥から餌をもらうヒナのように無心に吸い付いている。
そしてユージの方もそれを優しく受け入れ、小さなお尻を
もちろんその間も、デザート女王は尻を振って快楽を貪っている。
「ひぐっ、おぉっ、ほぉっ…………しゅごいっ、これしゅごいいぃぃっ…………チョコラと一緒に抱かれるの、最高に気持ちいいわぁっ…………ふにゃぁぁぁ……♡」
もはや完全にトリップしてしまったらしいデザート女王は、焦点の合わない目で虚空を見つめながら、ひたすらに
それでも体は動き続け、より深く男を迎え入れんと前傾姿勢で体を揺らしている。テクニックもへったくれもない素人女の動きだが、だからこそ生々しい。
そうしてしばらくの間3人でイチャイチャしてから、ようやくチョコラの割れ目に手を伸ばす。
「あンン…………♡ しはいしゃさまの、ゆび、おちんちんとちがって、優しいですぅ……」
蕩けきった表情でつぶやくチョコラに微笑みかけてから、浅いところを丹念に
クチュクチュといやらしい音を立ててかき混ぜてやると、次第に
頃合いを見計らって人差し指を滑り込ませると、温かく包み込まれる感覚がある。
そのままゆっくり抜き差ししてやると、少女はビクビクと身体を震わせて反応し始めた。
「あぁっ♡ しゅごいですぅ……お腹の奥ジンジンしてきちゃうぅ……♡ こんなの初めてぇっ♡」
未知の感覚に戸惑う少女だったが、その表情は明らかに悦楽に溺れていた。
やがて自分からおねだりするように腰を振り始めるのを見て、更に指をもう一本増やして攻め立てていく。少女の狭い
「あひぃぃっ…………♡ そこぉっ…………♡ しょこ…………しゅきれすぅ…………♡」
深く呼吸して必死に息を整えようとする少女。そんな姿に嗜虐心を刺激され、ユージはキスで彼女の口を塞いだ。酸欠に追い込み、代わりに自分の唾液を送り込む。少女の瞳がトロンとなり、やがて抵抗もしなくなるまで続けてから解放した。
「はっ……かひゅぅ……んくっ……はぁはぁ……ふぅぅー……んんっ……♡」
肩で息をしながら苦しげに息をつく少女。しかしすぐにまたユージにむしゃぶりつき、自分から酸欠の快楽をねだり始めた。
「んっ♡ ふぅぅーっ♡ あむっ…………♡ ぢゅるるぅっ…………♡ くるしいの…………好き…………っ♡ あたまがぽわーって…………お星様がチカチカーッってなるみたいでぇ……ふぅぅーっ♡ ……とっても幸せなんですぅ……♡ もっとぉ……もっともっとくらさいぃ……♡」
デザート女王は、そんな二人の様子をうっとりした表情で眺めていた。
愛する娘が都合のいいメスとして扱われているというのに、彼女はむしろそれに興奮しているようだ。その証拠に、ユージを
これが、ユージが支配する世界において正しい親子の在り方なのだ。そう考えると、ユージはゾクゾクするような興奮を覚えた。
「ぷはぁっ、ああ、可愛いぞチョコラ、デザート女王……」
いったん唇を離すと、チョコラの顔は酸欠で真っ赤になっていて、瞳もどこか虚ろになっているようだった。彼女は荒い呼吸を整えつつ、「あふぅん」と甘えたような声を出した。
「二人とも、俺もそろそろイキそうだ……最後は顔にかけてやるよ」
そう言うとユージはラストスパートをかけるように激しく腰を突き上げた。パァン! という肉のぶつかり合う音が部屋中に響き渡る。それに合わせて母娘も絶頂に向けて上り詰めていった。
「ひぐ、ひぐぅぅぅ~~~~~っっっ! だめぇっ! 娘と一緒におまんこイック! 女王まんこも子宮も全部征服されてイッグゥ~~~~~ッッッ♡♡♡」
絶叫と共に潮を吹き散らしながらアクメを決める母親。それと同時に娘の方も限界を迎えたようだ。
「しはいしゃさま、わたし、わたしっ♡♡ ああ…………チョコラも、チョコラも、お星様まで飛んじゃう♡ チョコラ、お母さまといっしょがいい♡ しはいしゃさまといっしょに、お空の上に連れてってぇ♡♡」
目をハートマークにして叫ぶチョコラ。幼い美貌を快感に蕩けさせ、口の端からよだれを垂らしながら懇願する姿はなんとも愛らしいものだ。
絶頂を迎えたと同時に失禁したのか、おしっこが放物線を描いて、前に突っ伏したデザート女王の顔に降り注ぐ。その熱湯のような飛沫を浴びてなお、母親は幸せそうに微笑んでいた。
それを見たユージもまた射精感が高まり、たまらず女王の中から抜け出た。チョコラを女王の横に突き倒し、限界まで勃起した肉棒をしごく。
それを見た二人は、なんのためらいもなく目をつぶり「あ~ん♡」と口を開いた。その瞬間にペニスの先端からザーメンが発射される。
大量の精液が二人の顔面に降り注ぎ、あっという間に白く染め上げてしまった。白濁液にまみれた母娘のなんと
最後の一滴まで絞り尽くすかのように脈動を続けるペニス。
「まだ、まだ出る、出るぞ……!」
長い時間をかけてようやく射精が終わると、母と娘は精液のシャワーを浴びたままお互いの体を触り合っていた。
母の方は
「んっ……ちゅぱちゅぱ……♡ お母さまのおっぱいと精液、混ざるとちょっと変な味しますぅ……♡」
「ふふっ、美味しいでしょう? これは支配者様の神聖な精汁なのですからね」
そう言いながら母娘がキスをすると、互いの間で混ざり合った粘液が「ぶちゅっ♡」と音を立てて泡立った。
◆◆◆
湯浴みのあと、ユージと母娘はシーツの中で睦みあっていた。チョコラが右、デザート女王が左の耳を
彼女たちは時折いたずらっぽく目配せすると、同時にユージの耳に息を吹きかけたりした。
その度にピクンと跳ね上がるものだから、面白くてたまらないらしい。
「支配者様の弱点発見です♪ チョコラ、もっとペロペロしたいです……♡」
そう言いながらチョコラは舌を大きく突き出し、まるでナメクジのようにうねうねとユージの頬を
一方のデザート女王は左耳に吸い付き、じゅるじゅると音を立てながら
二人がかりで責め立てられて、さすがのユージも声を漏らしてしまう。
「ぐっ……お前たち……どこでそんなこと覚えたんだ?」
その問いに答えはなく、代わりに左右から耳を責められる快感だけが返ってくる。どうやら答えるつもりはないらしい。
「まあいいさ……ところでチョコラ、俺のモノになった気分はどうだ?」
ユージは余裕たっぷりに問いかけると、チョコラのお尻に手をはわせた。
それはちょっとした挑発だったのだが、チョコラの反応は彼の予想以上だった。「あんっ」と可愛らしく
そして少し恥ずかしそうに視線を逸らしながらこう言ったのだ。
「……えっと……すごくドキドキしておりますの……わたし、ずっと前から、お母様みたいなお母さんになりたいって思ってましたから……」
それを聞いた女王は娘をギュッと抱きしめ、愛おしそうに頬ずりをした。
「チョコラ……♡ 貴方はわたくしの誇り、自慢の娘。一緒に支配者様の赤ちゃんを産みましょうね……♡」
「はい、お母さま…………♡ チョコラ、妹を産んで欲しいです…………♡ チョコラも女の子を産みたいなぁ……えへへ……」
うっとりとした顔でお腹を
「ねえ、支配者様ぁ…………あの…………お父様って呼んじゃダメですか……? チョコラ、もう支配者様のモノだけど、でも家族にもなりたいんです……おままごとかも知れないけれど、大好きな支配者様とは結婚できないから、せめて子供にしてほしいなって……」
もじもじしながらお願いしてくる少女。
ユージは、はっと気づいた。セックスをすれば、子供ができる。家族が。その、当たり前すぎる事実に思い至ったのだ。
「あ、ああ…………もちろん構わないぞ」
なんとかそう答えたものの、内心ではかなり動揺していた。
(家族…………俺にも、大事な家族が……。いた、のか……?)
そんな考えを巡らせている間にも、チョコラが「きゃっ♡」と歓喜の声を上げて、飛びついてきた。ユージの首筋に顔をうずめながら、
「お父様♡ お父様♡ だいすき♡ いっぱい愛してくださいまし♡」
などと言って甘えてくるのである。10歳のみずみずしい美少女の肢体が、これでもかとばかりに押し付けられる。少女の柔らかい感触と体温が伝わってきて、否応なく劣情をかきたてられてしまう。
更にデザート女王も負けじと反対側の首筋を甘噛みしてきた。
「あの…………わたくしも旦那様、と、お呼びしてもよろしいでしょうか……?」
「え……あ、ああ……いや、旦那様はだめだ」
思わず了承しかけてしまい、慌てて首を振る。
誰か、他に自分をそう呼ぶ人がいなかったか…………とても大切な、絶対に忘れてはいけない人の顔が一瞬頭をよぎったが、しかしそれが誰だったのかどうしても思い出せない。
そんな様子を見て、二人はおかしそうにクスクスと笑った。
「うふふ……では、どうお呼びすればよろしいのでしょうか? あなた♡ ですとか、あるいはパパ♡ なんていかがでしょう?」
そう言って微笑む女王は、汗ばんだ肌をすり寄せてきた。爆乳を押し付けるようにして絡みついてくる。
娘とは違う、女ざかりの肉体が発する濃厚なフェロモンで、頭がクラクラしそうになるほどだ。
「あなた♡」
「お父様♡」
両側から耳元で
◆◆◆
それからも、ユージはとっかえひっかえ、あちらこちらで女を喰いまくった。女たちは彼に犯される度に新たな妻となり、あるいは娘となり、あるいは妹となった。
それでもなお、満たされない気分だった。自分の周りには美女・美少女によるたくさんの家族がいるというのに、なにかが足りないのだ。
だがその正体はわからない。記憶の中を探ってみても、靄がかかったようにぼやけてしまって何も思い出せなかった。ただ漠然とした喪失感だけがある。
やはり、〈彼女たち〉でなければダメなのか。しかしどうすればいいのか分からなかった。
もしかしたら、〈彼女たち〉に会えないまま一生を過ごすことになるのか。
恐怖さえ感じた。それはきっと耐え難いことだ。
だからますます女達に溺れる。朝も昼も夜も、世界中で女を食い散らかした。街も山も海も、全てがセックスのために供された。世界中のあらゆる場所で淫行にふけった。時には人里離れた妖精の国にまで足を運び、ぬいぐるみのような妖精の女の子にも精液を浴びせかけたり、飲ませたりした。
どんな女も、ユージに抱かれるとあっという間にメロメロになってしまった。やがて彼のことが忘れられなくなり、その姿を見るだけで発情してしまうようになる。特に若い娘たちの中にはそういう者が大勢いた。彼が街に姿を現すだけであちこちから黄色い悲鳴があがり、たちまち人だかりができるほどになる。
そのことが逆に不安だった。自分はそれほどの男なのだろうか。それとも〈世界の支配者〉だから好かれるだけなのか。
もし後者だとしたら──自分は人間などではなく、女たちの性欲を処理する道具にすぎないのではないか。
それこそ、ノーザのように。
そんなことを考えているうちに、ますます女を求めるようになった。たとえ一時だけでも全てを忘れて没頭したかった。
女たちとのひと時だけが、言いようのない不安から解放される時間だった。
◆◆◆
どれほど時間が経っただろうか。
ある日、メイドの一人が粗相をした。大したことではない。単に紅茶をこぼしただけだ。それが淹れたての熱い紅茶で、ユージの足にかかってしまったというだけ。
ユージも笑って許した。すぐに冷やしたので火傷もしなかった。
そのメイドは、お気に入りの褐色美少女だった。せっかくだからとお詫びの代わりに、その日は全身リップのサービスをさせることにした。
小さな舌で足を
メイドは
それを見ていた他のメイドたちが羨望の眼差しを向けてきたので、今度は全員で乱交することにした。当然のごとく大盛り上がりとなり、全員が絶頂して失神するまで行為が続いたのだった。
ユージにとっては、それでお終いの話だった。だがノーザの反応は違った。
奉仕を受けた翌日に、
「なあノーザ、あの子はどこに行ったんだ? ほら、昨日俺と一緒にいたメイドの」
と尋ねると、ノーザはなんでもないことのように、こう言った。
「GOP-9635031ですか? アレは処分致しました」
「────」
絶句するユージに対し、ノーザは平然と続ける。
「アレは合成人間でしたので、処理機で溶解した後、
ユージはしばらく無言だったが、しばらくしてようやく一言発した。
「合成人間だからか…………?」
「ええ、役目を果たせない合成人間など不要ですから。リサイクルですわ。ふ、ふふ」
笑うノーザを見てユージは、ひっ、と短く悲鳴を上げた。そのままよろめくようにして一歩後退する。
女の顔が、悪魔のように醜く歪んでいる。目も、口も、人間とは思えぬほど大きく歪み、吊り上がっている。そこには邪悪さしか存在しなかった。
過去の記憶が、稲妻のように脳裏を駆け抜けた。
(これは……この顔は……!)
『GOP-9362061。お前が所定の性能を発揮できないなら、処分するわ』
『お許し下さい、ノーザ様! きっとGOP型として恥ずかしくない働きをしてみせます!』
『そう……楽しみにしているわ。ああそうだ、お前の同一ロットは一人残らず処分済みよ。みんな今頃、ソレワターセの肥料になっているでしょうねぇ……』
『そん……な……』
そうだ、このノーザこそ、
「あら、まだご入用でしたか? でしたら、同じ顔のGOP-9635071をご用意致しますわ」
なぜ今まで忘れていたのだろう? 性玩具だと? 馬鹿な!
そこまで考えたところで、さらなる記憶の稲妻が走った。だが今度は、喜ばしい記憶だった。最も大切なあの人と、初めて言葉を交わした時の記憶。
『…………泣くのは止めなさい、GOP-9362061。虫唾が走るわ』
『あ、○、○○○様…………! これは、人間の方にお見苦しいところを……』
『そんな情けない顔をする暇があったら、さっさと訓練に戻りなさい。お前は私の部隊に支給される予定なのよ? それを無駄にしたら許さないわ』
『はい……承知いたしました、○○○様……』
『ふん、出来損ないのくせに返事だけは一人前ね……まぁいいわ、せいぜい励むことね』
そう言うと○○○は去っていった。冷たい目でこちらを一瞥したが、それだけだった。その時の彼女からすれば、ユージなどただの備品だったのだ。
それでも、人間から声をかけられた事は、当時のユージには大きな励みだった。だからこそ、必死に頑張ろうと思った。この人に見捨てられないようにと、努力した。その甲斐あってか、なんとか彼女の部下になり、そして名前を呼ばれるようになった。
番号ではない、自分だけの名前を…………
〈思い出しては、いけませんよ〉
奇妙な、だけど聞き慣れた声がした。音楽のようにすべすべとした、可憐な声だった。
世界が金色に染まった。
◆◆◆
「え……?」
ユージはゆっくりと目を覚ます。裸だった。素肌を包む軽い感触。今まで経験がないほど、それは心地のよい上質なベッドだった。
眠い。頭がふわふわとして、現実感がない。ここは、どこだろうか。
ふと、先ほどと違うハスキーな声が忍び寄った。
「おはようございます、支配者様」
かつん、とヒールを鳴らして、一人の女が現れた。まるで見覚えがない。
「えっと……」
(いかにも「できる女」って感じだけど、あのアイマスク……まるで〇〇〇〇〇〇みたいだ……あれ?)
名前が出てこない。大切な誰かと、どこか似た衣装だとぼんやり思ったのだが……思い出せない。女はうやうやしく頭をさげ、取り繕ったような声で言った。
「ご機嫌麗しゅうございます、世界の支配者様。あなたのセクレトルーが朝のご挨拶に参りました」
(続く)