サリアとサイレンスがイチャイチャ(意味深)するだけの話 作:駄馬
なお、この小説内の描写は、現実のソレと乖離している場合があります。
その発端は、ふとした気付きだった。
任務が終わり、汗を流した後のサリア。
その姿に、最近出来たばかりの新しい傷を見つけたのだ。
瞬間、ズキリと痛んだ胸を押さえ、私はそっとその傷へと手を伸ばした……ハズだった。
「何をしている?」
サリアから私に向けられたその言葉にハッとして我に返ると、どうやら私は無意識にサリアを押し倒していたらしい。
らしいというのは自分でも自覚がなく、しかし実際にベッドへとサリアを押し倒していた事実から導いた憶測。
憶測としたのは私がそんな行動を無意識に取るとは自分では考えられなかったからで、だからと言って今私の体の下にいるサリアにその事が伝わるかといえば当然無理。
だからこそ、サリアの口から何か言われるかもしれないと身構えた。
――が、
「最近構ってやれなかったからな」
その口から出てきた言葉は、私の行動に理解を示した言葉であり。
さらには、その言葉の後で私の頭を優しく撫で始める。
そんなサリアの優しい手つきと、押し倒して密着した体の温かさに安堵を覚えると、ようやく脳が冷静になったらしく急に恥ずかしくなってきた。
……だから、その恥ずかしさを紛らわす為に。
サリアの唇に、私の唇を押し付けた。
これ以上何か言われる前に。その口を開かないように。
けれど、唇を塞がれたサリアは、一瞬だけ驚いたように息を飲んだ後、しょうがない奴だとでも言いたげに。
私の頭を撫でていた手を、後頭部へと移動させ。
私から始めたキスを、私の意志で終わらせないようにその手に力を籠める。
本来は、私は力ではサリアに太刀打ちなど出来ない。
わずかに力を込める。ただそれだけの行為で、こうして顔を引き、唇を離せなくなるくらいには力の差は歴然だ。
なのに、サリアは今もまだ、私に押し倒されたままだ。
それは、私に気を許しているという証。
全幅の信頼の表れだ。
――なら、
「~~~~っ!!?」
どうせならと唇を割って舌を侵入させようとすると、待ってましたとばかりにサリアの舌が私を出迎えた。
不意を突かれ、反射で引っ込めようとしたが、逃さないと強く吸いつかれ。
舌は絡み、モゴモゴと私の声にならない声が辺りに漏れる。
サリアの舌はいやらしく絡みつき、時には先端で、側面で、まるで、感触を楽しむかのように私の舌を蹂躙していく。
作られる唾液は、私の舌を逃さないように定期的に吸い付くサリアに出てくるたびに啜られて。
息が苦しくなって、顔を振って無理やり唇を引き剝がして呼吸をするも、
「ぷはっ……むぐっ!?」
直ぐに後頭部の手によって再度サリアの唇と密着することを強要される。
水の音と、私とサリアの荒い呼吸音。
それらだけが響く空間で、気が付けば私はサリアに対面座位で抱きしめられていた。
驚くほどにあっさりと。
押し倒してサリアに乗り、優位を保っていた筈の私は、そのサリアによって優位性を無いものとされ。
それは、力で敵わないサリアに主導権が移ったことを意味し、そうしてゆっくりと私の背中がベッドへと押し付けられる。
「ふふ、ひどく緩んだ顔をしているぞ」
唇が離れ、やっと胸いっぱいに空気が吸えた私に向かい、私の顔を覗いたサリアはそんなことを言う。
「見ないで……」
恥ずかしさを誤魔化す為のこちらから始めたキスは、より恥ずかしさを増してサリアによって終わりを告げる。
そんな恥ずかしさから隠れるように、手で顔を覆おうとすると、
「隠すな」
と言われ、両手を片手一本でまとめて抑えられてしまう。
ベッドに押し倒され、両手は頭の上で押さえられ。
この上なく無防備な状態とされ、サリアは……、
「ちゅ」
今度はサリアから、唇を重ねてきた。
わざと唇を尖らせてバードキスをしたり、舌のほんの先端だけを入れ、私にそれを舐めさせたり。
お互いの舌下へと滑り込ませ、生唾を交換したり。
耳へと届く水音に酔いそうなほどに、サリアと二人だけの接吻を大いに楽しんだ。
「サイレンス……素敵だ」
ぞくり。と、背筋が震えた。
驚くほどに優しく囁いたサリアのソレは、私の脳内で反響し、私の脳を犯していく。
「サリ……ア……」
私も、と言おうとすれど、私の口から洩れるのは空気のみ。
サリアに溶かされ、ぐしゃぐしゃになった私は……。
「ふぅー」
「ひゃっ////」
そっと耳に吐息をかけられ、思考が真っ白に染まった。
「サイレンス……触るぞ」
ぼんやりとする意識の中、そう言われて一瞬迷う。
どこを? 何で?
けれど、私の下半身へと伸びるサリアの手の気配を感じ、咄嗟に。
「ダメッ!」
と。
拒絶では……ない。けれど……だけど。
今は……触られたくない。ただ、それだけで、私へと伸びるサリアの手を掴んで……止めた。
だが、
「止めていいのか?」
視界一杯を塞ぐように、私の顔を覗き込みながら。
それが私の本心か? とサリアは問う。
「本当に止めていいのか?」
それで私は満足なのか? と。
そして、私の口から、私自身が、サリアに触られることを懇願するように促した。
お腹が疼く。喉が渇き、視界が狭まり、一層視界のサリアが大きくなる。
「さ……触って……欲しい」
サリアの動きに合わせて閉じた太ももを恐る恐る開き、サリアの手を掴んでいる力を抜き、ゆっくりと目を閉じる。
触って欲しいけど、キスも欲しい。
そう言葉にはせず、ねだった私に、
「んちゅ」
唇が、押し当てられた。
と同時に、ベッドへと投げ出していた私の手を取り、指を絡めて握りしめ。
下半身へと伸ばされた手は、下着の上から割れ目をなぞる。
あぁ……きっとサリアはすでにそこが濡れていることに気が付いただろう。
だからさっき私が止めたと理解しただろう。
恥ずかしいからと止めたはずが、サリアによって自分から促したことになった。
恥ずかしい。とても恥ずかしい。
……けど、舌に絡むサリアの舌が。
私の指を絡めて離さない手が。
ゆっくり、優しく割れ目を往復する指が。
――最高に心地いい。
「ぷはっ……んちゅ////」
その心地よさをもっと味わうため。
呼吸をするために少しだけ離すとき以外は、唇は常に密着して。
そうして時間が経つにつれ、私は、ゆっくりじんわりと下半身から登ってくる刺激では物足りなくなってしまう。
直に、もっと激しく。
そう思っても、サリアの手は変わらず優しくゆっくりで。
段々ともどかしさを覚えてくると……。
「サイレンス、気付いているか?」
サリアは、突然、キスを中断して私に声をかけた。
「なに……が」
荒々しい息のままそう口にすると、サリアはふっと笑い、
「さっきから腰を振っているぞ。いやらしいな」
そう私の耳元で囁いて、また息を吹きかける。
全身を抜ける電流に呼吸が止まり、思わず体が硬直する。
「少しだけ、強くするぞ」
私の状況にお構いなくそう宣言したサリアは、私の割れ目をなぞっていた指を少しだけ移動させると、
「ひっ////」
私の固くなった豆を、下着越しに軽く引っ掻いた。
先程とは違う、強く、鋭い刺激に思わず体は丸まり、サリアの肩に縋って首を振る。
求めていた刺激よりも強い、と。
もう少し優しく、と。
……けれど、
「目に涙を浮かべて……。そんなに嬉しかったか?」
私の意志を知ってか知らずか、意地悪な笑みでそう呟いたサリアは、私が抗議の声を上げられないように唇を塞ぎ。
下着越しに豆を引っ掻き、時には指の腹で撫で、時には押しつぶし。
その刺激のたびに声を上げ、身をよじり、視界で白い火花がチラついて。
都合何度果てたか自分ではわからない。
……もはや体に力は入らず、ベッドに放り出された私は。
「脱がすぞ」
と宣言して私の服をはだけさせるサリアに対し、何の抵抗も出来ないのだった。