わたくしはトワイライト。ただのトワイライト。
今、わたくしは過去の記憶を辿っている。総統の犬にされた、あの日からの。
◆◆◆
純潔は最初の日に、いや2回めの最初の日に奪われた。ナノチップで操られた体は、自分の意志とは関係なく股を開き、総統を迎え入れた。
『ぅ……!』
いわゆる性の快楽は感じなかったが、苦痛もなかった。悲鳴も上げずに済んだ。ただ、心と体をバラバラにして
『いいぞ、トワイライト。お前の穴はとても気持ちがいい』
『お前のように背丈ばかり伸びた小娘でも、支配者様は抱いてくださるのです。ほら、ペットはペットらしく、もっと尻を高く上げなさい』
そうして、愛玩動物として総統に飼われる日々が始まった。
◆◆◆
肉体的な苦痛は何もなく、ただ尊厳を奪われ続ける日々が続く。
例えばこの犬小屋だ。総統がわたくしと性交に興じられるように広く、床はふかふか、常に空調も完璧で、全裸で過ごしても心地よい気温を保っている。
ただ、首輪につながった鎖は短く、外には出られない。そして、何もない。ただ快適さだけがあって、何もできない。
水や食事が欲しければ、用を足したければ、総統かセクレトルーに頼むしかないのである。
『お腹が空いたのかい、トワイライト。いいんだよ、恥ずかしがらなくて』
最初は意地を張って抵抗していたものの、食事は食べざるを得ない。それに、排泄もまた然りである。いくら拒んでいても、いつか限界が来る。
せめて回数を減らそうと決意してからは、次第に自分から言い出すようになった。
『大きい方ですか? いいのですよ、遠慮なくどうぞ』
総統だけでなく、セクレトルーまでが猫なで声で要求を
食事、いや餌の入った皿。砂の入ったトイレ。シャワー用のホース。排泄後の処理まで完璧にやってくれる。
わたくしは彼らの思うままに、愛玩動物として振る舞うほかなかった。
『よくできたね、トワイライト』
『よくできましたね、トワイライト』
そうして何もない犬小屋に閉じ込めて、食事も排泄も管理しながら、しかし娯楽は何も与えない。
だから、3日目か4日目だろうか。わたくしは、自慰行為のとりこになっていた。
『……ふぁ……ぁ、んっ……あっ……ぁ、あっ……!!』
右手で股間の陰核をつまみ、左手で乳首を
こんな浅ましい姿、総統には見せられない、と思った。しかし、見られたくないと思えば思うほど、興奮が高まるのを感じる。
『ひぅっ♡ んっ、あぁん♡ あっ! ああぁっ♡♡』
クチュクチュといういやらしい水音が耳を打つ。乳首はますます固くなり、コリコリとした感触を伝えてくる。
『あっあっあっあっあっ……!! なにか、なにか知らないものが来る……!? 何コレ……気持ちイイ……イィ……!?』
未知の感覚がせり上がってくるのを感じた瞬間、右手の中指が陰核の皮を押し上げた。電撃のような快感が全身を貫く。
『ひっ─────────』
ガクンガクンと腰が跳ね上がったかと思うと、ふっと力が抜ける。
生まれて初めての、女の絶頂を迎えた瞬間だった。
◆◆◆
その日からしばらくのことは、あまり覚えていない。とにかく自慰行為に溺れていたと思う。一日中だって続けていられそうなほど気持ちよかったし、他にできることもなかった。
『あくゥっ……♡ あっ……あっ……あぁぁっ……!』
ひたすら自分で慰めているうちに、段々とコツをつかんできたように思う。
まずはじめに陰核を指でつまむことから始めるのだが、この時はゆっくりとやさしく触れなければいけない。
『強くもダメ、速くもダメ……』
爪で傷付けないように気をつけながら、そっと
『そっと、ゆっくり……』
自分に暗示をかけるように唱えながら、指を上下に動かす。決して急がない。優しく触れるだけだ。それが気持ちよくなるためには一番大切だということを、わたくしは身につけたのだから。
『っ、ん、ん……♡』
もちろんすぐに慣れるわけじゃない。まだ数回しか試していないけれど、いまだに少し怖い。だけど気持ちいいことはしたいし、そのために努力するのは楽しい。
『やっ……はぁッ、あんっ♡ あっ、はぁンッ!! ♡』
わたくしは次第に動物になっていった。やめられなかった。一度覚えた快感を手放せず、何度も絶頂を繰り返した。
食事と排泄の時間を除いては、ずっとしていたかもしれない。
総統とセクレトルーは、余韻で全身を赤く染めたわたくしを優しく介抱し、食事を与え、排泄させ、猫なで声で
『トワイライトは、ご飯が食べられてえらいね。たくさんオナニーできて、いい子だ』
『きちんとトイレができるペットは珍しいのですよ? ご褒美に頭を
と言って頭を
わたくしは睡眠不足で意識が曖昧になっていて、早く自慰がしたくて、したくてしたくて、
『はやくっ、はやく終わらせて……っ! アソコをいじらせてぇ……っ!! もう我慢できないのぉ……っ!!!』
と、懇願する始末だった。
◆◆◆
そうやって堕落していく生活が続き、一週間以上が経過した頃だろうか。
『ぅっ、んぅう゛っ♡ なっ、なんですっ?! ああぁあっっ!!!』
突然のことだった。目覚めた時、わたくしの体内には総統が侵入していたのだ。
仰向けの状態で脚を持ち上げられ、大きく股を開いた体勢でむき出しの粘膜をこすり付けられる。
それは全く予期せぬ事態であり、痛みのあまり悲鳴を上げてしまう──はずだった。
『あッ♡♡ あんっ、ああぁああぁっっ!!! おっきぃ……大きい……っ♡ 太い……っ♡ 硬い……っ♡』
それは、大きくて太くて硬くて熱くて、気持ちよかった。体の中いっぱいにみっちりと詰まっていて、ドクンドクンと脈打ちながら刺激を送り込んでくる。
痛いなんてことはなく、ただただ気持ちいいだけの感覚。あまりの快感に腰をくねらせてしまうほどだった。
『……お目覚めかい、トワイライト』
『っ、あ……っ、う……総統……っ、なにを……っ、どうしてっ……わたくしの中に……っ……っうあ……っ、あひぃ……♡』
言葉を発するたび、下半身がズクズクと
『何も気にせずに、楽しめばいい。ほら……』
ゾリゾリと
だが、決して不快ではない。むしろ逆だ。ゾクゾクするような甘い快感が背中を駆け抜けてゆく。
まるで毒を流し込まれているみたいだと思った。きっと体だけでなく脳までも侵されていたのだろう。
『あっあっあっあっあっあっ!!!』
ずちゅっ、ずちゅちゅっ。ぬちゃっ、ぐちょっ、ぬちっ。ぱこっ、パコッ、パコォッッ。
激しい抽送運動で体の奥を突かれると、目の前に火花が散ったように感じるほどの快楽を覚えた。無理やり犯されて、嫌でたまらないはずなのに、嫌悪感さえも心地よくなってしまう。
『はぁんっ、ああっ、あっ、はぁっ、あん、あぁ、はぁん、はああぁっ』
『オナニーばっかりさせてごめんな。これからは、俺が毎日抱いてやるからな』
そう言うと彼は腰の動きを止め、ゆっくりとペニスを引き抜いてゆく。
『……えっ、ま、待……っ』
待って、と言いそうになり、自分でも驚くほど切羽詰まった声になることに気づく。待てとはどういうことなのだろう。何を期待していたのだろう。
分からないまま混乱していると、陰茎の先端が入り口に引っかかったところで止まった。そして、一気に奥まで突き入れられた。
ばつん! と大きな音がした気がした。
『──────!!』
子宮口に亀頭が当たった瞬間、頭の中で白い光が弾けたような気がした。
体が弓なりに反り返り、顎が天を向く。
全身が硬直して動けなくなる。
視界がチカチカと明滅する。
頭が真っ白になって何も考えられなくなるほどの快感。初めて性交で達したのだ、そう知ったのは数秒後のことだった。
(あ……っ♡ これが、男と女の……)
『ほら、続けるぞ?』
ガクガクと
『あ゛っ……………… あ~~~~っ♡
あ゛っ………………あ~~~っ♡』
喉から漏れる声は甘くとろけていて、聞くに耐えない淫猥なものだった。
いやらしく体をくねらせながら、恥ずかしさのあまり死んでしまいたくなる。
なのに引き抜かれる時の寂しさと喪失感ときたらどうだろう。
次の瞬間、再び突き入れられる時の幸福感と言ったら!
『あふっ♡ あふぅぅ♡ あ゛~~~~~っっっ♡♡♡』
もはや獣じみた叫び声をあげながら、腰を振っていた。
とにかく気持ちよかった。
とにかく気持ちがよかった。
『ふぁッ♡ お゛ッ♡ おおぉおおぉっ♡♡』
(行かないで、離れないで、もっと突いて……あっ、あっ、また入ってきてくれた、熱くて大きくて
自慰や陰核での絶頂とは比べ物にもならない、まだ幼い身体が甘く蕩けるような法悦。
熱い肉のかたまりが何度も何度も出入りするたび、気が狂いそうなほどに感じてしまう。
『ふふふ、どうですかトワイライト。これが支配者様のペニスです。素晴らしいでしょう』
『はっ、はいぃっ、とっても、とても、すてき、ですぅうっ』
どこからか聞こえてきたセクレトルーの声に、わたくしの口が勝手に答える。信じられないほど甘ったるい、
もっと欲しい。
もっと貫いてほしい。
もっと気持ちよくなりたい。
もっとぐちゃぐちゃにしてほしい。
もっともっと気持ちよくなりたい。
『ひぅ……んっ、あっ、あっ、あぅうう……♡ これ、いい……あっ♡ あっ♡ あっ♡ すごっ、すごいぃぃ……っ♡ これしゅごいっ、ふかいいぃぃ……っ♡』
『はは、俺のチンポにメロメロじゃないか』
『あっ……ちが、ちがう、違うわ……そんなんじゃ……ない……っ……』
『口ではそんなこと言ってても体は正直だなあ』
そう言って笑いながらも、腰の動きは一切緩めない。
大きな掌がふっくら育ったお尻を
そして同時に訪れるのは、どうしようもない安心感。
『あ……あっ……あっ……♡』
『おっぱいを触られると安心するよな? お腹を優しく
耳元で
優しい言葉をかけられるたびに胸の奥がキュンと
安堵感と幸福感に身を委ねながら、何度も何度も女の頂きに達してしまう。
『やっ♡ あふっ、ふわっ、ひゃうん♡♡ やぁ……♡ あぅううぅぅ♡♡♡』
ああ、ダメなのに。
閉じ込められて、管理されて、性処理に使われるような惨めな存在になってしまったというのに。
こんなこと絶対ダメだって思うのに、それなのに体がいうことを聞いてくれない。もっとほしいもっとほしいと貪欲に求めてしまう。
もっといじめてください。
もっと可愛がってください。
もっと激しく突いてください。
もっと気持ち良くしてください。
もっと、もっと、もっと。
『いや、もうだめ、おかしくなる……ッ! これ以上されたら壊れちゃう……!! お願い、許してぇ……っ!!』
涙ながらに懇願しても無駄だった。なぜならわたくしは人間ではなくて、犬だから。飼い主様がペットとして飼ってくださる犬だから。
だから、尊厳なんて考慮されない。女性器が収縮して総統に快感を伝えている限り、ひたすら愛玩動物として可愛がられるより他にない。
(わたくしは、もう、変わってしまった?)
もう以前のわたくしには戻れないんだ。そう思ったら、なぜか胸がキュンと
恥ずべきことだが、これからずっとこの人たちのペットとして飼われることを嬉しく思う自分も確かに存在していたのだ。
『っ! ……んむっ、んっ……♡』
いきなり口付けられ、驚きながらも反射的に舌を絡ませる。
キス。甘いキス。きっと女なら誰でも狂うだろう、甘くて脳を溶かすような淫らな口づけ。
それはわたくしにとっても例外ではなく、すぐに夢中になってしまう。唾液を
『んぅ……ぷはっ……はぁ……♡ んぅ……ちゅぱ……くちゅっ、れる……んぅう~っ♡』
気づけば自分から求めるように首を伸ばしていた。舌を伸ばすと優しく吸われて背中が震えた。くちゅくちゅといういやらしい水音を聞いているだけでドキドキしてしまう。
「ん、ちゅっ……♡ ぷぁっ……あン……っ」
お互いの唇が離れる時、二人の間につうっと糸が引くのが見える。まるで離れたくないと主張しているみたいで、思わずわたくしからキスをした。
『んっ、ちゅっ、ちゅっ、ちゅうっ、んっ、んっ、んっ』
ちゅっちゅっと音を立てて何度もついばみ合ううちに、自然と頬が緩んでくるのが分かった。
快楽を与えてくれる男性とキスをするのは、こんなにも嬉しくて心地よいものなのか。
ああ、なんて幸せなんだろう。まるで夢の中にいるみたい。
『ん、ぁむ……んんっ♡ はふっ、んむぅ♡ はーッ♡ はーっ♡ はぁああ~~~っっ♡♡』
ふわふわとした気分で彼にしがみつくと、ぎゅっと強く抱きしめ返された。そしてそのまま下半身を動かし始める。
ぱちゅっ、ぱちゅっ、ぱちゅっ、ぱちゅっ。
リズミカルで小気味よいピストン運動が始まると、たちまち思考が麻痺していく。
気持ちいい。気持ちいい。気持ちいい。
『あっ、あっ、あっ、あっ、あっ、あっ』
『気持ちいいか? トワイライト、気持ちいいかっ』
『はぃい……気持ちいいです……気持ちいいですぅっ……』
がくがくと
『出すよッ、トワイライト!!』
何も見えないほどの激しい光に包まれて──
そうして気づいた時には、
(ぁ……ぁあ…………出てる……)
下腹部の奥深くまで突き刺さった男根が脈動しているのが分かる。どくんどくんと吐き出される精液が、わたくしという女をいっぱいに満たしてゆく。
熱いものが注がれてゆく感覚がたまらないほど心地よくて、思わずため息が出てしまった。
『はぁ……あああ……♡』
『おふ……まだ出るからな、最後まで……!』
そう言うが早いか、彼はさらに腰の動きを速めた。
どくん、どくん、と脈打つ陰茎からは次々と子種が送り込まれてきていて、すでにわたくしの胎内はドロドロになっていた。
入りきらなかった分が
(すてき……きもちいい……)
下腹部の奥深くにまで届く陰茎の先端に子宮口をぐりぐりとこねくり回されると、多幸感が
『はあぁぁぁぁ…………♡ ぁぁぁ…………♡』
やがてたっぷりと時間をかけて射精が終わると、名残惜しむようにゆっくりと陰茎が引き抜かれていった。
愛液と精液にまみれたソレはとてもいやらしく見えたけれど、それ以上に美しく感じられた。あんなにも太く長くたくましいもので貫かれたのだと思うと、どうしようもなく子宮が
『んんぅ……♡』
そして最後の仕上げとばかりに唇を奪われた瞬間、全身に鳥肌が立った。今までとは比較にならないほどの幸福感で満たされるのを感じたからだ。
(これは恋……? それとも肉欲……?)
そんな疑問が浮かんだけれど、答えを見つける前に思考は溶けて消えた。
今まで感じたこともないような快楽に包まれながら、わたくしはうっとりと微笑む。頭の中はピンク色で塗りつぶされてしまい、何も考えられない。
幸せだ、と思った。こんなに幸せなことがこの世にあっただなんて。知らなかった。
もう何もかもどうでもいい。わたくしはこのままここでずっと暮らしていくんだ。ペットとして可愛がられて、一生を過ごしてゆくのだ。だって今のわたくしには帰る家もないし、頼れる人もいないし、生きる理由もないのだから──。
──どこからか、バイオリンの音色が聞こえてきた。
(大丈夫。大丈夫だよ)
それはまるで、咲き誇る花のように美しかった。
◆◆◆
わたくしはノートを閉じた。性の快楽で塗りつぶされ、夢見るような気持ちで書き上げたその文章は、自分という存在の弱さや醜さをまざまざと見せ付けてくれる。
「まるでわたくしが醜い娼婦のよう……」
書き残しておいてよかった。こうして客観視することで、ようやく己の浅ましさに気付くことができるのだから。
わたくしがこの手記を書き始めて、もう1ヶ月が経った。恥を承知で、時々の正直な気持ちを書き記してきた。
さあ、回想は終わりだ。今日も、この書き出しからペンを走らせよう。
わたくしはトワイライト。
幸福という毒に囚われたシャンティア総統、ユージの心を取り戻そうとしている一人の娘、ただのトワイライト。
総統の寝室に置かれた犬小屋の中で、拾ったノートとペンを使って、日ごと筆を取る。ふかふかの床に正座し、犬小屋の壁にノートを押し付け、ペンを走らせる。
書き出しは、その日の性行為を端的に記す。
今日、初めて口淫をさせられた
今日、鞭で打たれながら犯された
今日、庭園で全裸で散歩させられた
今日、総統との性行為を撮影されていた
今日、総統との性交渉の映像を見せられた
今日、生まれて初めて尻の穴をなめられた
今日、口淫で総統を射精させることに成功した
今日、セクレトルーの前で自慰行為を強要された
今日、脚で陰茎を刺激して、精液を吐き出させた
今日、衆人環視の中、口で奉仕させられる恥辱を受けた
今日、首輪をつけられて四つんばいになったところを鞭で打たれた
今日、……
「ん……んん……」
ふしだらな内容を記すうち、下半身が熱くなってきた。
ただ、今日は耐えられそうだ。昼間、総統にたっぷり犯されたばかりだから。
その後、自分の心情や感想、そしてその後の分析を記していく。
今日はこんなことがあった。こんなことをされた。
つらかった。恥ずかしかった。
嬉しかった。愛おしいと感じた。
なぜこのような事をしているのか。
自分は何をしているのか。
どうしてそう感じるのか。
ある日の記録はこうだ。
今日は、総統から口淫を褒められた。彼が言うには、わたくしは唇の動きがとても上手いらしい。特に亀頭と竿部分の段差に吸い付くのが得意だと褒められた。一方で、舌の動きはまだまだだと。
セクレトルーが手本を見せてくれたのだが、彼女の舌使いは本当にすごい。舌を細く尖らせて鈴口をくすぐる動き、竿部分を舐め回す動作、それからカリ首を集中的に責めるやり方も全て完璧にマスターしていた。
それに比べてわたくしは力加減が苦手で、ついつい歯を当ててしまっている。教えを請うと、彼女は目を丸くして驚いていた。
この時は口淫、つまりフェラチオを習得しようと頑張っていたのだと記憶している。
次の日の記録はこうだ。
今日は、セクレトルーに裏筋の舐め方を教わった。舌でなぞる時、先端に向かって少しずつスライドさせるようにすると上手くいくらしい。でもなかなかうまくできなくて、彼女に笑われてしまった。
それでもどうにかしようと頑張っていると、セクレトルーにたしなめられてしまった。焦る必要はありませんと言われ、頭や背中を
このページには続きがある。
今日の指導内容をここに書き留める。セクレトルーいわく、
(1)舌でなぞる時、先端に向かって少しずつスライドさせるようにする。
(2)根元まで
(3)頬の裏側を、亀頭でこするようにする。
(4)裏スジを舌先で細かく弾く。など
それから少し経った日には、このような記録が残されている。
今日も、セクレトルーに指導を受ける。昨日よりも上手くできたと思う。彼女は皮肉屋だが、案外と指導熱心でもあるようだ。わたくしは、ついついこのノートを見せてしまった。
彼女は一瞬顔を強張らせたあと、『支配者様に、よりよい奉仕をするためですか?』と言った。
わたくしはその通りだと答えた。嘘ではないが、真実でもない。本当の目的は、彼女の支配者様を一人の人間に戻すことだ。騙すようで、心苦しかった。でも……
このように自分なりに分析し、考察し、そして結論まで記録する。
その一連の流れが大切なのだ。この手記はわたくしが自分を見失わないための、そして彼の心を取り戻すための大切な武器なのだから。
「トワイライト」
コンコンと、犬小屋の壁をノックする音がした。
(続く)